イナズマイレブン ~『必殺技』に憧れて~   作:@ドラゴン

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なんとか1ヶ月以内に投稿出来たか……?

趣味が執筆一本の方もですが、それとは別の趣味も持ってて仕事と共に並立させてる方ってホントに凄いよなぁ、って思います。


EXTELLA LINK、NEWガンブレとやりたいゲームが続々出そうな中、ゼノをやっと倒したばかり……ジョーとかマムやりたかった……

来週のぐだイベだってあるのにどうしようか
取り敢えず人斬り以蔵は宝具5にしたい。やっぱ和鯖ってええわぁ……



無駄話は此処まで


今週に入ってからお気に入り件数の伸びがあって驚きました。何かあったかなぁ?

感想・お気に入り、ありがとうございます!

たけもこ様、誤字報告感謝です!


番外編 世界への挑戦ver.リローデッド 後編

 

 

 

ポン…ポン…と随分遠くにあるボールの弾む音が聞こえる、そう錯覚させる程にスタジアムはひどく静まりかえっていた。

それは長く続かず何処かからざわざわとした声がすれば、それは瞬く間に会場全体へ伝播しやがてドッ!と洪水の様に歓声が溢れ出す。

 

 

 

〈決まったぁぁぁああ!先制は我らが日本、雷門中!!

天願の超ロングシュートから繋ぐ円堂・豪炎寺・鬼道のシュートチェインが炸裂、バルセロナ・オーブGKアロンソの必殺技を打ち砕いたーーー!!!

 

それにしても何と目まぐるしい展開でしょう!?

息をつく間もない攻防の切り替わり、試合開始直後とは思えない怒涛の動きは観客を置き去りにする程だーーー!〉

 

興奮冷めやらぬといった様子の解説の放送が終わり、尚一段とボルテージが盛り上がる。

 

「やったな、天願!」

 

「イナズマブレイクが止められた時はヒヤッとしたけどな」

世界への緒戦、その第一点目に貢献し且つ会場の雰囲気に当てられ、仲間からの称賛も受けて気分を高揚させた俺はつい呟いてしまったのだ。

 

「おお!真っ直ぐ飛んで良かったぜ!」

 

「ん?」

 

「えっ」

 

「それって……あ」

 

口に出してから空気が一変した事に気付いたがもう遅い。

微妙な雰囲気の中、今の失言をどう言い直そうか悩んでいた俺は背後に迫る気配と皆の意識がそちらに移っていることに気付けなかった……!

 

「ほう?」

 

ポン、と肩に手を置かれる。

 

「なぁ天願」

 

特に力も入っていないはずのそれがやけに重く感じるのは何故だろう。

 

「どういう事か」

 

ギギギ…と錆び付いた機械の様に鈍い動きで振り向く。

 

「詳しく聞かせて貰えるんだろうな?」

 

ヒエッ……鬼道お前、初めて練習試合した時並に邪悪な顔しとるで?

 

試合の勝敗によらず、鬼道の説教が確定した瞬間である。

 

 

一方、皆は触らぬ神に祟りなしとばかりに俺達に触れる事なく話し合っていた。

 

「通りで低い位置に来た訳だ」

 

「皇帝ペンギンを初めてやる組み合わせにチェインするシュートの速さも相まって、上手く行ったのってホント奇跡だよなぁ」

 

「キャプテン達が焦ってたの気のせいじゃなかったんですね……」

 

「『ザケルガ』のオーバーライドの特訓してたけどよ、いきなりあんなのが来りゃ……」

 

「ま、良いじゃないの。過程はどうあれ先制獲れたって事で!

それはそうと……」

 

「ああ。この試合どう見る」

 

豪炎寺の一言を皮切りに空気が引き締まり、その問いに鬼道が応じる。

 

「さっきのプレーで皆気付いたとは思うが、敵は個人技から連携まで全ての面で俺達を上回っている。

特に今までに戦った相手と一線を画すあの連携。

ボールを奪われたが最後、取り返すのは極めて困難と見ていいだろうな。

それに……天願、相手と俺達の能力差はどう見る」

 

ん?俺に聞くのか。

 

「つっても現状、大分手ぇ抜かれてるしな……。

全力を出しきった末でギリ追い縋れる…って所か」

 

「それは加減をされた上でか?」

 

「相手の平常の動き想定してだな。

ま、推測に過ぎない分あてにならんが…」

 

一度周囲を見渡しそこで話を打ち切る。

相手の平常と此方の全力が同等、それは全力を出されれば到底太刀打ち出来ない事を意味している。

 

「お前自身ならどうだ?」

 

「わかんねぇな。

相手の全力を見ないことには何も言えねぇ」

 

そう言った途端、主に一年組を中心にした驚愕の叫びがあがる。

 

「なっ……!」

 

「天願さんでもダメっすか!?」

 

「仮に上回れたとして、それが奴等の高度な連携の前でどれ程の意味を為すか……」

 

「勝ちの目は薄い、だがチャンスが全くない訳じゃない!」

 

「壁が高い程燃えてくる……皆、全力でぶつかっていくぞ!」

 

「「「おお!!!」」」

 

 

 

~その頃ベンチでは~

 

「ふぅー、ヒヤッとしたけど何とか凌いだか」

 

「これが世界、やっぱり強い………!」

 

「…………でも、先制は獲れた。これなら………」

 

「そうだね、皆だって負けてない!」

 

「はい!この調子でいけば――――「それは無理だ」え?」

 

危うい場面こそあったものの、何とか立て直し得点まで漕ぎ着けた事に安堵し勝利への希望を見い出した所へ水を差される。

 

「響監督?それはどういう……」

 

「この試合は現実を、日本と世界の歴然とした実力差を知る為のものだった。

俺の見立てじゃアイツらには万に一つたりともチャンスは無かった……筈だったんだがな。

 

……天願、いや雷門を見くびっていたな」

 

 

そこで一度言葉を打ちきった響はニッと口角を吊り上げ

 

「―――――嬉しい誤算だ。

アイツら、世界の足元には及んでいたらしい!」

 

獰猛に見える笑みを浮かべてそう言った。

 

 

~~~~~~

 

バルセロナ・オーブのボールで試合が再開、すかさずボールを奪いに行く雷門だが

 

「クソッ、やっぱり速い!」

 

「いや、これはさっき以上に――」

 

「止められない……!」

 

雷門の必死のディフェンスをいとも容易く抜き去り、あっという間にゴールまで辿り着かれてしまう。

 

一対一となった円堂にバルセロナ・オーブのシュートが迫る。

 

「『マジン・ザ・ハンド』!」

 

シュートは魔神が突き出した手に阻まれ、円堂の手中に収まった。

 

「まだ手がビリビリする、こんなシュート初めてだ……!

いくぞ皆、反撃だぁッ!」

 

ボールを受け取った風丸は

 

「(一度ボールを持たせたらロクに手出しが出来なくなる、なら―――)奪われる前に『疾風ダッシュ』!」

 

直ぐ様必殺技を使いゴール付近にいた相手から距離を取る。

しかし、その距離すら直ぐに埋められたトランシーに……

 

「させないでやんす『スピニングカット』!」

 

栗松からその動きを止めんと空色の刃を放つも軽い動作で躱された。

だが、風丸が染岡にボールを繋げるのにはその僅かな時間で十分だった。

 

「喰らえ!ドラゴンクラァァッシュ!!」

 

〈FWの染岡までボールが繋がったぁ!

染岡の『ドラゴンクラッシュ』は……豪炎寺の元へ!

ドラゴントルネ―――いや違う!これは……〉

 

「やっちまえ、豪炎寺!」

 

「出し惜しみは無しだ!

【琰魔竜 レッド・デーモン】!」

 

「ああ?!」

 

「なんだこれは……!?」

 

「日本はこんな力を持っていたのか。

まさか2度も驚く事にはなるとは」

 

世界には化身の存在が無かったのか、豪炎寺の背後に現れた炎の竜を見たバルセロナ・オーブ、そのサポーターにどよめきが起きる。

 

「『極獄の裁き(アブソリュート・ヘル・ジャッジィィィッ)!!!』」

 

青き竜は獄炎を受け、その身を紅く染め上げるに留まらず、身体そのものを炎へと転じさせる。

 

「ドラゴンクラッシュの力が加わった豪炎寺さんの化身シュートなら!」

 

「いっけぇぇぇ!」

 

それを、バルセロナ・オーブか黙って見過ごす筈が無い。

 

「「でりゃああああ!!!」」

 

DFのフェデリコとグレゴリオの二人がボールを蹴り掛かるが、流石に蹴り返すには至らず二人は弾かれた。

 

「不味い、下がるぞ!」

 

途端、その様子を見ていた天願が踵を返し、守備を固めるよう呼び掛ける。

 

「天願?まさか!?」

 

いち早くその意を察したのは鬼道。

もしやとは思いつつも、周囲へ指示を出しこれからに備え始める。

 

そして―――

 

「『未完の尖塔』!」

 

アロンソの必殺技と燃え盛るシュートが激しくぶつかり合う。

炎の竜は塔を形作る外壁に牙を突き立て、その熱で以て砕き、溶かし、亀裂を深めていくが……

 

「嘘だろ……?」

 

「3人がかりとはいえ、技を使ったのはGKだけだぞ!?」

 

「気持ちは分かるが落ち着け!反撃が来るぞ!」

 

ついぞ崩しきる事は敵わず、火の竜をその身を儚く散らしていった。

 

 

〈と、止めた……GKアロンソ!必殺技と化身技のシュートチェインという恐るべき威力のシュートを見事、止めきってみせましたーーー!!!〉

 

 

皆の気持ちもよく分かる。

化身技は基本的に強力無比で対抗するには同じく化身技か、そうでなければ必殺技を何重にも重ねるしかない。

アロンソと豪炎寺の一騎討ちならば此方に分があっただろう、しかしその前に入ったブロックがこの結果を作り上げた。

それでも、必殺技でもないブロックであそこまで威力を落とされるとは思わなかったが。

 

 

「『スピニングカット』!」

 

「『キラースライド』!」

 

「『フレイムダンス』!」

 

敵の攻撃を止めに必殺技を次々と繰り出していくが、あるものは簡単に躱され、またあるものはまるで堪えておらず、動きを止めることすら敵わない。

すると、何を考えたかゴール前で立ち止まったキャプテンのクラリオに、それを見たバルセロナ・オーブのメンバーもまた立ち止まる。

 

 

「何だ……?」

 

「ここに来て止まった?」

 

常に動き続け隙らしい隙を見せなかった相手が突如動きを止めた事に困惑する雷門。

それを他所にクラリオの視線はゴールにのみ向けられていた。

 

「今度は、此方の手番といこう」

 

「――ッ!?円堂ォォォ!!!!」

 

その仕草・言動から次の取る行動を悟った天願が警鐘を鳴らす。

 

「わかってる!【魔神 グレイト】!」

 

円堂も同じ思いを抱いたのだろう、焦りを多分に孕んだ天願の言葉が届く前に行動を起こしていた。

 

「やはり使えるのか。

では、全力でいくとしよう―――『ダイヤモンドレイ』」

クラリオがボールを削る様に一閃。

それに連なって光の線が宝石のカッティングの如く刻まれ、回数を重ねる毎にボールから放たれる光量と純度を増していく。

その煌めきが最大まで達した時、足裏全体で押し込む様に蹴り出された。

一切のブレ無く凄まじい速度で突き奔る極光と

 

「グレイト・ザ・ハンドォォォ!!!」

 

――――――魔神の豪腕が激突する!

 

 

燦然と輝く金剛石はその光を鈍らせ、荒々しき魔神はその存在を薄れさせていく。

 

やがて、何かが砕けるような硬質な音がフィールドに響き渡り……

 

 

〈なんという………何という熾烈な戦い!

両チームのキャプテン同士が織り成す全力の打つかり合い、それを制したのは――――雷門中、円堂守だぁぁぁ!!!!〉

 

スタジアムは得点の時以上の盛り上がりを見せ、実況のアナウンスすら霞ませる。

そんな音の洪水に紛れ甲高い笛の様な音が聞こえたのに気付き、審判に目を向けると真っ直ぐ手を挙げているのが見えた。

前半は終了らしい。この大歓声と先程の凄烈な一騎討ちに呑まれ、フィールド上の選手―――特に雷門側は―――は気付けていないが。

 

アイツもそうなのだろうと思い、未だ右手を突き出しボールを握り締めたその姿勢を解かない円堂に声を掛けようとして―――「天願、世界ってすげぇな」

 

キラキラと目を輝かせて楽しそうに笑う、その()()()()()の姿を見て

 

「ったく、敵わねぇなぁ……」

 

思わず、そんな言葉を漏らしていた。

 

「ん?なんか言ったか?

周りの音が凄くて全然聞こえない!」

 

「別に、何も言ってねぇよ。

んな事よりもう前半終わってんだ、さっさと戻るぞ」

 

「ええっ!?いつ鳴った?全然気付かなかった!」

 

はい?

 

いやお前、続行だったら6秒ルール取られんだろ……

 

 

 

~~~~~~~

 

 

後半が始まる。

ハーフタイムでの作戦会議に様々な意見が出されたが全ての面において大きく差をつけられている以上、殆どの案が棄却された。

残ったのも俺達が全快の状態なら或いは、といった物ばかりで、休みなく全力で動き続けた上、必殺技や化身を繰り出した皆にはそれを遂行するだけの体力など望むべくもなかった。

 

後半始まって直ぐにバルセロナ・オーブの猛攻が繰り広げられ、前半より動きの悪い雷門がそれを止められる筈もなく容易くシュートに持ち込まれてしまう。

 

1回目は円堂の『グレイト・ザ・ハンド』

続く2,3回目は俺の化身で対処、4回目は豪炎寺が化身技で打ち返しどうにか守れた。

5回目は3人が化身を出せはしたが技までは使えず、それでも3人がかりで何とか抑えこんだ。

 

―――それが限界だった。

それ以降は化身はおろか必殺技すら出せずに得点を重ねてられていき……

 

 

5-1

 

 

 

 

「ハァ………ハァ………皆、やれるか?」

 

「時間がない――これが、ラストプレーだ!」

 

「でももう無理っす……」

 

「ああ……とっくの昔に限界だ……!」

 

最後のワンプレーを全うしようにも、そんな体力など残っておらず諦観の念が場に満ちていく。

 

 

そこへ

 

「諦めるな!最後の一点、これだけは守るぞ!」

 

陰鬱な空気を一蹴する様に円堂が声を張り上げる。

 

(そうだよな、お前が諦める筈がねぇよな!)

 

「キャプテン……」

 

「でもどうやって――――「1つだけ、考えがある」

……天願?」

 

「最後にもういっぺん、一泡吹かせてやりたくねぇか?」

 

「……やれるのか」

 

なんとか大技を1度放てるだけのスタミナが回復した。

けれど―――

 

「俺独りなら無理だ。

だから、お前らの力を貸してくれ」

 

「はっ、言われる迄もない……!」

 

「やるならとことんまでだ!」

 

「よし―――やるぞ、皆ぁ!」

 

「「「おお!!!」」」

 

 

ここに来て折れるどころかここ一番の闘志を燃やす雷門に予想外だと目をみはるバルセロナ・オーブ。

 

「へぇ、まだやる気なのか、どうするクラリオ?」

 

「つっても、どう来るか大凡の予想はつくけどな」

 

「乗ってみよう。

俺達の想像を超える()()がまた見れるかもしれない」

 

雷門が策を巡らせている、それを織り込んだ上でこの試合何度目ともなるクラリオの『ダイヤモンドレイ』が炸裂する。

 

幾度も技を放ったというのに技のキレは一切衰えず、一点の曇りも無い輝きを放ちながら雷門のゴールへと迫る。

 

その直進方向に立ち塞がった―――

 

「いくぞ、先ずはこれを止めるんだ!」

 

「「ああ!!」」

 

「「「でりゃああああ!!!」」」

 

土門・風丸・一ノ瀬の3人がほんの僅かでもボールの威力を削ぐ為にこの試合に間に合わせて習得した『ザ・フェニックス』で対抗する、が

 

「クソッ!やっぱダメか」

 

「いいさ!最初からこれで止めれるなんて思ってない!」

 

「後は任せたぞ!」

 

それだけでは止めることは出来ない。

しかしその意思を次に託す。

 

 

 

「ああ!壁山、栗松頼んだぞ!」

 

「わかったっす!」

 

「はいでやんす!」

 

「『マジン・ザ・ハンドォォォ!!!』」

 

最後の力を振り絞り『マジン・ザ・ハンド』を繰り出す円堂と、その背中を支える壁山と栗松。

3人の力が合わさりより強大を力を従えた魔神がその掌をボールに打ち付ける。

 

「「「はぁぁぁあああ!!!!」」」

 

2つの技が衝突し、シュートの輝きが潰えると同時に魔神の姿もかき消えた。

ボールにかけられた回転までは消しきれず、円堂の手から零れ落ちてネット側へ転がり……

 

「「――――まだだぁっ!!!」」

 

ラインを超える寸前、豪炎寺と鬼道の足が差し込まれた。

2人はその勢いのまま蹴り出しクリア、ボールは緩やかな弧を描き一気にセンターライン付近まで達したそれを追って1つの人影が跳び上がる。

 

「「「いっけぇぇぇーーー天願!!!」」」

 

「月牙――――――

 

宙高く飛び上がった天願が蒼白の輝きを宿した右脚を振り上げ、踵落としの要領で蹴りつけた。

 

天し「やはり、そう来ると思っていた」―――!?」

 

 

 

 

 

side-天願

 

 

巨大な岩山を動かそうとしている、どれだけ力を込めてもこれ以上進まない脚を見てそんな事を考えた。

 

「パスやドリブルが通じない以上、そちらが得点をする手段はカウンター、それしか残っていないからな」

 

どこまでも冷静に自然体で語るクラリオは本当に力を込めているのか疑わしくなる程に、力んでいる様子など露ほども見えない。

 

 

「あの状態から此処まで繋げたのは素晴らしい―――が、それはそれとして、2度も同じ手を喰らう姿を本国に見せる訳にもいかないのでな、止めさせて貰う」

 

グッとクラリオが力を強めるに連れ、徐々に押し戻されていくのを感じる。

それに連動して脚に宿る燐光は明滅を始め、一度消える毎に弱まっていく。

技が打ち消されるのも最早時間の問題だろう。

――――が、()()()()()()()()()()

 

 

――――ありがとよ

 

 

「?」

 

「アンタが止めに来てくれなきゃ、この作戦は失敗だったろうからな――――はぁぁぁぁああ!!!!!」

 

「これはッ――――技の出力が上昇していく……!」

 

時間が巻き戻るかの如く後退していた分を取り戻す様に少しずつ押し返して行き、同時に数瞬前には淡かった光が美しい月色の輝きを取り戻す。

 

急に力を増した事に瞠目しながらも直ぐに力を強めるクラリオだが、さっきまでの様にいかず焦りを見せ始めた。

 

「最後に一点、獲らせて貰うッ!」

 

今この瞬間にも月牙の威力は上がり、クラリオを押しきる迄あと僅か。

 

 

 

(よしっ!このまま押しきっ

 

「『ダイヤモンドレイ』!!!」――――んなっ!?)

 

 

そんな時、急に脚に掛かる抵抗が大きくなる。

今しがた聞こえた声にハッとしてクラリオを見れば……

 

 

「嘘、だろ……?!

(コイツ、あの態勢から……!)」

 

左脚で無理な姿勢から、しかし確実に技を発動させている奴の姿があった。

これまでと比較にならないパワーで再び押し込まれてしまう。

 

「がっ、あああああ!!!!

まだだッ!アイツらがここまで繋いでくれたんだ……まだ、やれる!!

(なんだ?良く分からんねぇがスゲェ力が出てくる!)」

 

 

「ッ!?まだ、上がって――なんだ、その、姿は?!」

 

「ぜりゃあああぁぁぁぁ!!!」

「ぐ、ぬおぉぉぉおおお!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

他に思考を割く余裕など無かったからだろう。

技の応酬の刹那、自身に起きていた変化に気付く事はついぞ無かった。

 

 

side out

 

 

 

 

 

長く続くかと思われた激突は、思いの外呆気なく()()()()()()

空中で脚を振り下ろした天願、対象的に大きく姿勢を崩したクラリオの2人の姿を見れば一目瞭然だった。

 

 

だというのに、肝心のボールが見当たらない。

皆が一様に周りを見渡そうとしたその直後、静まり帰るフィールドにボゴッ、と何かが凹む様な音が響き渡る。

 

予想だにしない方向から聞こえた音に誰もが視線を向けると、バルセロナ・オーブのゴール、揺らめくネットのその奥の壁に()()残滓を散らしながらボールがめり込んでいた。

 

それが確認されたのに少し遅れて試合終了のホイッスルが鳴り渡る。

 

「な、何だ……どうなったんだ?」

 

「わかんねぇ、ボールを目で追えなかった」

 

「天願がやった……のか?」

 

困惑するプレーヤーや最後のプレーを捉えきれなかった観客へ説明する様に実況の声が轟く。

 

〈試合終了ーーー!

雷門の見せた最後の意地(チームプレー)、その果てに起きたクラリオと天願の一騎討ち!

それを征したのは―――――――天願だぁぁぁ!

目にも留まらぬ漆黒のシュートがゴールネットすらも突き破り、土壇場でゴールを決めたぁぁぁ!!!

 

しかし結果は5-2、この試合の勝者は

 

―――バルセロナ・オーブだぁぁぁ!!!〉

 

 

 

試合の健闘を讃える様に割れんばかりの喝采が沸き上がっている――――筈なのに、それがどこか遠くの出来事の様にまるで耳に入ってこない。

 

倒れ込む様に崩れ落ち荒く息を吐く仕草、呆然として現実を受け入れられない様子、悔しさに顔を歪めるその表情。

 

そんな皆の姿を見てやっと実感した

 

―――――――自らの敗北を。

 

 

 

 

 

 

 

…………そうして俺達(雷門)は、自分たちの弱さを思い知った。

 

 

 

 

 

 

 

 





オーバーライドって4人以上の協力って条件があるかもしれんのか……。
ま、その時はその時で考えればいっか。


今回最後に出したあの要素、書くかどうかギリギリまで悩んだなぁ……
本来なら沖縄で初出の予定だったんだけど、此処で出さなきゃアレス√で出す切欠無くなっちゃうし。




しかしうーん……何て言うかなぁ。
文才もだけど、それ以上に展開力のなさが酷い。
ゴール前から強力シュートで速攻カウンター!これ多過ぎてなぁ。
現実のサッカー見るとか色々勉強しないと……





アニメの新しくリファインされた技、全部良い感じになってきてて嬉しい。
リローデッドのがちょっと残念だっただけなんや……。

アニメといえば風丸がまた闇丸してますね……。
まあ、豪炎寺や鬼道みたいに生粋のサッカープレーヤーでもなかった人が教育側へ、ってのも大分無茶な話か。
FF直前に陸上から転向だから、長くても2ヶ月位だろうし。
とはいえ、精神性位はなぁ……これじゃ何の為の強化委員?ってなってしまう。次話でどうなるのか。


そして伊那国雷門の強さがよくわかんないです。
必殺技持ちも増えて成長してるのは分かるけど、それを踏まえても監督が有能ってイメージしか出てこないし……監督抜きの実力が知りたいところ。




今回の補足

Q.バルセロナ・オーブって5点しか取れなかったの?

A.通常シュートなら全て天願が止めれます。
それを見たオーブ側が必殺技へシフトしていくのですが、化身によって止められた6回と最後の2回、計13回も必殺技を使う事に。

クラリオ以外の他FWが撃ったにしても流石に多いかな?と思っのに加え、アニメで試合中に1選手が5回以上技を使った記憶があまり無く、GO以降は更に(特にGK)技なしで~、といった印象が強い為こうしました。
私が覚えてないだけな気もしますが……。

実際、1試合中に最も多く技を使った選手って誰になるんでしょう?
ジェネシス戦のグラン・立向や、FFIのロココ辺りが凄く連発してたイメージがあるんですが、記憶が朧気で微妙……。


Q.『月牙天衝』って溜めの長い技だったんじゃ?

A.はい、その通りです。
月牙を含めた、化身技に匹敵する威力を有する必殺技は長大な溜めがあっ(隙を晒し)たり、普通の技より消耗が多かったりと何らかの欠点を有します。
現時点では戦国伊賀島戦の『風遁・螺旋手裏剣』、木戸川戦での『X BURNER(イクス バーナー)』等も
これに該当します。

後者2つは何らかの手法で溜め()を減ったとしても威力に然程変化が出ないのに対し、月牙は溜めの時間に比例して威力が変動が起こるもので、実の所一切の予備動作なしに繰り出す事が可能です――――その場合威力はお察しですけど。

敢えて例を挙げるなら、前者がモンハンでいう大剣の溜め斬り、後者がスラアクの属性解放フィニッシュみたいな感じです。

本来なら蹴る前に出力を上げきるこの技を、クラリオと蹴り合いになった状況を利用し、蹴りながら威力を増幅させていきました。

こういった運用も出来る為、月牙はシュートよりもシュートブロックの方が向いてたりします。

まだ斬魄刀の銘も知らぬ一護が大虚(メノス・グランデ)虚閃(セロ)を受けて霊力が解放され初めて月牙を撃った時をイメージしてます。


それはそうと最近、ふと軌跡ss書きたくて仕方ない日が出てくる………なんでだろ?
どうせ書くなら閃Ⅳで物語の全容が判明してからの方が書きやすいし、今書くにしてもイナイレが中途半端になるからする予定はまだないですが。




ご読了、ありがとうございました!




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