騎士と魔術師   作:朱莉

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言葉回しとか表現能力とか欲しいと思った。

誤字はないと思いたい。(一部直しました)




十二話

……

 

 

……ぅん? 

 

 

…こ…こは…ど…こ…だ……? 

 

 

 

体がだるい。まるで鉄になったかのような錯覚に陥る。

自分の体が自分のものではないようなそんな感覚。

 

 

…わた…し……は…どうな…った? 

 

 

寝ているだけではいつまで経っても変わらない。

重たい体に鞭を入れ、赤目を召喚し無理やり起こしてもらう。

 

と、ここで初めて気付く。

起こしてもらうために伸ばしたはずの私の手が私の手ではなかった。

いや違う、正確には私の手が人の手の形をしていないのだ。

まるでミイラのようなボロボロになった私の手……。

 

あぁ…そうか…私は…あのとき……。

 

そうか…不死人か…あの魔法は何かしらの呪いがあってそれに反応したのか…? 

 

いや実体があるだけソウル体よりは楽だが、もし人に私が見られたらどうなる? 

答えは簡単、動く屍など化物の他言われようがない。

ここがどこであれモルモットになると考えるのは容易だ。

それに声も出ないようだしな……。

せめて鎧で隠そう……そうすれば全身を覆えるし、何よりすぐに実行できる。

ついでだから武器も携えておこう、牽制にもなるだろうし。

 

……アルトリウスでも着込もうか。

深淵になじませてもっとボロボロにしよう、脱ぐのも難しいと察してもらえるように……

 

そう思い実行するのに3秒とかからなかった。

 

アルトリウス一式に武器と盾もセットで背中に収めた。

 

……さて、どうしようか……。

見たところ森、森、森…と木々が生い茂る場のおかげで未だ人と会えずにいる。

現状を把握したいし、世界観も見たいので私としては嬉しい限りだが。

 

死後の世界なのか、復帰場所で蘇ったのか、はたまた転送させられたのか……。

それがわかるだけでも行動しやすいのだが。

 

なにより死んだことなどない(当たり前だが)から復帰場所がどこかもわからない、

死後の世界で自由に動ける訳もない、

ならば転送された……と考えるのが妥当だろうか? 

復帰場所のことを考えるよりは幾分かマシだろう。

見覚えがない……という時点でわかりきったことだ。

 

 

 

 

 

 

……して、ここはどこなのだろう? 

 

人もしくは生物など未だ見つけておらず、住処も見当たらない。

鳥の鳴き声…みたいなものは聞こえるから生物がいないわけではなさそうだが……。

 

せめて日付くらいは確認したいものだ。

 

不死人の体など初経験だから動き難い。

強度確認として赤目と本気で打ち合えたから柔い事はないだろう。

ただ慣れない体だから動き難いだけだ。

痛みがないらしいので力加減がわからないのが一番辛い。

 

疲労(肉体的ではなく精神的にだが)を感じ始めた頃にようやく人の喧騒らしき音が聞こえた。

 

車……というわけではないが機械的な音声も感じられる。

 

音を標に先を急ぎ、音の主を視界に納めた私は唖然として立ちつくしてしまった。

 

 

都心のような街並みで佇むそれは私の記憶にあるどの街にも収まらず、

街を走るも見覚えのないものばかりだった。

 

その光景に私は隠れることもせず棒立ちだった。

 

ここが街を見通せるような場所で、

こんな大都市で鎧を着込んだ不審者が隠れることなく棒立ちで、

しかも携えてるだけとはいえ武器を所持している。

 

 

そんなことをすれば……。

 

 

「すいません、武器を携帯しているようですけど…ここに何か用ですか?」

 

 

と、ここを管理している者に見つかるのは容易で、

 

 

「もし都合が悪くなければ少しお時間もらえないでしょうか?」

 

 

遠まわしに「ちょっと署までご同行願えないかな?」と言われるのは当たり前だろう。

人に会えたことに感謝しつつも先ほど考えた武装などあるだけ邪魔になってしまった。

 

鎧は脱げないがせめて武器は邪魔になると思い、背の武器を消そうと触れようとする。

 

が、何も言わずにそんな動作をすれば……。

 

 

「ご同行は無理なんですね」

 

 

とか、勘違いされるのもわかるわけで。

 

 

「では、力尽くでも連れて行きます!」

 

 

せめて頷くくらいはしないとダメだよなぁ……と今更ながら思う私であった。

 

 

 

 

 

 

「なのはちゃん、フェイトちゃん知らん?」

「フェイトちゃんは今日はパトロールって言ってたよ?」

「どうりで。朝からいない思てたんよ」

「あ、はいこれ。FD陣の訓練結果」

「はいよ、受け取りました」

 

 

仕事が一区切り終わっていたのでお茶をしていた時になのはちゃんを捕まえた。

フェイトちゃんは仕事中か……まぁ急いでないからいっか。

 

 

「どうかしたの?連絡しようか?」

「急ぎじゃないから別にかまへんよ」

「そう?」

「ただ、みんなでご飯食べたい思っただけよ」

「そういえばここ最近一緒に食べれてないね」

「そやろ?暇やったらと思てなぁ」

 

 

「昼飯のお誘いなんかで連絡しても困るだけや」そうなのはちゃんに言い聞かせてその話は終わる。

 

《PIPIPIPI》

 

眼前にいきなりディスプレイが写り顔をしかめる。

 

 

「フェイトちゃんから通信?どうしたん?」

『こちらフェイト・T・ハラオウン、武器を携帯した不審者に遭遇、勧告に従わず抵抗の意思有り』

「了解、増援はいりそう?」

『空戦はできないみたい。魔法弾を叩き切るくらいの腕前はある』

「とりあえず手が空いてるの向かわせるわ」

 

 

そう伝え通信は切れた。

 

 

「武装した不審者ねぇ……」

「もしもの時のために出撃準備だけしとくよ」

「うん、そのときは追って連絡するわ」

 

 

一人で管理局員に喧嘩売るとは思えんのやけど……

フェイトちゃんを信用して私もやることするか。

 

 

 

 

 

 

「フォトンランサー!」

 

 

やめてください死んでしまいます。

現在私は全力疾走中です、はい。

管理局現れる→降伏するため武装解除しようとする→勘違いされ戦闘→魔法で攻撃される→今ここ。

 

なんかあの管理局員見覚えある気がするけど、私が知っているその子は私より年下のはずな訳で、

今私の目の前にいるのは私と似たような年齢のようなので違うだろう、

まさか未来にきたとか? 

その可能性は大いにあるだろう。あそこまで顔のパーツが同じでそっくりってだけならそれはもうドッペルゲンガーだろう。

あとはどうやってこちらを示そうか……。

顔を見せようにも今は無理、見せたところで私とわかるものもない。

声も出せない。

じゃあどうやろうか……

 

 

非殺傷設定で攻撃してくれているんだろうけど正直体が無意識に避けます。

自分から痛い目に遭おうなんて思ってないし。

その度に抵抗の余地有りと思われるんだけどさ。

 

相手は空飛べるから相手の方が速いしさ……

……というかバインドで動きを封じてくれよぅ……そうすりゃ痛い目……、

いやその後魔法とか撃たれそうだな……やっぱ避けよう、全力で! 

 

っ?!考え事に集中しすぎて魔法弾が目前にまで迫ってるのに気付かなかった。

 

気付かなかった私が悪い。そう言い聞かせるもやっぱり体は勝手に動くわけで……。

 

 

「!?」

 

 

当たりかけた魔法弾を剣で叩き切るのはしょうがないと思うんだ。

 

 

「…」

 

 

頭に手を当てて……?何してるんだ? 

なんか見覚えあるな、あの仕草……なんだっけ? 

シグナム達があんな仕草をとってたような……。

・ ・ ・ あっ!テレパシーだあれぇ!? 

 

やばい……応援呼ばれる……。

 

 

「最終通告です。降伏するなら武器を捨てて下さい」

 

 

彼女は武器を構えてこちらを睨みつける。

どうしよう。今はまだ一人だけどこれがもし増えたら……指輪で……あ、そうだ指輪だ! 

あの時プレゼントした指輪と同じ物を渡せば……。

丁度もう一度降伏勧告してくれたので剣を地面に突き刺す。

 

それだけで彼女は武器を下げた。

 

そしてそれを確認して私は指輪を投げた。

彼女は軽く片手でそれを受け取り確認する。

 

 

「?!あなた、これをどこで?」

 

 

彼女はそれを見て驚きつつも私に問いかける。

やっぱり見覚えあるのか……なら彼女はフェイトちゃんであってるのか?大きくなったなぁ…………。

っといかん、まだ怪しまれてる段階だ……こちらは敵意がないことを知らせねば……

あ、喋れないんだった……というか赤目出せばいいんじゃ……さっきまでの逃走劇は一体……。

 

 

……というわけで赤目を召喚する。

攻撃の意思はないので武器は携帯させてない。

 

それで彼女の顔は衝撃に染められた。

 

 

「那由多さん、なんですか…?」

 

 

一度頷く、それだけで彼女はまた驚いたようだ。

驚かせてばっかでごめんよ……。

 

 

 

 

 

 

フェイトちゃんから通信があった後、出撃の準備を整えていたらまた通信があった。

簡潔に言えば不審者は投降した、とのこと。

というか通信があってからすぐに二度目の通信が来たから準備もなにもなかったんやけどね。

 

二度目の通信で映像を見たときの私は暫く動けんかった。

だってあれ赤目やろ?フェイトちゃんが言うんに一切喋らんから言質は取れてないらしいんやけど……。

 

今まで何しとったんやろ…というかどうやってここまでこれたんや…? 

 

考えたらキリのない問題が頭に浮かんでは消える。

とりあえず会えばわかるやろ……多分。

 

 

 

 

 

 

フェイトちゃんに連れられ来たのは一言で言えばオフィスビルのような場所だった。

施設として私の知るようなものより数段上だったが。

 

流石に全身鎧で規則とはいえバインドで全身を拘束されてるとなると周囲からの視線は酷いものだったが。

バインドは軽くしてもらっている。強くされたら鎧が剥げると思ってくれての配慮だった。

武器は消さずに背負ったままだったりする。

どうせ抵抗しても魔法を使われた方が速いのだろう、そんなものだ。

通されたのは少し小部屋のような場だった。

機械にしろ魔法にしろ細工が施されているのだろうか、違和感を肌で感じた。(肌なんかないけどさ)

 

 

「では、こちらに居てください。流石に立たせてしまいますが」

 

 

心苦しいのだろうけど私は不審者だ、それで構わない。

一度お辞儀をしてその旨に了承する。

 

 

「っと来ましたよ」

「…あらま、こりゃ執行官なら誰でも不審者と思うわ!」

 

 

来たのは……はやてか?

気配ではあと数人付近に感じられるが見える範囲にはいない。

シャマルのように離れて見ているのだろう。

はやての声色と顔の形は変わらない。背丈は変わっているが……そうか、無事だったか……。

よかった。

 

 

「えっと…バインド解いてもらえん?鎧とか脱がせにくいし」

 

 

フェイトちゃんは頷くと一部のバインドを解く。

抵抗する気は一切ないがそれはそれでいいのだろうか? 

まぁ深く考えるのはよそう、はやてだし。

 

 

「…なんかよからぬこと考えとらん?」

 

 

さぁ?と素知らぬ風態で先を促す。

 

 

「まぁいいか、それで兜脱がすけどかまへん?いやダメ言われても最後には脱がせるんやけどね」

 

 

一応それくらいはしてくれるのか……戸惑いつつではあるが頷く。

はやてなら驚きはすれど察してくれるだろう。なんとなくではあるがそんな気がした。

 

 

「さて、ご開帳~♪……、喋れん理由わかったわ……」

「っ!?」

 

 

はやては軽いノリで私の兜を外し硬直する。

フェイトちゃんに至っては動揺しすぎてバインドがぶれるほどだ。

目があるはずの部分は大きく抉れ、肌があるはずの部分は乾燥した木のように枯れている。

大凡、人の顔を成していない私の顔をみて二人は苦渋に満ちた表情をしていた。

 

私はいてもたってもいられずはやてから兜を回収し被った。

 

 

「あー、うん…どないしよ…文字でも書かせる?」

「…」

「あ、まだ気ぃ失っとるわ」

「…」

「ダメやこれ。だれかーフェイトちゃん運んだってー?」

 

 

はやての言葉のすぐ後に扉から二人の女性がフェイトちゃんを運ぶ。

立ったまま失神とか器用だなー と自分の事ながら余所余所しく見送るのだった。

 

 

 





普通の人とは少し認識が違う主人公。
思考しすぎてドツボにハマる人、そんな感じ。


とりあえずここで一区切りに。

これから暫くはSSを観まくらねば…手持ちの再生機器に倍速再生あれば見直すのも楽なのになぁ……。

一応捕まらないのもいいかな?と思ったけど本気で抵抗する主を書けなかった。


追記)誤字など変更と文章を多少追加しました、読みやすくなっていれば幸いです。
言われてみないと気付かないことってありますなぁ……。
ありがとうございます。
その際に文章を変更・追加しました。
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