お待たせしました。
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あの日以降私ははやてにこっぴどく叱られた。
「やるのは構わんけどやりすぎはよくない」
まさしくその通りで何を言っても言い訳にしかならないので兄としての威厳なんて思考の片隅に追いやって正座で叱りを受けた。勿論あの二人には土下座である。赤目と青目も一緒に謝った。逆効果だった。涙目で逃げ去った。
鎧三人で土下座は流石に怖かった様だ。またそのことでお叱りを受けた。今度はなのはちゃん達を含めて。「今度同じことしたら砲撃するよ」的なことを言われた。なのはちゃん怖い。
流石にそのままではいけないと思い私一人で謝った。土下座ではなく最敬礼で。その際にちゃん呼びは慣れてないので名指しでいいですと言われた。
その後何を思ったかはやては私に同じ事を頼んだ。理由を聞いてみればあの二人もそれに絡んでいたようで怖かったけど普段の訓練では学べないことを大いに学べるから、だそうだ。私としてもこの能力が彼女たちのためになるなら喜ばしいことである。
その事を青目たちに伝えると彼らは本気とはいかないが戦えることを喜んでいた。でも私共々自重することをみんなで誓ったのは言うまでもない。砲撃怖い。
その演習の生徒はあの二人を含めて八人。うち四人は参加というより隅っこで相手を指名しての一騎打ちだ。言わずもがなシグナム達四人である。後はなのはちゃん達が鍛えている子達でスバル、ティアナ、エリオ、キャロの四人だ。エリオとキャロはあの二人の同期でありフェイトちゃんが主立って訓練しているらしい。
あの二人はげんなりとした表情だった。その二人を気遣う様にエリオとキャロが背中を摩っていた。
あの二人の時点で相手としては些か危険と思えたがエリオ達に彼らお相手はどうなのかはやてに聞いてみたら「エリオは男の子だから気にしないでええよ、それよかキャロの相手には竜種で頼むわ」と言われた。私伝でそれを聞いたシースが怒り狂った。ブレスを吐かれた。指輪が砕けた。散々である。なんでこんなことに……。
流石にあの二人の畏怖ぶりに悪いと思い一つはやてに提案した。我ながら戦々恐々とする提案だったが士気的に彼女たちの方が分が悪いと見て。シグナム達は問題ないが。
私が提案したのは「一度だけの座標指定の部隊長からの援護」だった。援護するのは一人、なのはちゃんでも、はやてでも、フェイトちゃんでも良い。但し一回だけの要請だ。
指定するのはスバル達四名の何れか、心に余裕ができる提案だと思う。しかし直接私を狙うのはなしで。なのはちゃんの砲撃一発でも受けたら(精神的にも身体的にも)やばいので。提案は一応通った。使うか使わないかは後にして作戦で織り込む程度らしいが。
使う兵士ははやてに一任した。とりあえず不潔な巨像とヒル溜りはダメらしい。わかる気はする。それ以外はやり過ぎないようにと釘を刺す程度だった。それでいいのだろうか……?
訂正。提案は一つではなかった。勿論こちらは全力で頼み込んだ。結果としては当たり前だから問題にすらしてないと言われた。何を頼んだのかは指輪が砕けたら終了ということだ。それ以上は無理である。
演習の前に私はシグナム達に会うことになった。理由としては対戦相手選別。彼女達はリミッターを自らにかけているようで全盛期の力が出せないようだ。(それでも私より強いが)
だからこそ悩む。リミッターがあるとは言え彼女達(シャマルに関しては不本意そうなので相手をアストラエアにすることにした)はこの時を楽しみにしていたようなので何に相手をさせればいいのだろうか……。
……会うならその時に聞けばいいだけじゃないか? 思考を深くする寸前に気が付いた。なぜそれすら出てこなかったのだろうか。そうと決まればと彼女たちにのもとに向かう足を一段と速く進めた。
『要望などはあるかな?』
「要望ねぇ……あたしとしてはあの骸骨といっぺんやってみてぇかな。あの前転してる奴」
『前転はしないけど赤目の奴でいいかな?』
「魔法耐性上がるんだっけ? ならそっちのほうがいいな」
「私は魔法なしの競合いをしたいのだが……」
『盾の有無は関係なく?』
「あぁ。大きい得物相手でもいい」
『なら彼女にしよう。期待に添えれればいいんだけど』
「構わないさ。早く終われば違う相手を寄越してくれればそれでいい」
「私は――」
『シャマルに関しては一応考えている。戦闘主体ではないから嫌だったら言っておくれ』
「それで大丈夫ですよ」
「私か? 私は……そうだな。格闘主体の奴はいるか?」
『暑苦しくてもいい?』
「構わん」
『物理的にでも?』
「……構わん」
『ありがとう。相手に悩んでいたけれど要望があって助かったよ』
対戦相手を決めるのも難なく終わった。
相手としては『包丁女』『赤目骸骨』『アストラエア』『炎に潜むもの』である。シグナムは早く終わればと言っていたが彼女を相手に易々と勝てるようなら黒ファントムを出し続けるくらいしか相手が思いつかない。本当に困ったらアルトリウス辺りと戦ってもらおう。
さて今度はスバルたちの演習相手か……やりすぎは良くないけれどやらなさすぎもダメだと思う。キャロ相手には竜種とのご指名だが……最初は蛇人辺りでどの程度か様子見するべきか? よし、とりあえずその路線で行こう。
武器は確か――スバルが手甲、ティアナが銃器、エリオは槍、キャロは……なんだろうか?
なんにせよ魔法で出来ているから掠ったら負けるのは確定。暗銀装備で囲ったところで中身が衝撃に持たないからどうしようもない。ナメクジでも纏おうか? いやダメなのはわかっているけど。攻撃したらナメクジが鎧の隙間から出てくるとか嫌すぎる。
前回のように軍団で相手するのは大変なので数体呼ぶ程度にしよう。
キャロの相手はシースと古龍に見てもらいながら竜系等の種族を小出しにして、ティアナの相手は王城の三騎士とやってもらい、スバルは……エドとボールドウィンは流石に若さが足りないから黄衣の翁でいいか(炎に潜むものは先約がいるし)、エリオは嵐の王とでもやってもらおうか。
予定として考えてみたが数体では収まりそうにないなぁ。やりすぎたらごめんって今から謝っておこうか……。魔砲怖い。
ブラッドボーンとか新しい仕事とかまぁ言い訳ですが遅れました。
私筆で書いてる話を交互に書きまとめているのでそれのせいもあったりします。
次の話は色々な人の視点でお送りする予定。私の力不足で表現できなかったら視点固定になるかもです。