随分とまあファンタジーな世界じゃないか(仮)   作:倒錯した愛

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設定が縛られないから自由にかけるやん!やったー!
と思ったのもつかの間、結局は設定が考えないとかけないやん!

なので、ファンタジー系のアニメや漫画のパロディが出るかもですが、ご容赦ください。


第3話

私の友人を話しをしよう。

 

私と母の住む町から少し外れたところにある小さな村、そこの薬草屋の店主のおじいさんの孫娘、それが私の友人だ。

 

出会ったのは比較的最近だ、年が近いこともあり、仲が良くなるのに時間はかからなかった。

 

出会ったのは町から村へ向かう道の途中、薬草を集めていた彼女、レティと対面した。

 

前世から薬草学の覚えはあったため、薬草集めを手伝っているうちに会話に没頭、そのまま薬草屋へと2人で向かったのだ。

 

「ちょうどこの辺りだったな………」

 

村へ向かう道の途中、残り半分というところで視界に広がって見えたのは大きな森、村は森の中にあるのだ。

 

森の中は迷路のようになっているが、淫魔としての嗅覚と身体能力と経験からくる勘に従って歩いて行くと、ついた。

 

村の規模は小さく、例の薬草屋を含めて12軒もない、村というより集落と言う方がしっくりくるほどだ。

 

規模が小さいのは、ここが魔族の中でも少数しかいない希少種だからだ。

 

この村の住民は皆、『単眼種』と言われる種族である、体の構造は人間や淫魔同様に二足歩行可能ないわゆる人型で、目玉は1つで人間や淫魔の目玉と比べると巨大で、眉間のあたりに位置している。

 

そこそこの魔力を持ち、目を合わせた相手を魅了し身動きできなくさせる『邪眼』などを得意とし、元々山の種族であったため目鼻が効き、とても俊敏だ。

 

そんな単眼種がなぜ少数なのか?それは出生率の低さが原因のように思えるが、どうも男が産まれにくいというのが最大の原因のようだ。

 

すれ違う単眼種の子供達と挨拶をしつつ、村の中心付近に建つ薬草屋の暖簾をくぐる、すると、まず大量の壺が並ぶという光景が目に飛び込んでくる。

 

壺の中身は漬物であったり薬草であったり漢方薬のような薬であったり、他には生物の脚や目玉が入れられている。

 

客は壺から欲しいだけのものを取り出して金を払って買うか、店主に欲しい薬の効果を話し、それに応じた材料と薬を作る手間賃を支払って買う。

 

「おう、サキュバスの坊主じゃねえか」

 

彼が薬草屋の店主、300年以上生きるかなり長寿の薬学に長ける単眼種の男、気前良くてハンサム、単眼種の男ということもあって妻が5人もいる魔生勝ち組の男だ。

 

260年ほど前から独学で薬学を学び始め、その30年後に魔王の専属薬剤師に、190年続けた魔王に専属薬剤師をやめ、産まれた村に戻り薬草屋を開いて5人の妻を娶って現在に至る。

 

彼との間に生まれた子たちは魔界の至る所で見聞を広げるための旅をしているそうだ、で、そのうちの1人が奥さん連れて村に帰ってきて、産まれた孫がレティというわけだ。

 

「こんにちはおじさん、レティさんは?」

 

「裏で勉強中だと、熱心なもんだよなあ」

 

「へぇ、レティさんは頭いいんですね」

 

「俺の自慢の孫娘っ子だからな!それにしても…………堅物ってぇ言われてたレティが、まさか坊主みてえな淫魔と仲ようなるとはな」

 

単眼でジロジロと私を見る店主、怪訝な表情だ。

 

「何か、おかしいですか?」

 

「いやいや!言い方が悪かった、すまねえ…………レティはよお、わかってると思うがいい孫なんだよ、贔屓目なしに村一番の美人だ」

 

謝ってからタバコを加えて背を丸めた店主は、今度は孫自慢を始めた。

 

その話2回目だぞおい。

 

「レティさん、綺麗で素敵ですよね」

 

「お!見る目あんなぁ坊主!だがよぅ、男の話がなぁーんもありゃしねえ、浮ついた話のひとっつもねえんでな?心配してたんだよ………………そしたら、いきなり男連れて帰って来て、そいつがまさかの淫魔!男に興味のねえレティが淫魔連れて来たってなっちゃ、惑わさんてんじゃねえか!?って思っちまって…………いやぁーあんときはほんっとすまねえな坊主!」

 

初対面の時、全力全開の炎系魔法で焼かれそうになった時は思わず趣味の鍛治で作った武器で殺そうかと思ったほどだ。

 

魔法の炎は見た目は大人しくても温度調節やらかなりエグいとこまで設定できるため、小さい火の玉といえど実は数千度だったりすることもある。

 

無害そうに見えて実は…………という魔法のトラップが一番恐ろしい、そして目の前の店主はそれが上手いのだ。

 

幾百の火の玉をそれぞれ違う速度で飛ばして来る、のろまな火の玉に油断した頃に数千度を誇る特大火球を放ち、逃げ場をなくした敵を燃やし尽くす。

 

攻略法は、火の玉の範囲から脱出することだ。

 

ちなみに、周囲を漂う火の玉を避けて無理に店主を狙おうとすると特大火球でアウト、後方へ離脱しようとすれば特大火球でアウト、左右どちらかで頑張って移動し続け包囲網さえ抜ければなんとかなる。

 

「あはは、いいですよ、惑わせるほど僕は淫魔として成長できてないし、魔力もないから、催眠もできないし……」

 

魔力があって魔法が使えれば避ける必要も何もないんだがな………。

 

「おぉっと!すまん!別に責めるわけじゃあ………」

 

「じぃさ、何してんの?」

 

店主をじぃさと呼んだ単眼で身長170cmほどのショートの女の子、彼女が私の友人、レティだ。

 

「うぉぉいおいおい、レティじゃねえか、勉強はもう………」

 

「うっさい、またグスタフ君をいじめてたの?」

 

「そんなわけねえだろぉ?」

 

キッ、と睨みつけるレティに店主はタジタジだ、見た目のせいで娘に怒られる父親に見えるが、立派な祖父と孫である。

 

「坊主はレティの将来の婿さんなんだ、そんなことしねえよ」

 

「そ、そんなんじゃないって言ってるでしょ!?この馬鹿じぃさ!」

 

口喧嘩が始まったが、私には止める手立てはない。

 

いやあるが、ないこととして扱う。

 

別にあの2人程度なら引き継いだ身体能力で圧倒できる、できるんだが…………単眼特有の大きな目の睨みっていうのが、結構怖いものでな。

 

こうしてそばで見ているぶんには親子ゲンカを見ているようで微笑ましいが、いざあの目が向けられると萎縮してしまうな。

 

あの大きな目が相手に与える威圧感や圧迫感が邪眼に作用しているらしい、つまり睨むだけでも怯えさせたりできるので、ある意味で邪眼の効果は発揮されるということだ。

 

「もう!グスタフ!ちょっと来て!」

 

「え?あっ、ちょっと」

 

レティがいきなり手をグイッと引っ張ったためバランスが崩れかける、持ち直しつつどうにかしないとと思うも、頑固なレティを止める術はない、抵抗を諦め、レティにされるがままに連行される。

 

背中から茶化すような店主の声が聞こえる、前を歩くレティの耳は真っ赤だ。

 

自制できてるはずだったが、バランスが崩れ転びそうになった拍子に弁が緩んでしまったのだろう、耳が赤く紅潮しているのは漏れたフェロモンによるものだろう。

 

腕を離されて解放されたのはレティの部屋に入ってからだった。

 

「どうしたのレティさん?随分と慌ててたみたいだけど」

 

「別になんでも………」

 

「困り事なら、相談に乗るよ」

 

「…………いい、それよりも!」

 

レティは簡素な木製テーブルに薬草学の本とノートを開いて言った。

 

「勉強、一緒にするんでしょ?隣座りなさいよ」

 

「うん、じゃあ失礼するね」

 

レティの隣に腰を下ろし、薬草学の本を覗き込んだ。

 

「っ////…………ちょっと、近いわよグスタフ」

 

「あぁ、ごめんね」

 

肌が触れるくらいに近過ぎるとフェロモンが漏れてなくともその効果が発揮されてしまうから気をつけていないとな。

 

「…………じゃあ、始めるわよ」

 

「うん」

 

わかりやすくショボンとしたレティに笑いを堪えた、怒られたくはないのでな。

 

そこからは静かに勉強を進めた。

 

魔界には、魔族には教育機関はない、文字や言語は統一されているが独学で習う他なく、薬草学などは師を見つけられない限り教わるのは厳しいのだ。

 

厳しい環境のためか、魔族全体のうち4割程度は文字を読み書きできる、これは現在の人間界の3割に比べて少し高い位で、そのうちの数パーセントが魔王の側近など高位の職につくことができる。

 

魔王の専属薬剤師も高位職の一つ、レティもそれを目指しており、口ではあれこれ言いつつ元専属薬剤師の祖父である店主を尊敬している。

 

私はただの暇つぶし程度でしかなく、そんな高い理想も何もないが、まあ、友人の勉強に付き合うというのも、一種の青春だろう。

 

さて、勉強に没頭するのも良いが、夕飯に遅れないようにせんとな。

 




単眼娘!単眼娘!いえええええええええええ!!!!!
しかも高身長!おねショタああああ!!!なお精神年齢)
サキュバス、ラミアに次いで単眼娘は好きです。

と!ここで唐突な質問タイム!円卓の騎士のなかで誰が一番好きですか?

作者はやっぱり、王道を征く、ギャラハッドですかね。
知ってる人もいるかと思いますが、グスタフニキは前世で彼と同じナンバーでした。

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