名探偵の恋   作:竜星

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恋愛小説書いてみたいなと思ったので、書いてみました。


中学一年生:江戸川コナン
File1:江戸川コナン。新たな門出


 江戸川コナンとなって六年の月日が過ぎていた。

 それまでの月日の中で、工藤新一の体を小さくした薬であるAPTX4869の解毒剤を完成させることは不可能と言う事実が発覚。

 工藤新一は江戸川コナンとして生きていくことを余儀なくされた。二度と工藤新一に戻ることはできない。

 その事実が判明してからしばらくして、周囲の事実を知る人間の助言から工藤新一の死亡を公表することになった。

 

 

 

 そして江戸川コナンとして生きている工藤新一は今、中学一年生。

 

「江戸川君。いくわよ」

 

 かつて工藤新一の隣には、幼馴染の毛利蘭がいた。そして今、江戸川コナンの隣にいるのは、同じ薬で小さくなった灰原哀。

 

「博士やあの子たちが待ってるわ」

「おう」

 

 入学式を終えた二人は、校門の前から手を振っている今では同級生となってしまった子供たち。光彦、歩美、元太。そして二人の真実を知る阿笠博士を見るなり、揃って思わず小さく笑ってしまった。

 

「コナン君。哀ちゃん。早く早く」

 

 大きな声で二人を呼ぶ歩美の声。

 

「博士が写真撮ってくれるってよ」

「早くしてください」

 

 コナンは哀の手を握ると、走り出す。

 

「いこうぜ、灰原」

「それ。さっきわたしが言ったセリフでしょ」

 

 ハハッと笑うコナン。

 

 

 

 周囲でも入学したばかりの子供たちが写真を取っている。いつの時代も変わらないんだなと思いながら、周りを見ていると、隣に陣取っている哀が言う。

 

「キョロキョロしない。博士が撮れないでしょ」

「わりいわりい」

 

 コナンは正面のカメラに視線を移した。

 だが博士はなかなか撮ろうとしない。ああでもないこうでもないと言って、構図を決めかねているようだった。

 

「博士、早くしてくれよ。構図なんてどうでもいいからよ」

「そんなわけにもいかんよ。せっかくの記念じゃ。ビシッとした一枚を撮らねばの」

「ったく」

 

 ようやく構図を決めたのか、博士はカメラのシャッターを押す。

 昔、散々撮られてはいても、フラッシュに思わず目を瞑ってしまう。

 写真を撮り終わって、解散かという時に、何かに気付いたように光彦が言う。

 

「コナン君。メガネはどうしたんですか?」

「ああ。コンタクトにしたんだよ。中学に上がったことだし、心機一転イメチェンするのもいいかと思ってな」

「……そうなんですね」

「でもなんか変な感じだな。おめえ、メガネがねえと別人みてえだぞ」

「んなこたねえだろ。同じ人間なんだからよ」

 

 その言葉に哀が小さく笑う。

 何だよと目で訴えかけても、無視される。

 

「コナン君。メガネなくてもかっこいいよ」

 

 歩美が言ってくる。勢いのあったその言葉に思わず、コナンは腰が引けてしまった。

 

「お、おう。ありがとな」

「……本当に、これからはメガネをかけないでいくつもり? 組織はまだ存続してるのよ。いくら探偵事務所から出て、自宅で暮らすことにしたからってバレない保証はないのよ」

「心配すんなって。工藤新一は死んだ。顔つきが似てきたからって、さすがに蘭も俺を工藤新一とはもう思わないはずだぜ」

「そうだといいのだけれど」

 

 哀の心配していることがわからないわけでもない。だが、もう周囲を欺くように演技して生きるのはごめんだ。自分らしくありたい。だから、メガネはもういらなかった。

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