のんびり天使は水の中   作:猫犬

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基本的に八話と九話です。


Awaken the power

浦女の廃校が決まって、一時は決勝を辞退しようとも思ったりもしたけど、浦女の皆が言ってくれたことで、ルビィたちは前に進むことになった。

ラブライブの決勝で優勝して、浦女の名前を歴史に残す。これが、これからの目標。今まで支えてくれたみんなの願いで、ルビィたちのやりたいこと。

目標が決まったことで、練習の日々を送っていたある日。一通のメールが来た。

 

「嘘……Saint Snowが敗退?」

「あんなことが起これば、仕方ないのかな?」

「じゃぁ、私たちもあぁなりかねないってこと?」

 

ルビィたちはSaint Snowさんに呼ばれてはるばる函館にやってきました!なんでも、決勝進出が決まったからゲストだとか。

そして、地区予選の結果はSaint Snowの予選敗退。ダンス中に二人がぶつかったことで転倒して、その後踊れなくなったのが原因だった。

ルビィたちももしかしたらあんなことになるかもしれないんだよね。

理亞ちゃんは始まる前から緊張した表情だったから、それが出ちゃったみたい。終わった後に挨拶に行ったけど、二人はすでに帰っていて控室にはいなかった。

 

「一日観光してから帰るって感じでいいよね?」

「ええ。せっかくここまで来たことだしね。それに、こういうところを見て回ると決勝の曲のイメージが浮かぶと思うわ」

「鞠莉の言う通りかな?それに、こっちの海の幸食べてみたいし」

「私は早く帰りたいかも……寒い……」

「僕も……もう辛い……何処か暖かい場所に……」

「じゃぁ、あそこ寄ろっか」

 

函館の街を歩いていると、曜ちゃんと沙漓ちゃんが寒さで震えていて、なんだか辛そうだったから、近くにあったお店に入ることになった。

 

「くじら汁?」

「おいしいのかな?」

「うぅ、暖かい場所ぉ~」

「あっ、やってるか確認せずに入っちゃった。でも、扉が開くってことは営業中だよね?」

 

沙漓ちゃんが突入しちゃったからルビィたちも中に入る。中は和風な感じで、外と比べるとだいぶ暖かかった。

花丸ちゃんがだいぶ着込んでいるからみんなが脱がせるのを手伝っている中、小さく何かの音が聞こえ、気になって音のする方に行く。花丸ちゃんのお手伝いはみんなに任せれば平気だよね?

 

「うっ、うぅ」

「……あっ」

「……誰?」

 

扉を少し開けて中を見ると誰かの部屋みたいで、ベッドの上で泣いていた。その子は理亞ちゃんで、見た瞬間に声を漏らしちゃったから向こうにも気づかれちゃった。

 

「アンタ!」

「あっ、ごめんなさい!」

 

勝手に覗いちゃったことをすぐに謝る。予選の結果が振るわなかったから泣いていることはすぐにわかったから、そんな姿を誰かに見られたくなかったと思う。

 

「誰にも言わないでよ」

「うん」

「お店はこっちだから」

 

理亞ちゃんはそう言って部屋を出て行った。ついて来いって意味だと思うからついて行く。

 

「あっ、ルビィちゃんどこ行ってたの?」

「あー、うん」

「お手洗いの場所がわからなくてさまよってたのよ」

 

花丸ちゃんに聞かれて言い淀んでいたら、理亞ちゃんがフォローしてくれた。たぶん、余計なことを言わせない為だと思う。

それから、ここが二人の実家だったらしく、二人はスクールアイドルをする傍らここで仕事もしているらしい。あんなにすごい演技ができて、さらに仕事までしているなんて。

それぞれが注文したものを食べ終えると、ルビィたちはお店を後にした。さすがに、気まずかったから。

理亞ちゃんはスクールアイドルを続ける気はもう無いらしい。聖良さんと一緒じゃなくなったらもうやめようって思うのはルビィにもわかる。ルビィもお姉ちゃんがいなくなったらどうなるんだろ?

その後は観光をして、陽がだいぶ傾いてきたからホテルに行った。

 

~~

 

「綺麗ですわね」

「うん……お姉ちゃんは決勝が終わったらどうするの?」

 

ホテルの近くの海の見えるベンチで一人考えていると、お姉ちゃんがやってきて隣に座ったからそう聞く。

Saint Snowは解散する。じゃぁ、Aqoursは決勝が終わったらどうなるんだろ?お姉ちゃんたちが卒業していなくなる。そうなったら、ルビィたちはどうなっちゃうんだろ?

 

「私たちは卒業する。これは決まっていること」

「でも……」

「わたくしは十分満足していますわ。一度は解散したのに鞠莉さんと果南さんともう一度できて、二年生と一年生、そしてルビィと一緒にスクールアイドルができましたから。それに、ラブライブの決勝に出られることになって、夢のようですわ」

「お姉ちゃん……」

 

お姉ちゃんの気持ちはわかる。ルビィだってお姉ちゃんと、みんなと一緒にスクールアイドルができて良かった。

でも、せっかく一緒にできたのに、決勝が終わったらもう終わってしまう。

 

「お姉ちゃんと一緒にもっとスクールアイドルをやりたい!」

「ッ!……そうですわね。でも、これは変えられないこと。決勝が終わったらどうするかは、今はわかりません。ルビィは?」

「それは、ルビィにもわからないよ」

「そうですわね。一つ言えるとしたら、私は後悔したくない。スクールアイドルができて良かったと思いたい」

「うん」

「ただ、私はスクールアイドルを一緒にして良かったと思っています。ルビィが悩んで、その上でわたくしにスクールアイドルになりたいと言ってくれてうれしかった。あなたが自分の意思で考えて、それを口にしてくれて」

 

お姉ちゃんはそう思ってくれたんだ。後悔したくない。それはルビィも同じ。でも、やっぱりお姉ちゃんと一緒にできなくなるのは寂しい。

 

「きっと、聖良さんもわたくしと同じことを理亞さんに思っていると思いますわ。妹の成長を喜ばない姉なんていませんから」

「お姉ちゃん、知ってたの?」

「まぁ、なんとなくですけど。さて、そろそろ戻りましょうか。いつまでも外にいたら風邪をひきますよ?」

「うん」

 

聖良さんもお姉ちゃんと同じ気持ちなら、きっと。ルビィがすることは決まった。これは私のわがまま。でも、私がそうしたいと思って決めたこと。

 

~~

 

「ちょっと出かけて来るね」

「ん?こんな時間にどこ行くの?」

「ちょっとね」

「そっか。いってらっしゃい」

「気を付けてね」

 

ホテルで少しのんびりしてから、三人にそう言って外に出た。

目的は理亞ちゃんに会うこと。どうなるかはわからない。でも、理亞ちゃんと話したい。その上で、一緒に。

 

 

~☆~

 

 

「ねぇ、沙漓。姉ってどんな感じ?」

「ん?そうだねぇ。居ることが普通で、目標の人って感じかな?まぁ、僕の場合は黒澤姉妹とか高海姉妹みたいに純粋な姉妹じゃないから参考になるかわからないけど」

「そう」

 

ルーちゃんが出かけてすぐにヨハネにそう聞かれて答えた。みんなみたいに生まれた時からの姉妹じゃないからヨハネの望む答えかはわからないけど。

 

「でも、お姉ちゃんとは普通の姉妹にも負けないからね!」

「張り合わなくていいから」

「沙漓ちゃんって、本当に海未さんの事好きだね」

「ん?お姉ちゃんが嫌いな妹なんているの?」

「なに、さも当然なように言ってるのよ。千歌と美渡さんの関係はどうなの?よく喧嘩してるじゃない」

「あれは愛ある喧嘩だよ。喧嘩するほど仲がいいって言うでしょ?嫌いなら喧嘩なんて起こらないよ。互いに無干渉だろうし」

「なるほど、確かにそうかもね」

 

千歌さんたちの場合、あれはあれで普通の姉妹のそれだと思う。大体、千歌さんに甘い志満さんがいる以上、美渡さんがあぁなるのは仕方ないと思う。二人して甘々だと、千歌さんがダメ人間になりかねないような?

というか、急にヨハネはどうしたんだろ?まさか、姉が欲しいのかな?

 

「梨子さんに頼んでみれば?」

「なんの話?リリーがどうかしたの?」

「あれ?お姉ちゃんが欲しいから聞いたんじゃないの?」

「ううん。単純に姉ってどんな感じなのかなって」

「なるほど」

「マルは果南ちゃんがお姉ちゃんだったらいいなぁ」

「果南だと、毎朝ランニングに付き合わされるわよ?」

「やっぱり、梨子ちゃんがいいかな?」

「現金なやつね。それに、夕飯食べた後なのによく入るわね。太るわよ?」

 

マルちゃんはやたら大きなハンバーガーを食べながらそう言い、ヨハネがツッコむ。確かに、果南さんは優しいけど、ランニングに付き合わされるのは辛い。そう考えると、梨子さんが一番インドア派だからいいかも。あっ、僕はお姉ちゃん一択だけど。

それからしばらくのんびりしていると、ルーちゃんが帰ってきた。

 

「ただいま」

「おかえりずら」

「おかえり。それで、どうだった?ちゃんと話せた?」

「うん……って、沙漓ちゃん、どこ行ってたのか知ってるの?」

「ん?理亞さんのとこでしょ?あそこ行ってから考え深そうな感じだったし」

「なるほど。それなら、そう考えられるわね」

 

ルーちゃんに驚かれたけど、なんとなくそう見えたしね。それにしても、人見知りのルーちゃんがここまで行動するとは。

 

「それで、理亞ちゃんと一緒にクリスマスイベントにでてライブをすることになったんだけど、手伝って欲しいなって」

「なるほど。マルは協力するずら。善子ちゃんと沙漓ちゃんは……」

「ごめんね。弓道の大会が23日にあるから残れないや」

「ふっ、私は儀式があるので」

「そっか。沙漓ちゃんは無理っぽいね」

「何かあったら連絡してね。手伝える範囲なら手伝うから」

 

ルーちゃんと理亞さんのライブ。できれば手伝いたいところだけど、もうすぐ弓道の大会があるからあっちに戻らないといけない。いや、廃校が決まった訳だから、今更な気もするけど、夏にした約束もあるから出ないわけにはいかない。

 

「うん、ありがとう。それで、明日の朝会うことになってるんだけど」

「行くずら」

「僕もそれついてく~。さわりだけでも聞いておけば、何かあった時にも動きやすいしね」

「じゃぁ、四人で行くって伝えておくね」

「私は行くなんて一言も」

「来ないの?リトルデーモンを見捨てるの?」

「それは……仕方ない、力を貸してあげる」

 

こうして、明日理亞さんに会うことになりました。帰りの飛行機どうするんだろ?

 

~~

 

「三人もついて来るなんて聞いてない。というか、あなた誰?」

「あっ、Aqoursの色々な手伝い、主に衣装作りと映像編集をしている園田沙漓です。以後、お見知りおきを」

「あっ、そうなの?」

「まぁ、三人の付き添いなので気にしなくていいので」

「というか、なんで、二人まで。私こういうの苦手なんだけど」

「あー。問題ないですよ。四人とも人見知りなので」

「問題しかなく無い?」

 

翌朝。ファミレスに集まった僕たち。そう言えば、理亞さんとは全く話したことないわけで、僕のことは知らなかったらしい。知ってたら逆にびっくりだけど。PVとかスクールアイドルの活動日誌とかに登場してないし。

ちなみに、席の都合で理亞さんの隣に座ってる。何故こんなことに?

その後、マルちゃんの口癖やらヨハネの事やらで少し親睦を深め、

 

「と言う訳で、マルたちはもう少し残るね」

「ここに残るの!?」

 

三人は北海道にしばらく残ることになりました。一緒に曲を作る都合上一緒に居た方がいい。さすがに冬休みになってなかったら危なかったけど。皆に説明(理亞さんを励ますためにということに)してどうにか残れる許可を得ましたとさ。

ちなみに、どこ行っていたのか聞かれて、お土産を買いに行っていたことにしていた。お正月は実家に戻るから、お土産は買いたかったし。

 

「あっ、ヨハネ。体重管理はしっかりとしてね」

「私よりずら丸の方が心配じゃない?」

「マルちゃんは……この世の不条理によってどうせその心配はいらないから」

「ん?」

 

~~

 

沼津に戻って来て数日後。マルちゃんから連絡が来た。

ここ数日は決勝の為に曲作りをしたりしていた。鞠莉さんとダイヤさんはそれぞれ仕事をしているから、どっちみちそこまで練習時間が取れない状況が続いていた。

僕の方も、弓道の練習であまりいなかったけど。

マルちゃんたちはみんなに「数日で戻る」って言ってたのに帰る日程を延長してたわけだし、曲作りが難航してたみたいだね。

 

「もしもーし」

『あっ、沙漓ちゃん。お願いがあるんだけど』

「うん、何?」

『ルビィちゃんと理亞ちゃんでクリスマスのイベントで歌うことになって、できたら二人に衣装を作りたいんだけど』

「あっ、流石に聖良さんにばれずに作るのはそっちだと厳しいか。それに、ルーちゃんはダンスで忙しいだろうし」

『そうなんだけど、できたら二人にもサプライズにしようって善子ちゃんと話してて』

「確かにそれはいいかも。わかった~。曜さんにも聞いてみるね。断られたら一人でも作るよ。まぁ、断らないだろうけど。じゃぁ、後でまた連絡するね」

 

どうやら、マルちゃんとヨハネは完全にサポートで、あの二人でイベントに出るつもりらしい。本当はマルちゃんたちで衣装を作りたかったらしいけど、それは二人にもサプライズにしたいらしいからこっちに連絡が来た感じ。

 

「面白いことになりそうかな?」

 

僕一人だと厳しいから、ダイヤさんにばれないのならと許可を得て、僕は動き出す。

結果として、曜さんは了承してくれて二人の衣装製作が始まった。定期的に曲のことを聞いてイメージを固めると製作を始める。ダイヤさんにばれる訳にはいかないから、放課後の練習をした後の夜の時間に曜さんの家で作ることになった。僕の方も夜はさすがに練習に使えなかったから時間的にはちょうどよかった。それに、曜さんの家が近かったおかげで、遅くまで作業もできたし。

 

「ねぇ、沙漓ちゃん――」

 

衣装を作っていると曜さんはある提案をした。それは面白そうだし、拒否する理由はどこにもない。問題があるとすれば。

 

「僕は賛成です。問題は」

「どうやって呼ぼうかな?まぁ、それは終わってから考えよ?」

「なるほど。先に外堀を埋める訳ですね。なら、あの四人以外には話を通しておきましょうか」

 

 

~ル~

 

 

「お姉ちゃん」

「姉さま」

「「私たちのライブ聴いてください!」」

「よろこんで」

「もちろん」

 

クリスマスライブ当日。お姉ちゃんたちにメッセージカードを渡し、ルビィたちは控室に行く。お姉ちゃんたちにルビィたちの成長を見てもらう。みんなも見に来てくれたから、より一層頑張らないと。

衣装は作っている時間が無かったから、学校の制服でやろうと思ってる。だからそこまで準備に時間はかからない。

すると、花丸ちゃんと善子ちゃんが紙袋を持ってやってきた。

 

「ルビィちゃん、理亞ちゃん。これどうぞ!」

「え?なにこれ」

「サプライズよ」

「衣装?」

 

袋の中には、私と理亞ちゃん用に衣装が入っていた。私の方は淡い緑色、理亞ちゃんの方は紺色を基調としたものだった。いつの間に用意したんだろ?それに、お店で売ってる感じじゃなくて一から作られたみたいな……。

 

「曜と沙漓にオーダーしたら作ってくれたわ。やるからには妥協は無しよ!」

「善子ちゃんの案ずら」

「ありがとう、善子ちゃん」

「ありがと」

「お礼なら、二人に言ってちょうだい。少ない時間で仕立ててもらった訳だから」

「うん」

「なら、最高のライブにして返すわ」

 

お姉ちゃんたちに伝えたい。私たちがちゃんとできるって伝えたい。その為にも、このライブを成功させてみせる。

一緒に手伝ってくれた花丸ちゃんと善子ちゃん、衣装を作ってくれた曜ちゃんと沙漓ちゃんの為にも。

 

「行こう、理亞ちゃん」

「うん。頑張ろう」

 

衣装に着替えると、ステージ袖に立つ。

二人きりのステージ。いつもは九人で立つから少し心配。でも、それ以上にわくわくしている。ここまで来られたのだから。それに、理亞ちゃんも一緒だから大丈夫。

 

「私たちの精一杯の輝き」

「見てください!」

「「メリークリスマス!」」

 

~~

 

「ルビィ、成長しましたね。いい曲でしたよ」

「理亞、ありがとう。私たちの為にこんないい曲を作って、歌ってくれて」

 

私たちは大きな失敗もなくやり切ることができた。二人ともルビィたちを褒めてくれて、改めてやってよかったと思う。

みんなもルビィたちの曲がいい曲だと言ってくれた。

ちゃんとお姉ちゃんに伝えることができたと思う。まだ、ラブライブが終わったらどうしようかは決めてないけど、お姉ちゃんを安心して送り出せるように、これからもがんばルビィしないとだね。

 

「さて、いい思い出ができた所で、提案があるんですけど」

 

すると、ルビィたち四人を除いた七人が集まり、ある提案をしたのだった。

 

 

~理~

 

 

ルビィと一緒にやったクリスマスライブ。

あれのおかげで、姉様にちゃんと自分もできるんだと伝えることができた。そして、私は新たな輝きを探す目標を立てることができた。

本当にあのライブをやってよかったと思う。

 

「あの、この衣装作ったのってあなたよね?」

「うん。ダイヤさんには秘密だったから沙漓ちゃんと一緒に作ったけど、どうかしたの?」

 

年が明けた数日後のある日。私と姉さまはこの前のお礼に沼津の魅力を伝えたいってことでお呼ばれされた。

ルビィの家が網本だから新年早々は家がバタバタしているらしくて、このタイミングになった。あと、あの沙漓って人も実家に戻ってるからだとか。別にあの子は踊らないんだからいてもいなくても関係なくない?

ホテルは向こうが取ってくれるらしくて、明日は姉さまと富士山のふもとの遊園地に行くことになっている。こっちにはなかなか来れないから、一度は行ってみたかったし、今までずっとラブライブの為に頑張ってきたから、あまり遊んでなかったから少しくらいわね。

そして、ただお呼ばれされるだけだと悪いから、良い特訓メニューを考案してやってもらい、それが終わった午後に数度確認して私たちで作った“Awaken the power”を十一人でやることになった。どうも、せっかくならAqoursとSaint Snow全員で何か形になることをしたいってことでこうなった。

そして、終わった後に衣装を作ったという渡辺曜さんに話しかけた。前の時も気になったんだけど、あの時はバタバタしてて聞きそびれたから。

 

「いえ。サイズが私も姉さまもぴったりだったので、気になって。身長とか測っていないのに、どうやったの?」

「ああ。それなら、沙漓ちゃんがこのサイズですよって。二人に聞いたんじゃないの?てっきりそうだと」

「いえ。そんな話していないわよ?Aqoursの皆さん誰にも言っていないはずだし……」

「えーっと……」

「「どういうこと?」」

 

 

後日。宅配便でDVDと大量のミカンが送られてきた。この量のミカンをまさか送って来るとは。

DVDを見ると、この前取った映像のようで、姉様と一緒に再生してみた。といっても、体育館のステージの上でやったから背景は寂しかった記憶があるけど、その映像は……

 

「なにこれ?」

「どういうことでしょうか?」

 

背景が雪国の街になっていて、やたらと凝っていた。いや、何をどうしたらこうなる訳?

 

「そう言えば、Aqoursで作った曲は時々謎の編集が為されているんですよね」

「あっ、そう言えばそんなこともあったような……」

 

『主に映像編集をしています』

 

「あっ」

「どうかしたの?」

「ううん、なんでもない」

 

そう言えばあの子、あんなことを言ってたような。まさかね。

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