のんびり天使は水の中   作:猫犬

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なんとなく番外編です。

先に注意点として、メタ発言やらネタがありますのであしからず。そして、今回でのキャラの発言は真実か否か知りませんので。猫犬のただの疑問ですので。
あと、番外編と割りきってくださいな。


番外編1 メタ発言な沼津旅

「ヨハネー。外で遊ぼうよぉ」

「嫌よ。外は灼熱の業火に焼かれているのだから」

「えー。家に引き籠ってたら身体に悪いよぉ」

「いいのよ。練習で外には出ているのだから」

 

夏休み。Aqoursの練習が休みで暇だったからヨハネの部屋にやってきた。でも、ヨハネに拒否られた。まさか、拒否られるとは思ってなかったからどうしよう。

 

「いいじゃん、暇でしょ?」

「暇じゃないわ。今日はこのモンスターを狩らなきゃいけないのよ」

「ヨハネ、なんでこの時期にイーターなの?しかもバーストって、それだいぶ前じゃなかったっけ?」

「いや……久しぶりにやったらはまっちゃって」

「はぁ。まぁ、いいや。じゃぁ、手伝うから、目的が果たされたら外行くよぉ」

 

僕は仕方なくそう言うと、バッグからvitaを取り出す。ヨハネは僕がおもむろに出したからか、なんで?みたいな表情をしていた。

 

「なんで、vitaが出てくるのよ。というか、沙漓やってたの?」

「ん?大抵外行く時は入ってるよ。バスの移動とかの暇な時にやってるし。いやー、ノリで始めた感じだよぉ。そして、データ保存だからメモリの中に残ってるし」

「なんで、入ってるのやら。まぁ、いいわ。手伝ってくれるのなら」

「で、何狩るのぉ?」

「そうね。ピターよ」

 

とりあえず、ヨハネのベッドに腰を下ろして起動させると、ヨハネも起動させる。ピターなら、神属性だからあれだねぇ。

 

「沙漓……なんで黒熊なの?」

「気分!で、ヨハネはキャラ名もヨハネなんだね。それに格好も堕天使だし」

「それを言ったら、沙漓だってサリエルじゃない。敵と同じ名前って……まぁ、いいわ。で、その武器は?太鼓にステッキって……」

「レアアイテムが出やすくなるスキルが付いた装備だよ。どうせ、ピターの素材で出ないのがあるんでしょ?」

「ええ。神帝翼がね。でも、それのスキルって自分だけでしょ?」

「そんな不運な方にこちら!強化パーツにはパーティー付与の物を搭載」

「通販のノリはやめなさい」

「はーい」

 

そうして、僕たちは準備を整えて出発した。とりあえず、NPCを一人ずつ連れて敵の策敵を始める。マップが大きくないとはいえ、狭い場所で戦うと雷ビリビリだから気を付けないと。

 

「ところで、今更だけど、果南さんの家ってどうなってるの?あっ、5番に移動した」

「どうしたのよ、唐突に。何度も行ってるじゃない。了解よ」

「いや、淡島ってそこ全部で淡島マリンパークじゃん。そうなると、果南さんの家に行くのには、淡島マリンパークの入園料を払わなきゃいけない訳で……。くらえ、爆発系の弾丸」

「言いたいことは分かったわ。つまり、今まで私たちはどうやって淡島に来ていたかという謎ね。果南さんに会いに行くのにいちいち入園料は払っていないわね。って、そんな大きな爆発しないでよ」

「そうなると、どうなってるんだろ?いつも気づいたら果南さんの家の前な訳で……。あっ、ごめん。ソロだといつも周りを気にしなかったから……弾丸を変えないと」

「でも、定期船に乗ってたわよね?そうなると……後で行ってみる?真実を知りに。あっ、翼壊れた、後は爪と頭ね」

「あれ?家から出たくないんじゃなかったの?あっ、キレた。ぴよらせるね」

「別にいいじゃない。沙漓のせいで気になったのよ。ぴよったから一気に叩くわよ」

「人のせいにしないでよ。ほいほーい、どんどん行くよぉ」

 

僕たちは関係のない話をしながらピターと戦っていて、あっさりと倒すことができた。部位破壊は全部完了したし、これで出ればいいけど。というか、久しぶりにやったけど感覚は残ってたなぁ。あっ、超伝導体でなかった。

 

「ヨハネ、どう?」

「あっ、出た」

「なんと。やったね」

「ええ。最後の一個が何回やってもでなかったのに、沙漓とやったら一回で出るって」

「良かったじゃん。こっちは欲しいのが出なかったけど」

「え?じゃぁ、もう一回やる?」

「ううん、いいや。素材交換でもらうから」

「そう。それにしても、沙漓の装備ふざけているのに強いわね」

「一応最終段階だからね。それにヨハネの装備だって強いよ。で、どうする?出かける気になった?」

「まだよ。他にもほしい素材があるんだから」

「ほーい。まぁ、まだどこも開いて間もないか開いてないからもう少し付き合うよ」

 

ヨハネがまだ出る気が無いみたいだから、付き合うことにする。それに、もうちょいこれで遊びたいし。

 

「で、次は?」

「サリエルよ」

「あれ?これに対戦機能あったっけ?」

「沙漓じゃなくて、敵の方のサリエルよ」

「うん、知ってた。ボケを入れてみただけ」

 

そういう訳で、強化パーツは変えずに、装備をまともにしてと。では、またしゅっぱーつ。あ、回復アイテム入れ忘れた。

 

「ヨハネ、悲報」

「どうしたの?」

「回復アイテムも一緒に倉庫にしまって入れ忘れた」

「回避ね」

「はーい。バースト化して自然回復するね」

「それ付けてるならなんとかなるわね。それに最悪回復弾撃つから」

 

ヨハネに聞いたらこっちでなんとかしろ的なことを言われてしまった。でも、最悪回復弾は撃ってくれるってツンデレさんかな?放置と見せかけて一応助けてはくれるって。

 

「そう言えばさっきの疑問の続きなんだけどさ」

「ん、果南さんの家のこと?それとも淡島のこと?8番に来たみたい」

「ほーい。果南さんの家の方。現実とかドラマパートだと果南さんの家の位置にカエル館あるじゃん」

「あるわね。あと、現実とかドラマパートとかメタ発言はやめなさい。銃乱射で落として斬るのがやっぱりベタね」

「果南さんの家があるってことは、カエル館はどこに消えたんだろ?淡島マリンパークの特徴の一つってカエル館でしょ?たーまやー」

「確かにカエル館は……でも、それ言ったら果南さんの家のダイビングショップはどうなる訳?この世界以外だとあそこにダイビングショップは無いわよ。だから、大爆発はこっちも吹っ飛ぶからやめなさい」

「うーん。謎が謎を呼ぶねぇ。ブラストに変えたら爆発系じゃないと意味ないでしょ?」

「そんなに気になるなら後で行けばいいでしょ?沙漓はそのハンマーでガンガン叩いて麻痺らせなさいよ」

「やっぱり一緒に行ってくれるの?どんどん叩くよぉ」

「どうせ、何かと理由を付けて無理やり連れてく気でしょ?てか、こっちの独壇場だからダメージ全く受けないわね」

 

やっぱりゲームとは関係ない会話をしながら戦っていくと、すんなり終わった。ふむ、やっぱり一人プレイより多人数の方が早いね。それからも何体も倒していった。

 

 

~☆~

 

 

「シーラ、カンス!」

「急にどうしたのよ」

「いや、ここに来たらやらなきゃいけない電波が」

 

無事?ヨハネが満足したことで外に連れ出すことに成功し、僕たちは深海水族館にやって来ていた。来て速攻で屋内に入った理由は外が暑かったから。それを口にしたら、ヨハネに怒られた。うん、まさか白熱して予想よりも長い時間イーターをやることになるとは思ってなかった。それでも、九時に行って十一時前には出たからまだマシかもだけど、夏だからこの時間でも暑い。

そして、近場で涼しくて尚且つ、こっちに来てから一度も行ってなかったからここに来てみたかったのもある。

深海水族館は三津シーとか淡島マリンパークと比べると小さいし、居る魚も地味だった。まぁ、これはこれで味があるってことで。

シーラカンスを見たら、なんとなくそんな感じのことを言わなくちゃいけない気がしたんだけどなぁ。

 

「それにしても、魚はけっこういるねぇ」

「そうね。久しぶりに来たからあまり覚えてないだけに新鮮な感じだわ」

 

ヨハネは以前にも来たことがあったみたいだけど、だいぶ前みたいだから一応楽しめてはいそうだった。あれ?ドラマパートで来てなかったっけ?世界線微妙に違うけど。それにしても、シーラカンスって地味に大きいなぁ。それにしても白目で怖い。

 

「さて、ヨハネ。困ったことがあるの」

「なに?」

「魚を見てたらお腹が空いた」

「……なにそれ」

「いやー、カニを見てたらねぇ」

 

お腹が空いたことを言ったら、呆れられた。でも、時間も十二時を過ぎてるわけでお腹が空くのは仕方ないと思う。

 

「まぁ、いいわ。じゃ、外に出ましょ」

「うん、そうだねぇ」

 

こうして外に出ようと出口に向かい、

 

「あっ、でも、その前にシーラカンスのぬいぐるみを」

「お昼はいいの?」

「すぐ終わるから待ってぇ」

 

僕はお土産コーナーでシーラカンスの小さめなぬいぐるみを買うと、ようやく外に出た。ヨハネは呆れた様子で僕を見ていた。

 

「さて、何食べる?」

「そうね……高すぎなければ問題ない……」

「ん?どうしたの?」

 

どこでお昼を食べようか悩んでいると、ヨハネは言葉の途中でとまった。だから、どうしたんだろ?と思いながらヨハネの視線をたどると沼津バーガーがあった。そして、商品一覧に、

 

「堕天使の宝珠?」

 

やたらヨハネ作の“堕天使の泪”感のある名前の物があった。まさか、ヨハネは商品経営にまで乗り出したというのか?

 

「ヨハネ、リトルデーモン集めの為にこんなことにまで手を伸ばさなくても……」

「いや、私は何もしていないわよ」

「ふーん。まぁ、ヨハネがそういうのなら偶然か。ここでいい?」

「いいの?」

「うん。他のお店は寿司屋とか丼ものとかだし、ここの鮫バーガーを食べてみたい」

 

ヨハネはここに興味を持ったみたいだから、それに僕もちょっと興味はあるし。そういう訳で早速入店。

僕は鮫バーガーを、ヨハネは深海魚バーガーを選び、割り勘で堕天使の宝珠を一個買った。

席に座って早速食べ始めたのだが、

 

「あつっ」

「そう?確かに温かいけど暑いほどじゃなくない?」

「うぅ……猫舌」

「そういうことね」

 

まさかのフライの中が熱くてすぐに口を離し、水を飲む。危なかった。できたてだから温かいとは思ってたけど、ここまでとは。

 

「さて、熱いから少し待つとして、こっちを」

「あっ、私も」

 

冷めるのも待つ意味を込めて、堕天使の宝珠に手を付けようとすると、ヨハネもそう言って堕天使の宝珠に手を付ける。そして、同時に食べる。最初は普通のたこ唐揚げだけど、後から辛みがやって来る。

 

「うーん。辛いっちゃ辛いけど、誰かさんのあれの方が辛い……」

「まぁ、私の堕天使の泪と比べれば辛さの量が違うからね」

「それもそっか。と、では鮫バーガーに戻るとして……というか、鮫を食べたこと無いけど、なんだか白身魚みたいな感じなんだよね」

「そうなの?」

「うん、食べてみる?」

 

鮫バーガーが普通の白身魚みたいな感じで、こうピンと来ない。すると、ヨハネが興味を示して、僕はヨハネの方に向けてみる。いわゆるあーん状態?でも、ヨハネは気づいていないようでそのまま食べる。ここで、爆弾発言を落したら噴き出す未来が見えるからやめておこぉと。

 

「ねぇ、ヨハネ。ヨハネのも少し食べてみたいなぁ」

「仕方ないわね。はい」

 

頼んだらあっさりとバーガーをこちらに向け、僕はパクッと食べてみる。ふむ、こちらもなかなか。

 

「間接キスだね」

「あんた、わかっててやってたでしょ。大体、別にあまり気にしないわよ」

「あれ?てっきり取り乱すと思ったのに」

「あんたにあれだけ振り回されていれば、ある程度のことじゃ驚かないわよ」

 

さて、今までヨハネをいじった結果、まさか耐性が付いていたとは。びっくりだなぁ。そうしてのんびりと食べて、食べ終えると店を出た。

 

「さて、じゃぁ、淡島行こっか」

「そうね。真実を確かめに」

「ヨハネノリノリだね」

「沙漓のせいで気になったんだから、沙漓のせいよ」

 

僕のせいにされちゃった。でも、僕から振った話だし事実ではあるか。バスの時刻表を見るとちょうど来る時間であり、すぐに来たので二人で乗り込む。定期があるから向こうまでのお金はかからないしねぇ。使える時に使っておかないと。

 

「そう言えば、今日はみんな何してるんだろ?」

「さぁ?ルビィとずら丸はどっちかの家にいそうだし、ダイヤさんは稽古だろうし。千歌さんは手伝わされてるとみた」

「ありうる。梨子さんと鞠莉さんは家でのんびりしてそうだし、果南さんはダイビングショップかな?あれ?そういえば曜さんは?」

「さぁ?聞いてないわね。千歌さんのところに行ってそうだけど」

 

みんなの今日の予定を予想するも、曜さんだけは予想ができなかった。飛び込みの日程とかはあまりわからないし、練習ができる日は一応聞いているけど、今日は元から休みの日だから聞いてないし。

まぁ、淡島帰りに千歌さんのもとに行けばわかるか。

 

 

~☆~

 

 

「ヨハネ、これはどういうことだろ?」

「さぁ?」

「なんで果南さんに会いに来たって言ったら簡単に乗せてくれたんだろ?」

「そうね。そして、定期船を降りるとそこにはイルカプールだし。水族館前には柵があるし」

「というか、こんな柵あったっけ?」

 

淡島にやってくるとよくわからないことが起きた。すんなりは入れたり、柵があったりなどなど。しかし、他の誰かはそれがさも当然のようにしていた。うん、よくわからん。

 

「とりあえず、果南さんのところ行こっか」

「そうね。果南さんならきっと」

「ん、私がどうしたって?」

「「わっ!?」」

 

いきなり果南さんが現れたから僕たちは驚いた。まだ、果南さんの家の前に行ったわけじゃないのに現れたから。というか、何故ここに?と思ったけど、ウェットスーツを着てるし、濡れてるからちょうどダイビングのお客さんの対応したところかな?

 

「ん?二人ともどうかしたの?」

「あっ、いえ。遊びに来ただけですよ」

「なるほどね。二人で遊びに出かけるって仲良いね。っと、お客さんが着替えてるから今のうちにやれることをやんないといけないから、またね」

「あっ、はい」

 

果南さんは慌ただしく去って行き、僕たちはその場に残された。結局、なんで果南さんが船着き場に現れたのやら?果南さんの所の船なら家の前から出してるからここによる理由は無いはずなのに。

 

「って、見送る必要なくない?果南さんに会いに来たんだから」

「あっ、それもそっか。と言う訳で追いかけよぉ」

「ええ」

 

果南さんを追いかけて行くと、お客さんがまだいるみたいなので邪魔にならないようにテラスの椅子に座って待つことにする。

うーん。やっぱりカエルは見当たらないよなぁ。

そうして待っているうちにお客さんは帰っていった。そして、入れ替わりに果南さんがこっちにやって来る。

 

「それでどうしたの?わざわざ待って」

「あれ?もうお客さんはいないんですか?」

「うん。今日の予約分は終わったよ。あとは駆け込みで来ない限りは無いだろうけど、たぶんいないから今日は閉めちゃうかな?行く場所があってどうせ今日は仕事できないし」

「なるほど?僕たちは淡島の謎を調べに」

「淡島の謎?」

 

僕たちがここにきた理由を言ったら、果南さんは首を傾げた。言ってなんだけど、これだけで通じたらびっくりだね。

 

「ええ。沙漓が今更ながら、なんで淡島マリンパークが営業してるのに、果南さんに会いに来たって言っただけで来られるのかとか、カエル館の有無とか」

「そういうことね。私に会いに来たって言った時、生徒手帳見せなかった?」

「あっ、そう言えば見せたような。いつも聞かれて見せてましたけど……」

「まぁ、そういうこと。それで生徒なら本当に会いに来たってわかるからね。でも、それでマリンパークの施設には行かないでよ。そしたら、もう会いに来るためにいちいち入園料払うことになるからね」

「まさか、果南さんとマリンパークでそんな契約をしていたなんて」

 

とりあえず、淡島の謎その1が判明したことに安堵するも、まだ謎はあった。

 

「とりあえず、わかりました。果南さんに迷惑はかけたくないですし。ところで、この世界にカエル館は?」

「ああ、カエル館なら一時期併設してたけど、カエルのエサが大変で向こうの方にある空き家に移設されたよ」

「なんか、世知辛い理由だった」

「あの子たちなら、そこに行けばみられるよ」

「いえ、別にカエルはちょっと……そもそも、僕の動物避けの前に逃げますよ」

「えっ?あれってカエルにも効くの?」

「カエルはわかんないけど、イルカのプールにいたイルカは沙漓から距離を取っていたわね」

 

ヨハネは残念な物を見るかのような目を僕に向けてそう言った。残念ながら事実で、船から降りた所で覗きこんだら、一目散に逆側に逃げ、果南さんを追いかけて逆側に行ったらまた元の位置に逃げられた。つまるところ、イルカには効いてしまう模様。いと悲しい。果南さんはそんな僕にどう声をかけたものかと苦笑いを浮かべていた。

 

「というか、そんなことが知りたくてわざわざ来たの?」

「まぁ、気になっちゃって」

「主に沙漓のせいで」

「なろほどね。そう言えば、二人はこの後どうするの?」

「この後ですか?」

 

話が一段落したところで、果南さんがそう聞いた。この後は特に決めてないけど、適当に過ごそうとは思っていて、特に決まってはいなかった。というか、定期船の中で決めるつもりでいたから。

 

「特に決めてないわね」

「そっか、じゃぁ、一緒に行かない?」

「「何処に?」」

「曜の飛び込みを見にね」

 

 

~☆~

 

 

「というか、今日が大会なんだったら言ってくれれば普通に見に来たのに」

「まぁ気恥ずかしかったんだろうから」

「それか、休みの日だから気を使ったか」

 

果南さんに連れられて淡島を後にしてバスに揺られて曜さんがいるというプールに来た僕たち。今日が大会らしく、僕たちはそれを知らなかった。果南さんは幼馴染だからか、飛び込みの大会があることを知っていたらしい。千歌さんも知っているらしく、たぶん来るとのこと。きっと梨子さんも連れて来そう。

 

「っと、曜の番はまだだね」

「みたいですね」

「みんなの姿は見えないわね」

 

ヨハネは辺りを見回しているけど、どうやらまだ来てはいなさそうだった。といっても、誰が知ってて誰が知らないのかわからないけど。

 

「あっ、次曜さんの番ですね」

「うん。曜の飛び込みは綺麗だからね。見とく価値はあるよ」

「そう言えば、初めて見るような」

 

曜さんが飛び込み台に上がったことで、僕たちは曜さんの方に視線を向ける。

そして、曜さんは飛び込む。確か曜さんは“前逆宙返り3回半抱え型”とやらができるらしいけど、見たことが無いからよくわかんない。

曜さんは飛び込むと体を丸くしてその状態で回転してほとんど水飛沫が無い状態で着水した。何から何まできれいだったから目を奪われていると、直後周りの人たちが大きな拍手をする。

 

「えーと、よくわからないんですけど、成功なんですか?」

「うん。成功だよ。飛び込みだと、着水までの時間で行ったことと、着水時にいかに水飛沫を立てないかがポイントだから。それで、今回はどっちも綺麗に行ったから大成功だよ」

「ほー」

 

飛び込みに関しては全く知らないから、さっきまでの人たちと比べて拍手が多いことを疑問に思ったらそう教えてもらった。ヨハネも知らなかったようでそんな声を漏らしていた。

 

「それに、曜ちゃんは大会の常連だから結構の人に知れ渡ってるからすごいんだよ!」

「あっ、千歌さん。いつの間に」

 

すると、いつの間にかそばにやって来ていた千歌さんがそんなことを言った。いつの間に。あっ、梨子さんもやっぱりいた。

 

「まさか、大会が今日だったなんて。先に言っておいてくれればよかったのに」

「ですねぇ」

 

それから、喋っていると全員の審査が終わり、結果発表になった。結果は、曜さんが入賞だった。

 

「やったよ、梨子ちゃん!曜ちゃんが入賞だよ!」

「うん!そうだね」

 

千歌さんは梨子さんに抱きついて曜さんの入賞を喜ぶ。そうしているうちに大会は閉幕して会場を後にし、

 

「曜ちゃん!入賞おめでとう!」

「わっ、千歌ちゃん!?それにみんなも」

 

会場から出てきた曜さんに千歌さんが抱きついていた。曜さんは僕たちが居ることに驚いているが、千歌さんを抱き留めて笑みを浮かべた。

 

「入賞おめでとうございます。初めて見ましたけど、綺麗でした」

「うん、ありがと。でも、どうしてみんなここに?」

「沙漓と一緒に果南さんについてきただけよ」

「千歌ちゃんと一緒にね」

「そっか。来てたなら言ってくれればよかったのに」

「知られたくなくて隠してたのは曜でしょ?」

「まぁ、そうだけど」

 

曜さんは隠していたからそんなことを言うと、曜さんは苦笑いを浮かべた。とりあえず、いつまでもここに居るのも邪魔になるので歩き出す。

 

「ところで、なんで千歌さんと果南さん以外には伝えなかったんですか?」

「ん?今日は練習休みだからみんなにも休んでもらおうと思って言わなかったんだよ。あと、二人にも言ってないよ?」

 

てっきり、幼馴染だから二人にだけ伝えたのだと思ってたけど、どうやら二人にも伝えていなかったようだった。じゃぁ、二人はどうして知ってたんだろ?

 

「私も千歌も何度も曜の大会は見てたからなんとなく予想は付くんだよ。それで、あとは調べれば簡単に日時はわかるしね」

「そういうことー。曜ちゃんの秘密は全部知ってるもんねー」

「なんと!曜さんの秘密を全部知ってるんですか!」

「私と曜ちゃんの仲だもーん」

「千歌ちゃん……」

 

千歌さんはドヤ顔でそう言った。曜さんは千歌さんの言う秘密をどこまで知っているのかと困惑していた。そんなに秘密があるのかな?

 

 

~☆~

 

 

「さて、そして戻って来た」

「なんか、今日は色々あったわね」

 

僕はみんなと別れてヨハネの部屋に来た。本当はもう少し居たかったけど、曜さんが疲れてるかも的な感じの雰囲気になったから、こうなった。そして、ヨハネのお母さんは、今日は帰りが遅いとのこと。その結果、

 

「ヨハネー。夕飯何にする?」

「沙漓も食べてくの?」

「あれ?だめ?」

「いや、ダメじゃないけど」

 

どうせだからとヨハネの家で夕飯を食べていくことにした。その後ももう少し遊ぼうと思うし。

 

「そうね。私の新作“堕天使の業火”は?」

「明らかに夏に食べるモノじゃなさそうだから却下」

「じゃぁ、“堕天使の翼”?」

「ごめん、普通の名前でお願い」

「ヨハネ式お好み焼きよ。ちなみに“堕天使の業火”は激辛鍋よ」

「じゃぁ、“堕天使の翼”で」

 

ヨハネのよくわからない名称シリーズに困ると、あっさりと普通の名称を口にした。だったら、最初からそう言えばいいのに。

とりあえず、ヨハネが小麦粉を取り出し、ボールに入れて作り始める。その隣で、家から持って来た食材を使って僕も簡単な物を作り始める。

 

「って、黒くしてたのイカスミだったの?」

「ええそうよ。お菓子の時はココアパウダーとかで黒くするけど……」

「別に黒くしなくても……」

「これが堕天使シリーズの由縁よ。で、沙漓は何してるの?」

「焼きそばだよ。お好み焼きだけじゃ足り無さそうだし」

 

そう言いながら、ちゃんと手は動かしていく。そして、ホットプレートの電源を付けて少し待った後、調理を始める。ホットプレートの半分で

“堕天使の翼”をもう半分で焼きそばを作って行く。ヨハネはよく作っているのか手慣れていた。合宿の時にも思ったけど、ヨハネって意外と料理できるのかな?って、お母さんの帰りが遅くて自分で作ってるのか。

 

「ヨハネ。そのタバスコをどうするつもり?」

「入れるつもりよ」

「ヨハネ。なんでタバスコ入れたがるの?」

「気分?」

「気分で辛くしないで」

「仕方ない。後でかけるわ」

 

ヨハネは仕方なさそうにそう言ってタバスコを戻し、ひっくり返す。その間にこっちも進める。そうして、作って完成させるとお皿によそる。

 

「「いただきます」」

 

僕たちはそう言って、食べ始める。ヨハネはさっき言った通り自分の分にタバスコをかけ、僕は普通にソースとかをかける。“堕天使の翼”はほとんど普通のお好み焼きと変わらず、見た目が羽みたいな形をしていた。味はイカスミを入れたはずなのにイカスミ感はあまりなかった。

 

「沙漓の焼きそばもなかなかね」

「そりゃ、どうも。ヨハネのもおいしいよ」

「そう。さて、どんどん焼くわよ」

「ヨハネ、種作りすぎ。まぁ、まだまだいけるけど。それに具材を足したりすればいい感じだし」

 

そう言って、焼きそばを挟んでみたり、ソースを変えたりなどしてみた。そして、食べ終えると洗い物をして、ヨハネの部屋で遊んだ。

 

「あっ、もうこんな時間。そろそろ帰るね」

「そう。じゃ、また明日」

「うん。また明日ー」

 

気づけば夜の十時を過ぎていたからそろそろ帰ることにする。流石にヨハネの家に泊まるのも悪いしね。

さて、明日は……あれ?なにか通知が来てる。

 

“曜ちゃん、入賞祝いを考えようの会”

 

ふむ。つまり……どういうこと?




淡島の仕様は勝手な設定であり、真実は知りませんのであしからず。

ではでは、ノシ
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