幻想入りしたので普通に生活してみることにした   作:masakage

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その12

 昨日の妖夢来襲のインパクトが強すぎて霊夢の事をすっかり忘れていた

 軽く焦った俺は慧音に断りを入れて博麗神社に行くことに

 するとそこには…案外元気そうな霊夢がいた

 

「おはよー霊夢、意外と元気そうだな。

 昨日俺の第六感が霊夢がピンチだと告げたのだが…」

 

「だったら来なさいよ…昨日は残りの食材の量に絶望して声上げたんだから」

 

 俺の第六感は鈍ってはいなかったらしい

 

「後で補給しといてよね、それにしてもアンタ早くから来たわね

 徒歩でしょ?もしかしてかなり早起き?」

 

「フフフ、聞いて驚け!!

 実はワタクシ昨日から飛べるようになりました!

 ついでにもう一つ、生活に役立つ能力が増えたな」

 

「待ちなさい、何で能力がそんなに簡単に増えるのよ!!

 明らかに飛べるようになるより重要なことでしょうが!」

 

「俺からすれば飛べる能力の方が欲しかったんだけどなあ…

 

 む、我が第六感に反応あり。

 この反応、もしや……バb「飛光虫ネスト」アッー!」

 

「紫!?…いや何で私じゃなくてアンタが紫の気配を分かるのよ

 私わからなかったのに…」

 

「あら、私の気配はわからないの?それは良いことを聞いたわ

 ところでレン、今何を言おうとしたのかしら?」

 

「…紫さんが来ると思って効果音を付けてみようと思いました」

 

「そう、でも…次は無いわよ?」

 

「サーイエッサー!!」

 

 初対面の時は優しそうだったのにすごく怖い。

 俺が何をしたと

 

「ところで紫、何でアンタはここに来たの?またコイツの能力の説明?」

 

「それもあるけど忠告にね、彼自身は危険じゃないけど彼の能力は危険だから」

 

「ん?俺の新しい能力って<ゴミを消す程度の能力>じゃないの?」

 

「違うわよ、<この世に存在する物を消す程度の能力>

 物と認識すれば何でも消せるわ…例えそれが人間であってもね」

 

「アンタって本当に能力だけは規格外ね…」

 

「厨二能力ktkr!でも魔力が無いから消せるものはあんまり無いってオチですね、わかります」

 

「そうなんだけれどね、でももし能力を奪う妖怪があなたを襲ったら…ゾッとしないわ」

 

「紫さん……そんなシリアスな展開あるん?」

 

「…何故かしら、想像しにくいわね」

 

 それから少し話し合ったがまあ大丈夫だろうという結論に達した

 紫さんは俺の交友関係から危険な事にはならないと判断したらしい

 魔理沙、霊夢、慧音、フラン、妖夢…

 まあまだ増えるだろうが強い女の子が俺を守ってくれるはずだ!

 …言ってて情けないが仕方ないね

 あと能力が増えたから基礎能力が向上して空も飛べるようになったらしい

 

「やっぱりそんな能力より空飛べる方が嬉しい、ゴミ捨ての必要が無いのは便利だけど」

 

「一応言うけど、あなたの能力は0から1を作り1を0にすることができるのよ?

 とても恐ろしい能力だと自覚しておいてね」

 

「0から1、1を0か…良い響きだ、俺の邪気眼が刺激されるなぁ…

 クッ!静まれっ…第三の能力が目覚めるッ!!」

 

「五月蠅いから外でやってくれない?後そんなに元気だったら早く食糧補給しなさい」

 

「…うん」

 

 霊夢は突っ込んでくれるのは良いが冷たく流したりするから困る

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば紫さんってどこに住んでるの?

 人里にはいないよな?」

 

「フフッ良い女には秘密が付きものよ」

 

「良い女って…そういう年齢じゃないでしょ」

 

 本題が終わったので雑談に興じていたのだが霊夢が爆弾投入

 霊夢は気にしていないが空気が変わった

 これは…怒気ッ!!

 

「霊夢、あなたは誰にも遠慮をしない性格と知っていたけど

 言っていいことといけない事ぐらいわからないのかしら?」

 

「そうは言ったって1000年以上生きてる大妖怪でしょ?」

 

「なるほど、下二桁は18歳という事ですね、わかりました」

 

「レン?次はないと言ったわよね?」

 

「……反省はしていないィィ!!」

 

「そういえば最近暑くなってきたわね

 だから貴方をもっと暑い場所に送ってあげるわ

 

 灼熱地獄にね」

 

 すると突然俺の足元にスキマが開いた

 紫さんは俺が灼熱地獄で苦しむと思っているのだろうが、んなことはない

 

「かかったな!八雲紫ッ! これが我が『逃走経路』だ…

 きさまはこの斎藤蓮との知恵比べに負けたのだああぁぁ…」

 

 これでこの重い空気から逃れられる

 ドップラー効果を起しながら俺はスキマに落ちて行った

 

 

 

 

 

 

 

 

「…何かしらこの敗北感」

 

「アンタの負けでしょ、紫

 アイツは危険だろうが何だろうが未知な所に行けるなら喜ぶ奴なんだから」

 

「そう…私も帰るわ。ちょっと疲れたし…」

 

「へぇ…疲れた様子の紫を見られるなんて珍しいこともあるわね」

 

「…」

 

 


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