幻想入りしたので普通に生活してみることにした   作:masakage

21 / 22
その21

 地底にもすっかり慣れたワタクシ斎藤蓮です。

 今日はこいしに誘われて地底の夏祭りに遊びに来た

 せっかくなのでさとりも誘いお祭りを楽しむことに

 

「レンー!りんご飴、りんご飴買って!」

 

「フハハハ!かわいい女の子の頼みだ、おじちゃん張り切っちゃうぞー!」

 

「こいし!すみませんレンさん、私が払いますので…」

 

「いやいや気にすんな、どうせ金あっても使う当てもないしな

 それにだ……男ってのはカッコつけたがる生き物なんだぜ」

 

「フフッそうですか、なら私もりんご飴買ってもらっていいですか?」

 

「よろこんでー!ちょっくら買ってくる」

 

 さとりみたいな美少女に微笑まれながら頼まれたら断れないだろう、男として……

 

 

 りんご飴を買うため屋台に向かったところ鬼のおっさんに話しかけられた

 

「オイ兄ちゃん、古明地のと知り合いか?」

 

「まあ友達といったところだぞ、それがどした?」

 

「いやどうしたって…覚だぞ? 心読まれて気味悪くないのか?」

 

「おいおい、姉御から聞いたけど正々堂々が好きな鬼が陰口叩いてどうする?

 それに友達だって言った奴の目の前で悪口言うもんじゃあないぞ?

 てかこの斎藤蓮、お天道様に顔向けできる生き方してきたから

 心読まれても問題ない!」

 

「ハッハッハ!レンは相変わらずそういう事をいい目で言うね!

 それからそこのお前は

 

 ちょっと飛んでこい」

 

 会話をしていた鬼がブッ飛ばされ後ろを振り向くと勇戯の姉御が立っていた

 ちなみに姉御とは以前宴会で酒作ってみせたら凄い仲良くなった

 なかなか手に入らないレア物だったらしい

 それはさておき

 姉御は今回セクスィーな着物を着ている。

 スリットから見える太股、胸元からは大胆に強調されたおっぱいが見え…見え…

 

 ……ふぅ

 

「ああ、星熊勇戯さん、ですか。こんにちは」

 

「どうしたんだい!?今さっきと口調も雰囲気も全然違うぞ!」

 

「いえ、ワタクシは、いつも、こんな感じで、ございますよ?」

 

「おーい帰ってこーい」

 

「痛い!」

 

 姉御から強烈なデコピンが飛んできた、マジ首が千切れるかと

 

「痛いぜ姉御、デコから血が…マジで出てる!?」

 

「唾付けときゃ治るよ、かけてやろうかい?」

 

「なんだご褒美か」

 

「なんでそうなる!…アンタと話してると私のペースが乱れるよ」

 

「剛速球とチェンジオブペースの使い分けに定評のある斎藤蓮でございます

 てか姉御、今の鬼さん大丈夫? すげえ勢いでぶっ飛んで行ったけど…」

 

「陰口叩くだなんて鬼の風上にも置けない奴だからね

 あれぐらい気にすることないさ、それよりも嫌な思いさせて悪かったね」

 

「まあ好き嫌いだなんて生きてればできるものなんだから仕方ないね

 友達の悪口言った奴がボコられてスカッとしたもの事実だけどな!

 …いかん、こいしとさとりを待たせたままだ。

 ちょっとダッシュで戻ります」

 

「女を待たすだなんてそりゃいけない、じゃあまたね。

 今度会ったら美味い酒期待してるよ」

 

「今度は酒蔵扱いですね、わかります」

 

 霊夢といい姉御といい、もてる男は大変である

 

 

 

 

 戻ってきたは良いものの思ったより時間をとられていたようで

 

「遅いよレン!遅いから私さきに焼きそば食べてるよ!」

 

「何かあったのですか?」

 

「ごめんごめん、ちょっと姉御に会ったからさ

 状況説明めんどい!適当に心読んでくれぃ」

 

 何があったかを頭に浮かべる、これだけで把握してくれるから助かる。

 

「…はい、把握しました。

 ……友達ですか」

 

「ん? 何か言った?」

 

「いえ、何でもありませんよ。では待たせた罰として今日はレンさんの奢りで」

 

「こいしも!」

 

「支払いは俺に任せろー!バリバリッ」

 

「やめて!…どうして『やめて』と言ってほしかったのですか?」

 

「テンプレですから!全く、こういう風に返してくれる人は貴重だわー!」

 

「フフッ、そうですか、ではせっかくの縁日ですし早く回りましょうか」

 

「おーけい!それにしてもさとり、今日は機嫌いいな、良い事あった?」

 

「気のせいですよ」

 

 さとりはそう言ってるが今もそうだしいつもより笑ってる、確実に。

 まあ美少女の笑顔はこの世の宝だしな、よしっ!

 今日は心ゆくまでお祭りを楽しみました。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。