やはり材木座が書くラノベは間違っている   作:ターナ

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新たな出会い

俺は今、総武高校に来て教室の前で挨拶している。

俺が倒れてから休学扱いだったらしく、高校からやり直したいと皆に伝え、今日から学校に通いだした。

せめて高校は出ておきたいし、出来れば大学にも行きたい。皆は働く必要がないとは言ってくれたが、さすがに嫁達に頼ってばかりというのもいただけない。専業主夫が叶うのだが出来れば俺の所得だけで皆との結婚生活を維持したいと俺のミジンコ並のプライドがそんなことを考えていた。さすがに額が半端ないので目安など全く立っていないが。

 

見た目で言えば、俺は大人だからか誰からも話しかけられることはなかった。

元々ぼっちだからな、そんなのは寂しくもない。目の淀みは5年間も寝ていたためか、かなり薄れていた。顔つきが精悍になり目つきも鋭くなったと言われたので、眼鏡を掛け髪の毛は嫁さん達がセットしてくれるので綺麗に整え学校には来ていた。リハビリ中に姿勢を良くするため猫背を治したり大変だったな。

嫁さん達に勉強を教えてもらい今では全教科それなりの点を取れるはずだ。

クラスメイトは遠くから俺の方を見ているが、それは仕方ないだろうな、高校生からみたらおっさんが制服を着て一緒に机を並べてるのだから。奇異の目で見られていたが、そんなことは分かりきっていたことだ。

昼休みになり俺が教室を出ると一気に騒ぎだしたが、陰口でも叩かれているのだろう。

 

「メチャクチャカッコよくない!?」

「うん、めっちゃクールだし勉強も出来るんだって!!」

「彼女居るのかな。私、立候補しようかな」

「比企谷さんと比べると同学年の男子ってガキだね」

「あ、あんなの歳取ったおっさんじゃないか」

「そのおっさんに頭も容姿も負けてたら、あんたら何にもないじゃん!!」

 

昼休みはベストプレイスで陽乃が作ってくれた弁当を食べていた。一人過ごしていたが教室にもどる途中、女子生徒が荷物を抱えて大変そうなので手伝ってあげた。髪を明るく染めていて胸が大きく、なんだか結衣に似ている気がする。

お礼をいってきたがハッチー先輩と呼ばれて、こそばゆい感覚だった。でもハッチーって。俺の事を知っているようだったがクラスメイトか?

 

授業が終わり帰るため、歩いているといつの間にか俺は特別棟の奉仕部前まで来ていた。パブロフの犬かよ、自嘲しながら見上げると、色あせたシールが貼ってあるプレートが掛かっている。俺にとってはそんなに経っていないのだが、時間の流れを感じるプレートを眺めながら感傷に浸っているといつの間にか扉に手を掛けていた。

 

「ウス...」ガラガラ

 

え!?扉に鍵が掛かっていると思っていたが、その扉はほとんど抵抗を感じることなく開き、俺はつい何時もの挨拶をしながら部室に入ってしまっていた。

そこには黒髪を長くした少女が一人、椅子に座って本を読んでおり、雪乃に初めて出会った時の感情が溢れてきていた。俺が部室に入ると彼女は立ち上がったため、俺は鞄を床に落とし駆け出していた。

 

「キャーー!!」

「..え!?す、すまん!!」

 

俺は咄嗟に離れ彼女に謝罪した。その女子生徒は高校の時の雪乃に似ており、俺は間違えて抱きしめてしまっていた。その女子生徒は自分の体を抱きしめ怯えていたが、なぜか俺の顔を凝視している。俺が謝っていると部室の扉が開かれ髪の毛を明るくオレンジ色に染めた女子生徒が入ってきた、昼間に会った子だな。

 

「やっはろー、ルミルミ..あれ?ハッチー先輩じゃん!!」

 

え!?今、やっはろーって言ったよな!?この女子生徒はヤバい気がする。

 

「..こんにちは。亜衣」

「...ハッチー先輩どうしてここに居るし」

「昔、俺はこの部室で部活をしてたんだよ。ルミルミって...鶴見留美か、後ハッチーって」

「...やっぱり八幡?」

「ああ、お前総武に入っていたのか」

「八幡!!」

 

そう言って留美は俺に抱きついてきた。さっき悲鳴をあげたのに何で抱きついてくるんだよ。

 

「..お前じゃない、留美」

「分かったよ、留美」

「っていうか、何でルミルミ抱きついてるし。さっき悲鳴が聞こえたけど」

「八幡に抱きつかれた」

「ええ!?ハッチー先輩、ルミルミ襲ったの!?」

「ち、違う!!い、いや抱きついたのは確かだが聞いてくれ」

 

俺は今まで入院していて、今日から登校し懐かしくて部室まで来たこと、元部長の雪乃と間違えて抱きついてしまったことを伝えると、なぜかルミルミは不機嫌になっていた。

 

「...なあ、そっちの女子の親戚に由比ヶ浜結衣ってお姉さんは居るか」

「結衣姉ちゃんと従姉妹だよ、今度結婚式するんで呼ばれてるんだ。あたしは荒井浜亜衣。ママと結衣姉ちゃんのママが姉妹なの。あたしはハッチー先輩と一緒のクラスだし。お昼休み荷物持ってくれて、ありがと」

「荷物は気にするな...結衣と従姉妹なのか」

 

それ俺との結婚式じゃん!!12人もいるんで身内だけってことだったが、何人かは親しい人を呼びたいって言っていたからな。

 

「でもハッチー先輩って奉仕部だったんだ」

「ああ昔、留美とも何回か会ったことが有るな。荒井浜、先輩って付けなくていいぞ」

 

ハッチーと言われるのもどうかと思うが、結衣のヒッキーに比べればマシだな。

 

「うん、じゃあハッチーって呼ばせてもらうし。あたしのことは亜衣で良いし」

「分かった、亜衣」

 

昔の俺なら出会ってすぐの女子を名前呼びなんて渋っただろうが、今ではすんなり受け入れられる。俺がそんなことを考えていると、扉を叩く音が聞こえ、留美が返事をすると男子生徒が入ってきた。

 

「失礼するぞ、我は三年C組、名はざ!い!も!く!ざ!「うるさい」...はぃ」

 

さっき材木座って言ったよな!?弟か?太っていて高校の頃の材木座にそっくりだ、さすがにコートは羽織っていないが。

こいつも不味い気がする。俺に対しての核弾頭を背負っているような、こいつの登場から俺のセブンセンシズが警鐘を鳴らし出したんだが..

 

「じゃあ、俺は部外者なんで帰るわ」

「八幡は部外者じゃない。奉仕部員」

「そうだよ、ハッチー」

「いや、今日はあれがあれなんで」

「材木座、依頼って何」

 

留美は俺を無視して話を続けるなよ。俺は席に着いたのだがなぜか俺を真ん中に留美と亜衣が椅子を持ってきて座ってきた。

 

「我の兄者はラノベ作家なのだが、この部活で鍛えられていたらしいのだ。しかもここで嫁さんを見つけてな、もうすぐ結婚するのだ。後ここに居た男子部員も嫁を10人以上貰ったと言うことで、あやかりに来たのだ」

「「じゅ、十人!?」」

「左様、兄者が言うには全員そこらの女優やアイドルでは太刀打ち出来ぬ容姿を誇っておるらしいのだ。

美少女部長殿、ゆるふわビッチ、あざと生徒会長、獄炎の女王、その他にも色々いるのだが、極めつけはこの間、教師を辞めた平塚女史だな。高校生でありながらあの先生をも手に入れた男性にあやかりたいのだ」

 

ヤバい、冷や汗が出てきた。バレてないよな。でもなんで雪乃だけ美少女って呼んでんだよ。どれだけ雪乃を怖がってるんだ、材木座は。

静は俺が復学したいと伝えると、迷うことなく学校を辞めていた。俺と一緒だと甘えに会いに行きたくなるからと言われたが、俺の方が静と一緒だと不味かっただろう。未だに御飯は精力が付くものばかり食べており、もしさっき抱きついたのが雪乃だったら間違いなくここで致していただろうな。

 

「なんでもこの間まで事故か何かで入院していたらしいのだが、目が覚めた時、皆に求婚されたということなのだ」

「「..へぇ」」

 

待て。それを言うと俺の事ってバレるじゃないか。

 

「...八幡、結婚してる?」

「..あ、ああ」

「何人お嫁さんがいるし」

「..12人」

「も、もしかして結衣姉ちゃんの旦那さんってハッチー!?..結衣姉ちゃんからヒッキーって呼ばれてる!?」

「..ああ」

「き、貴殿がハーレム王か!?どうか我にも爪の垢を煎じてくだされ!!」

「お、俺は何も教えれることはないぞ、じゃあ今日は帰らせてもらう」

「..八幡。今帰ったら襲われて抱きつかれたって平塚先生に連絡する」

「留美!?止めてくれ」

「じゃあ材木座のお兄さんとのこと教えて」

「..分かったよ」

 

俺は材木座が書いたラノベを奉仕部で批評していて、途中から嫁さん達とのラブコメを書いて貰っていたことを説明した。

 

「材木座、来週までに八幡と私のラブコメ書いてきて」

「あたしも書いてほしい。ハッチーとのラブコメ」

「俺じゃなくていいだろ、好きな男性で書いて貰え」

「八幡も奉仕部員。部長のいうことは聞かないと駄目」

「そうだし、あたしも書いてほしいし」

「分かった。ハーレム王と主らの物を書けばよいのだな」

「材木座、ハーレム王は止めろ」

「ではなんとお呼びすれば良いのですか」

「名前でいい。後、同学年なんだ敬語もやめろ」

「わ、分かった。では兄者に八幡のことを聞いてラブコメを書き上げてくるぞ」

 

そう言って材木座は出て行ったが、俺の隣に座っている二人は何を考えているんだ?

二人は俺の事なんて何とも思ってないだろ。留美は最後に会ったのは小学生の時、亜衣については今日初めて会ったはすだ。

 

「八幡。..私の小学校の時の初恋の人、知ってる?」

「知るわけないだろ、俺は高校生だったんだ。今もそうだが」

「千葉村で助けてくれたボッチのお兄さん。..今でも忘れられない」

 

留美はそう言ってスマホの画面を見せてきた。画面に表示されたのは、いつか公園で撮った俺とベンチに座り手を繋いでいる写真だった。

 

「それって...」

「いまだに忘れられない初恋の人」

 

俺の事か。これは勘違いだろとは言えないな、五年前の写真を大事にしてくれている。でも留美の初恋が俺だったなんて、しかも未だに忘れられないって..

 

「あたしは結衣姉ちゃんからハッチーとの惚気話聞いるから知ってるし。

内容までは教えてくれなかったけど、仲違いしたときハッチーが本心を言ってくれて結衣姉ちゃん達と仲直りしたことも。結衣姉ちゃん達を傷つけたくなくて何があったのか本当のことを言わなかったことも。結衣姉ちゃんと部長さんが真実を知った時、なんでハッチーを信じられなかったのか凄く後悔したことも」

「結衣..」

「結衣姉ちゃんその話しした時、凄く辛そうだった。ハッチーは許してくれたって言ってたけど、信じれなかった自分が許せないって、あたしの前でも泣き出したし。でも亜衣にもそんな人が現れると良いねって凄く素敵な笑顔で教えてくれたの。

..だからそんな人がいるなら出会いたいって思って奉仕部に入ったんだ。でも高校に入ってから二年間あたしの周りにはそんな人、現れること無かった..」

「..それは結衣が思い出を美化しているだけだ」

「ううん、高校に入ってルミルミと出会って、名前が一緒だったんで千葉村のこと聞いてみたの。あと平塚先生にも聞いたし。

だから結衣姉ちゃんが言っていたことが本当だったんだって。あたしはまだルミルミみたいに初恋とか好きとか言えないよ、でも今ハッチーに凄く興味持ってるし。あたしも結衣姉ちゃんや先生が好きになったハッチーの事もっと知りたい」

「八幡。私にも今までの事、教えて」

 

亜衣は知ってるんだよな、隠しておくことでもないか。でも結衣がそんなに思い込んでいた時があったんだな、今日の夜は結衣を慰めてあげるか。フヒッ

...二人が若干引いてる気がする、もしかして顔に出てたか。

 

俺と嫁さん達はたまに高校の頃の話をするが、今では皆良い思い出話として酒のツマミにしてるからな。俺は高校生だが二十歳を超えているから少しならお酒を飲んだことはある。

 

俺は留美に今までのことを話していた。

たまに亜衣が結衣から聞いた気持ちを代弁してくれて、留美は俺達の話に聞き入っていた。でも俺にとってはこの間のことだが、嫁さん達にとっては5年もたってるんだ。そして今では望んでもこの部室で皆と過ごすことが出来なくなってしまったんだよな..

 

「八幡..」

「ハッチー..」

 

二人に呼ばれ気づいたが俺は涙を流していたようで制服が涙で濡れていた。どうも駄目だな、目覚めてから涙腺が緩くなってしまったようだ。

 

「すまん、みっともない所をみせて。感傷的になってしまったな」

「..八幡。私、八幡が好き。一緒に部活をして欲しい」

「あたしも一緒に部活したい。ハッチーの事、もっと知りたい」

「..分かった。ただ嫁さん達にも相談させてくれ」

 

その後も俺達の話しが途切れることはなく、暫くすると最終下校時刻を知らせる鐘がなったため、一緒に校門に向かった。

 

「校門に女優みたいな人達がいるっしょ!!」

「早く見に行くぞ!!」

 

高校時代の戸部みたいなやつが騒ぎながら校門の方に走っていく。何だか嫌な予感がするんですけど...

 

「な、なあ別々に帰らないか」

「八幡、駄目。これからファミレスに行く」

「そうだし、ハッチーの奉仕部復帰祝いだし」

 

俺達が歩いて行くと校門前には人だかりができていた。遠めに見た時、俺の嫁さんが何人もいたので、俺は屈んで人垣に隠れ通り過ぎようとしたのだが...

 

「あら八幡。登校初日から女子校生をはべらかして何処に行くつもりかしら」

 

俺の進路を遮るように何時の間にか雪乃が前に立って話しかけてきた。

 

「ヒッキーどういう...って、亜衣じゃん!?」

「あっ、結衣姉ちゃんやっはろー」

「先輩、どうしてこんなに遅かったんですかぁ、もしかして彼女さんですかぁ」

 

こっわ、いろはす怖いって。「お前、女の子を誑し込んで私たちを無視して良い度胸だな」って意味を孕んでいそうな、いつか聞いたことがある低い声で話しかけてきた。

 

「ヒキオ、どうゆうことだし」

「ハチ、私達を待たせて何をしてたの」

 

優美子も姫菜も怖いよ。そもそも来るって聞いていないぞ。

 

「八幡君。ちょーと、おいたが過ぎるかな」

「ハチ君、説明してくれるよね」

 

陽乃は完全に勘違いしてる。最近見ることが無かった強化外骨格を付けてるし、めぐりは何時もほんわかしているのに、今は目が笑っていない。

 

「うちらの事、放っておいてイチャイチャしてたんだ」

「なんでイチャイチャしてたことになるんだよ。部活に行ってただけだ」

「八幡、許さないよ」ポキポキ

「さ、沙希さん。手をポキポキ鳴らさないで」

「それはないよ、ウケないよ」

 

それはあってくれよ、ウケてくれよ。

 

「八幡君。私達を見つけたのに隠れて通り過ぎようとしてたよね、どこに行くつもりだったの..かな。返答によっては...ねぇ」

 

千佳が怖い。たまに俺の精神を削るような発言をしてくる。

 

「八幡、鶴見と荒井浜を連れてどこに行くつもりなんだ」

 

静まで来てたのかよ、あんたこの間までここの教諭だったんだろ。生徒も知っている奴ばっかだから、ちょっとは自重しろよ。

 

「八幡が私に会いに来てくれた」

「うん、ハッチーは今日から奉仕部の部員に復帰したし、今からそのお祝いだし」

「貴女達、八幡は私達の旦那様なの。勝手に連れて行くことは許さないわ」

「八幡は私を抱きしめたから、そのお詫びも兼ねてる」

「「「「「「「「「「「「はぁ!?」」」」」」」」」」」」

「ま、待ってくれ。留美が部室で座ってて、高校生の頃の雪乃と間違えたんだ」

「八幡が高校の頃から大好きな私と見間違えたということかしら」

「ああ//雪乃と初めて部室で会った時に見惚れた記憶がよみがえって来て、思わず抱きしめてしまったんだよ」

「わ、私と間違えたのはいただけないけれど、許してあげるわ//」

「..雪乃が許してもあーしらは許さないし」

 

恐いよ、何でそんな目で俺を見てくるんだよ。

 

「でもその後、結衣姉ちゃんでエッチなこと考えてたし」

「い、いや昔の話をしてて今日の夜、結衣を慰めようかなって」

「え!?へへ、ヒッキー。じゃあ早く帰ろ//」

「ま、待ってよ結衣ちゃん。今日はうちの番だし!!」

「だってヒッキーの気持ち優先じゃん」

「うぅ、そうだけど」

「今日は朝からしてないんだ。結衣と南二人とも相手するぞ」

「お前たち。こんなところでそんな話をするな」

 

そう言われ周りを見渡すと、男子生徒達からは羨ましそうな視線と嫉妬の視線が入り混じっており、女子生徒達はヒソヒソ話をしていた。

 

「取り合えず場所を変えようか。八幡君に色々聞かないといけないし、二人にも家に来てもらったら」

「ハルさんの言う通りだね、ここで話しててもしょうがないよ」

「鶴見と荒井浜は大丈夫か」

「はい、家に電話すれば大丈夫です」

「あたしも良いですよ、結衣姉ちゃんが入れば問題ないです」

 

二人がそう言うと俺達は止めてあったバスに乗り込み移動していた。このバスは皆で移動する時用に買ったもので、静と陽乃が免許を持っており、どこかに行くときはよく使っていた。

留美と亜衣も拉致されたが俺達の家で今は寛いでいる。

 

「立派な家..」

「凄いね。ルミルミ」

「13人で住んでるからな」

「ハッチーそういえばさ、美少女部長って誰」

「ああ、あれは雪乃のことだな」

「あら、私のことを噂していたのかしら。でも本当のことね」

 

雪乃はにこやかな表情をしてるな、悪口を言われたわけじゃないからな。

 

「八幡。ゆるふわビッチは」

「..結衣のことだ」

「結衣姉ちゃんのことなの?分からなかった」

「ビッチってなんだし!?今は処女じゃないけどヒッキーだけだし!!」

 

何言っちゃってるの、留美も亜衣も照れてしまってるじゃないか。

 

「あざと生徒会長は」

「はぁ!?先輩が言ったんですか?」

「俺が言うわけないだろ。今日、材木座の弟に会ったんたよ。俺達の事を材木座から聞いたらしい」

「獄炎の女王とも言ってた」

「はぁ!?ちょっと真奈に電話するし」

 

優美子はそう言うとスマホを取り出し電話をかけだした。

 

「...あぁ、真奈。..うん、もう出る?わーたし。その時、材木の弟も連れてくるし...御飯?御飯ならこっちで食べれば良いし...うん、早く来な」ブチッ

「優美子、もう一人追加だね」

「うん、三人で来るはずだから」

 

優美子が電話した後、材木座が来るまで嫁達は食事の用意をしだした。俺と留美、亜衣、夕飯の用意をしていない嫁達とソファーに座り雑談していると、材木座達が到着したようだった。

 

「中二、そっち座るし」

「木材先輩、ソファーじゃないですよ、フローリングの上で正座です」

「材木、早く座るし。じゃあ、弟のほうに聞くけど、ゆるふわビッチ、あざと生徒会長、獄炎の女王以外、他になんて言ってたし」

「しゃ、喋るな「材木座は黙ってな」...はぃ」

「..我が聞いたのは平塚女史、腐女子、ヤンキー、ヘタレ委員長、魔王、ほんわか生徒会長、ウケ(じょ)、ヤン千佳...です」

「「「「「へぇ」」」」」

「今は教師ではないがな。八幡のお嫁さんだから//」

「私はほんわか生徒会長なんだ。へへ良かった」

「未だに言われてたと思わなかったけど、うちは確かにヘタレだったからね」

「今は腐ってないよ!!百合を咲かせてるんだよ!!」

「こ、高校の頃の事なので」

「材木座、ヤンキーって私のことだよな」

「ひゃ、ひゃい」

「ウケ女って何、ウケないんだけど」

「ご、ごめんなさい」

「ヤン千佳ってどういうこと?八幡君は分かるの?ねえ、説明してくれる..かな。ねえ、早く教えてよ..ねぇ」

「千佳が病んでるわけないだろ、俺の可愛い奥さんなんだから」ナデナデ

「へへ、八幡君。好きだよ」

 

俺が右手で千佳を撫でていると、左に座っていた陽乃も文句を言いだした。

 

「魔王ね、久しぶりに聞いたよ。でも八幡君が言い出したんだよね、確か」

「お、俺は関係ないだろ」

「ふーん、そんなこと言うんだ」

「は、陽乃が魔王なわけないだろ、俺の大切な奥さんなんだから」ナデナデ

「へへ、じゃあ今日は私も可愛がってね」

「へ!?き、今日は結衣と南の二人を抱くんだが...」

「..へぇ、私の事は可愛がってくれないんだ」

「い、いや3人を相手したことないから。..初めてだが陽乃も入ってくれるか」

「うん!!八幡君。大好き!!」

「ねえ、八幡君。私は入ってないの..かな。ねぇ駄目なの..かな」

「ち、千佳ももちろん相手するから今日は5人で楽しもうか」

「うん!!」

 

持つのか俺の身体...俺が陽乃と千佳の頭を撫でている間、材木座は嫁達に責められているようだ。真鶴は何時もの事なので、雪乃たちと食事の用意をしているな。

 

「ルミルミ、何だか凄いね。ハッチーの奥さん達」

「うん、でも皆仲良くて羨ましい」

「食事の用意が終わったわ、あなた達も食べていけるでしょ」

「「ありがとうございます」」

「貴女達も何時までも材木座君を責めていないで、早く席に着きなさい」

 

そう言われ皆で食卓に着くと、豪勢な料理が並んでいた。俺の復学祝いと言うことでパーティを開いてくれ、途中戸塚と戸部が来てくれた。

戸部は俺が入院中、姫菜の気持ちを知っていながらも告白したらしい。それに対して姫菜も真剣に答え、今は友達として俺達の家に遊びに来てくれる。

 

この日は夜遅くまで騒いでいたがお開きとなり、材木座達が車で留美と亜衣を送ってくれた。

ただ結衣と南、陽乃、千佳は忘れていなかったようで皆が帰った後、2次会と称し、寝室で5人裸で明け方まで寝れることはなかった。

 

 




前回の話について、色々ご意見を頂きましたが、
ただ高校生留美と高校生八幡を出したかっただけです。
オリキャラが喋って留美がサブキャラみたいになってしまいましたが...

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