と、ヒロシ風の愚痴を連ねましたが、気にしないでください!では、本編スタートです!
3人は松明に火を灯し、ついに玉座の間に踏み込んだ。玉座には紫色のローブを着た魔物が鎮座していた。その魔物=親分ゴーストは3人の存在に気付き、面白そうな様子で話しかける。
「ここまで来るとは大したガキどもだ。褒美に美味しい料理を作ってやろうではなないか。さあ、こっちへ来なさい。」
「えー、その料理が目の前にないと納得できないなあ。」
「とか言っちゃって網で捕まえたりするんじゃないの?」
「うわー、こいつ6歳児と8歳児に論破されとる。え、ウチ?そんな見え透いたウソに引っかかると思う?」
3人は返答ついでの挑発を行う。
その時、カリンはこの部屋のある違和感に気づいた。
「ほう、来ないと申すか。と言うことはこのワシを倒しに来たのだな。遠慮することはない。かかって来なさい。」
「ビアンカ、カリン、行くよ!」
「うん!」
リュカとビアンカは親分ゴーストに向かって駆け出す。
「あ、コラ!多分そこ落としあ…………」
そう叫んだ瞬間にはリュカとビアンカが走っていったところの床が開き、一直線に下に落ちていった。
「「あーーーれーーーー!!」
カリンは慌てて穴を覗き込み、2人に向かってスクルトをかける。確かここは料理が出てくる穴の上だ。つまり地下一階まで真っ逆さまだろうが、スクルトを二回かけたので死ぬことはないだろう。
「ほう、落とし穴に気づくとはなかなかやるな。どれ、私が直々に料理してやろう。」
「えー、やだ。めんどくさいし。」
「それを決めるのはお前ではない!!」
そう叫ぶと同時に親分ゴーストはカリンに飛びかかった。弓で受け止め、弾き返す。さすがにここの魔物を統べるだけあって強さは尋常ではない。親分ゴーストの苛烈な攻撃とメラ、ギラの呪文攻撃をかわし、矢を放ちながらリュカとビアンカの帰りを待つ。
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落とし穴にまんまとハマったリュカとビアンカの2人はカリンのスクルトのお陰で、15メートルほど落下したにも関わらずほとんど無傷であった。
「リュカ!大丈夫!?」
「うん、大丈夫だよー。」
「早く戻りましょ。カリンが落ちて来てないってことは、きっとあいつと戦ってるのよ!」
そんな2人に何か粉状のものが降りかかる。
「わ、なんだこれ?」
ビアンカは匂いを嗅ぐ。
「粉チーズ?」
あたりを見回してみると肉やその他の食材が自分たちの近くに盛り付けられていた。さらに奥に目をやると、魔物に脅されているコックが自分たちに粉チーズを振りかけているのがわかった。
すると、急に床が上昇し始めた。リュカは突然の出来事に驚く。
「な、何?どうなってるの?」
そこで意外にも落ち着いているビアンカが冷静に状況を分析する。
「ここ、多分お皿の上よ。美味しい料理ってあたしたちのことなのよ。今から一階のホールにいたおばけキャンドルたちに食べられるのよ。」
「それは嫌だなぁ。」
「そうね、暴れましょ。」
リュカとビアンカを載せた皿はついにホールに到着した。文字通りの姿をしたおばけキャンドルたちが歓声をあげる。
「久々にうまそうな飯だ!生きた人間だぞ!」
「俺はメスの頭を頂こう!」
リュカとビアンカは目を合わせると、それぞれ反対方向に駆け出して、1匹ずつおばけキャンドルを片付ける。ついでにフロアにいた魔物ーー見るからにお化けの図体をした、黄色いボディに紫色の帽子を被ったゴースト、黄色い幅を象った炎で出来た体を持つナイトウイプス、蛇の形をした骨の魔物・スカルサーペントなどーーを全て倒すと、2人は階段を駆け上がり、カリンの元へ向かう。
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カリンは親分ゴーストに苦戦を強いられていた。さすがに普段は後衛であるカリンにとって1対1はきついものがある。カリンはじわじわと玉座の間の反対側にあるバルコニーに押しやられていた。
「そんなもので終わりか?え?」
「喧しいな!女の子いじめて何がおもろいか知らんけど、だいぶ年もいってそうやし、もうそろそろ隠棲でもしたらどうや?ウチが代わりにこの城治めといたるわ。」
「ふん、馬鹿も休み休み言え!」
「ガキの挑発くらいでマジになっとんとちゃうぞ!」
その時、階段を駆け上がって来たリュカとビアンカが戦場に到達した。助かった、とカリンは思ったが、リュカとビアンカは減速する気配を見せない。逆に加速しているくらいだ。これはもしや………
「「おりゃ〜〜〜!!!」」」
2人は高々と跳躍し、親分ゴーストに足を向ける。すなわち、飛び蹴り。しかし、その親分ゴーストの後ろにはカリンがいることをわかってんのかこいつら。
ハイ、わかってませんね。
不意を突かれた親分ゴーストはカリンに向かって倒れ込んだ。カリンは案の定押しつぶされ、ようやく這い出る。
「ビアンカ、決まったね!」
「カリンもびっくりよ!」
そんな2人の脳天にカリンのゲンコツが降り注ぐ。
「アホかお前ら!ウチが親分ゴーストの奥におるのわからんか!?あいつが刃物もっとったら味方のせいで串刺しにされるとこやってんぞ!」
「う……ごめんねカリン。気づかなかったわ。」
「ごめん。」
「まあええわ、お陰で助かったしな。」
すると、しばらくノびていた親分ゴーストが立ち上がった。
「き、貴様ら………。ホールの魔物たちが取り逃がしたということか………。」
「ついでに叩きのめして来てやったわよ!」
「案外大したことなかったしね。」
「さーて、ケリつけようやないか。」
月明かりに照らされた広いバルコニーでカリン、リュカ、ビアンカの3人と親分ゴーストが対峙する。
「ルカニ!」
カリンのルカニの詠唱を皮切りに、レヌール城最後の激闘が始まった。
ある程度のダメージを広範囲に及ぼすギラを駆使して迫ってくる親分ゴーストに対して、前衛ではリュカとビアンカのコンビネーション攻撃が炸裂し、後衛ではカリンがホイミやスクルトで支援し、時には矢で相手の動きを牽制する、いつも通りの戦いであるが、いつも通りだからこそ、コンビネーションに乱れが生じることなく親分ゴーストに確実にダメージを与えていく。
親分ゴーストもホイミで回復を行い、マヌーサなどで撹乱を狙うが、リュカとビアンカの攻撃はホイミによる回復量を上回り、マヌーサはカリンのマヌーハによってすぐに掻き消される。通常攻撃もスクルトでほぼ無効化され、呪文に頼らざるを得ないが、カリンの的確な射撃が呪文の詠唱に必要な親分ゴーストの集中力を奪う。3人組は親分ゴーストに主導権を渡すことなく終始有利に戦いを進め、ついに親分ゴーストは諸手を上げて降参の構えを見せた。
「ま、参った。降参しよう。ワシはこの城から魔物を率いて出ていく。だから命だけは助けてくれ!」
「どうする、リュカ、ビアンカ?ウチとしては死者に対する扱いがなってないこいつを今すぐぶっ殺したいぐらいやねんけど。」
それを聞いて親分ゴーストは震え上がる。それを見たリュカが笑いながら窘める。
「カリン、言葉が悪すぎるよ。それはそうと、一応魔物に 退治の名目も立ったし、もういいんじゃないかな?」
「そうね。こいつを殺したところで時間の無駄よ。さっさとここをおさらばして帰りましょうよ。」
「よかったな、お前。多数決の結果、お前を見逃したるわ。一生こいつらに足向けて寝られへんで。」
「ありがとな。あんたら、いい大人になるぜ。」
そう言うと親分ゴーストは魔物を連れて正面玄関からいづこかへ旅立っていった。
カリンたちが戻ろうと建物の中に入ると、玉座の間にはこの城の幽霊たちが大集合していた。皆カリンたちに歓声を上げている。
「わー、みんな喜んでくれてるのね。」
「あ、あのコックもいるよ。」
「こういうのも悪い気はせえへんな。」
玉座にはエリックとソフィアがいる。カリンたちは彼らの前に立った。
"うむ、よくやってくれた。これで城の者たちはゆっくりと眠りにつけるだろう。"
"あなたたちには感謝してもしきれませんわ。そこでお礼にこれを上げましょう。"
そう言ってソフィアは金色の宝玉を差し出した。
"今から15年ほど前に私たちの墓の前に落ちて来たのです。これが驚いたことに、よほど魔力が強いのか私たちにも触れるんですよ。"
「ありがたく頂戴します。」
カリンは受け取るとリュカに手渡した。
「微妙に重いから持っとけ。」
「えー、理由が雑いよ〜〜。」
それを見て一同は笑いに包まれる。それが引くと、エリックはカリンたちに向き直った。
"それでは、我々に未練は無くなったことだし、眠りにつくとしよう。"
徐々に幽霊たちの姿は薄くなり、ついに消えた。
「終わったわね。」
「終わった。」
「帰ろか。もう日の出や。」
登り始めた朝日がレヌール城を照らす。光り輝くその姿は、晴れやかな美しさがあった。
こうして、レヌール城の冒険は幕を閉じた。
7月にWOWOWでシンゴジラが初放送です!めっちゃ嬉しいです!DVD買えなかったので………。ゴジラシリーズも一挙放送しろよ!!全部持ってるけどゴジラ対メカゴジラに傷いっちゃってるんだよ!!頼むよ〜〜(自業自得です。)
<次回予告>無事に猫を解放することに成功したカリンたちはサンタローズの村に帰還する。モモと名付けられた猫はカリンの服の裾を引っ張って人気のない場所に連れてくる。果たして、モモの意図は?
次回 第13話「真なる再会」
賢者の歴史が、また1ページ