DQ5 天空の花嫁と浪速の賢者   作:かいちゃんvb

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大河ドラマのオープニングテーマってかっこいいやつ多いですよね。ちなみに僕は「花燃ゆ」「龍馬伝」「風林火山」「天地人」「新撰組!」のやつが好きです。
では、本編スタートです!


第14話 怪しい旅人

翌朝、リュカはカリンとモモと共に村の中を散策していた。パパスは朝から調べ物をしていて手が離せないようなので、邪魔にならないように家の外で遊ぶことにしたのである。しかし………

 

「なあ、リュカ。」

 

「何?」

 

「さぶない?」

 

「うん、寒いね。」

 

もう三月も後半に入った(正確には3月19日)にも関わらず、全く気温が上がる気配を見せない。連日冬が春になることを執拗に拒否するようなかなり寒い日が続いていた。

 

「何が何でも寒すぎるわ。ええなあ〜、モモは毛皮着てて。」

 

「ふにゃあ〜。」

 

「今絶対ざまーみろって思ったやろ?言葉通じひんくても今のはなんとなくわかったぞ。」

 

「ふにゃ〜、ゴロゴロ………」

 

「てか癖とか何も変わってへんからすぐわかんねんぞ。」

 

「カリン、何言ってるの?」

 

「いや、こっちの話。」

 

村ではどうやら不可解なことが起きているようだった。不可解なことと言っても、そんな大した出来事ではない。鍋の中の夕食のシチューがなくなった。サンチョのまな板がなくなった、宿屋の宿帳に落書きがしてあった。その程度のものだ。そしてもう1つ、不可解なことが………

 

「あの旅人、一体いつここに入ったのだ?」

 

スコットが訝しがっている。

 

「スコットさん、どうかしたの?」

 

「いや〜、あの教会の横に立っているあの紫ターバンの旅人なんだが、あいつを村に入れた覚えはないんだよ。」

 

「あ〜、スコットさんもうボケ始めたんか〜」

 

カリンの脳天にゲンコツが振り下ろされる。

 

「カリン、余計なこと言うからだよ〜」

 

「ボケることがウチのライフワークや。」

 

「「はいはい。」」

 

すると、旅人は教会の周りを掃除していたシスタールカと談笑し始めた。すると、スコットは少しムッとしたような表情になる。

 

「お、まさか妬いてる?」

 

「そ、そんな訳がない。そ、そうだリュカ、カリン。あの旅人にどこから入ったか聞いてきておくれよ。私が行くよりすんなり話を引き出せるだろうから。」

 

「ふーん?本当にそんな訳ないん?ま、ええけどな。」

 

そして教会の方に向かうと、シスタールカが頬を赤らめてキャッキャ言っているのが目に入った。気になるので話を聞いてみる。

 

「あの旅人さんがね、私の手を握って熱い視線で見つめてくださったのですよ!もう感激しちゃって、ズキューンって来ちゃったのよ!」

 

「「はいはい」」

 

恋する乙女は放っておいて教会の横に向かうと、そこには紫のターバンを頭に巻いたガッチリした逞しい肉体を持つ20歳くらいの若者が立っていた。

 

(リュカ………?)

 

その姿は、リュカをそのまま大人にしたようであった。リュカ本人はそれに気づかないのか、旅人に気さくに声をかける。

 

「旅人さん!この村は初めて?」

 

「いや、随分前に一度ね。ところで君がリュカくんかい?」

 

「そうだよ、どうして知ってるの?」

 

「シスターが教えてくれたんだ。この村には元気いっぱいの男の子と女の子がいるって。」

 

「へー。あっ、そうだ。村の入り口にいるスコットが旅人さんが村に入るのを見てないって言ってたよ。どこから入ったの?」

 

「それが僕もよくわからないんだ。気がついたらここにいた。」

 

「ふーん。」

 

すると旅人は何かに気づいたようだ。

 

「お、リュカくん、綺麗な宝玉を持っているね。」

 

「そうだよ。見る?」

 

「お、見せてくれるのか。これはありがたい。」

 

旅人は宝玉を手に取り、太陽にかざしたり、くるくる回したりしている。しばらくすると、リュカに宝玉を返した。

 

「ありがとう。綺麗な宝玉だったよ。おっと、カリンちゃんとはお話ししてなかったな。」

 

「な、何や?」

 

あまりにも旅人がリュカに似ていたため、思考をフリーズしていたカリンは慌てて返事をする。すると旅人はカリンの頭に手を置き、

 

「リュカくんのこと、頼むね。」

 

とだけ言った。そして、リュカに向き直る。

 

「人生色々辛いことはあると思うけど、君は1人じゃない。友達を大切にしてね。」

 

「うん!」

 

「ほら、君たちはスコットさんに伝言を頼まれたんだろう。早く行ってきな。」

 

リュカたちはスコットの元へ向かう。

 

「気づいたらここにいたんだって。」

 

「ふーむ。ま、いいか。ところでその旅人さんは?」

 

旅人を探して村を見回すが、もうその旅人の姿はなかった。

 

「いなくなっちゃったね。じゃあね、スコットさん!」

 

「おう」

 

リュカはついでの用事を思い出し、一路酒場へ向かった。ついでの用事とは、グランバニアの地酒を買ってくることだった。

 

(きっとこの3人はグランバニア出身なんやろう。それにしてもあの旅人………絶対リュカやんな。どういうことなんやろ………?)

 

そうこうしているうちに目的の酒場まで着いた。マスターに料金を払い、地酒を受け取る。

 

「毎度ありがとよ。そうだ、ちょっとここで休憩して行くといい。ジュースを出してあげよう。私は今から倉庫を整理してくるから、飲み終わったコップはテーブルの上に置いて行きな。」

 

そう言ってマスターはリュカとカリンにぶどうジュースを渡し、地下へ降りていった。

 

「なーリュカ。あの旅人あんたにそっくりちゃうかった?」

 

しかし、リュカは驚いたような顔で何もないカウンターを見つめている。

 

「ちょ、あんた聞いてんの?」

 

「カリンには見えないの?カウンターの上に座ってるお行儀の悪い女の子。」

 

「は?」

 

"えっ、あなたには私がみえるの?"

 

「えっ、今誰が喋った?」

 

"そちらの方には声だけ聞こえるみたいね。"

 

「うん、僕には見えるよ〜」

 

そう言いながらカリンにドヤ顔を見せる。カリンはそれをスルーし、会話を進める。

 

「なるほど、大人はだーれも気づいてくれへんからイタズラしまくってたんやな。」

 

「えっ、何でそんなことわかるの?」

 

「ウチが中途半端にしかその子を認識できひんから。」

 

「??」

 

「わからなくてええよ。また大人になったら教えてあげる。」

 

「ふーん。」

 

"話の流れはよくわからないけど、とにかく女の子の言う通りよ。"

 

「あー、自己紹介忘れてんな。ウチはカリン、こいつがリュカ、この猫っぽいやつがモモ。あんたは?」

 

"妖精のベラよ。あなたたちに来て欲しいところがあるの。武器だけ持って地下室のある家に来てくれない?"

 

「うちのことやけど……。ま、わかった。」

 

"詳しい事情はまた後で説明するわ。じゃ、後ほど。"

 

「あー、行っちゃった。」

 

「武器持ってこいなんてえらい物騒な話やな。リュカ、はよ行こか。」

 

「うん!」

 

2人と1匹は家に向かってダッシュで帰って行った。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

カリンとリュカは武装を整えて家の地下室にやって来た。もちろんモモもついて来ている。普段はカリンが弓の練習に使っており、壁の至る所に傷がついている。その部屋の中央にベラがいる(らしい)。

 

「んで、どうしろと?」

 

"今からあなたたちには妖精の世界へ行ってもらうわ。"

 

「「え!?」」

 

「ちょまって!聞いてないって。」

 

「そりゃそうだよ。今初めて言われたんだもん。」

 

「…………。」

 

すると、地下室に光の階段が現れた。

 

"さっ、登って!"

 

「いや、こんな得体の知れへんもんに自分の体重かけて登れるか!!」

 

しかし、リュカは腹を括ったのか、決然とした様子で階段を登って行く。カリンとモモもそれに続いて階段を上がった。そして、視界は白い光に包まれた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

目を開けると、そこは銀世界であった。大阪は年に数回しか雪が降らず、積もることなど滅多にないし、サンタローズ周辺は雪の少ない気候なので、初めて見る銀世界のその美しさにしばし目を奪われた。しかし………

 

「寒っ!え、何これめっちゃさぶいやん!」

 

決して薄着をして来たわけではないが、ここは桁外れに寒かった。リュカもモモも歯をガタガタ鳴らして凍えている。そして、そこでカリンは初めてベラを見た。紫色のショートヘアーに吊り目ではあるが可愛らしい顔立ち。人間と見間違えそうだが、何よりも尖った耳がやはり人間ではないことを如実に示している。

 

「あら、人間にはここは寒いかな。さ、さっさと屋内に入ってポワンさまとお会いになるといいわ。」

 

カリンとリュカとモモは一刻も早く暖かい屋内に入るために、ベラが指差した巨大な木の切り株をくり抜いて作られた妖精の世界の宮殿に向かって猛ダッシュする。

 

「ちょ、私を置いていかないで〜!」

 

ベラがそう叫びながら慌てて後を追う。

妖精の世界での冒険が、今始まった。




ゲーム「星のドラゴンクエスト」で強い剣と弓と杖が当たりません。今回の武器フェス、頑張っていくぞ!
<次回予告>突如妖精の世界へ連れてこられたリュカたち。彼らは妖精の村の主であるポワンからある事を依頼される。それは世界に春をもたらす魔法の笛の奪還であった。
次回 第15話「フルート奪還隊西へ」
賢者の歴史が、また1ページ
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