DQ5 天空の花嫁と浪速の賢者   作:かいちゃんvb

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どうも、かいちゃんです!
土曜日のプロ野球オールスターゲームのMVPは小林誠司であると信じて疑いません。さすがセ界の小林、大舞台では打ちますね笑笑。由伸の反応が全てを物語っていましたね。シーズンで打て!笑笑
では、本編スタートです!


第18話 桜咲く春の訪れと……

死闘の末に勝利を掴みとった一行は気を失っている雪の女王の手を後ろで縛りつけ、近くの柱にもたれ掛けさせた。

そして、負傷者の治療を行い、リュカは宝箱から春風のフルートと、なぜか隣の宝箱に入っていたブーメランを回収した。カリンがばら撒いた矢をモモと目を覚ましたザイルが回収し、ベラは春風のフルートを傷がつかないように丁寧に布で包んでいる。特にすることの無くなったリュカとカリンの2人が雪の女王の元に歩み寄ると、雪の女王が目を覚ました。

 

「ん………」

 

「あ、起きた?頭痛いとかない?一応ベホイミかけといたろか?」

 

「情けをかけるつもりか?早く我を殺せ。」

 

「アホウ、なんでウチらがあんたを殺さなあかんねん。ウチらが頼まれたんはフルートを取り返してくることだけや。それ以上を望むんやったら超過勤務手当出してもらわんとな。」

 

「なぜ殺さぬ。我はそなたらを殺めようとしたのだぞ。」

 

今度はリュカが答える。

 

「ダメだよ!悪いことしたんでしょ。ちゃんとポワン様に謝らなくっちゃ。死んだらそれでチャラにはならないんだよ。」

 

リュカの発言に雪の女王は目を丸くする。そして、自嘲を含んだ声色で呟く。

 

「ふっ、躾けてやると言ったこの我が6歳の子供に躾けられるとはな…………。」

 

カリンが続ける。

 

「これはウチの持論やねんけどな、季節っていうのは巡るから価値があると思うねん。春は冬の寒さがあるからその暖かさが引き立つし、他の季節にはない陽射しと暑さが夏を際立たせるし、夏の暑さがあるから秋の涼しい風が心地よく感じる。冬も一緒やろ。他の季節やったら見られへんからこそ銀世界に美しさを感じるんちゃう?」

 

「そうだよ。毎日雪合戦しても毎日お花見をしても毎日海で泳いでも毎日秋でも飽きちゃうもんね。」

 

「………そうだな。我が間違っていたかもしれぬな。」

 

「それに、ほうれい線浮いてるっていうの、嘘やから。お姉さんっていうにはちょっと年食い過ぎやけどまだまだ若いねんから、若さに拘ってたらあかんで。余計はよ老ける。啖呵切った時も言うたけど、美しく老いること考えよーぜ。」

 

「ふ、小娘風情が………」

 

「お、まだ言い返してくる元気あるか。ほんじゃあそろそろ村へ帰りましょか。片付けも終わったみたいやし。」

 

リュカは雪の女王を立ち上がらせる。そして雪の女王と歯のついた靴を履いているザイルとモモをを除いて、ツルツル滑る床の上をペンギン歩きで帰る。

 

「カリン、この歩き方、他の人から見たら絶対おかしいよね。」

 

「うん。自己分析できるとはいい傾向や。しかもこの歩き方、明日あたり前腿筋肉痛でヤバそうやわ。」

 

一行は笑いに包まれた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ポワン様、今回はごめんなさい!」

 

「この度はワシの孫がとんでもないことをしでかしました。ワシはどうなっても良いからこの子だけは許してやってください!」

 

「この度は迷惑をかけて申し訳ない。如何様にでも罰してくれ。」

 

妖精の村の巨木の切り株をくり抜いた建物の三階、つまりポワンのいる間で、ザイルとザイルの祖父の鍛冶屋は土下座をし、雪の女王も頭を垂れている。

 

「みなさん、頭を上げてください。怒ってなどいませんよ。今回の件は、様々な行き違いや価値観の相違が生んだ事故です。従って、誰も処罰はいたしません。鍛冶屋とザイルには、この村へ自由に出入りすることを許可します。雪の女王、いえ、本当の名は雪の精霊カザリンでしたね。私の元で仕えなさい。貴女の健康法は美容にとても良いのだとか。是非ともご教授いただきたいわ。」

 

「いえ、しかし……」

 

「異論は許しませんよ。これでもここの主なのですから。」

 

「「「ははあ」」」

 

3人はポワンに頭を垂れた。そしてポワンはリュカたちに向き直る。

 

「リュカ、カリン、モモ。本当によくやってくれました。心から礼を言います。ベラも彼らをよく支えましたね。カリン、モモを連れて春風のフルートをこちらに持ってきてください。」

 

カリンはポワンの真意を測りかねて首を傾げたが、取り敢えず言われた通りにする。すると、ポワンが誰にも聞こえないように1人と1匹に語りかける。

 

「貴方方はどうやらここにいる人々とは一線を画す存在のようですね。それはそれで構わないのですが、今のままだと色々と不便でしょう。」

 

そう言うとポワンは2人に魔法を掛けた。

 

「これでモモの声がカリンにだけ届くようになりました。」

 

カリンとモモは顔を見合わせ、喜び合う。するとポワンは立ち上がり、高らかに宣言する。

 

「では、これより春の訪れを告げるとしましょう。」

 

ポワンは春風のフルートを口につけ、音を奏でる。すると、建物の中に植わっていた桜の木の花が一斉に咲いた。一同はその美しさに感嘆する。とりわけ、カリンとモモの感慨は一入(ひとしお)であった。

 

"こっちでも桜の花があんねんな〜"

 

「わっ、ほんまに聞こえた。それにしても、やっぱり桜は日本人の心揺さぶるな〜」

 

"ほんまに………綺麗。"

 

そこで、ポワンが本当に名残惜しそうに言う。

 

「残念ですが、カリンとモモとリュカとはここでお別れです。お礼にこの桜の苗を差し上げましょう。」

 

ポワンはそう言ってカリンに植木鉢を与える。

 

「それは挿し木が上手くいった桜の苗です。5年もすれば立派な花をつけ、10年もすれば立派な成木になるでしょう。根気よく育てることですよ。桜は育てるのが非常に難しいですからね。そして、もし貴方たちが大人になって、困ったことがあったらどんなことでも力になりましょう。その時まで、お元気で。」

 

すると、ベラが目に涙を湛えながらリュカたちとの別れを惜しむ。

 

「あなたたちとの冒険、本当に楽しかったわよ。また大人になったら元気な姿を見せてね。」

 

ザイルと雪の女王改めカザリンも別れを惜しむ。

 

「お前らには世話になったな。お前らが大人になってまたここに来たら、俺が立派な武器を叩いてやるよ。」

 

「そなたらには本当に世話になったな。特にカリン、お前にはいくら感謝してもしきれない。とにかく、達者でな。必ずまた会おう。」

 

「みんな!さよなら!またね!」

 

「じゃあ、また。」

 

「ふにゃふにゃ!」

 

そして、ポワンが2人と1匹を自分の近くに呼び寄せる。

 

「それでは、目を閉じてください。」

 

ポワンが呪文を唱えると、カリンたちの瞼の裏が白く輝いた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

目を開けると、そこは家の地下室だった。

目の前にはまだ光の階段が残っていたが、徐々にその光は薄くなっていき、やがて消えてしまった。カリンは肩の荷が下りたかのように呟く。

 

「終わったな。」

 

ふと横を見ると、リュカは泣いていた。もう2度と会えないかもしれないという思いがそうさせるのだろう。

 

「リュカ。」

 

カリンも懸命に湿り気が声に混ざらないように堪えながらリュカに話す。

 

「人生は出会いと別れの連続や。いつまでも泣いてはおれへんで。ウチだって悲しいけどな、別れて悲しくなるような人と出逢えたってことが、何より得難い財産なんや。」

 

「うん。」

 

地上からは夕日の光が漏れている。2回目に妖精の世界に行ってから2時間というところだろうか。カリンの腕の中にはまだ桜の苗がしっかり握られていた。リュカが涙を拭き終わったところで提案する。

 

「よっしゃ、取り敢えずこの苗どっかに植えよ。うちの裏の教会の横くらいでええか。リュカ、スコップ持って来て!」

 

「えっ、スコップでちっさい穴掘るの?」

 

"美咲!関東と関西はスコップとシャベルが逆らしいで!"

 

モモが説明を入れてくれた。

 

「マジ!?やっぱりシャベル!」

 

「はーい。」

 

 

世界に遅めの春が息吹き始めたこの日、一本の桜の木がサンタローズの村に植えられた。この桜が繁殖を重ねた結果、数百年後には村全体に広がり、サンタローズを桜の名所とすることとなる。そんな事はつゆ知らず、夕陽で赤く染まった少年と少女と1匹のベビーパンサーは、植わった苗を飽きる事なく眺めていた。




昨日ニュースで生徒に「飛び降りろ」と言った教師がいたって話ですけど、あれってそのあとにまだ続きがあるんだとか。政治家の失言騒動もそうですけど、発言のほんの一部を抜き出されて言葉尻を取られるって怖いですね。
<次回予告>パパスがラインハット王に招集された。初めてラインハット王国の土を踏むリュカ。そこでヤンチャな第一王子ヘンリーと出会う。しかしそこでは恐るべき陰謀が蠢いていた。
次回 第19話「王子奪還作戦」
賢者の歴史が、また1ページ。
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