カリン 村の娘 Lv.2
HP 24 MP 6
力 12 素早さ 9 身の守り 4
賢さ 72 呪文 ホイミ、メラ
どうも、かいちゃんです。呪文は初出の際に簡単に解説しますが、モンスターの解説は私の表現力では表現しきれないし字数も嵩むので割愛させて頂きます。「その魔物知らんわ」という人は、お手数ですが、ネットで検索するか実際にプレイすることをお勧めします。
では、本編スタートです!
翌朝、カリンが目を覚ました頃にはかなり日が高く上っていた。昨晩は大人の話に加わりながら後片付けをし、寝る頃にはおそらく日付を跨いでいた。7歳の体にはまだキツかったようだ。サンチョが用意してくれた朝食を食べ、既に出掛けたというリュカを探して散歩をしていると、武器屋の前でオロオロしているリュカを発見した。
「リュカ、何してんの?」
「か、カリン!起きたんだね。一緒に遊ぼうと思って起こそうと思ったんだけど、サンチョと父さんが寝かしてあげてって言うから、1人でお散歩してたんだ。」
「なんで武器屋の前でオロオロしてんのよ。」
「た、たまたまだよ。」
しらばっくれる気やな。こうなったらあの作戦や。
「そうそう、昨日の夜ご飯美味しかった?なかなか自信作やってんけど。」
「うん、カリンって料理もできるんだね。今宿屋のビアンカのところにも行ったんだけど、美味しかったって言ってたよ。」
「へ〜。それは嬉しいなあ。それにしてもゴメンな、昨日はあんまり遊ばれへんくて。じゃあ今からどうする?」
「ゴメン、僕今からここで武器と防具を買わなきゃ…………あ!」
「ふっ、引っかかったな!会話の流れからポロっと言わせる作戦成功!さてさて、もう言い逃れは出来ひんで〜。さあ、武器を買って何するつもりやったか言うてみ?よっぽどアホなこと言わん限り怒らんから。」
「う、うぅ〜。」
「さてはビアンカのところでなんかあったんやな。」
ビアンカがこの村に滞在している目的。リュカは武器と防具を買おうとしている。この事から考えると……。
「わかった。ダンカンさんの薬取りに行った薬師が洞窟に入ったまんま帰って来おへんから、洞窟に入って助けにいくつもりやったんやな。」
「え、何でわかったの!?」
「考えたら思い浮かんだ。」
「カリン、凄いや。」
「んで、武器屋のおっちゃん強面やし、子供に武器売ってくれるかわからんかってんな。」
「そうなんだ………」
「よっしゃ、ウチに任せとき。手伝うわ。」
「本当に!?」
「ビアンカとダイアナさんの悲しむ顔は見たくないしな。それと洞窟の魔物で力試ししたいってずっと思ってたし。お金いくら持ってる?」
「150ゴールド。」
「ウチは160か………」
ウチは武器は弓矢、防具は毛織りのケープとヘアバンドやから買い足す必要はないな。よし、いっちょやりますか!
「おっちゃん!」
「おう、カリンか!今日は何の用だ?」
「近々旅に出るかもしれへんくてな、ちょっとこのリュカに武器と防具買ってやりたいんやわ。」
「おう、何が欲しい?」
「樫の杖と旅人の服と皮の帽子と皮の盾。335やんな。」
「おう、計算が早いな!」
「でもな、手持ち310しかないねん。経営苦しいのは重々承知やねんけど、今度ビール1杯奢るから負けてくれへん?」
「そんなことしなくてもウチは簡単には潰れねーよ。300で負けといてやる。ビールも無しだ。ほれ、持って行きな。」
「ありがとう、おっちゃん!大好き!」
「おう、パパスさんに宜しくな!」
10Gを手元に残してカリンはリュカの元へ戻った。
「うわー、凄いや。」
「良い子のリュカ君は真似したらあかんで。」
「はーい。」
「んじゃちょっと弓矢取って来るから待っといて。」
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10分後、2人は洞窟の前に姿を現した。
「さて、教会でお祈りを済ませた事やし、行きますか。」
「それにしてもカリンいつの間にかホイミとメラ覚えてたんだね。びっくりしたよ。」
ホイミは初級の回復呪文、メラは小さな火の玉を発生させる呪文である。
「リュカももうすぐ覚えるんやろ。ええやん。」
この世界では教会にて神父、もしくはシスターに魔力を見てもらうことができる。どの呪文を使えるのか、もうすぐどんな呪文を使えるようになるのかを判断してもらうのだ。
(そう考えたら何気にルカとか凄いよな……。)
そんな事を考えながら、2人は洞窟の内部についに侵入した。すると、まだ地上一階だが少し奥まったところに宝箱を見つけた。リュカが目を輝かせて飛びつく。
「宝箱だ〜〜!」
「え、それってほんまに大丈夫なん?後から訴えられたりせえへんの?」
「知らないの?洞窟とか塔の中の宝箱は鍵がかかってなかったら持って行ってもいいんだよ。父さんが言ってた。」
「まあ、こんなところに置いといて大丈夫なわけはないよな…………。」
この世界ってやっぱり色々
「あ、薬草だ。」
「うん。儲けやな。ホイミ一回ケチれるし。こっちは何もないみたいやし、反対側行こか。」
振り返って進もうとすると、スライム2匹と文字通り大きな木槌を持ち紫頭巾を被った妖精・おおきづち2匹、いかんせん見た目が愛くるしいコウモリ・ドラキー1匹が現れた。
「カリン、どう戦うの?」
「まあ常識的に弓矢は遠距離やからな。リュカは相手の懐に飛び込んでドツき回ったらええんちゃう。アシストするわ。」
「OK!」
言うなりリュカはスライム2匹に飛びかかった。飛行生物は厄介だと踏んだカリンは狙いを定めてドラキーを射抜く。二本で仕留めた。リュカもすでにスライムを1匹叩きのめし、2匹目に取り掛かっている。そこへ、おおきづちがリュカの左右から飛びかかってきた。
到底カリンもリュカも両方は対処できない。しかも左から来るおおきづちはリュカが反撃しても槌が外れても体の重みで潰すつもりらしく、リュカが右を対処しては、矢では勢いを殺しきれず、押し潰されてしまう。対して右は飽くまでも槌で勝負を決めるつもりらしく、槌をはじき飛ばせば心配はない。(この段落の間のカリン脳内での思考時間は0.1秒)
「リュカ!左!!」
叫びながら矢を放つ。矢は過たずにおおきづちの右手甲を射抜き、槌は狙い通り飛ばされ、リュカとはズレた位置にダイブする。さらにもう一発食らわせると、おおきづちは動かなくなった。その間にリュカも左から来たおおきづちをいなし、反撃して決着をつけていた。魔物が風解した後に残った矢は使えそうだったので箙にもう一度入れておく。魔物が落とした
「それにしてもカリンは凄いね。矢を一本も外さなかったよね。それに、僕が襲われないように先回りしてうってるし。僕に襲いかかってきたおおきづちの手を射たのなんか凄すぎて言葉も出なかったよ。」
「まあ、あんまり威力もないんやけどね。とにかくリュカの邪魔せんように魔物に当てる事に集中してるだけやから。」
「でも、もし距離を詰められたらどうするの?」
「それが考え所やねんな〜〜。短剣か何か腰に差しといたほうがええかな?」
「そうだね。そのほうがいいよ。」
さすがパパスさんの息子。鼻を小指でほじりながらでも指摘が鋭い。それにしてもあの鼻ほじんの何なん?癖?
「でもさ、よく考えたらカリンの持ってる弓って変わってるよね。」
「えっ?」
「だってさ、普通の弓だったら持つところが真ん中にあるし、まず木でできてるよね。でもこれ、持つところが真ん中より下にあるし、竹でできてる。それに何より大っきいよね。」
それ、めっちゃ思った。この世界で和弓流通してんの!?とか思った。やっぱり特注なんや。剣で襲われた時の防御用に重さのバランスが崩れない絶妙な長さで鋼の薄皮巻いてるし。流石に弓の型は自分で覚え込まなあかんかったけど、母さんすげぇな。ウチがアーチェリー部やったらどうするつもりやったんやろ。
「こういう弓やねん。かなり変わってるけどな、使いこなせるようになったらもう体の一部。引く力強くせなあかんからあんまり速射には向かんねんけどな。」
「いっぱい練習したの?」
「そりゃもう、リュカもビアンカもおらんかったから暇でしゃーなくて、ずっと家の地下室で練習してた。朝ご飯食べて練習して昼ごはん食べて練習して、たまに息抜きに散歩してお使い行って練習して夜も暇があったらずっと練習してた。高校の時もこんなにやらんかったけどな。」
「ん?こうこう?」
「何でもない。忘れて。」
「はーい。」
あっぶね〜〜。こういう時にポロって出る〜〜。
「よし、先へ進もうか。」
「うん。」
2人は最深部にある階段を下へと降りて行った。
同じものでも西洋と東洋では大きな違いがあるんですよね。ちなみに「虫の声」は日本人とポリネシア人にしか聞こえないそうです。我々が虫の声を言語として捉えるのに対して、他の民族の人たちは雑音と捉えてしまうそうです。さらにこれは母語が日本語でないといけないそうです。日本語って面白いですね。
<次回予告> ついに薬師を発見したリュカとカリンであったが、そこには魔物の群れが接近していた。狼狽えるリュカと薬師。しかし、そこでカリンが猛然と立ち上がった!
次回、第7話”はじめての危機”
賢者の歴史がまた1ページ