ハリー・ポッターと悪魔の双子   作:ボルヴェ

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まず初めに、評価ありがとうございます!気付いた時に嬉しすぎて声を上げてしまいました。

そしてハグリッドファンの皆さんこのようなタイトルで申し訳ない。しかしハグリッドは原作でもトラブルメーカーなのは否定出来ない事実な気がするのは自分だけでしょうか。



自動トラブル製造機、別名ルビウス・ハグリッド

 sideハリー

 

 

 

 ハグリッドがドラゴンの卵(トラブルのタネ)を貰ってきた。

 

 

 

 

 「ドラゴンを持ってるなんて知れたらアズカバン行きだよ!」

 

 ロンが悲鳴のような声を上げる。最もな反応だった。そもそもドラゴンという種は常人が簡単に所持していいようなものではない。正式な特許が必要であるし、まず前提に普通は人間と共生できる程穏やかな生物ではない気がするのだが。

 なのにハグリッドはそんな僕達の懇願のような叫びを無視して自分が育てるなんて言ってきた。この人は本当に大丈夫なのか。前は極秘情報だと宣っていたケルベロス部屋の秘密をニコラス・フラメルの名前でうっかり零して僕達は賢者の石まで辿り着いてしまったし、抜けているなんて言葉が可愛く感じるほど、行動面は目を瞑りたくなるものばかりだ。

 ハリーはそんなハグリッドに若干呆れながら、とにかくこの卵についての情報を得るべく口を開く。

 

 

 「ねぇハグリッド、この卵どこで手に入れたの?」

 「おう、酒場で賭けに勝ってな。ソイツは厄介払いできて嬉しそうだったが……そうそう、フラッフィーの良さが分かるいい奴だったぞ。ケルベロスに興味があって手に入れたいから対処方法を教えて欲しいとかなんとか」

 「……ハグリッド。まさかケルベロスの弱点、教えちゃったの?」

 「ん?ああ、ドラゴンのお礼にな」

 

 

 流石に絶句した。

 何をしているのだと。この人は何を守っているのか分かっていてそんな事をしたのか。罠か? 罠なのか? 相手が何者か分からずに賢者の石の番犬であるフラッフィーの弱点を教えてしまったのだ。

 大体そんな偶然ケルベロスの飼い主であり怪物好きのハグリッドにドラゴンの卵を持った普通の奴が、偶然酒場に現れて、偶然ケルベロスに興味があるから情報をくれなんて事ありえる訳が無い。

 徐々に頭が痛くなってくる思いで固まった表情のロンとハーマイオニーと共に、ハリーは怒ったように口調を荒らげた。

 

 「何してるんだよハグリッド! それがもしスネイプだったらどうするんだ! いや、絶対スネイプだ、賢者の石が奪われてしまう!」

 「マズイよハリー。早くダンブルドア先生に伝えないと」

 「待って、ドラゴンの卵をどうするかも解決してないわ!」

 

 小屋はまさに大混乱。大きすぎる問題が一度に二つ発生するなんてどうかしているが、ハグリッドが元凶だと言われると最早納得しか出来ない。肝心の本人がこれがどんなに大変な事か分かっていないのだ。最早僕等が何を言おうと聞かないだろう。もう他の、教師や校長辺りの発言力のある人に頼むしかない。

 とにかく賢者の石の件だけでなくドラゴンについてもダンブルドアに相談しなければ、と小屋を後にする為に振り向くといつの間にか扉が空いていて、

 

 銀髪を後ろに撫で付けた男が、まるで自分達の騒ぎ等知らないとでも言わんばかりの静寂を携え、目を瞑った状態で入り口の端に背を預けていた。やっと気付いたハグリッドが慌ててドラゴンの卵を隠すが、どう見ても手遅れだと思う。

 それよりも全く気付かなかった、いつ現れたのだ。予想外の人物に驚きながらも、ハリーは呟くように男の名を口にした。

 

 「……バージル?」

 「お、おう、バージルか。……ちょっと聞くがお前さん、今の話いつから聞いていた?」

 「最初からだ。どうやら貴様は次から次へと厄介事を持ち込む才能があるようだな。挙句自分が仕出かした事の重大さにも気付かないとは」

 

 

 目を瞑ったままのバージルの口から、清々しい程棘の生えた言葉の羅列がハグリッドへと突き刺さった。ハグリッドの声にならない呻きが聞こえる。そこまで言わなくてもいいのでは、なんてハリー達も流石には言えない。相手がバージルだからというより、今回ばかりはハグリッドが全面的に悪いのだから。もう生徒と教師の立場などあっさり逆転しているが大丈夫なのか。

 バージルは数秒薄く眼を開いてハグリッドを射抜くように睨み付けると、頭痛に耐えるようにまた目を伏せて眉間を抑えながら疲労と呆れ混じりの溜息をついた。

 

 「もういい、そのドラゴンの件は俺からマクゴナガルに伝えておく。……貴様には用があったが状況が悪い、次の機会にする」

 

 そう短い言葉を落とし、バージルの視線とマクゴナガル先生への報告という発言にたじろいだハグリッドと、話の展開の早さに付いていけない三人のグリフィンドール生などお構い無しに背を向けて小屋を出ていこうとする。が、ふと足が止まった。何かを考えるような一つの間を置いて、ゆっくりと先程の冷淡そうな表情が再びこちらへと向けられた。

 ダンテと瓜二つだが、全てを見透すような冷たい表情は、毎度何処か()()()()した印象を感じさせられる雰囲気はまるで違う。だが不思議と嫌悪は感じない。あの狡猾なスリザリン生であるのに、何故だろうか。

 彼はハリー達を一瞥し、重い口調で警告した。

 

 

 「……進取果敢も程々にしろ。勇気と無謀を履き違えるな」

 

 そうして扉へと脚を向け、翻るローブの尾を引いて小屋から出ていった。

 

 何の言葉も出てこなかった。否、出せなかったのだ。ほんの一言、30字にも満たない言葉であった筈なのに、一瞬で凄まじい緊張感が広がったのを小屋に居た全員が確かに感じ取った。バージルの姿が見えなくなってやっと呪縛を解かれたかのように、隣に居たロンが盛大に重い息を吐き出して、ズルズルと崩れながらしゃがみ込む。

 しかし一体何に対しての忠告であったのか。もしかして賢者の石について? などと考えたがまずはこの緊張から解かれた空気に浸りたかった。

 

 「こ、怖かったぁ……」

 「凄い威圧感、だったわね」

 「うーん、言葉選びはちょっと厳しいが、悪い奴じゃあないんだ。スリザリンの奴とは思えんくらいな。寧ろ弟のやらかした悪戯の後処理はぜーんぶ彼奴が片付けとるし、苦労人って言った方がしっくりくる」

 「……その苦労人に更に苦労を重ねちゃったけどね」

 

 

 パーシーからも聞いた事あるようなハグリッドのフォローの返答でハリーが容赦なく棘を突き刺し、またハグリッドがしょぼくれてしまった姿に苦笑しながら、ドラゴンの卵の問題も解決したという事でハグリッドへ別れを告げて小屋を出た。バージルはハグリッドに一体なんの用事があったのか、というのも気にはなったけど今はそれどころではない。

 ドラゴンの問題こそ解決したが、肝心の賢者の石についてはまだなのだ。思い返されるのは透明マントを被って夜のホグワーツ内を歩いていた時、悪魔学を担当するウロス先生をスネイプが脅していた光景。あれは賢者の石についての情報を聞き出そうとしていたのだろう。少し怖いけど物静かなウロス先生が口を割ってしまうのも時間の問題な気がする。

 今はダンブルドア先生が護ってくれるだろうが、奴が油断をついてあの部屋に忍び込む可能性は無いわけじゃない。寧ろケルベロスの攻略方法が分かっているのだ、少しでも隙が出来たら石を奪いにかかるだろう。

 一体どうすればいいのか、ハリーはうんうんと考え込む二人を見やり、黙りこくって首を傾けた。

 

 どういう訳か何度も思い返される、先程のバージルの言葉に疑問を覚えながら。

 

 

 

 




と、いう事でバージルにより禁じられた森での罰則は無くなりました。ごめんねフォイ。あとハリーはこんなにスネイプ先生のこと疑っていたっけ、と記憶の朧気さが怖いです。
そろそろ佳境に入ります。さあクィレルではなくウロスとなった賢者の石攻略難易度は上がるのか下がるのか。
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