その1 〜IS学園PV撮影会〜
「みんな、よく聞いて!今日は久しぶりに真面目な仕事するわよ!」
あっ!どうも、金森運命です。お懐かしい風景でございますね。今回は番外編とのことで、本編との時間を出来るだけ捻じ曲げてお送りします。
とある日の生徒会室での出来事です。ここ、IS学園生徒会室では10万ボルトくらいの衝撃が走っていた。何故なら「あの」楯無さんが自ら仕事をする・・・と言い出したからだ。とりあえず、隣に座っている簪に聞いてみることにした。
(楯無さん、ついに頭がイカれちゃったの?)
(わ、私も分からないけど・・・・・・でも、なんだか最近何処かおかしかったような気がしなくもないかも・・・)
(うわぁ〜、マジか・・・・・・ってことはやっぱあの時かな?)
(・・・もしかして、運命のバイトのヒーローショーを手伝った時のやつ?)
(あぁ。「ただのヒーローショーじゃ面白くないから、ド派手なアクションシーンを入れよう!」とか「だったら過激な爆破シーンをたくさん入れた方が!」とか・・・・・・楯無さん、参加しないのに出演者より乗り気だったもんな)
(結局、そんなシーン誰も演りたがらないから「見てくれる人は待ってくれないのよ!誰も演らないなら私が演るわ!」って言って、怪人役代わったんだっけ・・・・・・)
(そうそう。でもさ、あれはやり過ぎだと思ったよ。だって、本物のダイナマイト20本だぜ?俺が気づいて空中で爆破させなければ、あのビル木っ端微塵になるところだったし)
(あ、あはは・・・・・・大変だったね)
(本当にね・・・。まぁ、とりあえず聞いてみるよ)
俺は再び楯無さんの方に向き直すと、さっきの言葉の真意を聞いてみることに。
「んで、何をすんですか?この前みたいな事はやめてくださいよ?」
一応釘を刺しておくことにしよう。すると楯無さんは、何処からか取ってきたホワイトボードに議題を提示し、「今日やるのはこれよ!」と、ボードを叩いた。
「ええと・・・・・・PV撮影会?ってか何のPV?」
俺は意味が分からなかったため、首を傾げる。見れば、楯無さん以外のメンバーも、不思議そうな顔をしていた。楯無さんは一人、説明を続ける。
「IS学園のよ。毎年かなりの人数が入学を希望する状況だけど、だからと言って私たちが何もしないわけにはいかないでしょ?だから「本当は?」・・・・・・仕事してないのバレて「これ以上サボるようならば、留年ってか降年してみる?」って理事長に言われた」
やっぱりか、そんな事だろうと思ったよ。大体最初からおかしいんだよ、自分から仕事するなんて言い出した所から。
「みんなお願い!私のために!ってか私の学園生活のために力を貸して!!」
そう言い放って、土下座する楯無さん。上級生の土下座とか本当に心に来るからやめてほしい。心が痛くな〜る。
「分かりましたから、早く座って下さい!・・・で、大まかな流れは決まってるんですか?」
とりあえず、議題を提示したのだから役員はそれを解決するのが仕事だ。なるべく早く終わらせよう。正直、めんどいから。
「もちろんよ!主に学園のこと、ISのこと、あとは生徒たちの普段の様子ね。これらの魅力・楽しさ・メリットを多少のフィクションを取り入れつつPV撮影をする予定よ!」
訂正。やっぱりこの仕事やんなくてもいいですか?
「ちょ、ちょっと運命くん!?そんな露骨に嫌な顔しなくてもいいじゃない!あくまでPVなんだから、ちょっとくらい違くてもいいでしょ?」
「いやぁ・・・だって・・・・・・ねぇ?」
他のメンバーの反応も、大差なかった。やはり皆思うところは同じなようだ。
「うぅぅぅ・・・・・・分かったわよ!!今回は私が率先して撮影するし、多少のフィクションも無し!これでどう!!」
かなりな方向転換だが、ここで時間を割くのも勿体無いので、とりあえずそれで行くとしよう。なんだかんだ言っても、仕事はするこの生徒会。面倒な仕事はやらないのではなく、“早く”終わらせる。それがこのIS学園生徒会・・・・・・・・・今の使えるかも。
「いやぁ・・・・・・やっと終わりましたね。この後の編集作業は俺がしておくので、皆さんは帰っていいですよ」
その言葉に率先して楯無さんが反応する。
「そぉ?悪いわね、運命くん。それじゃあ、みんなで前に言ってたお店に行きましょ!あの店のスイーツがめちゃくちゃ美味しいって所!」
「お嬢様・・・金森くんが仕事してくださるのに、私たちが遊んでいてどうするのですか。大体、この仕事はお嬢様のでしょう?」
「うぅ・・・そ、それは・・・」
虚さんが楯無さんを制しているけど、今回は・・・・・・いいよ。一人でやりたいこともあるし。
「虚さん、いいですよ。今回は俺が一人でやりたいですし、皆さんは気にしないで遊んで来て下さい」
俺の言葉にすかさず楯無さんが「さすが運命くん!」と言っているが気にしない。虚さんは少し考え込んで、渋々了承した。
「・・・分かりました。今日はお言葉に甘えさせて頂きますね。何かあったら言って下さい」
「了解です。それではさよなら!」
俺が別れの挨拶をすると、他のメンバーも口々に「さよなら」と言って生徒会室を出て行った。
「さて・・・と、そろそろ出てきたらどうだい?今は俺だけだよ」
俺一人しかいない生徒会室に、俺の言葉が響く。すると、生徒会室に置いてあるロッカーから、何かが出てきた。
「お邪魔するよ、運命くん。それにしてもよく気がついたね?」
「人見知りなのは知ってたけど、気配消すのはやり過ぎだと思うぞ?銀河」
出てきたのは、俺の専属技術支援者の桜野銀河だった。ってかいつから入ってたんだ?
「んっとね、君たちがここを出てすぐだから・・・・・・1時間半くらいかな?あと、はいこれ」
特技は物を作ること、あとは読心術と催眠術くらいか。正直、チートだよな。
「これは?」
「焼き芋虫」
「へ?」
「だから、僕が作った焼き芋虫。見た目はあれだけど、食べると美味しいよ?」
「・・・・・・マジで?」
「マジマジ大マジ!余ってるから幾つかあげるよ」
そう言って、大量の焼き芋虫なるものをもらった。機会があれば食べるかな?
「まぁそれはいいとして、今日は何を?」
俺に言われて、何かを思い出したようだ。ってか忘れるなよ。
「そうだそうだ。今日はねこれを試してもらいたかったんだ。とりあえずこれを飲んでよ?」
渡されたのは、緑色をした液体の入った試験管。嫌な予感しかしないけど、なぜだか飲まなければいけない気がする!
俺は一気にその液体を飲み干した。
でも、俺は後悔した。まさかこの後、あんな事になるとは思いもしなかったんだから・・・・・・・・・・・・・・・。
次の日、普通に腹痛だった。
あと、余談だけど、PVの後半ただのお笑い番組になってた。でも、俺のじゃないからいいか。
さぁ、仕事しよう。