千冬side
次の日、私は更織姉妹を相談室に呼んだ。一旦、心を落ち着かせてから二人を部屋に入れる。
「・・・待たせたな、とりあえず座れ」
「「失礼します」」
二人をみてみると、とても不安がっている様子だった。私は静かに話し始めた。
「これから話す事は他の者には絶対に話すなよ。二人にとっても、あまりいい話ではないからな・・・」
楯無side
「あの・・・話って、一体?」
気付いたらそう呟いていた。私は本能的に感じとってしまったのだ。
(今から話す事って・・・まさか!!)
私は必死に ー違っていてほしいー と願った。が、織斑先生の一言で確信に変わった。
「・・・金森運命が、日本政府に引き渡された」
私はその一言を聞いた途端、絶望した。それは運命君がISの実験材料になったことを意味する。
「どういうこと何ですか!織斑先生!!」
簪ちゃんが問いただしたが、私はただ震えている事しかできなかった。
(結局、“契約”の通りになってしまうなんて・・・私だけが運命君を救えたはずなのに・・・!)
簪side
私は必死になって織斑先生に問いただしていた。織斑先生は言いにくそうに告げた。
「金森は!・・・あいつは一人の男のために利用されたんだ!!!」
最初、織斑先生がなにを言っているのか分からなかった。でも、話を聞いているうちに私は理解してしまった。運命がISの研究のために「協力」させられているということを・・・
「そ、んな・・・運命・・・!」
私は思わず、その場に座りこんでしまった。彼は死してなお、苦しんでいる現実を知ってしまった。そして、改めて彼の立場を理解する。彼は世界からそういうふうに必要とされているのだ。しかし、誰でも自分の好きな人のそんな姿なんて見たいはずは無い。
「私が無力だったために金森を守れなかったが、これは仕方の無いことなんだ・・・!分かってくれ・・・すまなかった」
織斑先生はそう言って謝罪した。しかし、私はその言葉すら届かない。お姉ちゃんは・・・私と同じ反応だ。お姉ちゃんも気づかないうちに、彼を好きになっていたのだろう・・・だって、あんなにお姉ちゃんと仲の良い男の子は今まで見たことが無いもの。少し嫉妬しちゃうな・・・
???side
「くっふふふふ・・・はぁっはっははははは・・・やったぞ!やっと手にいれたんだ!!これで世界は・・・!」
私はようやく手に入れた。理想を実現するための切り札を。
「準備が整いました。今すぐ始めますか?」
「えぇ、すぐに始めましょう。この時をどれだけ待ち望んだことか・・・」
(さぁ蘇るのです、金森運命君・・・私の崇高な理想のために)
そう願う彼の両手には、なぜか緑のオーラが纏われていた。
簪side
あの話から何日かたち、今日は学年別トーナメントの当日だ。ただ、この前と違って今回は二人組での参加だ。お姉ちゃんに聞いたら、前回のようなことがあっても対処出来るようにするためらしい。
・・・ゴメン、すこし暗い話をしちゃって。ちなみに私のパートナーは、ラウラ・ボーデヴィッヒさんだ。正直、話を聞いただけだけどラウラさんは不安だ。けど、今のラウラさんの姿は運命に会う前の自分を見ているようで、気が気でない。
(今回はなにも起きなければいいけど・・・)
心の中でそう願った。
次回は学年別トーナメントです。遂にあの人が帰って来ます!!!