運命side
今日からまたIS学園に通うことになった。正直、俺はまだこの学園の生徒という実感がない。千冬さんが頑張ってくれたおかげで一応、席はまだ残っているらしい。有り難い限りだ。いや、マジで。でも、クラスに溶け込めるかどうかだけが不安だ。死んだ奴がいきなり登校してくるんだもんなぁ・・・ってそんなこと考えてもしょうがないか。あたって砕けてやるぜ!
いつの間にかもう放課後になっていて、今は生徒会室に向かっているところだ。あぁ、言い忘れてた。結局、あの後は特別なにも無かったよ。クラスのみんなも歓迎してくれたし、泣きながら喜んでる子もいたっけ。でも、一つだけ変わったことがある。織斑がめっちゃ俺に寄ってくるようになった。遂に目覚めたのかと思ったけど、どうやら違うらしい。これ以上寄って来られると、腐女子のみなさんに変な噂を立てられかねないので、織斑と友達になることにした。織斑は女たらし以外はいい奴だからまぁいいか。女たらし以外は!大事なことなので二回言いました。
てな事を考えていると、またまたいつの間にか生徒会室に着いていた。最近よくあるな、これ。そう思いながら、俺は生徒会室に入った。
「あ、あの〜楯無さん?なにしてるんですか?」
「ん〜?気にしないでいいわよ、運命く〜ん♪」
現在の状況を説明しようと思う。楯無さんに絶賛抱きつかれ中だぞ☆・・・ウオェッ!!自分でやってて気持ち悪いな!!っと、話が脱線したな。えぇ〜、さっきも言ったとおり楯無さんに抱きつかれてる。なぜかは知らないが、生徒会室に入って自分の席に座った瞬間、抱きつかれて今に至る。生徒会室に居るのは俺と楯無さんと虚さんだけだ。本音は簪と後からくるらしい。
「あの〜楯無さん!?背中に当たってるんですけど!?」
「あら?わざと当ててるのよ。言わせないでよ、もう♪」
(とか言いながら、抱き締めるの強くしないで下さい!!!)
や、やばい・・・そろそろ意識が・・・虚さん!あなただけがもう頼りだ!
虚さんに必死に目で訴える。すぐに虚さんは気づいてくれた。
「そ、そんなに見つめないで下さい・・・照れてしまいます///」
違うよ!そっちじゃなくて、純粋に助けを求めてるんですけど!!ハッ!後ろから視線が・・・
「運命く〜ん?私がいるのに他の女の子にアタックするなんて・・・よっぽど私にやられたいのね・・・!!」ゴゴゴゴゴゴ
(あぁ、楯無さんが暴走している!早く逃げないと!あれは捕まったら・・・色々な意味で死ぬ!!)
すぐさま俺は楯無さんの拘束から抜けだすと、扉へ逃げるべく走り出した。が、既に楯無さんに先回りされてしまった。思わず後ずさりしてしまった。
「ウフフ・・・大丈夫よ、運命君。痛くしないから・・・ね♪」
怖ぇぇぇええ!!!あれは目が逝ってる!捕まったら殺される!!
「い、嫌だぁぁぁぁあああ!!!!」
とっさに方向転換し、窓から逃走を図った。
「ウフフ・・・逃がさないわよ。虚ちゃん!お願い!」
「はい、お嬢様!金森くん、悪く思わないでね」
ふつーに捕まった。そりゃあ、二対一だもんね♪我が生涯に一片の悔いなし・・・
「ウフフ・・・やっと捕まったわね。さぁ、どうしてあげようかしら?」
ワァオ・・・押し倒されちゃってるよ。
「運命君にはお仕置きが必要みたいね」
俺は聞きたいよ。そのお仕置きというのは、俺の服を脱がすことなのかと。おっと、手が上半身から下半身に・・・って、ちょっと待てぇぇぇええ!!!
「楯無さん!?なぜに俺の服を脱がそうとしてるんですか!?」
不適に微笑む楯無さん。ちょー怖いですよ。
「ウフフ・・・運命君は私に体を委ねればいいのよ・・・♪」
楯無さん、襲う気満々ですね・・・もう駄目だぁぁぁあ!!!
その時、生徒会室の扉が開かれた。救世主来ました!誰か知らないけどありがとう!
「お姉ちゃん・・・運命になにしてるの・・・?」
簪来たーーー!!!あれ?でも雰囲気がいつもと違う気が・・・
「か、簪ちゃん!?いや、これはその・・・」
スゲ〜・・・あの楯無さんを言いくるめたよ。とても俺にはマネできないな。
「運命・・・大丈夫?」
「あぁ、おかげ様で。ありがとう」
「じゃあ、お礼・・・んっ」
そう言って、簪は顔をつきだしてきた。何してるんだろ?
とりあえず、簪のホッペをムニ〜と引っ張ってみる。めっちゃ柔らかいよ、これ!
そう思っていると、簪が離れてしまった。もう少しやっていたかった・・・
「うぅぅ・・・こうなったら勝負よ!」
楯無さんがそう宣言した。いきなりどうしたんだろう?とりあえず聞いてみよう。
「はぁ・・・勝負ですか?」
「そうよ。ルールはわかりやすく【勝者が敗者に一つだけなんでも言う事を利かすことができる】でいくわ!」
その時、俺以外の三人の目が妖しく光った。
「「「なんでも!?」」」
あれはヤヴァイぞ!?今の言葉で全員が俺の敵になっちまった!チクショウッ!俺だってただでやられるわけにはいかないんだ!
「わかりました。その勝負、受けて立ちます!」
そんな俺の姿を見て、楯無さんは不適に微笑んだ。
「流石、私が見込んだ男の子ね♪やるのはポーカーで一発勝負よ!」
『望むところだ!!!』
フッ・・・みんな目が本気だな。いいだろう、見せてやろうではないか。俺の本当の力をっ!!
いざ、尋常に勝負!!
「俺のターン!ドロー!」
「ポーカーってそういうゲームじゃないはずよね!?」
「・・・今のはただの挨拶です。昔、決闘者と書いてデュエリストと呼ばれた俺なりの、流儀です」
「は、はぁ。まぁ、いいけど・・・」
楯無さんが戸惑う中、俺はカードをもう一度だけ念入りにシャッフルし、一つ深呼吸する。そうして、全員の顔を確認すると・・・万感の思いをこめて、カードを配り始めた。
全員に五枚ずつ配り終える。俺たちはそれぞれ、手持ちのカードを確認する。
ちなみに、このゲームのルールは単純。手札を見て、一回だけ、山札のカードと交換可能。順不同。パッと見て換えたかったら、一回換える。カードを捨てて、自分で山札からカードをとって・・・それで終了。
(俺のカードは・・・ワンペアのみだ。ここで残りのカードを捨てて引くという手もある。しかし、今、俺が戦っているのは生徒会のメンバーだ。生徒の長である楯無さんは言わなくても強い。その楯無さんに選ばれた三人も実力はあるだろう。正直、ワンペアじゃ勝てる気がしない・・・だがしかし!俺はポーカーにのみ存在する特権を使って勝負する。(なんてギャンブラーなんだ)と思うが、俺は・・・これで漢になる!)
早速、俺は動いた。カードを捨てる。五枚。
「「「「!?」」」」
楯無side
全員の顔に緊張が走った。
(なんて・・・なんてことをっ!)
(オールチェンジですって!?)
(ポーカーを知ってる奴のすることじゃない!)
おそらく、三人はそう考えているに違いない。運命君の性格を考えると、おそらく策があるに決まってる!でも、私の手札はA・A・A・K・K。つまり、フルハウス。初手からフルハウスなのだから、負けるはず無い!でも運命君は不利な状況でも逆転してしまうような気がするのはなんでだろう?私が運命君のことを好きだからかな///
そう考えていると、みんな手札を確定したようだ。私は高らかに告げた。
「じゃ、オープン!」
運命side
楯無さん、虚さん、本音、簪、俺の順でカードを公開する。
フルハウス・スリーカード・ワンペア・ツーペア・ブタ(役無し)。
勝者は楯無さん。そして敗者は俺。
「な・・・そんな・・・。まさか・・・。そんなことが許されるのか・・・神よ」
俺はがっくりと崩れ落ちる。俺の反応に動揺したメンバーは、次々と俺の手札をみる中・・・俺は既に、生ける屍と化していた。しかし、忘れてはならない。敗者は勝者の言う事をきかなければならないということを。
「さぁ、運命く〜ん?」
「ヒィィイイ!?」
楯無さんが少しずつ近づいてくる。み、みんな助けて!!
「「「・・・・・・・・・」」」
オウッ!スルーしちゃう感じですか!?もう駄目だ・・・
「運命君は私の言う事を聞いてもらうわよ〜・・・ウフフ」
「嫌だぁぁぁぁあああ!!!」
というわけで俺、楯無さんと共に一旦退場。
〜十分後〜
楯無side
「お待たせ〜。いや〜準備に手間取っちゃって」
ふたたび生徒会室に入った。
「お嬢様?金森くんはどこに?」
「ふっふっふ・・・そう焦らないで。では、運命君の登場で〜す!」
私が高らかに告げると、生徒会室の扉が開いた。
(さぁ、いらっしゃい!私の運命君///)
「うぅぅぅ・・・ひどいですよぉ楯無さぁん・・・こんな格好させるなんて・・・」
「あぁぁぁんもう!可愛すぎるわぁ運命君!!」
私は思わず運命君に抱きついてしまった。だって運命君が可愛すぎてしょうがないんだもん♪
どこからどう見ても美少女なの。やっぱりメイド服は日本の文化ね!
あれ?なんかみんな放心状態?まぁいっか!
「さぁ、運命君!校内をパトロールするわよ!」
「えぇ!?嫌ですよぉ・・・こんな格好じゃあ・・・」
嫌がる運命君も可愛いわぁ。でも運命君は私だけのものなんだから!
「つべこべ言わないで、ほら、早く♪」
「嫌ぁぁぁぁあああ!!!」
私は嫌がる運命君の手を引いて、行くのだった。
後から聞いた話なのだけど、運命君が織斑君にマジ告白を受けそうになったらしいわ。運命君は誰にも渡さないんだからねぇ〜!!
楯無さんの株価が上昇しました。頑張れ!