こんにちは、金森運命です。季節はすっかり夏になりました。今日は待ちに待った臨海学校の日です。今、俺たちは組ごとに別れて、バスで向かっているところです。
(はぁぁぁぁあ・・・あれ?なんかとっても気まずいぞ♪なんでだろ?あっ!そうか、隣が千冬さんだからか☆)
「今、失礼なことを考えていたな?」
「イエ、ナニモ?」
流石世界最強だ。心を読むのもお手の物ってか?
「お前も後ろの奴らと話してきたらどうだ?」
「はははっ、いいですよ。そこまで仲いい友達いないですし・・・それよりも「奴ら」今回は動くと思いますか?」
「どうだろうな・・・まぁ、おそらく何かはあるだろうな。もしもの時は、頼むぞ」
「えぇ、わかってますよ。今回は新たに武装を作ってきたので大丈夫だと思いますよ」
「フッ、そうか・・・ところで金森?」
「なんですか?」
俺はお茶を飲みながら、返事をした。
「お前は楯無と簪、どっち派なんだ?」
「ブゥーーーーーー!!!」
思わず飲んでいたお茶を噴き出してしまった。いや、だって千冬さんがそんなこと言うと思わないでしょ!普通。
「ゲホッ!ゲホッ!な、何言ってるんですか!?」
千冬さんは悪戯な笑みを浮かべている。この人ってたまにこういう顔するんだよな。
「あの二人はお前のことが好きなのだろう?で、お前はどっちが良いんだ?言えば楽になるぞ?」
「たしかに楯無さんは美人だし、簪も可愛いと思いますよ。でも、好きとかどっちが良いとかは全然考えたこと無いんです!」
俺の様子から察してくれたのか、千冬さんは静かに告げる。
「まぁ、すぐに答えを出さなくてもいいさ。ただ、少しはあいつらのことも気に掛けてやることだな・・・もうそんなこと言っていられない状況になるのだからな」
俺は窓の外を眺めながら、小さく返事をした。
「そう・・・ですね」
少し時間が経って、今は宿泊先の宿に挨拶をしてるところだ。お世話になるんだから、挨拶くらいちゃんとしておかないとな。
『よろしくお願いしま〜す!!!』
「はいはい、よろしくお願いしますね」
挨拶に出てくれた人は結構感じの良さそうな人で助かった。旅館も良い所みたいだし、結構快適に過ごせそうだ。
「おや?織斑先生、そちらの二人は今年入った?」
「えぇ、そうです。お前たち、挨拶しろ」
俺たちだけ?まぁ、減るもんじゃないからいいけど。
「お、織斑一夏です!よろしくお願いします!」
「金森運命です。この度はお世話になります」
挨拶は要点をまとめて短くする。これ重要。
「あらあら、二人ともしっかりしてるじゃないですか、織斑先生」
「金森だけですよ。普段からしっかりしてるのは」
その言葉を聞いて、落ちこむ織斑。少しばかりフォローしてやるか。
「いいのか織斑?あんなこと言われてるぞ」
「まぁ、しょうがないよ。たしかに運命の方がしっかりしてるからな。千冬ねぇが胸張って自慢できるように、俺も頑張らないと!」
ここでシスコンパワー全開ですか・・・まぁ頑張れ。
「千冬さん、俺たちの部屋ってどうなってるんですか?」
「織斑は私、金森は山田先生の部屋だ。荷物を置いたら、海に行って遊んでくるといい」
「そうですね。先に遊ばせてもらいますね」
俺たちはそれぞれ部屋のカギを貰い、さっさと荷物を置いて海に行くことにした。
青い空、白い砂浜、そして、照りつける太陽すら飲み込むほど壮大な青い・・・
「海だぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!!」
いやぁ〜これはすごい!でっかい海だなぁー、水も綺麗だし天国みたいだ。ていうかまさに天国なのでは!?
「天国、バンザーーーーイ!!!」
「さだっち〜〜〜!」
声がする方へ振り返ると、本音がいた。あれって水着なのか?とりあえず行ってみよう。
「本音、どうしたんだ?」
「エヘヘ〜、さだっちに水着を見てもらいたくて〜」
「水着って・・・今、本音が着てるそのピ○チュウみたいな奴のこと?」
「違うよ〜かんちゃんの水着だよ〜」
「簪?そういえば、今日は一度も会ってないな」
「でしょ〜。かんちゃん、きっと恥ずかしいんだよ〜」
「恥ずかしいことなんか無いのにね・・・ていうか本音はそれ、暑くないの?」
「全然大丈夫だよ〜泳げないけど」
ハハハッ・・・ごもっともな意見どうもありがとうございました。
しかし、今考えてみると俺って本当に友達いなくないか?友達って呼べるのって簪と本音くらいしか・・・ハハハ、アレ?目から汗が止まらないぞ♪
「はわわわ!?なんで泣いてるの!?」
「ううっ・・・気にしないでくれ。俺はもうボッチ確定なんだ!」
「だ、大丈夫だよ!私がいるから〜。ね?」
「ほ、本音〜〜〜!!」
思わず本音に抱きついてしまった。本音は俺を友達って言ってくれた。拒絶されなかった。それだけが今の俺を満たしてくれる。
「あはは・・・ちょっとくすぐったいかな///」
「へ?・・・あっ!」
状況を整理しよう。俺が泣き出す→本音が抱きしめる→着ぐるみを着てるとはいえ、俺はしゃがんでるので位置的な意味で顔が胸に→ブタ箱へlet's go!
俺、社会的にも死んだな・・・そうだ、海に沈もう。地球のために、人類のために。みんな、アディオス!
「綺麗な海だな・・・俺が沈んでも綺麗なままでいてくれよ」
「さ、さだっち!?駄目だよ!」
必死で本音が何か言ってるけど、それすら聞こえない。
「離してよ、本音。俺は今から地球のために死ぬっていう使命を果たさないといけないんだ。君を巻き込みたくはないんだ」
「さっきのことは怒ってないし、そこまでしなくていいよ!」
「・・・本当に?本当に怒ってない?」
「本当だよ〜!・・・それに嬉しかったし///」
「へ?嬉しかったってなんで?」
「だって、みんな私のことマスコットか何かだと思ってるんだもん!だけど、さだっち・・・いや、ウンメーは私のこと異性として見てくれて、とっても幸せだよ〜ってことなんだ///」
「そうだったのか・・・って俺の呼び方変わってない?なんでだよ?」
「ふぇ!?そ、それは・・・内緒///」
またか・・・この前の簪といい今の本音といい、女の子は秘密が多すぎる気がするよ・・・もしかして、俺ってそんなに信用されてない?
「まぁ、いいや。本音はこれから誰かと遊ぶの?」
「う〜ん、特には無いかな?」
「だったらさ、俺と簪と三人で遊ぼうぜ!」
「いいよ〜・・・ウンメーとも一緒にいたいし///」
「へ?何か言った?」
「ううん、なんでも無いよ〜ほら、レッツゴー!」
「ちょっ、待って!はや!?待って!マジで!」
後から簪と合流して時間めいっぱいまで三人で遊んだ。簪はこの前俺が良いって言っていた水着を着ていた。まぁ可愛いからいいんだけど♪
俺は今回一つ学んだ。友達って大切ってことを。
次あたりは戦いたいなぁと思います。