どうも、金森運命です。事態が緊迫してきたので、手短かに今の状況を説明します。専用機持ち(俺以外のメンバー)は、福音撃墜作戦の会議の真っ最中だ。なんでも、福音の移動スピードが異常過ぎて、通常のISの装備ではどうにもならないらしい。接触できるチャンスは一回が限界という事で、一撃の威力の高い織斑をメインとした作戦を提示して、見事に通ったところだ。
「しかし、そこまでどうやって運ぶのかね…」
そう、問題はそこだ。接触を図るためにエネルギーを使えば、肝心の「零落白夜」が使えなくなってしまうため、作戦自体が成立しない。本当だったら俺がやってもいいんだけど……野暮用だ。セシリアが「新しいパッケージが…」なんて言ってたけど、今からセッティングするのかよ……。はっきり言って、今回は簪の出番だと思う。フリーダムは核エンジンを搭載しているため、エネルギーを切らす心配が無いから、この作戦にはもってこいなのだ。
「千冬さん、その役は簪が適任かと思います。簪の専用機「フリーダム」は核エンジンを搭載していてエネルギーを切らすこともありませんし、いざという時に戦う事もできます。いかがでしょうか?」
これが今現在でできる一番の作戦だ。元々、「フリーダム」は「インパルス」よりも高性能だから俺の出番は無いし。
「ふむ……たしかに現状ではそれが一番か………よし、今回はそれで「ちょっと待ったぁぁぁぁぁあああ!!!」っ!?」
千冬さんの言葉を途中で遮ったのは、さっきの「うさぎさん」だ。天井から落ちてくるとは………中々できるな。
「はぁ……またお前か。悪いが現在は極秘任務中だ。部外者は早々に立ち去ってもらおうか。と言うより早く出ていけ」
「酷!うぇぇぇん、いっくん!ちーちゃんが冷たいよぉぉ……」
そう言って、織斑に助けを求めるうさぎさん。いや、千冬さんの対応が正解だから。
「え!?俺に言われても……。ところでどうしてここに?」
そうだよ。俺もそれが聞きたかったんだよ。
「そうそう!すっかり忘れてたよ!さっきの作戦だけど、断然「紅椿」の出番なんだよ!!」
「…何?」
それを聞いて、千冬さんの対応が変わった。これはなにかあるな……
結局、作戦に参加するのは織斑、篠ノ之、簪になった。しかも、簪がバックアップて………
一体何考えてるんだ、あのうさぎさんは。
とりあえず今は作戦準備中だから、少し時間ができた。俺は作戦には参加しないけど、エクシアと殺り合うのでとても不安だ。あいつの強さは、はっきりいって今の俺より強い。たぶん「SEED」を使っても勝てるかどうか分からない。それに前回は使ってなかったけど、エクシアには「トランザムシステム」がある。あれを使われたら、俺の負けはほぼ確実。何とかして使われる前に倒さなくてはならないが、本当に出来るのだろうか?
「だぁー!!チキショー!不安を取り除かない事には何も始まらないな!よし……」
俺は携帯電話の電話帳からある人を呼び出した。2コール目で出てくれたよ。
『もしもし?どうしたの運命君?』
楯無さんだ。元気づけてもらうにはちょうどいい相手だ。
「いきなりで申し訳ありませんが、俺今とっても不安なんです!励まして下さい。お願いします!」
とりあえず素直に不安だ!って事をアピールしてみる。即興でこんな事をしてくれるのは、楯無さんくらいなものだ。
『それってもしかして、あの蒼いISのこと?』
「はい……。正直言って、あのISに勝てるかって言ったら分からないです。どうしたらいいですかね?」
『う〜ん、そうね………。あ!帰ってきたら私がキスしてあげるってのはどうかな!』
またこの人は………久しぶりにからかってやろう!
「キス………だけなんですか?楯無さんとだったら……俺……///」
うん、我ながら完璧な演技だ。その手のゲームをどれだけやってきたと思っているんだ。引きこもり舐めんな!
『え!?……あ〜えっと、その………運命君が良いんだったら///』
ヤヴァイ!あの楯無さんが恥ずかしがってる!声オンリーだけどめっちゃ可愛いし、めっちゃおもしれぇ!笑いが止まらんのぉ〜
「ぷっ……アハハハハハハハ!!!面白過ぎますよ、楯無さん!そして、反応が可愛過ぎますよ!」
俺の言葉でようやくはめられたことに気づいたようだ。
『なっ!?図ったわね!酷いじゃないの、運命君!!』
楯無さんはからかわれるのには慣れてないせいか、こういう反応してくれるから面白いんだよな。
「ぷっ…クククッ……。いや、すいません。見事にハマってくれる楯無さんの優しさについ乗っかろうとして。おかげで元気になりましたよ」
『……ちゃんと帰ってきてよね。もういなくなるのは駄目だよ……」
不安そうにそう言ってくる楯無さん。あなたにはそんな顔より笑顔のほうがいい決まってますよ。
「分かってます。絶対に生きて帰りますよ。楯無さんのキスが待ってますからね♪」
途中までちゃんと聞いていた楯無さんも最後に固まった。
『え?あれって本当なの?てっきり冗談なのかと思ったけど……』
「まぁ、覚えていたらでいいですよ。それじゃ」
そこで電話を切った。最後に楯無さんがなんか言っていた気がしたが気にしない。決して、めんどくさくなってなんかない。絶対に。
「さてと……これからどうするかな?」
歩きながら考えていると、全身に電撃のような衝撃が走った。頭の中に声が響いた。
(……来い……金森…運命……ここで待ってるぞ……)
なんだ、これ……でも相手は誰だか分かった。とりあえず例の通信機で千冬さんと連絡をとる。
「すみません、千冬さん。聞こえますか?」
『どうした?なにかあったのか』
「どうやら、あいつが来たみたいです。俺は今から行こうと思います」
千冬さん少し驚いているようだ。手元の計器を確認しながら話す。
『こちらでは何も反応がないが………お前が言うのなら本当なのだろう……行って来い』
「ありがとうございます。一つ、お願いがあるんですが?」
『何だ?』
「俺が行くってことは誰にも言わないで下さいね」
『分かった。ならば、私からも一ついいか?』
「いいですけど………何ですか?」
『絶対に死ぬな。生きて帰って来い。以上だ』
ありゃ?みんな同じこと言ってるよ。もしかして、俺って「死に急ぎ野郎」だと思われてる?
「分かりました。じゃあ、行って来ます!」
俺は通信を切って、俺を待つエクシアの元へ飛び立った。
次回戦います!