オリ主は空に舞う   作:自由の魔弾

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話の区切れもいいし、そろそろこの小説の仕様も変えてみようかと検討中な自分の魔弾です。


NO.30 ゼロから再スタート!

千冬side

 

福音迎撃作戦も(途中、いろいろあったが)無事に終わり、私たちはIS学園に帰ってきていた。独断で出撃した専用機持ちの説教も済まし、生徒たちもいままでと変わらない平穏な日常に戻ろうとしていた。

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

ただ一人、金森運命を除いては。

 

 

 

 

 

 

私は金森から通信を受けたあと、すぐさま駆けつけた。が、辿りつくと、そこには既に青いISは存在せず、意識を失って倒れている金森だけがいた。見てわかる程の大怪我だったが、幸いにも命に別条は無いらしい。ただ、IS学園に戻ってきても一向に意識が戻る気配が無く、既に一週間が経過していた。専用機持ちの面子が心配していたが、中でも一番心配していたのが・・・

 

「運命・・・」 「運命くん・・・」

 

この更識姉妹だ。

 

 

 

 

 

運命side(意識不明)

 

・・・ここは、どこだろう?

あれ・・・俺の名前って何だっけ?う〜ん・・・駄目だ、思い出せない。

 

『・・・くん・・・さ・・・めくん』

 

・・・ん?誰かの声が聞こえる・・・この声、聞いたことあるような?

 

『ごめぇぇぇん!!!ちょっとどいてぇぇぇえ!!!!』

 

声のする方を見ていると、(現在進行形で)同い年くらいの女の子が落ちてきた。俺はタイミングをあわせて、その女の子を空中でキャッチした・・・お姫さま抱っこで。

 

「あの・・・大丈夫?」

 

俺がそう聞くと、女の子がいきなり抱きついて泣き始めた。

 

『うぅ・・・うわぁああああんん!!!怖かったよぉ〜!!運命く〜ん!!!』

 

俺は女の子を宥めながら、それとなく聞いた。

 

「あのさ、今さらなんだけど・・・君って俺の知り合いなのかな?」

 

そう聞くと、女の子はきょとんとした目で俺を見ながら答えた。

 

『うぇ?もしかして、登場が久しぶりすぎて忘れちゃったかな?』

 

何だろう・・・今の発言は凄いメタな気がする。それは置いと居て・・・

 

「ごめん・・・忘れたというか、君のこと知らないんだ」

 

俺がそう言うと、女の子はひどく驚いていた・・・・・・言葉だけだけど。

 

『えぇ〜!!もしかして記憶喪失って奴〜?やっと会いに来られたのに〜・・・』

 

「それはどうか分からないけど、とにかくそういう事だから諦め『とか言うと思った?』え?」

 

女の子の言葉に驚きを隠せない俺を差し置いて、女の子は俺に何かを念じ始めた。

 

『すぐに思い出させてあげるからね〜。うにゅにゅにゅ〜・・・・・・ハッ!!』

 

女の子が“気”のようなものを俺に向けて発射する。すると、俺の頭の中に膨大な量の情報が入り込んできた。

 

「うっ!?・・・グッ!・・・何だこれは!?」

 

俺の頭に入ってきたのは、前世の世界の俺の記憶・・・らしきもの。そこには俺らしき人物の姿が、鮮明に映し出されていた。

明るかった時の自分・・・・・廃人と化した自分・・・・・そして、世界の全てを恨んだ自分。どんどんフラッシュバックされていく記憶の中で、どん底の時の自分だけの場面が、何度も繰り返されていく。

 

「やめろ・・・・・もうやめてくれ!!」

 

今すぐ自分の頭の中から消えてくれと、俺は心から願った。

もはやそれは、悲鳴でしかなかった。

 

「これ以上俺を苦しめるのはやめてくれぇぇぇぇえええ!!!!」

 

そんな言葉を聞いた女の子はふいにつぶやいた。

 

『少しは思い出した?今見せたのは、現実の運命くんが一番思っていることを表現したものだよ』

 

「・・・現実の俺?」

 

女の子は静かにうなずく。

 

『そう。つまりさっきのは「無」だよ。“全てを恨んだ結果、無くなってしまえばいい”っていう運命くんの隠れてた気持ちが出てきてしまったんだよ。

そして、今の気持ちの矛先は、現実の運命くんに向いてる』

 

俺は今聞いたことを分かりやすく整理する。

 

「・・・つまり分かりやすく言うと、現実の俺が死にそうだってこと?」

 

女の子は再びうなずく。

 

『現実の運命くんは何らかの理由で、その気持ちを自分に向けたの。だから現実の運命くんが死にかけているの!』

 

ハッキリじゃないけど、現実の俺がなぜ自分に向けたのか、なんとなく分かった。

 

「・・・たぶんだけど、現実の俺は誰かを護りたかったんだと思う。いくら自分で変われたと思っていても、人間の根本的なところはどうやっても変わらないから・・・」

 

女の子の言葉を聞いて、不思議がっている女の子。

 

『どういうこと?』

 

「いくらさっきみたいに、人を嫌いになったり、信じられなくなったとしても、その根っこの部分にある“誰かを護りたい”って気持ちは変わらないってことじゃないかな?ただ、考え方や手段が違うだけだよ」

 

女の子は驚きを隠せないでいる・・・いや、怒っているのか?

 

「でも、この決断は間違えじゃないと思うよ。現実の俺も、その誰かを護りたかったから、自分に向けたんだと思う。だったらそれはそれで幸せ『・・・ふざけないで』え?」

 

俺の言葉を遮った女の子は、同時に俺に平手打ちをした。

 

「っ!?な、何するんだよ!!」

 

俺は激昂しながら叫ぶ。が、女の子はそれ以上に怒りに染まっていた。

 

『ふざけないでって言ってるの!!!なにが幸せよ!なにが護りたいよ!そんな自己満足のために残されたあなたの大切な人の気持ち、ちゃんと考えた事あるの!?』

 

女の子の言葉が、俺の胸に鋭く突き刺さる。俺は底から絞り出すように反論する。

 

「・・・だって、仕方ないじゃないか!!誰だって大切な人を護れるんだったら、自分すら犠牲にするに決まってるじゃないか!!それの何が悪いんだよ!?」

 

女の子も負けじと反論する。

 

『悪いに決まっているじゃない!!!あなたの大切な人だって、あなたを大切に想ってくれてるんでしょ!!その人を残して自分は居なくなっていいと思ってるの!?あなたは必要とされているのよ!!』

 

女の子の言葉に思わずきょとんとしてしまった。

 

「・・・俺は、まだ必要とされているの?だって、俺が居たらみんなに迷惑がかかっちゃうのに?」

 

女の子はニヤリと微笑んだ。

 

『だから、神である私が運命くんに会いに来たんでしょ?』

 

気づいたら俺は涙を流しながら、笑っていた。

 

「本当に・・・本当に戻っていいの?」

 

俺が言い終えるのと同時に、女の子は俺を抱き寄せた。

 

『とても辛い道のりだと思うけど、ちゃんと生きて、全部思い出して彼女たちの希望になってあげて。今度は私も手伝うから』

 

俺は静かにうなずいた。

 

「うん・・・分かった。俺、もう一度頑張ってみるよ」

 

言い終えると同時に、意識が薄れてきた。

 

「もう・・・戻る時間だ。ありがとう・・・」

 

女の子がなにかを言っているが、聞き取れない。でも、すごく可愛い笑顔だ。

 

さぁ、再スタートだ!

 

 

 

 

 

 

楯無side

 

運命くんが臨海学校から帰ってきてからもう一週間が経った。織斑先生の話によると、あの青いISと一騎打ちをしたらしい。最初に見たとき、あのISは強いと思った。私なんかよりずっと・・・。

 

「お姉ちゃん・・・」

 

簪ちゃんが静かに聞いてくる。帰ってきてからずっと、この調子だ。

 

「なにかしら?簪ちゃん」

 

「運命・・・大丈夫だよね?死んじゃったりしないよね?」

 

この子は本当に優しい子ね。運命くんと同じくらいに。

 

「大丈夫よ!私たちがこんな顔してたら、運命くんが泣いちゃうかもしれないよ♪」

 

「それは駄目!・・・見てみたいけど」

 

あら、簪ちゃんも言うようになったわね。何したのかしら、運命くん?

 

「・・・うぅ・・・ん?」

 

わずかに聞こえた運命くんの声によって、私たちの意識が一気に運命くんに向かった。

 

『運命(くん)!?』

 

私たちはゆっくり運命くんの身体を起こしてあげると、すぐに織斑先生に連絡するように簪ちゃんに指示する。私は運命くんの意識が戻っているか検査する。

 

「運命くん、大丈夫?私がちゃんと分かる?」

 

そう聞くと、運命くんは首を傾げて言った。

 

「あなたは・・・誰ですか?」

 

それはまさに、再スタートに相応しい言葉だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




再スタートだぁぁああ!!!
おめでとうと言うべきなのか、御愁傷様と言うべきなのか、よく分からない微妙なところですね。
仕様の話ですが、早くて次の話からになります。前書きと後書きが少し変わると思います。
では、さらば!
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