「どうもこんにちは!魔弾の部屋です。今更ですが、季節はすっかり秋ですねぇ。秋といえば、スポーツの秋、食欲の秋、芸術の秋、性欲の秋などがありますが、秋に関係なくまたゲストの方が来ています。それではどうぞ!!」
「セシリア・オルコットですわ。ごきげんよう」
「ごきげんようは他チャンネルだから駄目だよ〜」
運命side
すっかり季節が夏になったにも関わらず、教職員は忙しいです。と言っても、僕が正式に教師になるのは二学期からなので、軽い夏休みをエンジョイするはずでした。
ISを動かせないという事実を知るまでは・・・
という訳で、夏休みに予定していたISの実践訓練が全てパーになったので、ここ数日は職員室と食堂を行ったり来たりを繰り返しています。
「はあぁぁぁ・・・。教師が言っちゃいけないだろうけど、暇だな〜」
自分でも、教育者が言うべきセリフではないことくらい分かっているさ。けど仕方ないじゃないか!だって暇なんだもん!
そんな僕の様子から察したのか、織斑さんが話しかけてきた。
「どうしたんだ?ずいぶんと荒れてるな」
僕は少しブー垂れながら小言を言い始める。
「どうしたもこうしたもありませんよ!せっかくISの知識を頭に叩き込んだのに、肝心の操縦が出来ないんだなんて、普通誰も思わないでしょう!まったくもう!」
織斑さんは、小言を言いながらプリプリ怒る僕の様子を見て、呆れながらも一つの結論に至った。
「分かった、分かった。最近はずっと勉強しかしてなかったからな・・・。そういう事なら町に出てみるといい。私が許可しよう」
あまりにも意外な提案に、思わず反応してしまう。
「い、良いんですか?自分で言うのも何ですが、男性操縦者だから駄目だと思っていたのですが?」
「それは一人の時だけの話だ。同行者がいれば問題ないさ」
何故か分からないけど、織斑さんが悪戯な笑みを浮かべている・・・正直、怖い。
「では、一時間後に校門前に行くように。いいな?」
「は、はい!分かりました!」
そう言って、微笑みながら職員室から去っていく織斑さん。やっぱりあの人は謎だ。
「おっと!こうしちゃいられない!早く準備しないと・・・」
僕は町に出るための準備をするために、急ぐのだった。
織斑さんとの会話から、もうすぐ一時間経つ。時間にしたら、午前10時だ。さっきから校門前で待っているのだが、一向に同行者が現れる気配が無い。
・・・あれ?もしかして僕、はぶられた?
そんな疑心暗鬼に陥っていると、突然視界が真っ暗になった。どうやら、後ろから手で隠されたようだ。
「だ〜れだ♪」
数瞬考え込むと、聞き覚えのある声だというのが分かった。名前はたしか・・・
「えっと・・・更識楯無会長?」
「ンフフ☆正解♪」
楯無会長はそのまま手を僕の前で組み、抱きついてきた。密着状態となり、僕の背中に女性特有の感触が伝わってくる。思春期真っ只中の僕には刺激が強すぎるのではないだろうか?
「あ、あの・・・楯無会長?その・・・」
なんとか話題をつくって、興味を逸らそうとするが、会長さんがさっきよりも強い力で抱きついてきて、それを阻んだ。
(こ、これはたまらn・・・ヤバイ!さっきよりも感触がダイレクトに伝わってくる!?)
流石に堪らなくなって、楯無会長を離そうと正面に向き直ると、すぐ目の前に楯無会長の顔があった。楯無会長の息づかいや香りが僕を刺激する。
(あと数cmで・・・キ、キス出来ちゃうじゃないか!?だ、駄目だ!16歳とはいえ、仮にも僕は教師だぞ!?せ、生徒とこんな事しちゃいけないだろう!?)
自分の中でそんな葛藤をしていると、不意に楯無会長が笑いだした。
「ぷっ・・・アハハハハハハッ!!いや〜ごめんなさい。あまりにも反応が可愛くて、つい♪」
そう言いながら、楯無会長は持っていた扇子を開いて見せた。そこには達筆な字でこう書いてあった。
『ドッキリ大成功』と。
(あー、なんだろう。これってもう殴ってもイイヨネ?)
「あ、あの運命くん?なんか雰囲気がヤバくない?もしかして、怒ってる?」
ブチッ!!!
僕の中で何かが切れた音がした。楯無会長がオドオドしているけど、それすら気にならない。今すぐこの生徒を教育しなくては。
「ヤダナァ、ゼンゼン、一ミリも、コレっぽっちもオコッテナンカナイデスヨ。タダ、矯正の必要な生徒がいるだけデスよ」
「へ、へぇー。そうなの・・・一体、だ、誰のこと、かしらね・・・」
この会長は、最後までシラを切るつもりか。なら仕方ない、織斑さん直伝のアレを試すか。
「楯無会長」
「ひゃ、ひゃい!」
思わず声が裏返ってしまった楯無会長。よく見ると、若干涙目だ。恥ずかしくてというよりは、怖くてといったところか。さっきから身体、震えてるし。
「あ、あの「座ってください」え?」
その場で固まっている楯無会長。それに構わずに、僕は再び言い放つ。
「聞こえませんでしたか?座ってくださいと言ったのですが?」
「ヒッ!?は、はい!」
すぐさまその場で正座する楯無会長。何されるのか気が気じゃないようだ。
(・・・ヤバイ。S超楽しい!!!そして、会長のM超可愛い!!!なんだこれ、小動物みたいだな!これに免じて許してあげよう)
「楯無会長」
優しくそう呼ぶと、震えながらこっちを見てくれた。これで最後だ。
「てい!」
「・・・痛い」
僕は楯無会長の頭に手刀を叩き込んだ。当の本人は、何をされたのか分からないような顔をしてる。その姿を見て、思わず笑ってしまった。
「ぷっ・・・アハハハハ!!どうでしたか?結構怖かったでしょう?」
楯無会長はしばらくきょとんとしていたが、ようやく自分が嵌められてる気づいたようだ。
「なっ!?あ、あれは冗談だったの!?」
「もちろんですよ。中々に迫真の演技だったで「ば、馬鹿ー!!」グハッ!!」
僕が言い終える前に、楯無会長が持っていた扇子が、僕の顔面に直撃する。
「も、もう運命くんなんて知らない!私帰る!」
そう言って、立ち上がろうとする楯無会長。しかし、一向に立ち上がる気配が無い。流石に心配になり、近くに行ってあげる。
「あの、楯無会長?どうしたのですか?」
「・・・・・・ない」
何かをつぶやいているようだが、よく聞こえない。仕方ないので、もう少し近くで聞くことに。すると、聞こえてきたのはとんでもない言葉だった。
「腰抜けちゃって、立てない」
・・・・・・・・・は?
僕の気分転換はまだまだ終わらないようだ。
「魔弾の部屋、後半戦突入フゥウウウウ!!!」
「ず、ずいぶんと賑やかな番組なんですのね・・・」
「こら、セシリアさん。はしゃぐな♪」
「あなたですわよね!?」
「・・・質問タ〜イム!!」
「明らかにコーナーに逃げましたわよね!?」
「な、何をバカな・・・セシリアさんといえば料理ですが、「さしすせそ」のことちゃんと分かってるのか知りたいというのがきてます。質問というより挑戦ですね」
「そんなの簡単ですわ!砂糖、塩、酢、醤油、ソースでしょう?」
「せが違いますよ。セシリアさん」
「な!そんなこと・・・」
「せは青酸カリですよ。これを入れればあの織斑一夏もイチコロですよ。(生命的な意味で)」
「し、知りませんでしたわ。早速調達しなくては」
「セシリアさん、入れるのはいいですけど食べさせるのは織斑一夏だけにしてくださいね」
「?分かりましたわ」
「よし!このコーナー終わり。ゲストのセシリアさん、今日はありがとうございました!」
「こちらこそ、貴重なご意見感謝しますわ。それでは、ごきげんよう」
「はぁー、織斑一夏は多分死んだな。でも、気にしない♪
次回の魔弾の部屋にlet’sエスケープ!」