オリ主は空に舞う   作:自由の魔弾

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「お邪魔!自由の魔弾です。今回はバトルメインです。久しぶりですねぇ・・・。まぁ、そんなに期待されても困るので、軽い気持ちでご覧になって下さい。
では、どうぞ!」


NO.43 使命と肩書き

時刻は午後10時30分を少し過ぎた頃。辺りは闇に包まれていて、近くにある街灯だけが俺と楯無さんを照らしていた。時折吹く夜風に、彼女の艶やかな蒼髪が靡くのに目を奪われる。

同時に彼女は、冷ややかな笑みを先ほどからずっとしている。ただ変わらない所といえば、普段から嫌と言うほど聞いてきた軽口くらいだ。故に俺は理解した。

 

彼女が本気で俺を潰しに掛かってきたことを。

 

「さっきから、何で黙っているのかな?もうとっくに生徒の外出時間は過ぎてるよ?知らないなんてことは無いはずだから・・・・・・・・・よっぽど大事な用なんだろうね」

 

言葉を言い終えると同時に、殺気を放つ楯無さん。生徒会長の楯無としてではなく、暗部の楯無として割り切ったことが嫌でも分かる。

果たして俺は、本気の楯無さんに勝てるのだろうか?

そんな疑問が残ったまま戦っても負けるのは理解できたので、俺はある強行手段に出た。

 

「・・・そうですね。でも、それは貴女も同じでしょう?暗部の楯無さん」

 

「・・・本当に君は何でも知ってるんだね。前にも聞きそびれちゃったけど、一体どこから情報を得ているのかな?」

 

「・・・秘密です。それに、貴女も秘密、隠しているのでしょう?お互い様ですよ」

 

俺は楯無さんの能面のような笑みを見て、ふっと微笑んだ。それを見た楯無さんはより一層表情をこわばらせた。俺への認識が味方から敵に変わったのがよく分かる。同時に俺も彼女と政府の関係に確証が得られたので、もうここにいる理由は無くなった。

 

「さてと、おしゃべりもこのくらいにして、そろそろ行かせてくれないですかね?なにぶん急ぐんです」

 

俺はからかうような口調で言うと、楯無さんが絞り出すような声でつぶやいた。

 

「・・・・・戦うしか、ないのね」

 

「見逃しては・・・・・くれないのでしょう?」

 

俺がそう聞くと、彼女は俺を見据え、答えた。

 

「・・・当たり前よ。絶対に・・・行かせない!!」

 

楯無さんはそう言い放ち、自身のISを展開した。ロシアの代表、IS学園生徒会長まで彼女を導いた剣“ミステリアス・レイディ”だ。彼女の気持ちの表れとも言うべきなのだろうか、手に握っているランスに力が入り過ぎている様子が見られる。

 

(もしかして彼女は、何かを迷っている?しかし、俺も黙ってやられる訳には行かないんだよっ!!)

 

俺はすぐさま、“インパルス”の待機状態であるネックレスを握りしめ、フォースで展開する。

 

「俺にはまだ、やらなければいけないことが残ってます。生半可な決意で止められるなんて考えないで下さい!」

 

俺は心の底から叫ぶ。立場と自身の感情に押し潰されていては困るのだ。彼女にはこの学園の生徒を守る義務がある。例え相手が俺であろうと、本気で来る事が出来なければ、自分の大切なものを守ることなんか出来ないのだから。

 

「分かってる・・・・もう決めたんだから・・・っ!!」

 

楯無さんは何かを振り払ったかの様に吐き捨て、こちらに向けてランスを構え急接近する。

俺は僅かに体勢をずらし、ランスを掠めながらも回避した。容赦のない突きに思わず俺は冷や汗をかいて、皮肉を漏らす。

 

「病み上がりなんだから、少しくらい手加減をーーーーって俺がするなって言ったんだっけ。早くここから離脱しなければっ!!」

 

俺は急上昇し、学園内から海へ場所を移した。その間、楯無さんが後ろから迫っているのを分かっていた俺は、急激な方向転換をして抜き放ったビームサーベルを煌めかせ、襲いかかる。楯無さんは最初こそ動揺したが、すぐに切り替えてランスで迎え撃つ。それぞれの武装が激突し、目の前で激しく火花が散るのすら気に止めずお互いに押し合う。

 

「本気で来なければ倒せないって、言ったはずですよっ!!」

 

俺は接触していたランスを一度引き寄せ、次に強く蹴り飛ばす。

 

「くっ・・・・・“クリア・パッション”!!」

 

衝撃で振り落とされながらも、楯無さんは反撃に出る。俺は何かを感じ振り返りかけたが、既に遅かった。正面、側面、背後から突然、爆発が襲ったのだ。

 

「っ!・・・・・この技、見たことがある。故に対抗策もある!」

 

体の至る所に火傷の跡が見えるが気にもせず、展開したビームライフルから閃光が迸る。放たれたビームは、楯無さんの周りを浮遊するユニットを正確に撃ち落とした。

 

「・・・っ!!たった一回受けただけでナノマシン発生装置を見破るなんて・・・・・・でもこれなら!!!」

 

楯無さんは装甲として纏っていたアクア・ナノマシンを一点に集中させ、巨大な槍を形作っていく。アレも見たことがある。他の武装じゃ倒せないと踏んだか。しかし、あれが諸刃の剣であることは自身が一番分かってるはずだろ!?

 

「回避は・・・・・出来そうに無いな。だったら・・・!!」

 

俺は回避から攻撃へ体勢を変え、バーニアを全開にして急接近する。急激な負荷を掛けた所為か、今にも焼き切れそうなエンジン音が深夜の海に響き渡る。

 

(もう少し・・・・・あと少しで届く!楯無さんを殺したくなんかないけど、俺もまだやられる訳にも行かない・・・・・・だとしたら、やっぱりこれしかない!!)

 

「いくわよ!必殺“ミストルティンの槍” これを受けて、ただで済むなんて思わない事ねっ!!」

 

楯無さんは言い終えると同時に、凄まじい閃光が迸った。放たれた槍は、俺の体に直撃し貫く。少なくとも、楯無さんはそう思っていたのだろう。けど、実際は違う。

 

「・・・んぐっ!!うぅぅおおおおおっ!!!」

 

俺はアンチビームシールドを掲げ、自分の何倍もの質量の槍の一射を受け止めている。楯無さんは驚いているようだが、俺はそれどころじゃない。槍の勢いに押し切られない様に、限界以上の出力で迎え撃つ。だが・・・・・・

 

「っ!!・・・・・・限界か・・・」

 

限界以上の出力で連続稼働しすぎた所為か、エンジンが爆発し始めたのだ。痛みこそ感じないが、このままでは勢い不足で押し切られてしまうのは頂けない。

 

「“フォース”で駄目なら“デスティニー”で!!」

 

俺は素早く切り替えて、シールドが溶け出すのもお構い無しに、光の翼を展開させ突っこむ。

 

「っ!?貴方、まさか!?」

 

「ご明察!でも、もう手遅れだっ!!」

 

いわゆる「突貫」というやつだ。まぁお互い大怪我じゃすまないけどな。

 

「喧嘩両成敗ィィィィイイイイッ!!!」

 

楯無さんの目の前でシールドが融解し、その場で大爆発が起きた。

 

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