オリ主は空に舞う   作:自由の魔弾

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ご無沙汰です!無事に高校デビューした自由の魔弾です。話の構想を練っていたら、いつの間にか一ヶ月近く経ってしまいましたね。まあ、所詮若者の考える事なので、そこらへんはご理解していただけると助かります。


NO.45 求めるもの それは希望の布石

簪side

 

(はぁ・・・はぁ・・・。待って!置いて行かないでっ!)

 

私は走っていた。この先の見えない暗闇の中を、唯一光る希望を求めて。

・・・そう。私の希望『金森運命』の後ろ姿を、ただひたすらに。

 

(やっと戻って来れたのに・・・。やっと伝えられると思ったのに!!)

 

その叫びさえにも耳を傾けずに、運命は前に進む。まるで、こちらの声が届いていないかの様に。

 

(私は・・・変われた。運命に逢えて、私の世界が!今までお姉ちゃんに劣等感を感じていた、惨めな自分が!)

 

私は前進する運命を無視して、さらに告げる。

 

(だから・・・今なら言える。私は運命と肩を並べたい!運命を側で支えたい!!だから・・・)

 

その時、私の言葉を遮るように運命がこちらに振り向いて、何かを告げた。

 

(えっ?何て言っているの?)

 

私は運命の口の動きを、集中して読み取る。

 

(Reboot・・・?それって一体・・・)

 

それだけを告げると、運命は微笑みながら光の向こう側へ消えていった。

 

(ッ!?駄目だよ!行かないでよ!運命!!!)

 

私は叫びながら、走り続けた。しかし、次第に遠のいて行く運命に追いつくことは出来ずに、意識が現実世界に引き戻されるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・運命っ!!」

 

目が覚めると、そこには私一人しか居なかった。普段なら、運命が寝ているはずなのだけど、そこに運命の姿は無かった。ただそれだけの事なのに、私は冷静を保っていられなかった。

 

「運命・・・どこにいるの?置いてなんか行かないよね・・・」

 

気がつくと、私は運命を求めて彷徨っていた。運命が居ないという事実が、私を焦らせ、行動させているようだ。廊下に出て、すれ違う生徒に聞き込みをする。

 

「ねぇ・・・。運命見てない?」

 

「え?いや、見てないけど・・・。ねぇ?」

 

「うん、私も見てないかも・・・」

 

「・・・そう。ありがとう」

 

その後も特にこれと言った有力な情報を得ることも無く、終わるかと思ったその時、私の前にある人が現れた。

 

「どうしたのだ?更識がそこまで慌てるのは珍しいな」

 

「篠ノ之さん・・・。貴女は運命がどこにいるか知らない?」

 

「運命が?いや見ていないが・・・。何かあったのか?」

 

「・・・ならいい。それじゃ」

 

私が立ち去ろうとすると、途端に篠ノ之さんが遮って来た。

 

「待て、更識!一体何をそんなに焦っているのだ。運命に何かあったのだったら、私も協力するぞ?」

 

「・・・別に。運命はここのところ、ずっとあなたと一緒にいたみたいだから、もしかしたら何か知ってると思っただけ。そのあなたが知らないなら、ここにいる理由は無いと思うけど?」

 

「仮に私が何かを知っていたとしても、おそらく今の更識なら意味のない事だと私は思うな」

 

その言葉に私は反応する。

 

「・・・どういうこと?あなたにそこまで言われる程の仲では無いと思うけど」

 

「ああ、確かにな。だが、少なくとも今のお前よりは運命のことを分かっているつもりだぞ?」

 

私はその言葉を聞くと、篠ノ之さんを睨む。けど、篠ノ之さんは全く動揺すること無く、こちらを見据えていた。まるで私自身を品定めするかのように。

 

「あくまで否定するか・・・。ならば、ここは私と勝負をしないか?私に勝って、自分が正しいことを証明すればいい。だが、私が勝ったら・・・そうだな、しばらく私に付き合ってもらうとするか。これでどうだ?」

 

篠ノ之さんが私に突きつけた挑戦。一見、何の意味も無いものだと思ったのに、不思議と戦わなくてはいけない気がする。まるで、私自身が何かに導かれているみたいに。

 

「・・・分かった。その勝負、受けて立つ」

 

私は勝つ。そして、私自身の正しさを正当化させる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・金森運命に関する報告は以上になります。引き続き、対象の捜索任務を続けさせていただきます」

 

時を同じくして、枯野はとある報告を受けていた。それは、自身の研究対象だった金森運命についての報告だった。

 

「いやぁ、ご苦労様でした。流石に金森運命も貴女の相手にはならなかったようですね。最後まで処置を施しておけば良かったものを・・・。ま、邪魔者が減るに越したことはないですけどね」

 

枯野の賞賛を受けるも、その相手が喜ぶ様子は全くない。それどころか、自身の拳を握りしめて、枯野を睨みつけている。今にでも枯野に殴りかかると思うほどに。

 

「おやおや・・・。何ですか、その目は?今更になって後悔でもしているのですか?自らが手を汚したことを。あのイレギュラーを学園に置いておくこと自体、かなり譲歩した方なんですから。それに、反逆者にはそれ相応の罰を受けてもらうのが常識でしょ?」

 

嘲笑うかの様に、その相手を見る枯野。それに対して、何も言わずに堪えている相手に枯野はさらに告げる。

 

「大体、自ら手を下すと言ったのも貴女でしょ?そんな事を言っておきながら、イレギュラーに同情でもしたんですか?」

 

その言葉を聞いた瞬間、その相手はISの武装を展開し、枯野の頭に突きつける。が、枯野は焦る様子も無く、淡々と告げる。

 

「言葉で勝てなくなったから、力で押さえつけるのですか。やっていることは独裁者と変わりませんね。いいんですか?そのような態度を取ると、こちらも少々手荒な手段を使わなくてはいけなくなるのですがねぇ・・・」

 

その言葉を聞き、硬直する相手。しかし、枯野は続ける。

 

「そう、例えば・・・貴女の妹とか。もしくはその周囲の人間全てかもですね。良いのですか?貴女の大切な家族や友人に何かあったら、貴女は立ち直れないでしょうね」

 

枯野は目線で、その相手に訴える。こちらは本気だ、だから武器を降ろせと。

相手は渋々ながらも武装を解除した。

 

「話の分かる人で助かりました。こちらとしても穏便に済ませたいですからね。では、引き続きよろしくお願いします」

 

「・・・失礼しました」

 

そう言いながら、相手は部屋を出て行った。枯野は一人残った部屋でつぶやく。

 

「強者を扱うのは大変ですね。やはり、主人に従順なペットが一番ですね。ねぇ、君たち?」

 

すると、枯野の背後に三つの人影が現れた。背格好や性別はそれぞれ違うものの、それぞれに共通する部分があった。

 

「さぁ、これから忙しくなりますよ。きっちり働いて下さいね、“クローン”達」

 

 

 

 

 

 

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