オリ主は空に舞う   作:自由の魔弾

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かなりの駆け足になりそうな気がしますが、頑張って執筆してます!


NO.51 壊すIS 護るIS

枯野は搭乗している旗艦のブリッジにて、味方小隊の発信命令を下した。

 

「現時刻をもって、IS学園の撤去作業を開始する。各小隊は準備が整い次第、出撃せよ!」

 

とたんに、味方艦隊から次々とISが飛びたった。開戦の火蓋が切って落とされたのだ。

味方小隊が飛びたったのを見届けた枯野は、副長に密かに伝える。

 

「頃合いを見て、私も出撃する。同時に味方部隊の回収し、ここから出来るだけ遠くに離れろ。そして政府の役人どもにはこう伝えるんだ。“全ては枯野によって仕組まれたもので、作戦に参加した者達に一切の責任は無い”とな」

 

枯野の発言に副長は呆然とした。まるで遺言ともとれるその言葉が何の意味を持つのか、その場に居合わせた者なら、あるいは同じ時を過ごした者ならば言うまでもなく理解することだろう。

 

「よろしく頼むぞ・・・」

 

枯野がそう告げると副長は静かに頷き、ふたたび目線を目前のIS学園に戻した。

それを見て満足したのか、枯野は席を立ち、退出した。

乗組員たちの信頼と希望のまなざしを背に受けて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS部隊出撃の報告は、IS学園最高司令部に届けられた。

 

「敵IS部隊の出撃を確認!数は15と思われます!」

 

索敵担当の教員が報告する。それを受けて最高司令官である織斑千冬が、宣言するように告げた。

 

「第一線防衛部隊、迎撃開始ッ!」

 

《了解ッ!》

 

命令を受けた第一線防衛小隊である、セシリア、ラウラ、簪の三人は迫り来るIS部隊を次々と撃ち落としていく。元より遠距離用の武装が多いこの3機にとって、飛来するISを正確に被弾させることが容易いという千冬の見解でこの小隊が編成された。

 

「ラウラさん、簪さん、私が道を開けますわ!援護をッ!」

 

セシリアが誘導兵器“ブルー・ティアーズ”を散開させながら、指示を飛ばす。それを受けてラウラは大型レールカノン、簪はバラエーナ・プラズマビーム砲とビームライフルを発射し、見事な連携を見せた。

その攻撃が功を奏し、当初は数で勝っていたIS部隊をも打ち破り、次々に撤退していくという結果に終わった。

小隊長であるセシリアが、すぐさま司令官である千冬に結果を報告する。

 

「こちら第一小隊、目標の迎撃、撤退に成功いたしましたわ!」

 

報告を受けた千冬は、賞賛と同時に帰投を命令する。

 

「司令部、了解した。よくやったな、第一小隊は補給のため帰投せよ」

 

その命令を受け、第一小隊はすぐさま撤退を始めた。

第一陣はIS学園の優勢のまま、一時休戦を迎えるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、格納庫にて出撃準備をしている枯野はブリッジより、先ほどの戦闘結果の報告を受けていた。

 

「こちらはほぼ全員が負傷して、あちらは無傷・・・ということか?」

 

枯野の質問に報告をしていた副長が答えた。

 

「はい、特に翼を持ったISが並外れた戦闘能力を有していると報告を受けております」

 

「そうか・・・。とにかく、部隊の回収を急ぐんだ。出撃するのは私と“あの3人”だけでいい」

 

枯野が命令を下すと、副長は頷いて格納庫のハッチを開かせるよう命令をする。

それを見計らった枯野は、近くで待機していた3人の少年少女に言い聞かせるようにして告げた。

 

「君たちにも辛い思いをさせてしまうけど、もう少しの辛抱だ。君たちは彼だけを見ていればいいんだからね」

 

枯野がそう言うと、1人の少年が返事をする。

 

「大丈夫だよ、枯野さん。俺たちも分かってるさ。俺たちはオリジナルを倒せばいいんだ。そうだよな、S2、S3?」

 

少年の問いにもう1人の少年と少女が頷いた。

枯野はそれを見て、思わず笑みを浮かべながら考える。

彼らは自分なんかよりも出来た存在だ。せめて、自分は彼らを導いてやらねばと。

 

やがてハッチが開き、3機のISが先行したのち、枯野自身もISを纏い、発進した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園司令部では、随時レーダーによる索敵作業が行われていた。先ほどの戦闘以降、動きを見せない枯野に対して、千冬はただ静かに戦況を見ていた。

 

(単独部隊による奇襲も予想はしていたが、それも無いか。しかし、あの数で終わるわけが無い。だとすれば・・・)

 

その時、索敵担当の教員がハッと息をのむ。

 

「敵ISの反応を確認!数は・・・4機です!」

 

モニターに飛来する機影が映し出されている。その異様な形状に、皆目を見開いた。

 

「何あれ!?あんなIS、どこのデータベースにも無かったのに!?」

 

教員の1人がその存在にひどく怯え、パニック状態に陥ってしまう。千冬はすぐにそれを制して、味方部隊に命令をした。

 

「気をしっかり持てッ!!まだ終わったわけでは無い!少しでも多くのデータを集めるんだ!一夏!聞こえるかッ!?」

 

突然の声に、驚きながらも返事をする一夏。

 

「どうしたんだ!?千冬姉!」

 

「緊急事態だ、今すぐ全てのISを発進させる!第1小隊にも補給を終え次第発進するように伝えろ。分かったか?」

 

姉である千冬の鬼気迫る状況を察したのか、一夏は全員にそれを伝え、発進した。

世界最強の称号を持つ姉が、あそこまで焦る状況がかなりまずいことなど、誰でもすぐに気がつくに決まっていた。

 

「・・・ちっくしょうッ!」

 

一夏は憤りと焦りに突き動かされるままに、目標の元へと急いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

枯野は自身を慕う3人の少年少女と共に、IS学園司令部を目指して進んでいた。自らが鍛え上げたIS部隊をも凌ぐ高い能力を持ったISに合間見えるために。

その時、3人のうちの1人、S3が告げた。

 

「枯野様、前方から・・・ISがたくさん・・・」

 

枯野は改めてS3の性格に拍子抜けしてしまう。少女の容姿をしているS3は何故かおっとりした性格になってしまったらしい。他の2人は上手くいったのだが、このS3だけが残念なことに。枯野は内心、S3だけ少女の容姿になった事でオリジナルの原型を留めなかったのだろうと予想して考察を終えた。というか、ぶっちゃけもう面倒臭くなっただけである。

 

「枯野さん、ここは俺たちが食い止めますよ。だから、枯野さんはあの翼のISをやって下さい。気になっているんでしょ?あれ」

 

S1がそう促すと、S2、S3も共に頷いた。部下に心配される上司ってどうよ?

 

「全く、気遣いだけは上手なんだから。君たちもこれが終わったら好きに生きるんだよ?」

 

枯野がそう言うと、三人ともひらひらと手を振り、前方のIS目指して進行した。

彼らなりの激励を受けて、枯野はそれを無下にはしまいと翼を持つIS“フリーダム”の元へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、はるか上空で1つの影が海上で行われている戦闘を、滞空しながら見下ろしていた。しかし、その影はその場から離れるも無く、戦闘に介入するも無く、ただ佇んでいた。まるで、何かのタイミングを見計らっているかのように・・・。

 

 

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