オリ主は空に舞う   作:自由の魔弾

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どんどん終わりに近づいているという事実。
なんか泣けてきますなぁ〜。


NO.55 迎える終末

枯野の操る無線式砲台“ドラグーン”の猛攻に、白式は苦戦していた。二次移行したとはいえ、燃費の悪さは完全には補いきれずにいたのだ。

今エネルギーを使い切るわけにはいかず、結果防戦一方となっている一夏に、枯野は冷ややかに告げる。

 

「撃ち落とされる前に退きなさい。私の狙いはあくまで金森運命だ。この世界の住人である君達ではない!」

 

そう言いながら攻撃の勢いを増す枯野。容赦無く命を狙うその射線は、警告の意味を込められている事が一夏は嫌でも理解させられる。

だが、その事実は撤退を決意させるどころか、逆に一夏の闘志を燃やす結果となっていた。

 

「だったら尚更だ!誰かの犠牲で救われる世界なんて、あってはいけないんだ!!」

 

一夏は変に飾らない、身の丈にあった言葉で枯野に向かって叫ぶ。その一夏の姿を、枯野は一瞬だけ過去の自分と重ねて見てしまっていた。純粋な思いは自分を殺す、そんな簡単な事に気づけなかった過去の自分に。

 

「そうか・・・ならば貴様も敵と見なすしかあるまいなァ!!」

 

激昂した枯野は特殊武装での牽制攻撃を中止させ、白式の間合いに飛び込んでビームライフルを連射する。枯野の行動の変化に一夏は反応できず、ビームを避けた一瞬の隙を狙われ、枯野の蹴りを直に受けてしまった。

 

「グゥゥッ・・・!!」

 

勢いに負け尚も海へ降下する白式を、つい先ほど戦闘を終え到着したデスティニーが、白式の腕を掴み勢いを殺しながら体勢を立て直す。

 

「しっかりしろ、一夏」

 

枯野に視線を向けたまま、一夏を気遣う言葉をかける。

その言葉に、一夏も素直に感謝の言葉を返す。

 

「あぁ、助かったよ。でも、正直不安だったぜ。何とかしてあのビーム攻撃を攻略出来ないか・・・」

 

一夏の言葉を聞き、運命はここで初めて一夏が戦いの中で勝利する活路を見出そうとしていた事に気づく。自分よりも格上の相手に挑みながらも、自分が到着するまで持ち堪えていた事が奇跡に近いだろうに。

運命はここである秘策をお教えすることにした。

 

「それだったら、何とかなるかもしれない。俺が先に仕掛けて、取り巻きを引きつける。その隙にお前は本体に突っ込め。できそうか?」

 

運命が問いかけると、一夏は迷う様子もなく「あぁ、出来るさ。いや、やってやる!」と覚悟を決めた。

 

「よし・・・行くぜェ!!」

 

作戦を決行した運命はビームライフルを放ち、ついで背面の長距離ビーム砲を向ける。しかし火線はすでに予測されていたのか、難なくかわされ、またシールドで受け止められる。次の瞬間、枯野は期待通りに“ドラグーン”を展開させ反撃に転じた。

 

(来たッ!!今だ!)

 

運命は思わず身をすくめる。ドラグーンの展開がこの作戦の開始を意味していたからだ。成功させるには、いかに自分に狙いを向けるかにかかっているため、かなりのリスクが伴うのだ。

長刀を構えて一気に加速するデスティニーに、いきなり横手から数条のビームが襲いかかる。数基のドラグーンが枯野を守るように突っ込んでくる。

 

「そんなものにッ・・・!」

 

デスティニーは急上昇して、突っ込んできたドラグーンのビームをかわし、うちの一基を真っ二つに切り裂き、海上に破片を散らした。

しかしそれでひるむ様子もなく、尚も執拗にドラグーンは攻撃を仕掛ける。押し包むように浴びせられるビームの中を、運命は恐れげもなく遡り、長刀を振るった。すれ違いざまにドラグーンが切り上げられ炎を出して背後で爆発する。その時にはデスティニーの片手にライフルがグリップされている。運命は矢継ぎ早にビームを放ち、さらに小型のドラグーン二基を撃ち落とした。

 

「よし、あともう少しで・・・一夏!避けろ!!」

 

運命は恐怖の混じった驚愕がよぎる。自分が注意を引いていたにもかかわらず、プロヴィデンスのビームライフルが白式を狙っていたからだ。援護に入ろうとするも、残っているドラグーンに進路を塞がれ、思うように身動きが取れずにいる運命。

先ほどの蹴りの痛みもあり、急激な移動が出来ない白式に無慈悲にもビームが直撃すると思われたその瞬間、再びあのISが現れた。

 

《まったく・・・世話をかけさせんな、若造ども》

 

白式を射線から回避させたのは、やはり蒼いIS“エクシア”だった。運命は内心ホッとしながらも、一旦ドラグーンから離れ、駆けつけたエクシアに皮肉を言う。

 

「何が世話をかけさせるなだよ・・・重役出勤すぎないか?」

 

運命の言葉に、エクシアは嘆息混じりに返す。

 

《お前なぁ・・・わざわざお前が落とした荷物を、持ち主の所に運んできてやったってのに・・・まぁそれはいい》

 

エクシアは再び枯野に視線を戻し、確認の意味で聞き直す。

 

《なぁ運命、俺がもしあいつと因縁があって、どうしてもやらなきゃいけないってなった時、お前は手を貸してくれる気、あるか?》

 

一見、言葉の真意を見逃しがちな質問だったが、運命にはこの質問の意味が理解できていた。故に、運命は憮然として答えた。

 

「いつかそういう日が来ると思ってたさ。俺にもあんたにも、償いの時ってやつが来ることを。それが今だって言うんなら、俺は迷わず手を貸すよ」

 

その答えを聞いたエクシアは《そうか・・・》と一言つぶやき、GNソードを展開して身構えた。

 

《お前らに付き合ってやる。指示をくれ》

 

エクシアの強い言葉に、運命と一夏はともに戦闘態勢に再び入る。

恐らくこれが最初で最後の共闘となることを信じて。

 

「エクシア、俺と一緒にドラグーンを消してくれ。ガラ空きになった所で、白式の零落白夜を決めてくれ。それで全てが終わるはずだ。では・・・行くぞォ!!」

 

運命の言葉を皮切りに、エクシアとデスティニーは猛スピードで、枯野の間合いに突っ込む。途中、その行く手を残ったドラグーンが阻むが、エクシアはトランザム、デスティニーは光の翼を展開することで次々に撃墜させてゆく。

ドラグーンの数は次第に減っていき、やがて全てのドラグーンが破壊された。

 

「クッ・・・!小賢しいマネをォ!」

 

プロヴィデンスは失ったドラグーンに代わり、ビームサーベルによる接近戦を仕掛けてくる。エクシアとデスティニーの二人掛かりで立ち向かうが、やはり出力に差があるのか次第に勢いで押され始める。

 

「フフフッ・・・貴様らには死んで罪を償ってもらわなければなァ!!!」

 

さらにサーベルの出力が限界まで上昇するプロヴィデンス。勢いに負けそうになるがある、不意にエクシアが枯野に憐れみの意味を含めた言葉を放った。

 

《憐れだな、枯野よ。理想を求めるあまり、力に溺れてしまったか。やはり貴様と体を分けたのは失敗だったか・・・ならば、いっそこの場で散るがいい!!》

 

「何だとォ・・・消えるのは貴様らの方だろうに!!」

 

枯野の言葉に、今度は運命が返す。

 

「いいや、消えるのはお前の方だ。確かに罪は償うさ。だけどな、俺たちは生きてその罪を償うんだよ!それにな・・・」

 

運命は一度言葉を区切り、改めて枯野に告げる。

 

「俺たちは一人で戦っているんじゃない!互いを認め、励まし、支える仲間がいるんだぜ!今だってそいつを見せてやるッ!!一夏!!」

 

背後から高速で接近する白式に向かって、エクシアとデスティニーは最大出力でプロヴィデンスを押し包む。もはやプロヴィデンスにその勢いから逃れられる術は無かった。

それは枯野の思いの強さが招いた二回目の敗北だった。

 

『ううおおおおオオオッ!!!』

 

白式の零落白夜が炸裂する直前で二機は、範囲内から離れその行方を見守る。

そして、その数瞬の後、プロヴィデンスのボディが砕け散り、完全に破壊された。

 

《枯野狂也・・・安らかに眠れ》

 

エクシアのつぶやきと同時に枯野狂也の体は、光に包まれ、そして静かに消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この時、第一次IS大戦が真の意味での終わりを告げたのだった。

 

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