オリ主は空に舞う   作:自由の魔弾

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もう少しで本当に終わっちゃう・・・。


NO.56 終わりのフィナーレ

「はぁ・・・はぁ・・・終わった、のか?」

 

そうつぶやくのは、第2の男性IS操縦者である金森運命だ。彼は今改めてその事実を確認する。

 

《奴の生命反応は感じられない。今度こそ、奴の最期だ》

 

運命の問いに答えたのは、枯野の協力者であり宿敵でもあったIS“エクシア”だ。

 

「俺たちは護れたんだ。俺たちの大切なものをさ!」

 

歓喜の声を漏らすのは、本来の男性IS操縦者である織斑一夏だ。

そう、彼らは勝ったのだ。自分たちの大切なものを脅かすその根源に。

 

(やった・・・んだよな)

 

ただ一人、この喜ばしい事実に疑問を感じている運命。その時、IS学園に設置された対策本部から通信が入る。

 

『対策本部から織斑だ。聞こえるか?』

 

発信の主は織斑千冬だった。このタイミングでの通信ということは、向こうでも状況を確認したのだろう。

 

「千冬さん、ご心配をおかけしました。申し訳ありません!」

 

運命はいの一番に謝罪をした。その謝罪内容としては、臨海学校での戦績や織斑千冬が政府と共に暗躍しているという誤解などなど、様々な念が込められたものだった。

そんなこととは知らず、織斑千冬は一瞬呆気に取られた様子を見せるも、すぐにいつもの調子で淡々と言葉を告げた。

 

『・・・何があったのかは知らないが、よく無事に帰ったな。一旦こっちに来てくれ、手配は済ませておく。忘れ物を取りに来い』

 

そう言って、通信は切れた。織斑千冬の言葉を受けた運命は、何とも言い表せない複雑な気持ちになりつつも、織斑一夏とエクシアに付き添われる形でIS学園へと足を運ぶのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さ〜だっめ君!ウフフッ♪」

「運命、勝手に動いちゃダメだよ。まだ次の巻があるから」

 

(な、なんだろうか、この状況は・・・?)

 

金森運命は今自分に起きている怪奇現象について、考察していた。事の始まりはいつだったか。

 

(確か戻ってきたところは覚えている。枯野の事を有耶無耶ながらに報道すると言っていたし、みんなに祝福されたような気がする。協力してくれたナターシャさんもその時帰ったんだったよな・・・ナターシャさん?)

 

その言葉を頭を過ぎった時、酔いが醒めるかの如く記憶と意識が鮮明になっていくのを感じた。

 

(思い出したかも。ナターシャさんだ。外国はスキンシップが激しいのかな、特にアメリカなんかは。あの人が帰る時に、俺ハグされたんだっけ。分かるかな、スタイル良いんだナターシャさん。デカくて、柔らかくて、心地よい感じがしたな、うん。その所為か)

 

ほのかに残るその感触を確かめようとすると、二つの冷たい視線が自分に突き刺さっている事に気づく。

 

「運命、小さい方が好きって言ってたのに・・・」

「まぁ、気持ちは分からなくはないわ。でも、他の女の子のことを考えちゃうのは、お姉さん的には頂けないかなぁ」

 

「(⌒-⌒; )」

 

(さて、逃げるかな・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「簪、ベッドまで運んできましたよ」

 

「ありがとね、運命君。安心したのかな」

 

あの後一悶着あったが、今はすっかり寝付いてしまった簪を予備のベッドへ運び終えたところだ。残った運命と楯無の間に何とも言えない空気が漂う。何となく気恥ずかしいようで。

 

不意にどちらからともなく話しかけた。

 

「あのさ」 「少しいいですか」

 

タイミングはほぼ同時だった。余計に空気が重苦しくなった。

 

「ご、ごめん!」 「あ、すみません!」

 

謝るタイミングも一緒。何となくそれが可笑しく思えたのか、二人は思わず吹き出してしまった。

 

「何かいいですね、こういう感じ。普通の時間を過ごしてるんだって思えますよ」

 

運命の率直な感想に、素直に賛同する楯無。

 

「確かにそうね!余計なことを考えないで、ただ・・・好きな人と過ごせるのって幸せかもね」

 

「っ!またそんな恥ずかしい台詞を!よく平気で言えますね!」

 

突然、思いもよらない答えが返ってきた所為か、恥ずかしさを隠す男の性が出てしまう運命。その反応が面白くなかったのか、頬をプクーっと膨らませる楯無。しかし、悪戯を思いついたのか目をキラキラさせて運命の隣にちょこんと座った。

 

「楯無さん・・・?」

 

隣に座ったまま何も話さない楯無に、困惑しながらも様子を見ようと視線を合わせようとする運命。次の瞬間、楯無は運命の首に手を回して、自分の胸元へと引き寄せた。

突然の出来事に反応出来ず、楯無のなすがままに胸へと引き寄せられた。彼女の鼓動がよく聞こえる。

 

「ねぇ、運命君。さっきナターシャさんにもこうしてもらったよね。あの時、私すごく嫌な気持ちになったんだ。運命君が盗られちゃうってさ」

 

楯無の独白を運命は静かに聞いている。これは自分で蒔いた種だと分かっているからだ。

 

「私、嫌な女だよね。今までこんなこと無かったのに、運命君のことを考えると感情が抑えられなくなっちゃう」

 

運命は静かに楯無の胸元から離れ、逆に自分の胸元へ手繰り寄せた。

 

「・・・!!運命、くん?」

 

困惑する楯無を他所に、運命はただひたすら抱きしめる。そして、一言だけ告げる。

 

「楯無さん、いつか答えを出すって言いましたよね。やっと、答えらしいものが出たかもしれません」

 

運命はそう言うと、楯無を離しその頭を撫でながら頼みを伝える。

 

「明日、皆さんに俺の知る限りの真実を伝えたいと思います。みんなを集めてもらえますか?」

 

楯無は運命の目を見据える。決意のこもったその目に嘘は無い。楯無は黙って頷くと、静かに立ち上がり扉に向かった。

そして、部屋を出る間際に一言だけ告げた。

 

「分かったよ、運命君。じゃあ、また明日ね・・・」

 

彼女は既に知っているのか?その事実を知る術は、運命はもちろん、他の誰にも無かった。

 

 

 

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