岩だらけの荒野、乾いた土の上を二人組が歩いている。
片方は十代後半とみられる黒い髪の少年。黒いコートに身を包み、左腕には板状の機械『デュエル・ディスク』が装着されている。
もう片方は十代前半の青い髪が特徴的な美少女。パーカーにホットパンツという動きやすそうな服装だが、やはり左腕にはデュエル・ディスクがつけられていた。
「兄さん、あと30分くらい歩いたら次の集落に着くよ」
ディスクに表示された地図を確認しながら少女が少年に伝える。
「……そうか」
兄さんと呼ばれた少年は歩みを止めず、淡々と答えた。
「そういえば兄さん、今から行く集落って何があるの?」
「……あくまで噂だが、そこを支配している盗賊団が俺たちの追っている『教団』と繫がっているらしい」
「つまり、その盗賊団に接触して『教団』の情報を得るのが今回の目的?」
「そういうことだ」
そうして二人が歩き続けて20分が過ぎようとする、その時だった。
「危ないッ!!」
異変をいち早く察知した少年が少女を突き飛ばした。その瞬間、少年の手首に手錠のようなものが付けられる。立体幻像(ソリッドビジョン)によって形作られたデュエルアンカーだ。
「誰だッ!」
アンカーの先には無精ひげを生やした青年が立っていた。
「オレの名を尋ねたな?」
「は?」
「訊かれたのなら教えてやろう、オレの名を!天地に悪名とどろくマッドバー盗賊団!その副団長にして『やかましい鉄砲玉』の異名を持つこのオレの名を!」
「……」
「その耳かっぽじってよぅく聞きやがれぇ!オレの名はジャスコ・オーメン・ハミルトン!人呼んで『やかましい鉄砲玉のJOH』様だ!」
青年が高らかにまくし立てるが…
「聞いたことあるか?」
「知らない。たぶん初めて聞いたと思う」
「なん…だと…?」
知らないと言われたのが余程ショックだったのか、頭を抱えるJOH。
「くっそぅ!そこのガキんちょ!俺とデュエルしろ」
「……へぇ」
ニヤリ、と少年が笑う。
「いいぜ。その代わり俺が買ったら俺の質問に答えてもらおうか」
「上等だ!オレが勝ったらそこの嬢ちゃん共々アジトに来てもらおうか!」
それを聞いた少女の顔が青ざめる。
「兄さん!?」
「安心しろウミネ。お前の事は俺が守るって言ったろ?絶対に負けないさ」
「う…うん!」
「へぇ、嬢ちゃんウミネっていうのか。カワイイねぇ……で、そこのガキんちょは何て名前なんだい?」
「……いいだろう。名乗られたら名乗り返すのが礼儀だって言うしな」
少年がディスクを構える。
「俺は極東地方ブロッサム集落出身、サクラバ・ユキトだ。お前に恨みはないがここで倒されてもらうぞ」
「「デュエル!!」」
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