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三次元(現実世界)
20XX年地球、日本某所にある駅。緑豊かな自然が所々残る田舎と都会の中間のような町にある駅は現在大騒ぎになっていた。野次馬と呼ばれる人だかりができ、警察や医療関係者なども集まっている。人々が注目する先では電車にひかれ、バラバラになった少女の死体がブルーシートに包まれていた。
彼女の名前は小鳥遊 桜子(たかなし さくらこ)。享年17歳。バラバラ死体となった今は見る影もないが、ウェーブのかかったショートカットの黒髪を持ち、子供のあどけなさを残したまあまあ整った顔立ちの女子高校生。いわゆるJKというやつだ。所属する部活は物理部。体を動かすことが苦手な彼女は高校生活を勉強と遊びに捧げていた。
そんな彼女は今日、下校中にこの駅で小さな男の子を見かける。赤いキャップを被り、愛と勇気だけしか友達がいないアンパンのヒーローの顔がプリントされたリュックを背負う活発そうな少年だ。この日は金曜日で明日から二日間は土日で休日だ。どうやら少年は家族旅行に来ているようだった。こんな歴史しか売りがない町までわざわざご苦労なことだ。
少し離れた所で少年の両親がスマホやらガイドブックやらを広げ、どこに行こうかと予定を立てていた。それを他所に、旅行でテンションが上がりまくった少年は駅の黄色い線を越えて走り回っている。
ああ、そこ走ったら危ないよ。
そう思った桜子だが、そう言ってやる義理もないし、そもそも人見知り気味である桜子はそのまま放置していた。そうしたら案の定、少年は線路に落っこちてしまった。少年の両親は会議に夢中で気づいていない。そしてさらに悪いことにそのタイミングで電車が来てしまった。
別に桜子は少年を放っておいても良かった。ここで少年が引き殺されたとしても両親が泣いて悲しむだけで桜子には何の影響もない。だが、なぜだか桜子の体は線路に降り立っていた。元々運動神経が良くないので桜子が線路に降り立った時点でもうすでに電車は目の前に迫っていた。ここで二人とも引かれれば桜子は完全に犬死になので多少乱暴にだが、桜子は少年の腹部を蹴り飛ばして線路から追い出す。いくら運動神経がない桜子も、子供一人蹴り飛ばすくらいはできる。
蹴り飛ばした少年が地面に顔をぶつけ、鼻血を出しながら泣くその姿を見届け、桜子は電車の車輪に切り刻まれた。
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二次元(ドラゴンボール世界)
「フリーザーーッ!!!」
「なっ!!?」
地球のとある荒野、体の大部分を機械で改造した赤い瞳と尻尾を持つ男が剣を構えた金髪の少年に真っ二つに切り裂かれた。少年は剣を縦、横、斜めに振り回し、男の体をぶつ切りのバラバラにする。そして最後に少年は手にエネルギーを溜め、一気に放出した。エネルギー波に飲まれた男はただでさえバラバラだった体を粉々に吹き飛ばされた。
男の名前はフリーザ。宇宙の帝王と呼ばれた宇宙最強の男である。地球人の男性の平均的な戦闘力を5とすると彼の基本戦闘力は53万。さらに彼はそこから三段階変身をすることで力を高めることができ、最終的に1億を超える。まさしく宇宙最強の名に恥じない力を持っていた。彼は自分の力に自信を持つあまり、見逃せない悪行を重ねてしまった。数々の星を侵略し、生物を虐殺、星をコレクションしていくという宇宙の地上げ屋をやっていた。気に入らないという理由でサイヤ人を星ごと滅ぼしたこともある。
だが、そんな彼の栄光もつい先日終わりを告げた。どんな願いも叶えるという"ドラゴンボール"。それを求めてナメック星を訪れた彼だが、同じくドラゴンボールを狙う地球人や生き残ったサイヤ人の王子ベジータの妨害でドラゴンボール集めに失敗、さらに見下していたサイヤ人の一人"孫悟空"が超サイヤ人へ変身し、生まれて初めて屈辱と絶望、それて敗北を味わわされた。
宇宙一であることに強い拘りとプライドを持つ彼は孫悟空に復讐するべく体を機械で改造し、パワーアップして孫悟空が育った地球へと来襲。だが、そこで待ち受けていたのは未来からやって来た剣を携えたサイヤ人"トランクス"だった。彼は孫悟空と同じ超サイヤ人へ変身し、圧倒的な強さでパワーアップした彼をあっさり倒してしまった。フリーザの栄光の人生は彼らしくない実にあっけない最期を迎えてしまった。
「これは一体どういうことですかっ!!」
「は、ははぁ!申し訳ありません界王神様!!」
「謝って許される問題ではありませんよ!!」
ここはあの世、閻魔大王の間。死者は誰でも死ぬとここを訪れ、生前の行いから閻魔大王より天国行きか地獄行きかを審判される。
そんな閻魔大王の間で、角と濃い髭を生やした巨体の男が床に額を擦り付け、渾身の土下座をモヒカンのような髪型をした少年にしていた。少年の名は"界王神"。別名創造神と呼ばれる存在で、宇宙の頂点に立つ存在である。現在閻魔大王は界王神から叱責を受けている所である。
先ほどトランクスに殺されたフリーザ、その魂は本来審判の余地なく問答無用で地獄行きになるはずだった。が、魂を地獄に送る担当の鬼の職務怠慢によってフリーザの魂は脱走、フリーザの魂は冥界をさ迷い、行方不明となってしまった。そのため、部下の管理不届きということで閻魔大王が叱責を受けているのだ。
「もし彼の魂が世界を!次元を飛び出したら大事です!!一刻も早く探し出しなさい!!」
「はっ!!お前達何をしておるか!!さっさと探せ!!」
「「「は、はいっ!!」」」
「キビト!!我々も行きますよ!!」
「はっ!」
閻魔大王は部下に指示を出し、界王神は付き人と共に冥界へと飛び出す。界王神がこれほどまでに焦るのには理由がある。
このドラゴンボール世界は二次元に存在している。同じ次元同士ならよく聞く"異世界転生"やら"クロスオーバー"やらでごく稀に世界を移動することはあるが、違う次元では通常絶対に移動することはない。だが、何事にも例外はある。それは死後、魂だけとなった場合だ。次元同士の結界は質量ある物質を通さない効果があるが、魂は質量はおろか、存在すら曖昧なこの結界の穴をついた存在。そんな魂は万に一つの確率ではあるが、次元を越えてしまうことがあるのだ。そうなれば最悪別次元の多くの世界に迷惑をかけることになり、一大事だ。
一刻も早く見つけなければ!しかし、そんな界王神の思いもむなしく、恐れていた事態は現実になろうとしていた……。