既に誰かが書かれたネタかもしれないのですが
自分じゃ見つけられなかったので書いてみましたが…
拙い部分も多々あると思われますが感想等いただけるとありがたいです。
よろしくお願いします。
「ここは…」
少女が目を覚ましたそこは、森に囲まれた古い洋館…
[占い館]と呼ばれる場所の一部屋だった。
少女の名前は[東せつな]。
かつて全パラレルワールドの支配を目論んだ管理国家ラビリンス…
その野望をを止めた伝説の戦士…フレッシュプリキュアの一人、
キュアパッションである。
「(いや…違う…わたしは…)」
「ラビリンス総統…メビウス様がしもべ…我が名は…イース…!」
自分の頭は、自分がイースだと告げている。
だが胸の奥…心の底では
自分がキュアパッションだと言うことも認めていた。
「記憶に混乱がみられる…
ここがどこなのかはわかるわ…なら…今はいつなの…?」
せつな…いや今はイースの少女は、日にちを確認しようと部屋を出た。
「どうしたんだ?イース」
突然声をかけられて思わず体がはねる。
振り返ったそこには薄い水色の髪をしたがたいのいい男…
イースと同じくラビリンス総統メビウス様がしもべ、
ウエスターがいた。
「顔色が悪いが…大丈夫か?」
「ええ…大丈夫よ…ちょっと気分が優れないだけ…
すこししたら良くなるわ」
「………」
「…ウエスター?」
返事をしないウエスターを不思議に思い顔を上げると、
信じられないモノを見たような顔のウエスターが
口をパクパクさせていた。
「…あなたこそどうしたのウエスター?
それよりカレンダーってどこにあったかしら」
「え!?え、あ、あ、そうだな!
たしか下の応接間にサウラーが置いていたと思うぞ!うん!」
「…そう?ありがとうウエスター」
イースはそう言ってウエスターの横を通りすぎる。
「」
残ったのは間抜け面の男一人だった。
応接間に来たイースは部屋を見渡しカレンダーを探す。
「サウラーは自室かしら…あれね」
カレンダーを見つけ今日の日にちを確認する。
「…え?」
…今日はフレッシュプリキュアが
管理国家ラビリンス総統メビウスを倒したよりずっと前…
イースがはじめてフレッシュプリキュアのリーダー、
キュアピーチこと桃園ラブと出会った
その日だった。
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「…過去に戻って来ているの?」
自室でイースは考える。
「確かにわたしは…ラブや美希、ブッキーにタルトとアズキーナ…
そしてウエスターとサウラー…皆と共にメビウス様と戦った…
そこまでは覚えてるわ…」
メビウス様は最後にシフォン…
インフィニティを使って何かをしようとした。
それがなんだったのか…
どうやってそこから助かったのかが思い出せない。
「…それよりも…今のこの状況の事を考えなくちゃ…」
おそらく、自分は記憶だけ過去に戻って来たのだろう。
その証拠に今の自分はプリキュアに…
東せつなに生まれ変わってから1度も出来なかった
[スイッチオーバー]…
イースの姿をしているのだ。
「過去に戻ったのはわたしだけ…?」
先ほど会ったウエスターは違ったようだった。
なんとなくだが同じくサウラーも違うと思われる。
じゃぁ…ラブは?美希は?ブッキーは?
はやく皆に会って確認したい。
けれど、もし自分だけだったらと思うと…。
「こんにちはー…」
思考の海に沈んだイースをその声が一気に引き上げた。
「誰か…いませんかー?」
わたしはこの声の主を知っている。
わたしはこの声の主を待ち望んでいた。
わたしはこの声の主を恐れていた。
この声の主は…
「ラブ…」
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「誰もいないのかな…?」
その日、桃園ラブは友人のゆみが憧れの先輩に告白してフラれた事で
フラれた本人以上に沈んだ心を
大好きなカオルちゃんのドーナツで癒やそうと、
いつもとは違う道を通ってカオルちゃんのドーナツカフェに向かう途中で…
道に迷ってしまった。
「あ~いつもの道を通ればよかったよー!ここどこー?」
そんな途方にくれたラブが見つけたのは森に囲まれた古い洋館…
「…占い館へようこそ…」
「うわぁ!!?」
突然声をかけられて大声で驚いてしまった。
気がつくと目の前の階段に黒髪の女の子が立っている。
自分と同い年くらいだろうか。
「占い館?あぁ、ここってそーゆー所?
あの、あたし迷っちゃって…」
「ラブ…」
へ?今この子、あたしの名前を呼んだ?
「…あなたの名前は…桃園ラブ…でしょ?」
その女の子は少し悲しそうな顔であたしの名前を言い当てた。
「す、すごい!それって占いなの!?」
「…ええ…」
「あたし占いとか今の今まで信じてなかったんだけど!
ホントにすごいんだね!」
「…ええ」
言いながら女の子はあたしの両手を掴んで胸の高さまで持ち上げた。
「え!?え!?」
「…あなたにはこれから色んな困難が待ち受けている…
でも負けないで…その先に…
あなたには素晴らしい幸せが訪れるわ」
「え…ホントぉ!?」
「ええ…ここからの帰り道ね…
館を出たら道なりに真っ直ぐ進みなさい…
そうしたらクローバータウンストリートに出られるわ」
女の子はそう言ってあたしを玄関まで見送ってくれた。
その後、あたしは無事にクローバータウンストリートまで戻ってこられたし
お家でお母さんにトリニティのライブのチケットも貰えて
ホントにしあわせゲットできたんだ。
あの女の子の悲しそうな顔なんてすっかり忘れて。
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「どうしたんだ…今日のイースは」
占い館の応接間…そこに取り付けられたラビリンスの技術で作られたモニターで、
ラブとイースのやり取りを見ながらウエスターは呟いた。
さっき会った時もいつもと様子が違っていた。
「いつもはもっとトゲトゲしてるのに…」
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「…そう?ありがとうウエスター」
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「どうしたんだいウエスターくん?そのしまりのない顔は」
「な!?何でもないぞ!サウラー!」
テーブルで紅茶を飲みながらモニターを見ていたサウラーが
こちらを向いていた。
「イースの様子もおかしいが君までおかしくなられると
僕が面倒な事になるんだが?」
「お、俺はおかしくなんかないぞ!
それより、なぜ俺たちがおかしくなるとお前が面倒な事になるんだ?」
サウラーは呆れたようにため息をついた。
「君達がおかしくなったら
僕が積極的に働かなくちゃならないじゃないか」
「働けよ!」
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やはり…と言うべきか。
ラブはわたしのように記憶を持ってはいなかった。
悲しい事ではあるが…
先ほどラブに会ったときに思った事がある。
彼女はまだプリキュアではない…
そう、ラブも美希もブッキーも…
わたしたちラビリンスに巻き込まれただけの普通の女の子だったのだ。
プリキュアになって楽しい事もあっただろう…
だがその分つらい事もあったはずだ。
わたしは今の彼女たちを…四つ葉町の皆を、
ラビリンスの企みに巻き込みたくない。
わたしには未来の記憶がある。
特にインフィニティ…シフォンの正体を知っているのは有利に使えるだろう。
正直これだけでは心許ないが…
それでも。
このプリキュアのいない世界で、イースは決意したのだ。
「わたし一人で…ラビリンスを止めてみせる」