イース逆行!プリキュアのいない世界!?   作:せまし

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最近プリキュアアイドルシリーズで
せつながイースになってましたが、
このSSは独自設定が入っているということで
お願いします。


イース逆行!プリキュアのいない世界!?02

 

その日…本来ならイースが

トリニティのライブにナケワメーケをけしかけ、

伝説の戦士プリキュア…キュアピーチが目覚めた日。

イースは占い館にいた。

「(今日…わたしがトリニティのライブに

行かなければ…ラブが巻き込まれることはない…

いいえ、それは楽観的すぎるわ。

どちらにしてもラビリンスは…

ウエスターとサウラーは不幸のゲージを集める為に町に繰り出す…

それを止めるにはどうすればいい?)」

 

「お、イース!」

 

「(そもそも根本的な問題は

ラビリンス本国にいるメビウス様を止める事…

いえ、管理コンピューターメビウスを停止させる事…)」

 

「おい!聞いてるかイース?」

 

「(コンピューターのナキワメーケを使う?

いいえナキワメーケではメビウス様を止めるには力不足…

そもそもナキワメーケの命令権を

メビウス様やクラインに奪われかねない)」

 

「おーい…イースさーん?」

 

「(ナキサケーベを使う?あれなら命令権は使った本人のもの…

でもあれを使うにはナキサケーベのカードが必要だわ…

手に入れるにはメビウス様からカードを頂くか…奪うしかない)」

 

「……(´・ω・`)」

 

「(ソレワターセはノーザのモノだし…不幸のエキスが必要だわ…)」

 

 

「なんだアレは…」

サウラーの目には一心不乱に何かを考えるイースと、

相手にされずトボトボと去っていく

ウエスターが写っていた。

 

「(今のわたしはプリキュアに変身できない…

町でアカルンを探す事が今できる最善かしら…)」

アカルンがいればラビリンスへの奇襲も可能だ。

ナキサケーベのカードを盗み出し

コンピューターウイルスのナキサケーベを作り出す…

それでメビウスを停止させられれば…

 

「うっ!?」

突然頭を小突かれて呻き声をあげる。

「な、なにするのよサウラー!」

「いや、すまないねイース。

どうも君がこちらの声に反応しないものでね」

サウラーはやれやれといった風に肩をすくめた。

「ところで今日は君が出撃するんじゃなかったのかい?

数日前はあんなにメビウス様の為にと張り切っていたじゃないか」

「…今日はいいのよ…わたしにも考えがあるんだから」

「そうかい?それなら良かった。

実はさっきね、ウエスターの奴が代わりに出撃したんだよ。

今日からメビウス様にナキワメーケの使用を許可されているからね。

実に…張り切っていたよ」

「なっ…」

慌てて応接間のモニターを見る。

だがそこにはまだ何も映っていない。

ウエスターがナキワメーケを使えばその様子が映されるはすだ。

「サウラー!!ウエスターはどこへ行ったの!!」

イースのあまりの剣幕に怯むサウラー。

「し、知らないよそんなの…」

 

「ただ彼はライブ会場がどうとか言っていたよ」

 

__________________

 

 

イースは全速力でダンスグループ『トリニティ』のライブ会場へ向かった。

これは問題の先送りにしかならない…

けれども、今日この日にトリニティの…ラブが楽しみにしていた

ミユキさんのライブを邪魔することは避けたかった。

 

しかし…イースが会場にたどり着いた時には、

既に全ては始まっていた。

 

 

「我が名はウエスター!ラビリンス総統メビウス様がしもべ!

行け!ナケワメーケ!我に仕えよ!」

「ナーケワメーケーースピーカーー!!」

 

トリニティのライブ会場は阿鼻叫喚に包まれていた。

突然現れた巨大なスピーカーの怪物に

観客は、スタッフは、人々は只々逃げ惑うしかない。

「はっはっはっはっは!いいぞ!もっと泣け!もっと喚け!

お前たちの嘆き悲しみが不幸のゲージを集め、それが一杯になった時!

インフィニティはその姿を現すのだ!」

 

 

「…なに、あれ」

ラブには目の前の騒動が信じられなかった。

今日は幸せ一杯のトリニティのライブだったはずだ。

それがこんな事になるなんて。

「あたしも逃げなくちゃ…っ!」

だがラブは逃げなかった。

いや、逃げられなかった。

目に写るのはステージの側でうずくまる憧れの人の姿。

「ミユキさん!!」

 

 

「このぉ…化物ーーっ!!」

ウエスターは信じられないものを見た。

ただの人間の女が、ナケワメーケに立ち向かっている。

「なんだあの女は…」

どこかで見た気がするがどこだっただろうか。

ええいそんなことはどうでもいい!

「ナケワメーケ!そんな女、捻り潰してしまえ!」

今は不幸のゲージを集めるのだ。

メビウス様の為に!

「スピーースピーーー!!」

 

 

ミユキさんを守るために怪物相手に振り回していたマイクスタンドごと、

怪物のパワーで吹き飛ばされたラブは

観客用のパイプ椅子の上に倒れこんでしまった。

「うぅ…」

ダメージが大きい。直ぐには立てない。

だが怪物はそこまで迫って来ている。

「こんな…ところで…」

その時、つい先日の…あの占い館での会話が思い出された。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~

「…あなたにはこれから色んな困難が待ち受けている…

でも負けないで…その先に…

あなたには素晴らしい幸せが訪れるわ」

~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「ーーーっ!!」

ラブは力を振り絞りなんとか怪物の一撃を回避した。

だが…一般人の彼女の体は、そこで限界が来る。

「あ…」

膝から崩れ落ちる。

「(あたし、ここで死んじゃうのかな…

ごめんなさいミユキさん…助けられなくて…

ごめんねお母さん…お父さん…美希たん…ブッキー……大輔…)」

家族の、親友の、ラブの大事な人達の顔が思い出される。

「(なんだか時間が止まってるみたい…走馬灯ってやつ?)」

だが、それにしてはおかしい。

一行に怪物が動く気配がない。

「(どうなってるの?)」

ラブが顔を上げた先には

 

銀髪の女性が怪物の前に立ちふさがっていた。

 

__________________

 

 

ウエスターは信じられないものを見た。

最近信じられないものばかり見ている気がする。

その中でも信じられないランク上位の信じられないものだ。

 

「なんのつもりだ!イース!!」

「なんのつもりはわたしの台詞よウエスター…」

あ!この感じはいつもの…

いやいつもより恐いぞ!イース!

「今日はわたしが出撃のはず…

それなのにあなたは何をしているの?」

「そ、それはだな!

今日はお前がずーっと何か考え事をしていたので

代わりに俺が出撃してやろうとだな…」

「いつわたしがそれを頼んだの!?」

「ハイ頼んでません!」

思わず敬語になってしまった。

だがこちらにも言い分はある。

「だがイース!俺は今、メビウス様の為に不幸のゲージを集めているのだ!

その邪魔は許さんぞ!」

まるで俺の言葉なんぞ関係ないと、

イースがナケワメーケを素通りしてこちらに詰め寄って来る。

「あの娘はわたしが狙っていた獲物よ!

それをあんなボロボロにして…どうしてくれるのかしら?」

あの娘?どの娘の事だ?

イースの後ろ、さっきまで抵抗していた人間をよーく見る。

「あ!あの女、占い館でお前が相手してた…」

「そうよ!あの娘…わたしが虐めてあげようと思っていたのに…

勝手に何してくれてるの?」

俺、知ってるぞ。これ。

えすえむって言うんだ。たぶん。

というかイース!

なんだかノーザみたいになってるぞ!

「帰るわよ」

「え!?」

「帰るって言ってるのよ!!」

「ハイッ!!」

 

 

 

銀髪の女の人…いや女の子かな?

その娘は怪物と男の人を連れて、

ライブ会場から去って行った。

あれ?あたし助かった?

「大丈夫!?」

ミユキさんがあたしを抱き抱える。

「ミユキさん…良かった…」

「あなたが良くないわよ!今救急車が来るから!」

あたしはミユキさんの無事を確認して、安心して意識を失った。

 

 

 

「……なんや、ワイら来るの遅かったみたいやな…」

「ぷりぷー」

 

__________________

 

 

なんとか…本当になんとかウエスターを誤魔化しきって

ラブを助ける事ができた。

ラブは、わたしの時と違って酷いダメージを受けていた。

やはりウエスターのナケワメーケはパワーが違うようだ。

 

「イース…すまんかったって…そんなに怒るなよ…」

「スピースピー…」

一緒に帰る途中のウエスターと彼のナケワメーケが

申し訳なさそうに呟く。

どうやら何も言わないわたしを

怒って黙っているのだと勘違いしているようだ。

都合がいいのでこのままにしておく。

 

それにしてもウエスターのナケワメーケは

ウエスターの影響か感情ゆたかだ。

ウエスターはラビリンス人の中でも異質だ。

彼は…まるでこの町…四つ葉町の人々の様に

怒り…泣き…哀しみ…そして笑う。

メビウス様が支配する今の状況でもそうなのだ。

彼ならば…いえ、今はまだ早い。

今の彼は、まだこの町に来てそう日にちは経っていない。

もう少し…この町の人々にふれて貰った方が話もしやすいはず。

それまではなんとかして…

アカルンを探しながらラビリンスに疑われぬよう

被害を最小限に抑えつつ不幸のゲージ集めをしなければ。

 

 

「イースのやつ…すごい怒ってるよ…どうしよう…」

「スピースピー…」

ナケワメーケは主人を労るように

そっと肩に手を置いた。

 

 

 

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