イース逆行!プリキュアのいない世界!?   作:せまし

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この作品は西東を前提としています。
その点をご注意してお読みください。


イース逆行!プリキュアのいない世界!?03

 

 

 

あれからわたしは、出撃するときは

ウエスターと一緒に出撃することにしている。

その方が彼を誤魔化しつつ被害を小さくすることができるからだ。

サウラーはわたし達が働いている間は

部屋で本を読んでいるだけだし。

わたし達と一緒に出撃するのは、

ウエスターが最初に生み出したスピーカーのナケワメーケ。

彼はそのナケワメーケに「スピ太郎」と名前をつけていた。

なんでよ。

 

途中、弟の和希君と一緒にいた美希や

飼い犬を連れた男の子と一緒に逃げる

ブッキーを見かけた。

彼女たちはプリキュアにはなっていない。

わたしが

「この町の人間にじわじわと恐怖を与え、不幸のゲージを集める為」

と言ってウエスターとスピ太郎が大暴れする前に

さっさと撤退させるからだ。

それでも少しずつ不幸のゲージは集まっている。

そしてわたしは、真の目的である

アカルン探しに取り組むが…

今だ成果は無い。

…本当にこれで良いのだろうか。

 

アカルン探しの途中、公園でラブ達が

ミユキさんにダンスレッスンを受けているのを見た。

プリキュアにならなくても彼女達はクローバーなのだ。

彼女達の笑顔をなんとしても守りたい。

たとえ、その中にわたしが居なくても。

 

__________________

 

 

「イース!遊園地に行くぞ!」

突然ウエスターがそんなことを言い出した。

 

「…なんでよ」

「昨日、この占い館に冴えない中坊の三人組が来て、

彼女を遊園地に誘いたいとかなんとか言っていてな」

冴えない中学生…三人組…

わたしは三色団子をイメージして…それを消す。

 

「遊園地というのは人間が大勢集まる所なんだろう。

そこでスピ太郎を暴れさせれば、大量の不幸がゲットできるというわけだ」

確かにそれはその通りなのだが…

「…スピ太郎をそのまま連れていくの?

それだとすぐに騒ぎになって遊園地に人が集まらないわよ」

「む?確かにそうかもれん…」

よかった。これで考え直してくれれば…

「そうだ!先ずは俺とお前が先に遊園地に行き、

中で人間が大勢集まるのを確認する。

その後スピ太郎を呼び寄せるのだ!」

 

「ウエスター君にしては良いアイディアじゃないか」

わたしとウエスター…

それとスピ太郎しかいない応接間に、サウラーが現れた。

「そう思うだろう!サウラー!というかなんか久しぶりだな!」

「貯まっていた本を全部読み終えてね。久しぶりに部屋から出たよ」

そう言いながら体を伸ばし紅茶を入れるサウラー。

いつもは引きこもりの癖にこんな時に限って!

それになんなのあの砂糖の量は。

糖尿病になるわよ!

「遊園地なら1度でたくさんの不幸が集まるだろう。

君達はいつもちまちまと集めているからね」

「なに!?あれはこの町の人間に恐怖を与える為にだな…」

「あーはいはいわかってるよ」

そう言ってウエスターをいなしながら、

サウラーがこちらに向き直る。

「それより、今回の作戦は期待しているよイース。

1度に大量の不幸を集めれば、きっとメビウス様もお喜びになる」

「…メビウス様は今までの作戦でもお喜びになられているわ」

そう。メビウス様は、わたしの記憶…

プリキュアに邪魔されていた頃より

不幸のゲージが集まるのが遅いのに、特に何も言ってこない。

プリキュアという敵がいない為だろうか。

「そうだね。今のままでもメビウス様はお喜びだ。

だけどもっと成果をあげれば、さらにお喜びになられる。

素晴らしい事じゃないか」

「…そうね」

「よーし!それじゃぁ決まりだな!

次の出撃は遊園地だ!頑張るぞスピ太郎!」

「スピーースピーーーー!」

 

 

「そういえばサウラーも来るのか?」

「そうだね…今回は僕も…」

「何言ってるのウエスター。

サウラーが遊園地なんて人が多くて面倒な所に来るわけ無いじゃない」

「いや…」

「それもそうだな!じゃぁ二人で行ってくるが…

お土産を楽しみにしておけ!」

「…ああ…」

 

__________________

 

 

遊園地に来たのは、以前の記憶も合わせてはじめての事だった。

今日のイースは人間体…黒髪の女の子せつな、

ウエスターは金髪の男性隼人の姿だ。

「ここが遊園地…」

「賑やかで面白そうなものが沢山あって楽しそうな所じゃないか!

サウラーの奴も来ればよかったのにな!」

「…そうね…」

彼には悪いことをしたかもしれない。

いえ、でも彼が居たら作戦に支障が出るわ。

「イース。もう既に人間が沢山いるが、

どうする?スピ太郎を呼ぶか?」

「バカねウエスター。

今はまだ昼前。これからもっと沢山の人間が集まるわ」

「そうか!ならばそれまでただ待っているのもなんだ!

俺はあのジェットコースターというやつに乗ってみたいんだが!」

「…まったくあなたは何しに来たの?

…でもいいわ。乗ってみましょう」

「おお!!」

…作戦通りだ。ウエスターならきっと遊びたがると思っていた。

このまま今日は遊び倒して本来の目的の事を忘れさせましょう。

それになんだかんだ言ってわたしも遊園地には興味がある。

わたし達は手始めにジェットコースターを目指した。

 

 

 

今日はイースと遊園地に来ている!

最近のイースはなんとなく優しい。

以前は一人だけメビウス様に誉められようと

仲間である俺やサウラーにまでトゲトゲしい奴だったが、

今では俺と共に不幸のゲージ集めに出撃したり

何かとアドバイスをくれたりする。

メビウス様もお喜びのようだし

俺としても大歓迎だ。

やはり仲間はこうでなくてはな!

「ウエスター。次がわたし達の順番よ」

「お!そうか!いよいよだな!」

この遊園地に来てから目を引いていた

ジェットコースターにいよいよ乗ることができる!

やはりサウラーも来れば良かったのになぁ。

 

__________________

 

 

「お、あいつらは」

ウエスターを遊園地に夢中にさせ不幸のゲージ集めを

忘れさせる作戦の途中、ウエスターが何かを見つけた。

「どしたの?」

「なに、俺に遊園地を教えた中坊の三人組も来ていてな。

全員お目当ての女と来れたらしいな」

ウエスターの向く方向には、

記憶だけ戻ってきてからはじめて見る…

わたしにはよく覚えのある面子が揃っていた。

 

 

「作戦通り、そろそろ別行動だ…俺は美希さんと二人きりになる」

「僕は、山吹さんと行きます」

「…じゃあ、俺はラブとかよ…あーあ…しょうがねぇなぁ…」

大輔を今さら何言ってんだコイツ、と生暖かい目で見る沢と御子柴。

大輔がラブ一筋なのは当の本人達以外には周知の事実だった。

 

 

「よぉ、うまくいっているか?少年」

三人の前にウエスター…今は西隼人の彼が現れた。

「あ!占い館のおにーさん!」

「しあわせは訪れそうか?」

「はい!あれからトントン拍子に!」

「そうかそうか」

笑い合う四人。

というかウエスター。なにしてるのよ。

「今日はどうして遊園地に?出張占いとかですか?」

「あーいや、今日は特にだな」

御子柴君につっこまれてしどろもどろのウエスター。

「俺もあのあと遊園地に興味が出てな。

連れと来ているんだが…」

「連れ…?」

「あ!もしかして!彼女さんっすか!?」

沢!あんた何言ってるのよ!

「彼女…?彼女は彼女だが…」

ウエスターも何言って…いや、あれは何もわかってなさそうだ。

「やっぱりおにーさんくらいになると

彼女さんも美人さんなんですかねぇ」

「イースか?イースは美人だと思うぞ」

何言ってるのよ!

何を言ってるのよ!!?

 

「あれ?あの娘…」

!!まずい!

 

「隼人!!行くわよ!!」

「はや…?あ!ああ!」

わたしはウエスターを呼びつけると、

彼の腕を掴んでその場から逃げ出した。

「今のが彼女さんですかね?」

「やっぱ美人だったなぁ」

「あ、ラブ」

そこにラブが駆けつける。

「ねぇ、大輔。今の女の人は?」

「占い館のおにーさんとその彼女さんが来てたんだよ」

「占い館!?じゃあやっぱり…」

「なんだ?知り合いだったのか?」

「う、ううん。前に1度占って貰っただけ…」

 

__________________

 

 

危なかった…危うくウエスターの前でラブと出会うところだった。

ウエスターは…わたしがラブを狙っていて、その、

虐めることに快感を感じるんだろうと思っている。

なんでよ。

 

そんなことより今は、別の問題がある。

三色団子の三人と出会ってから、

ウエスターが本来の任務を思い出してしまったのだ。

「なぁイース?そろそろいいんじゃないか?

人間達も大勢集まっているようだし…」

「え…ええそうね…でもまって。

ここの遊園地には、パレードがあるのよ」

「パレード?なんだそれは」

「パレードっていうのは…

遊園地中の人間が見に集まる大きな催し…みたいなものよ。

その時こそ最大のチャンスなのよ」

「そうか!ならばそのパレードを狙った方が良さそうだな!

それで?そのパレードはいつはじまるんだ?」

わたしはパンフレットを広げる。

「……もう少し後のようね」

「そうか…ならそれまで時間を潰すか」

「そ、そうね…」

…パンフレットによると、

わたしたちが先程ビックリハウスに入って居た間に、

パレードはもう終わっていた。

 

 

結局その後、

お化け屋敷とお土産コーナーに入ったわたし達が出てきた頃には

日も暮れていて帰る客も多く、

慌てたウエスターがスピ太郎を呼ぶが

得られた不幸のゲージはあまり多いとは言えない量だった。

 

 

 

「…それで?君達は何をしていたんだい?」

「………」

「…なに?文句でもあるの?」

「いやね、せっかく不幸のゲージを

大量に集められるチャンスだったのに

集まったのはあれっぽっちの不幸のエキスだったからね。

君達は何をしていたのかと純粋に気になったんだよ。」

ここは占い館の応接間…

サウラーがとても愉しそうにわたし達を見据えている。

 

「…ウエスター」

「な、なんだ?イース」

わたしもサウラーを見据えながら、ウエスターに声をかける。

ウエスターはばつが悪そうに答える。

「サウラーは…遊園地のお土産は要らないそうよ」

「へ?」

「なっ!?」

「サウラーの為に沢山限定商品の紅茶や本を買ってきたけど…

彼は彼の為に時間を費やしたのを快くは思って無いみたいだし…」

「ぼ、僕の為に…?

それより限定商品の紅茶や本だって!?」

「残念だわウエスター…

紅茶は後で二人で飲みましょう…

本は…誰も読まないんなら暖炉にでもくべてしまいましょう」

「オーケー!降参だイース!

君達遊園地は楽しかったかい?

僕は早くお土産が欲しいなぁ!」

まさかここまで効果があるとは…

内心驚きながらもイースは勝利を手に入れた。

 

「イースってこわいなぁ…」

「スピーースピー…」

 

 

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