テスト中でも何のその、勉強よりも小説を書いてしまいましたが、出来上がったら更新はするのです‼
前回のお噺の紫様の置き手紙の意味が分からなかった方は後書きに解説的な物を追加しましたのでそちらもどうぞ‼
と言う訳でさっそく本編へどうぞ‼
さて、気を引き締めると言ってもなんだが・・・・。
賑やかな寺の雰囲気を見ていると気を引き締めても緩むのは無理もないというか・・・・。
どうやら聖白蓮さんのお部屋に案内されているようだけど、妖怪多くないか?
一応聞いたとこによれば妖怪は人間の敵と言う事になっているのでは?と聞きたくなったほどだ。
そして道中傘のお化けが驚かしに来たときは真面目に驚いた。完全に不意打ちだった。
傘のお化けは俺が驚いたことにとても喜んでいたが、聖さんには怒られていたというか・・・。
まぁ、許してあげるよう言ったのでなんとかその場はおさまったが、傘のお化けはなぜだか不思議な顔をしていた。どうもお腹が満たされなかったらしい。ちょっとよくわからないけど、手持ちの飴を上げたらご機嫌で去っていった。
あぁ、あの傘の色いい色だったなぁ。俺、超欲しい。どこで売ってるか聞いておけばよかった。
途中いろいろあったが、到着。
「さ、ここが私の部屋です。どうぞ」
「その前に着替えないんですか?」
「なぜですか?あぁ、大丈夫ですよ、汗はかいてませんから」
違うんですよ。今の貴女のそのライダースーツ姿は非常に刺激が強いんです。
このまま部屋に入れば目のやり場に困ってしまう。
しかしこの場で言わないのも俺らしくないかな?
「あのですね・・・・、その格好は非常に目のやり場に困るので是非着替えて欲しいんですけど・・・・」
「あらあら、そうでしたか。じゃあ前をしっかり閉めますね」ジジジッ
わぁお、より胸が強調されるというかこれかこれでなかなか刺激が強いような・・・・。
余計スタイルの良さが際立っているような・・・・。
あれ?何でこの人着替えないの?そうか、これが普通の格好なのか?
「ほれ白蓮良いから普段の格好にでも着替えてこい。こやつが困っておろう」
「あら・・・確かにこんなおばさんのこんな姿を見ても・・・・」
「いや、もうなんていうかセクシー過ぎるというか、エロいと言うかほんとに目のやり場に困るので着替えて貰えればありがたいってだけなんですけど」
「あらあら、貴方は正直なのね。じゃあ、着替えてくるわ。・・・・・覗いちゃダメよ?」
「イエス、マム」
えぇ、覗きませんとも。私は健全かつ紳士的な青年ですから‼
「お前さん、えらく鼻の下を伸ばしておったの。そんなに胸が良いのか?」
「いえ、そんな事はないですよ?」
「しかし何でそんなに儂の今日の格好とは反応が違うんじゃ」
「大丈夫ですよ。今日のマミゾウさんと2人で歩いている時もやばかったです。俺が普通の男なら汗かかれた日にゃ、魅力的過ぎてぶっ倒れてたかもしれません」
「いきなり何を言っとるんじゃ⁉」
だってノースリーブの女子と一緒ってだけでもドキドキするのに、汗なんてかかれようもんなら、エロさが増すに決まってる。
うん俺相当ヤバイ事言ってるな。でも俺の言いたい事をわかってくれる紳士諸君も多くいるだろう。
俺だけが特殊なんじゃないと思いたい。
「いやぁ、だってねぇ。正直エロいですよ、その格好。俺じゃなかったらほんとに危ないですよ、きっと」
「そんな事言われてものぅ。普段はこれじゃし・・・・、儂は強いから襲われる心配はいらんのじゃ。それに人里に出る時は前の着物姿じゃしのぅ」
「まぁ、この前の着物姿はあれはあれで魅力的でしたねぇ。俺はあっちが好みかもしれないです」
「そうか・・・・・。まぁ気が向いたら着てやってm「お待たせしました、どうぞ~ってあらあら」何をニヤけとるんじゃ‼」
「いえ、何でもありませんよ。さ、仁さんお部屋にどうぞ」
「⁇⁇じゃあ、お邪魔します。マミゾウさんは?」
「儂は役目は終えたからどっかに行くぞい。あとは若いおふたりでど~ぞなのじゃ」
「何言ってるんですか?なんか不機嫌になってません?」
「なっとらん。じゃあの」
ドロン
「消えた・・・」
「貴方も罪な方ですねぇ」
「気を利かすのが苦手なので仕方がないとはいえ、なんで不機嫌になったのかな?あと今の消えたの凄くかっこいいなぁ。今度やり方教えてくれないかな・・・」
「マミゾウさんも苦労しそうですね」
「あ、すいません、考え事してました。何か言いました?」
「いいえ、とりあえず中へどうぞ」
「わかりました。・・・・・・そういえばこれお口に合うかはわかりませんけどどうぞ」
部屋に座って渡すタイミングが分からなくなって渡せてなかったけど、美味しい手土産として持ってきた二段のお重を渡した。
「あらあら、呼びつけたのはこちらなのにそんなお気遣い頂いて申し訳ありません。さっそく開けても?」
「どうぞ、住職にも食べられる物にしたつもりです」
「それでは失礼して。まぁ、おはぎですか。私おはぎが好きなんですよ‼ありがとうございます‼」
こんなおっとりした感じの人でもやっぱり甘味には目がないんだ。女性は甘味が好きって言うし用意して正解だったかもしれない。
尼さんってもっと硬いとか生真面目とか勝手に思ってたけど、普通に女性らしい所もあるんだな。
「えっと、これがこしあん。これがきなこ。これはゴマ。このおはぎは周りに何もついてないですよ?」
「それは見た目はちょっとあれですけど、味は保証するんで食べてみてください」
「それでは私の分をこの小皿に取り分けて・・・。ちょっと失礼して。・・・・・⁉これは美味しいですね‼」
「気にいって頂けたようで何よりです」
「これは梅ですか?」
「はい、良い梅が手に入ったので自家製の梅ジャムを包んだおはぎです。爽やかでいいかと思いまして」
「これはこれはそこまでお気遣いいただいてありがとうございます。あ、お茶の方用意させていただきますね。誰か居ませんか?」
「何だい聖?また宝塔でも探せばいいのかい?」
「いえ、そうではなく私とお客さんの分のお茶を用意してほしいのです」
「なんだ、そんな事か。それくらいならお安い御用さ。ちょっと待っててくれ」
「何ですか?今のネズミ?みたいな人は」
「彼女はうちの宝探しの得意な鼠で、名をナズーリンと言います」
「この神社に鼠・・・・・なるほど・・・・・。毘沙門天を祀っている神社にふさわしい人ですね」
「と、言うと?」
「日没する処の天子のおわす毘沙門天の使いはネズミであったという事ですよ」
「??」
「まぁ、毘沙門天に縁のあるいい配置って事ですよ」
「・・・・褒めて頂いているという事で良かったですね。ネズミさん♪」
「なっ、わかっていたのか⁉・・・・とりあえず、お茶だ。そして君は鼠の事バカにしているのなら、死ぬよ」
「馬鹿にするなんてとんでもない。むしろ、毘沙門天の使いの鼠が見つけた宝を今度ぜひ見せてもらいたいと思ったほどだよ」
「そ、そうか・・・。まぁ、機会があった構わないよ。さて邪魔をしても悪いし今日はもう帰るよ。それじゃあ」
「はい、ありがとうございます。お気をつけて帰ってくださいね。あ、このお重のおはぎ良かったら持って行ってください。残りは仲良く分けるようにと他の者に言っておいてください」
「わかったよ。それじゃあ、これで失礼させてもらうよ」
さて、本題に入ろうか。この人はいい人ではあるんだろうけど何のために俺を呼んだろうか?
正直、目的が見えない。言葉の1つ1つを見ている事はわかるが、生憎俺は心を読めるわけじゃない。
他人に観察されるって言うのは、あまり気持ちのいい感じがしない。俺がするのは好きなんだけどね。
「さて、やっとふたりきりになったところで今日お呼びした目的についてお話ししましょうか」
「そうしてもらえるとありがたいです。さっきから気になってしょうがなかったので」
「それはですね・・・・」
「はい」
とりあえず面倒事でない事は祈っておこう。
「・・・・ただお話してみたかったからです」
「・・・は?」
「訳が分からないといった顔をなさってますね。それでは順を追って説明しますね」
「・・・・よろしくお願いします」
「この世界では妖怪は人の敵、人間は妖怪の食糧と言ったようなルールと言えばいいのか、もしくは物の見方と言うものがあります。この命蓮寺は人と妖怪が入り混じりながらもお互いを害することなく均衡を保ってはいるもののあくまでこの場においてのみの話です。この世界では基本的に人は妖怪などを恐れます」
「まぁ、そうでしょうね。同族以外がいたら多少なりとも警戒するのは当たり前ですからね。でも話が見えてこないんですけど・・・」
「まだ続きがありますから。そんな世界に現れたのが貴方です。偶然とは言え妖怪、鬼、それどころか怨霊なども跋扈する様な決して人が近寄らない場に踏み込んだ。あまつさえそこで暮らし始め商いまで始めてしまった。これは異例中の異例です。今まで無かった事ではないでしょうかね。人間と妖怪が交わって生活を始める事は人間を管理または支配したいと画策している各勢力の妖怪などは大変に都合の悪い危険人物となった訳ですね」
霖之助も似たようなことを言っていた。今のこの世界では人里って呼ばれるところ以外では基本的に生活をしている人間はいないみたいだからね。例外もあるけど、あくまで例外は例外で極めて少数だって言うし。
「そんな妖怪達からしたら都合の悪い人物なんでしょうけど、私は大変興味を持ちました。人でありながら妖怪などの中で暮らし続けているあなたの事を新聞で見た時に是非お話したいと思ったんです。本来であればこちらが出向くべきなのでしょうけど、マミゾウさんが呼びに行くと言ってきかないものですからこのように出向いてもらった訳です」
「なるほど、そういった事情でしたか。なんか変に身構えちゃってすいませんでした」
「いえいえ、いきなり見ず知らずの人間から呼び出されたら誰でもそうなります。お気になさらず」
「で、何話しますかね。俺たいして面白い話をもってるわけじゃないんですよね」
「まずこの世界に来てからの事でも聞いていいですか?」
「良いですよ。答えられる事なら何でもお答えします」
こうしてお茶とおはぎをお供に他愛のないおしゃべりが始まった。
******
「なるほどそのようにして、この世界で生活しているんですね」
「そうですねぇ。今話してみると短い期間で本当にいろいろあったなぁ」
「お楽しそうで何よりです」
「そう言っている貴女も楽しそうですけどね」
「そうですね。ここでの生活はいろいろありますが楽しい物です。平和的に行かない事も多々ありますけど・・・」
「まぁ、妖怪、鬼、人間、神様等の様々な種族が入り乱れてる世界ですから無理もないでしょうけどね」
「人も妖怪も神も仏も全て同じですのに・・・」
「へぇ、貴女はそうお考えなんですね」
「えぇ、そうですよ。貴方は違いますか?」
「・・・まぁそうですね。俺は違いますかね」
「そうですか・・・・。それではちょっと趣向を変えましょうか」
「⁇」
「
「
「やはり、ご存知でしたか」
「まぁ、一応は。簡単に言っちゃえば禅問答の問いかけに対しての応対の一連の流れですよね。でもなんで急に?」
「今までの話を聞いたところの予想で貴方はしっかり対応できるのではと思いまして・・・。それではまいりましょうか。まずは貴方は神や仏などを信じますか?」
「・・・それはどう意味ですかね?」
「と言いますと?」
「その問いは 神様の存在がある事 に対しての信じるなのか、それとも 神様自体を信頼する と言った意味での信じるなのかって事ですよ」
「なるほど、そこまで考えてお話してはいなかったのですけど・・・。そうですね、せっかくですしどちらとも答えて頂きましょうか」
・・・、この人、腹の底が見えないんだが俺が警戒し過ぎなのだろうか。
とりあえずは、正直に答えておこう。
俺の答えなんて決まっている。
「存在がある事は信じている・・・ってか会った事あるしなぁ。そして、信頼しているかに関しては信頼していないって答えになるかな」
「その心は?」
「神様の存在は信じているし・・・・在る事はよく知っている」
「では信頼していない理由は?」
「・・・・・さぁね。人間と同じだからじゃないですか?」
「はて?先程と言っている事と違う気が・・・」
「う~ん、なんて言えばいいかな。俺自身を客観的に見た時にそもそも人間自体そんなに信頼とかしてない節があるように見れるんですよ。だから神様だって心があるじゃないですか。・・・・・・例えばですけどね。・・・・しっかりしているのにちょっとしたことでからかわれて動揺するような神様だったり、普段は笑っておちゃらけてたりするけど・・・・時々見せる真面目な姿が魅力的だったりするような神様だったり、いつもは優しいおっとりした奴だけど・・・・なんか急にぶっ飛んだ面を見せてくるような面白い神様だったり。そこは人間と変わらないですから。少なくとも俺の知っている神様ってそんな感じの人間味あふれるいい奴らだからさ。きっと人と同じでさ、やっぱ今は信頼って言う意味での信じる事はしてないと思うよ」
久々にあいつらの事を誰かに話したな。1年ぶりくらいだろうか?
つーか今の俺ってあいつらの事こんな風に思ってたんだな。
「・・・・なんだか今のあなたの言葉には普通の人にはない深さのような物がありますね」
「っても俺は今も昔も思った事正直に言ってるだけだからねぇ。深いかどうかはわからないなぁ」
「私がそう感じたのですからそれでいいのですよ。それでは次に行きましょうか」
「こんな感じで良ければそうぞ」
「貴方は先程の私の言葉に対して自分の考えは違うと言いました。では貴方はどのようにお考えなのでしょうか?」
「えーと、人も妖怪も神も仏も全て同じでしたっけ。俺はあえて言い方変えるなら人も妖怪も神も仏も全て違うって考え方ですからね」
「私とは真逆の答えですね。ちなみにその理由は?」
「それは・・・現役で神様祀って皆同じく等しいって言ってるるような住職に対してぶつけるような考えではないんですけど怒らないで聞いてくださいね。う~んどう言ったらいいかなぁ。先に神様と妖怪の違いについて話しましょうか。まず、人間は愚かな事に自分が理解できないものもしくはそもそも人間より優れているものには無意識的か意識的かはわかりませんが恐ろしく感じてしまう物です。同じ人間と言う種族同士ですら知らない事があれば知らないと気が済まないくらいですからね。だから理解できる範疇に収めようとする。その結果、人が制御できない自然や時間や死後などのものを人間でも理解できる形として作られた分類が神様や仏様。人間自身の後ろめたい部分や暗い部分を元として起こる不可解なものや人間より優れていて恐ろしく感じたものを分類したのが妖怪。分類したのは人間と言う同じ種族でも最初からこんなに違うじゃないですか」
「まだ違いがあると?」
「ええ、神様や仏は基本的に人から恐れや信仰を集めて恵みや救いをもたらす事もある。神は人に恐れ、奉られながら人に良い事ををもたらすこともある光だ。そして人間が人間自体を戒めるためにあるものでもある。宗教がいい例ですね。戒律がある。あれは仏教教団の秩序維持のため,正法を護持するために規範が設けられています。それは信仰を絶やさない為だけではないと俺は思っています。人間は規則がないとただの獣と同じでしょうから、人が人としてあるための戒めとしての働きもあると思っています。人や人の生活がより良くあるために、もしくは人が罪を犯さぬようにと言う抑止の力でもあると思いますよ」
「では妖怪はどうなのですか?」
「人間に敬い奉られるのが基本な神に対して基本的に妖怪で有名だったりするのは害悪なものが多い。妖怪は人から生まれ人によって作られ害を及ぼし恐れられる影のような物ですから恐ろしい物が多いのは仕方がないんでしょうね。妖怪は人が犯した過ちに対しての罰の意味合いが強いと思います。それは時の政権の怠惰を示したものであったり、人としてしてはいけない罪を犯した者の哀れな最期を示したものもある。妖怪はそういった罪を犯したのものの罰や末路を示したものによく使われる。そんな例を示す働きがあると思っています。妖怪は人の罪や過ちの重さを示す為の力そのものでもあると思います」
「・・・・、人間中心の都合のいい解釈のような物に感じますね」
「まぁ、あくまで俺は人間ですからね。そりゃあ人間中心になりますよ。人間は同じ人間同士の事ですら知ってる事しか理解できないし、知らない事は理解も出来ないような愚かな生物ですよ。そんな人間である俺に人でない者の視点はわかりませんから」
「・・・そうですか。まぁ良くも悪くも人間立場が中心の考えと言った所ですかね」
「まぁ、そうなりますかね。でも俺の中での最たる違いはまた別ですけどね」
「と、言いますと?」
「神様は個人を救わない。けれど妖怪は個人を救う事もある。これが最大の違いですかね」
「なぜそのように?」
「う~ん、そもそも神様ってが基本的に大衆の信仰なりを集めて成り立ってる物なんですよね。それが個人のみを救ったら大衆は不満に感じるじゃないですか。だから決して神様は個人を救わないし救えない。でも妖怪は個人に対して救いを与える事がある。妖怪に個人も大衆も神様程関係ないからなのかもしれませんし、ただの気まぐれなのかもしれませんけど。結果として妖怪が個人を救う事がある。神様は信仰を基本としているのだから個を選んで大衆を敵に回すことはしないでしょうね」
「なるほど。ひとつの宗教の見方としても大変面白いですね。ではもし個を救うような神様がいたとしたらどう思うのですか?」
「それは確かに
「でも?」
「・・・・でも、それは・・・・もっと残酷な災いを呼び込む引き金になるでしょうね」
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~命蓮寺~
今回は鷹崎仁と言う青年と話したが、なかなか面白い物の見方をする青年であったというのが私の見解である。
ただしその考え方はまるで自身に起こった出来事を理解できる範疇に収めた彼自身が言っていた人間の愚かさを体現したもののようにも感じたが。
「どうじゃった?なかなか面白い奴であったろう?」
「そうですね。貴女が言った通り大変面白い人間でした」
「そうじゃろう、そうじゃろう。そしてあのお土産も美味しかったのぅ」
「えぇ、そうですね。大変美味しかったです」
個人的にまた食べたいものである。今度からはこちらから出向いていてもいいかもしれない。
「あやつとの会話はいい刺激になっておったんじゃないか?」
「ええ、大変いい時間であったと思います。ですか彼は大丈夫なのでしょうか?」
「なんじゃ?何か引っかかる事でもあったのか?」
「ええ、彼の考え方は一見言っている事は無茶苦茶な部分もあるように感じられますけど、あれはあれでなかなか理の通った考えではあると思います。しかしいあの考えに至るまでにいったいどのような経験をしていたのでしょう?」
正直普通の人間では到達しないような高みから見た言葉もあったように感じた。
あれは方向性は違うものの、戒律を守り修行した者でもなかなか辿り着けない境地であるように感じる。
「まぁ、儂も知らんところが多いからのぅ。まぁ、でもそこまで気にする事かの?」
「何と言いますか・・・・。話していても嘘偽りなく話している事はわかっているのですが、どうも普通の人と話している時のような言葉から感じるその人自身の心のような物を全くと言っていいほど彼からは感じなかったのです」
「う~ん、お前さんの言っている事はちょっとわからんが、まぁ仁はだいぶ変わっておるからのぅ。じゃが根は良い奴だと思うぞい」
「そうですね。変わってはいますけど良い人ではあると思いますよ。面白いお方でしたしね。でもマミゾウさん彼とこれからも関わっていくなら1つ忠告があります」
彼女が感じている感情が私の見立て通りならこれからも彼女は彼に関わり続けるだろう。
それは別にいい。私には彼にそんな感情はむけないが、話し相手としてはいい相手である事に変わりはない。
しかし、彼が何かをしたときに彼女が巻き込まれるような事があってはいけない。
余計なお世話かもしれないがひと言は言わせてもらう事としよう。
「なんじゃ?」
「彼の考え方は徹底的に自己も他者も否定したものが基盤になっているように感じました。そしてその考え方は、非常に厳しく脆い考えでもあります。何かあった時には彼自身が何をしでかすかわからないような思考であるとも言えます」
「何を言いたいんじゃ?」
「彼がこのままこの世界に生き続けるというならば、彼は自身の手で自らを殺す事になるでしょう。そうならないように、またそれに巻き込まれないように気をつけるようにと言う事ですよ」
******
~帰宅途中~
はぁ、疲れた。なんだかいろいろあの後も聞かれたせいか。疲れた。そして後半は勧誘もあって疲れた。
俺はどの宗教も信仰してないしする気もないからなぁ。やんわり断るのが大変だったぜ。
気が付いたらもう夕方になっていた。正直、驚き桃の木山椒の木。
マミゾウさんが送ると言ってくれたが来た時の道は覚えているから1人で帰る事にした。
何か気分的に誰かと帰るって感じじゃなかったからね。
う~ん、せっかくの休日がもう終わってしまう。
今から帰って普段は飲まないから、今日はなんか適当に作って飲むか。
まぁ、今から誰か誘うのも急だし、そもそも誘うような相手が近くにいない気がする。
地霊殿って俺の店からは地味に遠いし、パルスィさんは必ず通るけど酒の席にあまり誘いたくない。
こないだのプレオープンの事があってから、酒の席で会うのには少し抵抗があるのだ。
お店にお客さんとして来た時はそんな事微塵も感じさせないようにするけどね。
でも個人的に飲むとなるとなると何を言われるかわからないのが怖いよなぁ。
何か言われそうな事をしているんじゃないかと俺自身が思ってしまっているあたりなんかダメな気がする。
やっぱ誰かを誘うのやめて1人でちびちび飲もう。
あ~あ、何か昔の事とか変な事とか喋って疲れたしパッと飲んでそのまま寝て明日も頑張ろ。
この休日は1人宅飲みで静かに終わるなぁ。割と大学生活送ってた時と終わりは変わらないな。
何をつまみに作ろうかと考えつつ、とりあえず全力で走り帰る事にした。
いつもながら最後までお読みいただきありがとうございます。
日没する処の天子 のところは日本史の聖徳太子に関連したもので、日本が隋の煬帝に送った酷暑の文章が元ネタになっております。読者の中にはもしかしたら習った所だ‼と思った方もいるかもしれません。
そして本編について。如何だったでしょうか?今回は主人公の考えがさらけ出された割と真面目なお噺だったと思います。今回のお噺は「閑話 いつかの七夕の思い出」と関連しているお噺となっているつもりです。今まで読んでくださった方には何か引っかかったものがあったのではないかと思います。
いや~、作者個人は神話とか大好きなのですが何ともまぁ1つの物語にも多種多様な見方があっておもしろいと日々感じています。それは二次創作でも同じことが言えるかもしれませんね。少しでも自分のお話が好きになってもらえたら幸いでございます。
テストが終わって夏休みになったら本編等の執筆と並行して今までのお噺の誤字脱字等の修正などをして投稿したいと思っています。多少表現を変えたりするかもしれませんが基本的にお噺の感じは変えない予定ですので、見直さなくても大丈夫です。細かいところまで見ておきたい!という熱心な方はぜひ気が付いたら見返してみてね。
と言う訳で今回はここまでとなります。また次回でお会いしましょう。
応援メッセージとか感想とかあったら嬉しいです‼アンケートも何回でも投票していただいても構わないので良かったらどうぞ‼
と言う訳で次回でまた会いましょう!今度こそさようなら!