東方与太噺   作:ノリさん

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土曜日投稿と言ったな。あれは嘘だ。
毎度どーも、ノリさんです。
今回はアンケートのとこに書いてあった人物がメインのリクエストお答え回ですよ‼︎

って言ってもこの人に関しては遅かれ早かれ出すつもりではいたんですけどね。

それよりもですね。前回のお噺でした予告を2日ほどフライングしてしまった件について釈明をしておきたいと思います。
いやあのですね。先週の日曜日に何もなかったのでずーっと書き続けてたら割と早く仕上がってしまいまして・・・。予告守るべきかそれとも出来ちゃったら早く投稿したほうがいいのかなぁと悩みまして、Twitterでアンケート取ってみたんですよね。フォロワー少ないんで票数も少ないですけど・・・・。協力してくださった人達はありがとうございました。

で、そのアンケート結果が気にしなくていいとか、早く続きを読ませろって声だけだった(まさかネタで作った「なんでもいい、早く続きを読ませろ‼︎」に1番票が入ったのには驚きました)ので投稿する事にしました。予告しておいてなんですけど、早く読めたラッキー☆と思って許してください。

と、言うわけで本編に行きたいと思います。
正直、前回が内容が特別濃かったお噺(作者はこの噺の投稿現在1番考えて書いたお噺なのでそう感じている)なので、今回は特に薄く感じられるかもしれませんが・・・。いや、そんなことはないはず。これが多分普通の濃さですからね!薄くなんてなってないんだから‼︎

と言い訳のようなもので締めつつ本編に参ります。



黒幕系とその従者との邂逅

「ふぅん、あの人間、本当にこんな事始めたのねぇ」

 

朝8時、今朝発行された文々。新聞を読んでこの世界において古参で賢者な彼女は笑みを浮かべた。

まぁ、その笑みはほとんどの理性ある物であれば「うわっ、やばい、関わりたくないなぁ」と思いその場から去るような色々な含みの入った胡散臭い事この上ない怪しい笑みであったが。ま、心から面白いとも思っている事には変わりはない。

 

「どうかされたのですか?紫様」

「あら、ちょうどいい所に来たわね。頼んでいたことはやってくれたかしら」

「はい、その報告に来たのですがよろしかったでしょうか」

「いやねぇ、そんなに畏まらなくてもいいわよ。それでさっそく結果を聞かせてもらえるかしら?」

「はい、紫様に言われて外の世界から来た鷹崎仁をこの2週間ほど監視していましたが、遠くから見ていた感じ特に問題ないかと。おかしな行動や言動は特にみられませんでした」

「そう・・・。まぁ、外から見てる限りはそうなるかな・・・・。じゃあ貴女自身の見解を聞きましょうか?」

「私のですか?」

「そうよ、藍。貴方自身の見解を聞かせてみなさい。鷹崎仁は幻想郷において脅威となるかどうかをね」

「そうですね・・・・。放っておいても何も問題はないかと。正直、身体能力等の活性化は目覚ましいですがそれで幻想郷の脅威になるほどではないかと。また彼の名面も妖怪などに対しての適応力などは人間にしてはかなり高いだけで、危険を招くような危険な思想の持ち主ではないかと」

「ふぅん、貴女の見解はそうなのね」

 

つまらないわ とでも言いたげに彼女は目を流した。

 

「しかし紫様。1つ疑問に思ったのですがよろしいでしょうか?」

「何かしら?」

「なぜあの男を気になさるのですか?私にはただの変わった人間の男くらいにしか思えないのですが・・・」

「あら、そんなに私が執心しているように見えたかしら?」

「・・・はい、正直今まででは考えられないかと」

「そうねぇ。私もそう思うわ。でも何か引っか引っかかるのよねぇ」

「引っかかる・・・ですか?」

 

何かわからないけれど漠然とした嫌悪感のような物。

彼と最初に話した時に感じた嫌悪感と言うか緊張感は何だったのだろう。

おかげであの時は普段会話するときとは違ってかなりの気を遣っていたので必要以上に疲れてしまった。

 

基本幻想郷の変化を望むタイプであるはずの彼女であるが、彼の行いに少々気を張り過ぎている節はあるのかも。原因はわからないが、もしかしたら最近いろいろあったから疲れていたかもしれない。でも気が向いたら、ちょっと調べてみた方が良いかもしれないわね。

 

「そう・・・ってなんだか橙の様子がおかしくないかしら?」

「え?あっ橙‼今すぐ式を何とかするからな‼」

「ちょっと出かけてくるわ。遅くなるかもしれないけど今日は橙とゆっくり休みなさい」

「あっ、ゆかりさー--」

 

こうして彼女は隙間の中へと消えていった。漠然と抱えた違和感を胸に残したまま。

 

****

 

食事処店主の朝は早い。朝6時に起きて顔を洗い、味噌汁とごはんとサバ味噌にほうれん草のおひたしを食べて、さっそく招待状及びビラを作る。早いって言っても昔から俺の家じゃ6時起なんて当たり前なんだけどな。

まぁ、実質1人暮らしになってから空っぽさを自覚してしまってからも習慣は抜けなかったしな・・・。

 

それは置いといて、ビラを書くにあたって、自分が硬筆は恐ろしく汚い事を自覚している。大学ではとある教授に線文字でも書いているのかと言われたくらいである。が、毛筆は少し自信がある。昔、書道を習っていてコンテストなんかで一番凄い賞なんかも何度かとったことがある。それに一時期写経とかを毛筆でやっていたこともあるので、綺麗に書ける。なので毛筆で書くことにした。

 

 

~~1時間半後~~

 

うん概ねいい感じかな。こんだけしっかりと書いたら大丈夫だろう。

招待状には、1割引券付きだ。これはいい感じじゃないだろうか。俺だったらおそらく嬉しい。

 

と言う訳で、配ってこよう。まずは人里の寺子屋教師に。次に竹林に行ってその後に香霖堂かな。

そうと決まれば、さっそく行くか‼地底の穴を壁走りで突破する脚力をとくと見よ‼

 

 

 

****

 

さて最後の香霖堂に来たわけだが、それまでに不思議な事が起こっていた。

軒先にでも適当に置いていこうと思ったら偶然それぞれの誰かしらとは会った。

ので軽くチラシの説明をして次があるからと長居せずに去った。

朝から時間を取らせても悪いと思ったので、我ながらパーフェクトな対応だったと思う。

 

しかし、寺子屋教師も竹林の案内人も薬師の家の売薬の兎も皆苦笑いだったのだ。

何故だ、綺麗に書いたしクーポンも付けた。なんでそんなリアクションになるんだ。

普通に考えて苦笑いにはならんだろう。

 

そこで、香霖堂で霖之助に渡しその事を話したところ疑問はあっさりと解決された。

 

「あのさ、仁。これを渡してきたの?」

「あぁ、そうだ。特に気を使って綺麗に書いたし、クーポンと軽い案内も付けていい出来だと思うんだが」

「まぁ・・・、その・・・、確かにいい出来だよ。うん、それは認める」

「何だ。煮え切らないな」

「まぁ、友人だしはっきりと言うけど、確かにいい招待状なのは認める。けど、こんなに達筆で書かれたら読める人間はそういないと思う。下手したら果たし状に勘違いされそうだよ」

「は?」

「いや・・・。見る目のある人が見たらそれは大層綺麗な字だなって思うよ。でもこれは普通の人じゃあ崩しすぎたりして読めないんじゃないかな?だから苦笑いだったんじゃないの?」

「んん、あぁ、やっちまったなぁ。写経とか崩し書きに嵌った時ので変に癖が着いちゃったのかなぁ」

「ちなみに誰に渡したの?」

「人里の寺子屋教師に竹林の赤い人と薬師の家とここかな」

「まぁ、それなら幸いまだ読めそうな人達の場所だね」

「てことは一般向けにと思って書いたこのビラも紙屑かぁ」

「どれどれ・・・・、あぁ確かにこれは招待状ほどじゃないけどちょっと読みにくいかもね」

「はぁ、まぁ、いいや。これお前の店に置いてくれよ」

「いいけど・・・。ここじゃ大して効果はないと思うよ?」

「良いんだよ。多少でも広がればいいから」

 

カタンッ

 

「何の音だ?」

「今日のこの時間だと・・・、天狗の新聞が来たのかな」

「へー、天狗の新聞ねぇ。そういや昨日俺の店に取材来てたな」

「へぇ、って事はそのうち・・・。ってさっそく一面に載ってるよ」

「ほう、いい記事になってるか?」

「ちょと待ててくれ・・・・・。ふむ、なかなか好印象を持たれやすい記事じゃないかな。地底で楽しく食事処を営む人間の店主って感じでね」

「へぇ、あの・・・射命丸って名前だったかな?って記者は真面目に記事を書く記者だったんだな」

「まぁ、日頃と言うか他の記事はちょっと違うような気がするけど・・・。彼女の書くのはゴシップ記事のようなものが多いから」

「まじか。気をつけないとな」

「それもそうだけど、他に気をつけた方が良いこともある」

「なんだ?いい記事だったんだろ?」

「記事はいい感じではあったけどね。むしろ良かったからと言うべきかな。人間にとって妖怪は敵って言うのがこの世界における人里ルールだからね。今回の記事をきっかけに人間が妖怪を恐れなくなったり、警戒が薄くなったりするような事が起こったらこの世界のルールが変わってしまう。それこそ困る人たちがいる。人里のお屋敷の当主や人里を手に入れようとして水面下で抗争している妖怪たちからしたら、君は何をしでかすかわからないブラックボックスみたいな存在なんだ。まだ地底で細々とやっている内なら問題はなかったんだろうけど今度からは誰かしらに目をつけられていてもおかしくない。中には本当に危ない連中もいるら気をつけてくれよ」

「はぁ、めんどくせぇなぁ。まぁ、俺は俺のやりたいように楽しくやるから俺の邪魔とか目障りなことしなければなんでもいいや」

 

宣伝するためには注目を集めないといけないから仕方がないのだが、俺はそもそも注目を集めるのがあまり好きではない。

・・・・それに見られ続けてるってのもな。

 

「君ってやつは・・・。まぁ、気をつけておくことに越したことはないからね。これから少し気を遣った方が良い」

「わかったよ。一応覚えておく」

「ところで店員は雇わないのかい?」

「そんな余裕もないかなぁ。今のとこ奥の座敷を開けてる訳じゃないから、使ってるのってカウンターだけだし」

「開けたらもっと人が来れるんじゃないのかい?」

「それは俺の店に客が来るようになったらな」

「それなら心配しなくていい。この新聞は幻想郷のあらゆるところで配られているからね。君の店は急激に知名度が上がったはずだよ。来る人が増えれば仕込みや、片付けとかさらに大変になるんじゃないのかい?」

「そうか・・・。ちょっと考えてみようかな。とりあえず暫くはこのままかな。今のとこ俺だけでやってる方が早いしね」

「うん、まぁ、君の場合はそうかもね。とりあえず、なるべく早く時間を作って店の方にお邪魔するよ」

「ゆっくりでもいいぞ。霧雨さんを誘って来ればいい」

「・・・・。君はすぐにそうやって・・・」

「相変わらずみたいだな。霖之助がいつまでもうじうじ悩んでんのが悪い。短い付き合いの俺が言うのもなんだがいい加減覚悟決めろっての」

「うっ、言ってくれるじゃないか。良いだろう、僕だって男だ‼近いうちに覚悟決めて結果を聞かせてあげようじゃないか」

「それ結局やれずに、また俺に愚痴るフラグか?」

「今度は違う‼」

「まぁそれでも俺は良いけどな。じゃあな‼」

「待て、今日こそ君には言いたい事g・・・ってもういない」

 

逃げるが勝ち。もう地底で怒られるのは確定してるのでここで説教を食らうのはごめんだ‼

まぁ、実際、もし霖之助のいい知らせが聞けるならそれはそれでいいんだけどな。

ダメだったらダメだったで酒の席での笑い話にでもしてやればいいんだ。男の付き合いなんてそんな感じだ。

頑張れよ、霖之助。応援してっからな。

さて、帰ろう。

 

 

まぁ、応援はしてるが、あの霖之助の性格上俺はダメな方に一点張りだがな‼

つくづくひどい友人を持ってしまったなぁ。ご愁傷様です。

 

 

****

 

はい怒られましたよ?え?もちろん水橋さんにですよ?

なんと今日はさとりさんもセットでいらっしゃいましたよ。ハッピーセットとはいかないけどな。

 

ちゃんと前回の反省を踏まえた結果、飛び降りではなく下方向に向かってだけど壁と壁の間をこう・・・マ〇オ的な感じでを跳んでみたんだけどなぁ。あれゲームだと最初慣れない内はちょっと苦戦した覚えがある。そして現実ではやろうと思えば案外できるものだ。

その代償が1時間位その場で正座をさせられ、説教される事だったけどな。

 

途中で無意識のせいで俺以外に見えないからってこいしちゃんが笑わせて来たのはずるいと思う。

おかげで説教時間が増えてしまった。これ以上説教キャラが増えたら俺はどうなっちゃうんだろうね。

 

 

そして店兼自宅に帰り、いつも通り店の準備と暇な時にやる試作をやっていると、あっという間に開店時間17時。

 

よし、暖簾を出しに行こう。今日はさとりさん達の協力のもとちょっとした新しい事もやるから成果に期待だな。

 

最近地底の気温が上がったような気がするけど夏だからだろうか。正直寝苦しいのはちょっとキツイな。

まぁ、陽が落ちる時間になれば多少は気温が下がるけど、俺暑いのあんま得意じゃないんだよなぁ。汗かくし。

 

 

店の中に戻り、客が来るまでぼっとする。はずだったが、あの新聞の宣伝効果はばっちりありそうだ。

幅広く配布しているらしいので、正直俺が作ったビラとか招待状とかいらなかったなぁ。

結構頑張ったのにな。まぁ、結果がよければすべてよしって事にしておこう。

 

結果がよくなかったら?その時はその時でなんか考えよう。

 

 

ガラガラガラ

 

「いらっしゃいませ~。お好きなお席へどうぞ~」

「おう、新聞見て来たぞ‼」

「ありがとうございます。2名様ですね。只今、お通しなどご用意させていただきます」

「知ってる連中に聞いても評判良かったからな。期待してるぜ‼」

「ははは、それは嬉しいような緊張するような。お手柔らかにお願いします」

 

さっそく新聞効果が出ているぞ。これはもっと人増えるかな?

ちょっと不安はあるけど、頑張るぞ‼

 

 

 

*****

 

 

今日の営業11時を乗り越え、片付け全てを終え、最低限の仕込みを終えるともう25時。俺はカウンターに突っ伏していた。

なんでって、そりゃ疲れたから。

 

新聞効果もあってか今日はカウンターが満席になった。

奥の座敷使っていないので、カウンター20人で満員ってところだ。

 

何人か申し訳ない事に帰られてるお客さんもいたので、今後何とかする方法を考えないといかない。

 

それよりも、料理の提供の速度だ。

幸い風呂上りに一杯飲みに来ているような人たち相手なのでちょいちょい注文はいる位なので今の所は注文の遅れはない。が1人は正直予想してたより忙しい。

調理から盛り付け、飲み物の提供に接客にお会計などを1人でやっているので結構忙しい。

 

毎回こんなに多くのお客さんが来るとは思わないが、せめて注文と飲み物の提供、簡単なお通しや前菜類の提供に会計、帰ったお客さんの片付けは誰かがやってくれたら店は効率的に回せる。

霖之助の行ってた通り本格的に店員を雇う事を考えるしかなさそうだ。

 

 

しかしそんな当ても人脈もないし、お世辞にもそんなに広い調理場じゃないからでかい俺にプラスしてもう一人鬼みたいな人が入ってきたら、かなり窮屈になっちゃうしな。

個人的には看板娘と言うかマスコットと言うか、そんな感じの店員が入ると助かる。

お客はそっちの方が入るだろうし。男は可愛い店員がいるだけでもまた来てしまったりするものだ。

俺にそんな経験はないけど。

 

まぁ、だからと言って今の所何にも問題ないんだけどな。体のリミッターが外れて来たからか、恐ろしいくらい早く動けるし、体も軽いし、疲れも寝たらすぐになくなるし。正直、居なくてもいいくらいだ。

まぁ、そこんところはおいおいゆっくり考えますか。

 

 

話は変わるが地底では、さとりさんや水橋さんのような女の娘がレアだって事が分かった。

そりゃ、男の人口が圧倒的に多くてあんだけ可愛かったらアイドルみたいになっちゃうよね。

ファンクラブとかあったし。男ってホント馬鹿。(誉め言葉)

 

ちなみに俺はどこのファンクラブにも入ってはいない。勧誘はめちゃくちゃされてますけどね。

なんかお世話になった人達のファンクラブとかなんか気を遣う。そっちに入ったらたならこっちもとかは面倒なのだ。勧誘されたときに各ファンクラブから布教用としてもらった秘蔵写真的な物は大切にしています。貰えるもんは貰う。つーかさとりさんアンタ嫌われ者じゃないじゃん。むしろ大人気だったぜ。でも、ファンクラブの人間もさとりさんの話をするとちょっと様子が変だったんだよな。いったい両者の間に何があるんだろう?

 

 

 

ブゥン

 

このめちゃくちゃ有名な光る剣のような音は

 

「あら疲れた顔してるわね。お邪魔してもいいかしら」

 

やっぱりか。幻想郷に慣れて来たからかもうこんな事では驚かない。

つーかもう、これくらいで驚いてたらキリがない。

 

「え?あぁ、八雲さんですか?いらっしゃい・・・ってもう今日は営業終わったんですけど何か食べます?」

「そうねぇ。せっかくだし何か頂こうかしら?」

「って言っても大した物はないんですけど・・・」

「そんなの気にしなくていいわよ。開店祝いがてら来たんだし、このお店の料理が食べたいわねぇ」

「わざわざそのために来てくれたんですか?ありがとうございます」

「そうよ。私には招待状くれなかったけどちゃんと来たわよ」

「あぁ、そういえば八雲さんには作ってなかったですね。すいません」

「あら、普通だったらそこは慌てて 誘うつもりはあったんですよ って言うところじゃないかしら?」

「いや、完全に八雲さんのこと忘れてましたから」

「ひどいわ!私の事を知りたいってあれだけ求めて来たのは遊びだったの‼」

「その言い方はちょっと誤解を招きかねませんからやめて貰えませんか!?」

「あら、あれだけお金を私に出させておいてそれはひどいわ・・・・。泣いちゃいそう・・・・」

「だからそんな事言ったら・・・・」

 

バゴンッ‼

 

「き、貴様ぁぁぁぁぁぁぁ‼紫様に何をしたぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」

「あああああ、俺の店の扉がぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」

「あら、藍。来てたのね、いらっしゃい」

 

これは驚くわぁぁぁぁぁ‼

 

「紫様‼すぐにこの不届き物を抹殺するのでお待ちを」

「やっぱり誤解されてるじゃないですかぁぁぁぁぁ」

「貴様、表へ出ろ‼今すぐ叩き潰してやる‼」

「あのー、八雲さーん、お知り合いのようなので止めてもらえませんか?」

「ごめんなさいね。この娘ちょっと・・その・・融通効かないからちょっと付き合ってあげて」

 

アンタの悪ふざけが原因だろ何とかしろよ・・・・。俺は面倒事は嫌いなのに・・・・。

と思うだけ留まったは俺の中では僥倖だったと思う。

 

 

「はぁ、とりあえず付き合うのでちゃんと決着つけたら誤解を解いてくださいよ?」

「わかったわ。それじゃ、ちょっと表に出ましょうか」

 

こうして、ご立腹の狐さんとファイトする事になった。

 

「ルールはそうね。流石に人間と妖怪じゃちょっと種族として差があるから勝敗条件は仁君に決めて貰いましょうか」

「え?良いんですか?それじゃあ、相手の背面にタッチしたら勝ちって事でどうですかね」

「いいかしら、藍?」

「構いません。私は負けませんので」

「それじゃあ、始め‼」

 

さって、こんな深夜の、それもくそ疲れてる時に俺は何やってるんだろうなぁ。

俺は確かに、この世界に落ちてきて怪我をして水橋さんのお家でお世話になっていた時、(不法侵入していた)八雲さんの能力とかに興味があったり幻想郷の事を知りたいって思ったから根掘り葉掘り色々聞いたし、お金も確かにたくさん出して(両替)もらいましたけど‼

やっぱり言葉は選ばないとダメだなと思いました。

 

「かかってこい。そのような条件にするとは愚かだな、人間‼」

「あー、やってみなきゃわからんだろう。それに人間をバカにするもんじゃあないぜ。九尾の妖狐さん」

「む、ならば勝てるとでも?」

「そうだよ。俺は勝てない勝負は受けないし、しないんでね」

「私をバカにしているのか‼」

 

バカにしたつもりはないんだけどなぁ。誰だってそうだろうって事くらいしか言ってないぞ。

むしろ勝てない勝負を挑む方が馬鹿だろう。あぁ、会話って難しいなぁ。

 

と思ってたら、いきなり距離を詰めて、拳と蹴りを織り交ぜてくる。確かに速いし強いが今の俺なら楽に捌ける。

 

「うおっっと、ってかかってこいって言ったのそっちなのに待ってくれないのかよ‼」

「うるさい!紫様に手を出し、あまつさえ私の事は愚弄する始末!もう許しはしない‼」

「ちょっと何ヒートアップしてんの!?」

 

そしてこの狐が 手を出した あたりで噴き出すぐらいなら八雲さんにはぜひ今すぐ誤解を解いてやめさせて貰いたいものだ。笑う姿も様になるんだから美人て得でいいよなとは思いました。

 

そしてますます攻撃の速度が上がってきてるんですけど‼やっば、ちょっときつくなってきたぞ。

 

「なぜ反撃しない‼」

「あぁ、もうこういった手合わせは大好きだけどさぁ。俺に意欲ががない時って女とやりにくいんだよなぁ」

「な!?」

 

お、一瞬隙が出来たな。この隙にこの人が防御できるギリギリであろう速度で拳を腹にたたき込む。

そうすると、彼女は防ぐ。俺は吹っ飛ばして距離を開けさせる。

 

「時間が時間なんでな。これで終わりにさせえてもらう」

「それはこっちのセリフだ‼人間‼」

 

冷静な状態じゃない彼女なら今の俺でも余裕で勝てる。

彼女が突っ込んでくる。俺は構えも何もしない。ただの一言を発するだけ。

 

「 後ろの正面だぁあれ 」

 

そして俺は彼女の背中にタッチした。

 

「そこまで。仁君の勝ちね」

「ふぅ、疲れた・・・」

「しかし、紫様‼」

「そこまでにしておきなさい、藍」

 

八雲さんは一瞬にして狐を黙らせた。一気に八雲さんから殺気のようなものが溢れた。

やべぇ、この人ってこんな顔もするのか・・・・。俺もさすがに今のはビビったぞ。

向けられてる対象が俺じゃない事に感謝だな。しかしあいつも衰えてないみたいだな・・・。

 

・・・・⁇まぁ、いいや。

 

「すまなかったわね、仁君。色々とご迷惑かけちゃったみたいで」

「いや、なんというか。まぁ、お気になさらず・・・。誤解を解いてくれたらそれでいいので・・・」

「とりあえず新しい扉はすぐに用意するわね」

「そうですね。とりあえず店の中戻ります?」

「そうね、そうしましょうか。ほら藍、膨れてないでついていらっしゃい」

「・・・・」

 

泣きそうな顔でこっちを見ないで欲しい。なんだかこっちが悪い事したみたいじゃないか。

俺は勝負に勝っただけだからな。ノープロブレム。大丈夫だ問題ない。

 

で、店の中に帰った途端に扉が元通りになった。

いちいちそんな事は気にしたらキリがないので、もうスルー。

そして八雲さんは狐の彼女にしっかり説明をしてくれた。

だがしかし、俺はまだ睨まれている。まだ気にしてるのか。

 

「そうだ、まだこの娘の紹介知ってなかったわね。藍、自己紹介なさい」

「・・・、八雲藍です」

「そっけないわねぇ。いい加減むくれるのやめたらいいのに」

「しかし、人間に負けるなど・・・・」

「いや・・・、あれは俺が勝てるように条件指定したから勝てた訳であって負けたって程じゃ。って八雲って言いました?ご姉妹か何か?」

「いいえ、違うわよ?」

「しかしどっちも八雲となると呼び方はどうしたら・・・・」

「あら?そんなの気にしてたの?名前で呼べばいいじゃない」

「それじゃあ、紫さんと藍さんで」

「はい、それでよし。前からそっけなくて気になってたのよね~。まぁさん付けだけど今はそれでよしとしましょう。あぁ、それと藍は私の式よ」

「式と言うと式神的なものですか」

「そうよ。貴方もさっき言ってたけど九尾の妖狐に憑かせた式よ」

「それはすごい。本当に耳と9本尻尾があるんですね」

「・・・じろじろ見るなバカ者」

「あぁ、すいません」

 

物語とかでしか存在を確認できなかった者がいると是非いろいろ聞きたくなってしまうし、触ってみたくなるななぁ。

 

「しかし、とてもいい毛並みだし綺麗なしっぽだなぁ。是非モフらせて欲しい」

「なっ!?」

「あらあら」

「あ、つい本音が」

「ふふふ、隠さないのね。本当に面白いわ。ところで貴方の能力も面白いわね。あれは何なのかしら?」

「うーんまだわかってない事が多いんですけど、大雑把に言うと遊び・童謡を力に変える程度の能力って感じですかねぇ。正確にはちょっと違う気がするんですけど今のわかっている情報から言うとそんな感じですかね」

「それで かごめかごめ ね。じゃあ、そのときの効果は」

「お察しの通り、相手の後ろに立つだけですよ。だからさっきの勝負は背面タッチにしたんですよ」

「ふぅん。じゃ藍は初めから勝てない勝負に挑んでたって訳ね」

「えぇ、まぁ、そういう事でs・・・ってあぁ藍さん泣かないで‼」

「あ~あ、女の子泣かすなんて悪いんだ~」

「紫さんは子供ですか!?」

 

もしかして招待状の事気にしてるのか!?

 

「な、泣いてなど・・・」

「ところで、何を作ってくれるのかしら?」

「あぁ、まだその話続いてたんですね」

「もちろんよ。私まだ晩御飯食べられてないのよ。ここの営業時間に来ようと思ってもいっぱいで入れなかったし」

「それはそれは。うーん、あんまりこんな時間に重い物を食べるのは良くないですしねぇ」

「そうねぇ、流石にねぇ」

「メニューに載せるか決めてない試作的に作った物で良ければ、すぐに出せますけど・・・」

「それで構わないわよ。藍、貴女もそれでいいわよね?」

「・・・はい、紫様」

「それじゃ、よろしくね。期待してるわよ」

「かしこまりました」

 

さて、まさか偶然とはいえ狐さんが実際俺の店に来た時にこのメニューを作ったとはね。ピッタリすぎる気がする。

 

まぁ、このまま藍さんに膨れられたり変に敵意を持たれても嫌だからな。せっかくなら仲良くしたいし。

この料理で笑顔にして見せよう。ここは俺の力の見せ所だな‼

 

・・・・・・・大丈夫かなぁ?

 




はい、いつもながら最後まで読んでいただきありがとうございました。

多分ここまできたら全員って言っていいくらい今までのお噺読んでくれてるよねって思いたい。
じゃなきゃわからないところとかも出てたり、今後出てきたりすると思うのでぜひ読んでない方は前のお噺を読んでから見てもらえるとわかりやすいと思います。

さて今回は初めての試みとして、次話とセットで1つのお噺となっています。
長くなりそうだから2つにしたはずなのに結局かなりの文字数になってしまった・・・。前回も今回も削れるところは削ってますからね⁉︎ほんとですよほんと。

後編にあたるお噺も今書いていますけど、文字数・・・どうなることやら。
俺自身小説は文字数そこそこないと読んでも消化不良になっちゃうことも多いのでつい・・・。それに俺の書きたいように書いたら文字数が多くなるのは必然で・・・。

もう俺の読者には文字数多いの覚悟で読んでもらうしかなさそうですね・・・。よろしくお願いします。

そんな感じでグダグダはしてますけど楽しんでもらえるよう、自身も楽しんで書いていけるように頑張っていきますので応援よろしくお願いします。

そしてアンケートのようなものもやっていますので、この人物を出せ‼︎この人物の話を書かせたい‼︎この人物がこの作者の手にかかったらどんなお噺になるんだろう?等あったら活動報告にそれ用のフォーム?がありますのでよろしくお願いします。

もしよろしければTwitterもよろしくお願いします。
一応マイページにTwitterのアカウントのIDのようなものは載せてあるのでお気軽にどうぞ。大したことは言ってないけどね。まぁ、みんなそんなもんでしょ。

今回みたいなことがあったらまたTwitterで聞いてみようと、思いつつ今回はここまででお別れです。私は2、3日ガ○ダムをやるんだ‼︎と言いつつ続き書くんだろうなぁ。また次のお噺でお会いしましょう!それでは‼︎

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