ソードアート・オンライン−−ギルド名『草生えるw』   作:tfride

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今日はニンジャが若干イジメられる回です。


そして短めです。
帳尻が合わんのでな。
すまんな。


Ⅱ 第4話『自覚が無くてもいやらしいところに視線が行くことってあるよねw』

静まり返る洞窟内に佇む一本の橋。

辺りに散乱する蘇生待ちの赤い魂。

草も枯れそうな勢いで殲滅されたサラマンダー部隊を眺めながら、四人はキリトとリーファの尋問を待っていた。

 

「あれだな、ウサギの遺書が無ければ此処にこれなかったとはいえ、ひでぇ有様だな」

 

「にしてもキリトがあんな化け物に変身するとはな…。あれが74層のボス?こわ」

 

「工程がどうにせよ結末は予定通りなんだからいいでしょ」

 

「つまり俺の遺書のおかげかな?」

 

『死にたいんだってな』

 

「滅相もございません」

 

今にもスマッシュブラザーズという名のリンチが始まりそうな空気の中、キリト達が戻ってきた。

 

「まずは礼を言わせてくれ。誰だか知らないけど、助かった」

 

その言葉に、四人とも顔を見合わせ、お互いにキョトンとした顔を確認した後に。

 

「いやいや、もう流石にネタばらししなくても分かるだろ」

 

ニンジャの一言に更にキョトンとしたキリトが返す。

 

「え、あー…ウサギのメッセージが理由で助けに来てくれたんだよな? そっちにその気が無かったとしても、こっちとしては――」

 

「いやいやいや…いやいやいやいや」

 

いい加減痺れを切らした四人が、キリトの肩を掴んでリーファから離して続ける。

ニンジャ。

 

「いや、え? マジで分かんないの? こっちとしては確かに全員顔も変わったし種族なんてまどろっこしいモンも追加されたけど…え?マジで言ってる?」

 

「だから、何のことだよ。俺は――」

 

ローキ。

「マジか、アインクラットで目まぐるしい冒険を共にしたあの記憶をもってしても思い出せないか…よよよ」

 

「っ!――お前、もしかして…」

 

リク。

「お前が最後に注文してきた内容に対しての対価もまだもらってないのに…それでも俺たちは忘れてないだろうと思っていたのに…」

 

「いや、だから何の話だって…それよりお前らラフコフ…」

 

ウサギ。

「え、俺達あの基地外集団と同じ扱いにされるの? 普通にショックなんだけど」

『告訴待ったなし』

 

「え、すみませんでした…じゃなくて」

 

と、ここでいい加減可哀そうだとニンジャが肩に手を置きながら。

 

「いやー悲しいな…住む世界が変わった瞬間に他の女の子に手を出して、アスナやシリカやリズベットが聞いたらなんていうかな」

 

「俺達ってシリカと一回もあってないけどな、いつ会うんだろうな。というよりいつ会えるんだろうな」

 

「エクスキャリバー編でじゃね?」

 

「せっかくお隣さんだから女の子の訪問者が来た時には『しょうがないにゃー』なんて思いながら愛の巣の邪魔しないように計らってあげたのに」

 

「ついでに結婚式も主催したのに」

 

「お隣…結婚式…ウサギ…おいまさか…」

 

「アスナちゃんが目覚めないからこの世界に来たのはエギルから聞いてるぞこのイキリト」

 

「ウサギかぁああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

 

もはや腐れ縁。

むしろ呪いの類と一緒である。

 

 

 

 

 

 

「なんでお前らが此処にいるんだよ。ストーカーか」

 

「いや、どのゲームをやろうと俺たちの自由だろ」

 

「そういう次元を超えて俺に付きまとってるだろ。俺に恨みでもあるのかよ」

 

「言いたい気持ちはわかるけど、俺たちの手にかかればキリトのリアルネームから住所、家族構成まで――」

 

「マジでやったら通報するからな」

 

青筋を浮かべながら地味な殺気を放ち四人を睨んでくるキリト。

その光景を声の届かない範囲でベンチに座った状態で一時ログアウトをしているリーファを見守りながら、計五人はとりあえず現在の状況を話し合っていた。

 

「ったく…とりあえず、さっき説明した通り。俺たちはグランドクエストがアスナの何かに繋がると思って、此処を抜けてワールドの中心に向かってる」

 

「それは分かったけど、ホントにその写真の人物がアスナなのかも分からないし、グランドクエストをクリアしたところでアスナにたどり着くとも限らない。そして――」

 

一旦言葉を溜め、ベンチに腰掛けるキリトの前に立ち、顔をキリトの前に置き静かに言い放つ。

 

「それを黙ったまま…まるで利用しているかのように付き合わせているリーファとやらは不憫すぎないか?」

 

「っ…それは」

 

その言葉にバツが悪くなったのか、視線をそらし口を詰まらせる。

もちろんキリトも分かっていたのかもしれない。

確かに連れていくと豪語したのはリーファ本人だ。何のために向かうのかも分からないキリトの我儘に付き合い、見返りもなしに助けの手を差し伸べたのはリーファ。

しかしそれに甘んじてその手を取ってしまったのは、何物でもないキリト本人なのだ。

が、その分別を15、6程度の少年に求めろというのも酷な話ではあるが。

 

「ま、それが分かったら、リーファちゃん本人に自分が何のために世界樹を上りたいのかの説明くらいしてあげたらどうだ?」

 

そう言いながらリーファの隣に立ち人差し指で中身の無いリーファの頭を小突く。

 

「それから一緒に目標に向かってひた走るのでも遅くは無いだろ――」

 

っと、リーファの腰にある刀のような武器に目が行くニンジャ。

 

(なんかイマイチぱっとしない武器だな…実際この世界の刀ってこんなもんなのかな)

 

なんて考えながら腰掛けるリーファの頭上から刀に視線を向けるニンジャは、はたから見れば胸の谷間を除くスケベに見えるだろうが、その天罰はすぐ下る。

一瞬でログインし体を動かし立ち上がるリーファの頭突きが、ニンジャの顔面…もとい鼻目掛けてクリーンヒットする。

ゴキっ…なんて鈍い音を発しながら。

 

「ひでぶっ…」

 

もろに食らったニンジャはすっころび、食らわせた本人は脳天を抑える構図が出来上がる。

 

「あーあ、女子の胸元ガン見してるから~」

 

なんてウサギの爆弾発言。

もちろん言われた加害者は、ジト目でニンジャを睨み付け胸元を隠す。

 

「最っ低」

 

「てめっ…中坊の癖に色気づいてんじゃねぇ。せめて20歳超えてから言え!!」

 

「ってなんであたしの年齢知ってんのよ!!」

 

「見りゃ分かんだろ!!」

 

その言葉に全員が首を横に振る。

 

「え…お前ら、何のために脳みそついてんだよ」

 

一人仲間外れ感を醸し出しながら、リーファがそれどころではないとキリトをまくしたてる。

それをよそに、ローキがニンジャに近づき。

 

「警察いこっか」

 

「だからちげぇって…」

 

「犯人はみんなそう言うんです」

 

「そうだな、デバッグ失敗した時のお前の言い訳毎回同じだもんな」

 

「なんかすみません」

 

「警察は――」

 

「行かない」

 

「見ては――」

 

「しつこい」

 

と、話の終わったリーファがこちらに近づき。

 

「事情が変わって、すぐにでも回廊を超えて三種族の会合に向かわないといけなくなった…」

 

その言葉と表情に不安と焦りが見て取れるからこそ、リーファの続きそうな言葉を静かに待つ四人。

 

「たぶん…混戦になると思う。こっちとしても人手は多いに越したことはないけど、これ以上こっちの我儘に突き合わせるわけにもいかないから、付き合ってくれるなら付いて来て!」

 

そう言ってキリトの方に向き直り、お互いに一度うなずいた後、目的の出口に向かって一直線に走っていく。

その背中を静かに見送る顔は、自然とウサギに向けられていく。

 

「…って俺!?」

 

何かを察したのか、自分の事を指さしながら他三人に確認を取るも、全員満場一致の如くうなずく。

だって三人ともウサギのせいでここまで来たようなものだもの。

お前が発端だものと言いたそうな目でウサギの回答を待つ。

 

「第一、誰かしらの我儘に付き合うなんて俺らは慣れてんだろ」

 

そう言い放つリクの視線は一瞬ニンジャの方に向けられ、しかしすぐにウサギに視線を戻す。

 

「おい、おっさん泣くぞ」

 

「んじゃ満場一致で付いて行くということで」

 

「泣くぞ」

 

「賛成」

 

「むしろ泣けと?」

 

「ところでキリトが本気出し始めたからホントに追いつけなくなるよ?」

 

ローキが指さす方には、リーファを片手で引っ張りながら全力疾走するキリトの姿が、岩の切れ目から見て取れた。

その光景にすぐさま準備と全員が一人の方に向かってとびかかる。

 

 

 

 

 

「あのさ、なんでこうなるの?」

 

そう嘆くニンジャの両手にはローキとリクがガッチリと手首をつかみ、ウサギに至っては左足に抱き着いていた。

 

「ウサギに至っては何で足なんだよ。バランス悪いだろ。とりあえず逆らったり抗議したりするのは何となく無駄ってわかったらせめて背負われろ」

 

「背負われろってなんだよ」

 

「はーい」

 

いそいそと抱き着いたままよじ登っていくウサギ。

なんの恨みがあるのか背中にたどり着くと、ニンジャの後ろ髪を引っ張る。

 

「いででででで」

 

はっきり言おう。

只の八つ当たりである。

 

「くそ、お前ら後で覚えてろよ」

 

「何ができるというのだねぶはははは」

 

「泣かす」

 

「やばい、普通に怖くなってきた。離れていい?」

 

「ニンジャの脚力に追いつけるんだな」

 

「やっぱこのままでいいや」

 

「くたばれ」

 

その言葉を最後に、ニンジャが非常に重い足を動かし、三人をおもいっくそ引っ張る形で走り出した。

とてつもない重量ペナルティと戦いながら全力疾走するニンジャに、三人は高らかに笑いながら引っ張られる。

 

「いいぞ、馬車馬のように走るがいい」

 

「ウサギてめぇ後で絶対ムッコロス!!」

 

 

ルグルー回廊に、三十路手前のおっさんの怒号が響くことになった。

 

「あー畜生!! キリトてめぇ覚えてろよ!!」

 

 




投稿した瞬間、息を吹き返すかのように閲覧数が上がりました。

お前らウサギ好きすぎかよ
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