S☆A☆王 精霊持ちのデュエリスト達   作:ソル@社畜やってます

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書いてしまった、後悔はしていない。
この作品内でのデュエルのルールはマスタールール3に先行ドローと表守備表示有りのルールで行きます。


本編
実技試験


「次、11番から20番の受験者たちはフィールドに立ちなさい」

 ジャケットの胸ポケットに試験監督官の文字が書かれたプレートをつけた男が片手に持ったメガホンから声を響き渡らせると、その場にいる10代前半の少年少女が壇上に上がってそれぞれのデュエルフィールドに立って実技試験官と向き合う。

「デュエル!!」

 ここは世界有数の企業である海馬コーポレーションが運営する超大型テーマパーク《海馬ランド》内にあるドームであり、現在行われているのは海馬ランドと同じく運営しているデュエリスト養成学校《デュエルアカデミア》の高等部編入実技試験である。

 今この場にいるのは数多くいた受験者の中から難関な筆記試験を通過した者だけであり、その数は1/4程にまでしぼられて数にして約150名になっている。

「《トライホーン・ドラゴン》で《ゴブリン突撃部隊》を攻撃!」

「甘いな、罠カード発動!《次元幽閉》!」

(…どいつもこいつもレベルが低いな)

「ああ、そうだな」

 胸ポケットに1番の番号札をつけた黒髪の少年は、自身にしか聞こえていない声に視線を動かさないまま小声で返事をした。

 デュエルモンスターズが世界中に広まってから既に100年以上、未だにステータスだけでカードの強さを判断するようなデュエリストがいるのか、と少年は内心で毒づく。

「(ステータス至上の古臭い主義に伏せカードの警戒もしない…こんなんでよくアカデミアの試験を受けようなんて思ったもんだな、あいつら)」

 デュエルアカデミアは毎年プロデュエリストを多く輩出している名門校であり、現在世界各国のプロリーグで活躍している選手たちの中にもアカデミア出身の者はかなり存在している。全員がプロになれるわけではないが、それ以外にもカードデザイナーとして就職する人がいれば、最近増えつつあるデュエル塾の講師又はオーナーになる者もいる。当然そんな養成学校に高等部からいきなり編入しようとすることは簡単ではない。

 そもそも本来デュエルアカデミアは小学校へ入学する時期から在籍し、数々の実戦授業や座学等を受けながらエスカレーター方式で中等部、高等部へと上がって卒業するもので、年々増え続けている戦術を身につけている生徒らの中へ唐突に入り混じっていくのは生半可な実力では不可能とも言える。

(結局勝てたのは2人だけか)

「こんなもんだろ。むしろよく勝てたと思うけど」

 敗北した受験者らは勝利して喜んでいる受験者とは違い、涙を流したりうなだれている者しかいない。それもそのはずで、このアカデミア編入試験は筆記試験を通過した上で実技試験で試験官に勝利しなくてはならないという2つの試験をクリアしなければならないため、この実技試験で負けた生徒はこの場で不合格を言い渡されたも同じことだ。

「最後、1番から10番の受験者。フィールドに立ちなさい」

「やっとか…」

 ひたすら待ち続けること約1時間、ようやく番号を呼ばれた少年は腰のデッキケースから愛用のデッキを抜いて、左腕につけたデュエルディスクにセットしながら壇上へ上がってデュエルフィールドに立った。

「やあ、君が一番の受験生だね」

 少年の反対側に立っているのは、他の受験生が相手をするような試験官ではなく、胸ポケットに《特別実技試験官》と書かれたプレートをつけた男だ。

 少年はその男に見覚えがあった。

「須郷プロ、ですか?」

「お、僕のこと知ってくれてるとは嬉しいね。でも、正確には元プロだ。今年からアカデミア教師の一員さ」

 男の名前は須郷伸之。ほんの数ヶ月前までは日本を拠点に活躍していたプロデュエリストである。新聞の一面を飾ったり世界的な大会で表彰されるような派手な活躍はしていないが、当然プロというだけあってその実力は折り紙付きだ。

 少年はテレビやネット動画での試合を見て須郷という男の強さはよく知っている。失礼なことだが、他の試験官とは比べものにならない強さだろう。

-俺は勝てるのか…?

 そう思っている少年の内心を読み取ってか、須郷は笑顔で言った。

「安心してくれ。俺が使うのは実技試験用のデッキだよ。少し僕好みに改造してあるけどね」

「そうですか…」

 実技試験用のデッキと聞いて少年はホッとした反面、本気のデッキとこの場で戦ってみたかったな、とも思った。

「さて、それじゃあ行くぞ少年!」

「絶対に勝つ」

「「デュエル!!」」

少年(先行) LP:4000

須郷(後行) LP:4000

「俺のターン、ドロー!」

少年 手札5→6枚

「俺は《BF-精鋭のゼピュロス》を召喚」         

BF-精鋭のゼピュロス(攻)

闇属性 鳥獣族 レベル4 ATK/1600

(1)???                

 

少年 手札6→5枚

「カードを2枚伏せてターンエンド」    

少年 LP:4000 手札3枚

-モンスターゾーン-

BF-精鋭のゼピュロス(攻)

-魔法&罠ゾーン-

伏せカード2枚              

 

「僕のターン、ドロー」

須郷 手札5→6枚

「僕は《神獣王バルバロス》を召喚!」  

神獣王バルバロス(攻)

地属性 獣戦士族 レベル8 ATK/3000

(1)???

(2)???

(3)???                

 

須郷 手札6→5枚

「バルバロスの効果は当然知ってるよな?」

「通常召喚可能な代わりに、通常召喚した場合攻撃力が下がる。ですよね」     

神獣王バルバロス ATK/3000→1900

(1)このカードはリリースなしで通常召喚できる。

(2)このカードの(1)の方法で通常召喚したこのカードの元々の攻撃力は1900になる。

(3)???                

「このままバトルフェイズに入り、バルバロスでゼピュロスを攻撃!」

「リバースカードオープン!《攻撃の無力化》。これでバルバロスの攻撃は無効になりバトルフェイズは強制終了させる」   

攻撃の無力化 カウンター罠

相手モンスターの攻撃宣言時に発動することができる。相手モンスターの攻撃を無効にし、バトルフェイズを終了する。    

「やっぱりそう簡単に通してはくれないか…僕はカードを2枚伏せてターンエn」

「リバースカードオープン!《デルタ・クロウ-アンチ・リバース》」        

デルタ・クロウ-アンチ・リバース

通常罠

自分フィールド上に「BF」と名のついたモンスターが表側表示で存在する場合のみ発動することができる。相手フィールド上にセットされた魔法・罠カードを全て破壊する。

また、自分フィールド上に「BF」と名のついたモンスターが3体存在する場合、このカードは手札から発動することができる。 

セットカード

《激流葬》

《リビングデッドの呼び声》

破壊!

「くっ、エンドサイクならぬ効果的にはさながらエンド羽箒ってところか…このために攻撃の無力化を使ったな、少年」

「これまでのデュエルを見てて試験用デッキは多少の差異こそあれ、傾向は同じだったから対策は簡単ですよ」

「言ってくれるね。僕はこのままターンエンドだな」               

須郷 LP:4000 手札3枚

-モンスターゾーン-

神獣王バルバロス(攻)

-魔法・罠ゾーン-

無し                  

「俺のターン、ドロー!」

少年 手札3→4枚

「手札から永続魔法《黒い旋風》を発動」 

黒い旋風 永続魔法

自分フィールド上に「BF」と名のついたモンスターが召喚された時、自分のデッキからそのモンスターの攻撃力より低い攻撃力を持つ「BF」と名のついたモンスター1体を手札に加えることができる。      

 

少年 手札4→3枚

「BF専用のサーチカードか、これは少しマズいかな…」

「俺は手札からチューナーモンスター《BF-疾風のゲイル》を特殊召喚」    

 

BF-疾風のゲイル(攻) チューナー

闇属性 鳥獣族 レベル3 ATK/1300

(1)自分フィールドに「BF-疾風のゲイル」以外の「BF」モンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。

(2)???                

 

少年 手札3→2枚

「チューナーモンスター…来るか!」

「行きますよ須郷さん。俺はレベル4のBF-精鋭のゼピュロスに、レベル3のBF-疾風のゲイルをチューニング!」

☆4+☆3=☆7

「雷雨に潜む強襲の風切り音!漆黒の翼翻し、雷鳴と共に走れ!シンクロ召喚!全てを斬り裂け!《ABF-驟雨のライキリ》!!」               

 

ABF-驟雨のライキリ(攻) Sモンスター

闇属性 鳥獣族 レベル7 ATK/2600

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

(1)???

(2)???                

 

「A(アサルト)BF…?聞いたことがないモンスターだな」

「さらに俺は手札から《BF-残夜のクリス》を召喚。そして黒い旋風の効果でデッキから《BF-上弦のピナーカ》を手札に加える」                 

BF-残夜のクリス(攻)

闇属性 鳥獣族 レベル4 ATK/1900

(1)???

(2)???                

「そして、驟雨のライキリの効果発動!」

「このタイミングで発動する効果…?」

「1ターンに1度だけ驟雨のライキリ以外のBFモンスターの数だけ相手フィールドのカードを破壊する!やれ、驟雨のライキリ!」                 

ABF-驟雨のライキリ

(1)???

(2)1ターンに1度、このカード以外の自分フィールド上の「BF」モンスターの数まで、相手フィールドのカードを対象として発動できる。そのカードを破壊する。   

神獣王バルバロス 破壊!

「うーん…やっぱり試験用の、しかも初手でバルバロスしかモンスターがいない手札じゃこんなものか」

「…それはまた悲惨でしたね」

「仕方ないさ。ろくに使ったこともないデッキじゃあね。さ、少年!思いっきり来い!」

「バトルフェイズ!ライキリとクリスでプレイヤーにダイレクトアタック!」    

須郷 LP:4000→-500        

 LPを削り切ると、須郷は少年に近づいて手を差し出した。それが握手なのだと理解した少年はすぐさま手を差し出して固い握手をする。

「おめでとう、桐ヶ谷和人くん。これで君もデュエルアカデミアの生徒だ」

「…名前知ってたならちゃんと呼んでくださいよ」

「ははは、すまんすまん」        

~数日後~

「バトル!《-------》でダイレクトアタック!」

「うわっ!」

 デュエルディスクに表示されたLPが0になり、道場の中のソリッドビジョンが解除される。

 数日前にデュエルアカデミアの編入試験を見事にクリアした少年と向かいあっているのは、左手の手首に短い鎖のついた枷をつけてボロボロのコートを着た、和人と同じ黒髪黒目の少年で名前はダルク。正確に言ってしまえば彼はデュエルモンスターズにおける《闇霊使いダルク》である。

 その正体は所謂デュエルモンスターズの精霊と呼ばれている存在で、本来ならばカードの使用者の愛情や信頼によって現実世界に舞い降りることが多いのだが、稀に同じ波長を持つ人間を見つけた場合は無条件でその人間の下へとやってくることができる。ダルクが和人と共にいる理由は後者であり、実体化能力を使用して先程のようにデュエルすることはなんら珍しくない。

「相変わらず強いな、ダルク」

「当然だ。精霊世界は常に広がり続けていて、カードプールはこの世界とは比べものにならないんだからな」

「あぁ~せめてアカデミア行く前に1回くらい勝ちたかったな…」

「…和人」

「ん?」

 大の字で床に寝そべっている和人に、ダルクはデュエルディスクから1枚のカードを取り出して、投げた。

 和人はそれをキャッチして何のカードなのか確認すると、驚愕した。

「え、お前、これって」

「アカデミアの入学祝いだ。受け取れ」

「え、でもいいのか?これお前のエースモンスターの1体だろ」

「2枚あるし問題ない。それに、基本的に打点が低めのモンスターが多い和人のデッキをカバーするのに丁度いいだろ」

「…ありがとな。大切に使うよ、ダルク」

 和人はダルクから受け取ったカードを傷つけないようにディスクのエクストラデッキスペースに収納すると、立ち上がって道場を出た。ダルクも実体化を解除して和人について行く。

 道場の扉を閉めると、すぐそばに置いてあったエナメルバッグとキャリーケースを持って玄関から伸びている道を辿った先にある門をくぐる。

 和人の両親は海外で仕事をしており、年に数回帰ってくる程度で日本の実家にはほとんどいないため、実質広い一軒家に和人は一人暮らしをしている状態だった。

 門の鍵を閉めて、住み慣れた自宅をしばらく見てから和人は言った。

「行ってきます!」

 これは相棒の精霊ダルクと共に桐ヶ谷和人。そして同じ精霊を持つデュエリスト達が織り成す、デュエルアカデミアでの物語。

 




和人「と、いうわけで始まったな」
ダルク「キリトとダルクって結構似てるよね?の一言から始まった超突発的クロスオーバー遊戯王作品、それがこれだ」
和人「特に話すこともないけど、まずは俺の使用デッキかな?」
ダルク「和人の使用デッキは《BF》だ。シンクロ時代には文句なしに最強と言われたカテゴリとして有名だな」
和人「なんてったって誰が使っても勝てる、なんて言わせれていたからなぁ…DDBといいブリューナクといいゴヨウといい、あの時代は本当に凄まじかった。アニメのネタ的にも」
ダルク「和人のデッキに切り札は特に固定されてない。一つ言っておくと黒羽竜はどっちも入れてないから悪しからず…」
和人「あんな名前のわりにBFと全然シナジーがないカードをどう使えっていうんだ。わりと本気で」
ダルク「使おうと思えば使えるんだろうけど…大して展開できなくなるからやっぱり無しだ。普通にABFとBFTとノートゥングを中心にした軸が一番やりやすくて良い」
和人「話の中で俺がダルクに貰ったカードに関してだけど、これはまた次回の登場だな」
ダルク「これから先の展開だが、とあるカテゴリに関しては割とボロクソに扱う話がその内出てくるからその時には前書きで注意することになるな」
和人「鬱展開は無いけど、シリアス…に見せたシリアル展開はある、と思う」
ダルク「それでは最後に呼んでくれた読者の人々へクイズを出そう。と言ってもすぐに答えられるような問題ないじゃなくて話が進むにつれてヒントが増える問題だ」
和人「それでは問題。俺の相棒である精霊ダルクの使用しているデッキは何でしょうか?」
ダルク「ヒントは作中にあったり、後書きで言っていくことになる。もし興味があったら感想のコメントついでに「ダルクのデッキって○○○ですか?」というかんじで答えてくれても構わない。作者はコメントされると嬉しいから返信するし正解不正確がわかるからな」
和人「それじゃあ最初のヒントだ。これだけは言っておいた方が良いしな。ダルクのデッキに《ダルク》カードは1枚も入っていない」
ダルク「自分で自分のカード使うとかナルシストにも程があるだろう…カイバーマンじゃあるまいし」
和人「後書きはこんなかんじで何かしらの紹介+雑談になるぞ。それでは次回予告をどうぞ!」                
~次回予告~
デュエルアカデミアへとやってきた和人とダルク。
所属することになった寮での歓迎会のさなか、寮長の竹宮琴音とデュエルすることになった。
融合とシンクロを操る琴音に和人は勝てるのか…?
次回「黒羽vsダークサイバニティ」
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