PSO2×SAO VR世界に入り込んだ守護輝士   作:のーん

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第17話 灼・熱・少・女

ルチア達のトラブルはMPK疑惑を残したままだが全員で街まで戻る。

ディア達3人は休憩の途中で、何よりもルチア達のパーティが精神的に参っていた。人通りのある場所で話すのもということで適当な店に入ると、同年代の同じ性別相手の方が気が楽だろうと言い残してディアは報酬の交換へ行ってしまった。

「とりあえず、なにか頼む?」

ノエルがそう言うと、各々が飲みたいものを注文する。

ルチアたち3人はまだ先程までの出来事が頭から離れないのか少し強張った表情をしていて、エリスもその状態で下手に声をかけることは出来ないでいた。

飲み物が運ばれ、湯気と甘い香りを立てるそれに口をつけるとようやく彼女たちもほっとしたのか、ルチアが改めてお礼を言う。

「2人とも、それにここには居ませんけれどディアさんも、助けていただいてありがとうございました。ほら、シャサも姉さんもお礼を言わないと」

シャサっていうのはこっちの茶髪に半袖ジャケットの人で、ルチアと同じ白髪の人が…?

「ルチアの姉のアネットよ。別に、ダジャレのつもりは無いわ」

どこか影のあるような感じだけど、美人さんだ。

ルチアが快活な姫騎士なら、アネットさんは深窓のお姫様ってところかな?

ノエルがそう思っているともう一人の少女が見た目通り快活な声を上げる。

「アハハ、アネットさん誰もそんなこと思って無いですって。アタイはシャサール、呼びにくかったらシャサで良いぜ。ルチアとアネットさんとはリアルでも知り合い。助けてくれてアリガトな」

「それじゃ、私達も自己紹介しないとだね。私はノエル、それでコッチがエリスでさっきまで一緒に居たのがディア。一応攻略組だよ」

その言葉を聞いて、三人が驚きとともにどこか納得したような表情をする。

多少の面識があったルチアをはじめ、攻略組だというのが意外なのとともに先程見せた強さに納得がいったようだ。

「攻略組って、もっとコアなゲーマーとかゴツそうな人だと思ってた」

「ディアさんならともかく、お二人もなんですね」

ディアならと言われたことが癪に障ったのか、ノエルがそっぽを向く。

これでも1層から5層まで全てのボス戦に参加した経験を持つプレイヤーなのだが、情報が広まりにくいアインクラッドでは狭い範囲の中でしか知られていない情報らしい。

「まぁまぁ、ノエルもこっち向いてください。私やノエルが意外というは事実なんですから」

「でも、エリスは攻略本の編纂者の一人で下層にも顔出してるからそれなりに有名人じゃん。ディアだって攻略組じゃトップクラスの一人だし、私だけ何も取りえないし」

ルチアの言葉が気にしていたことを刺激したのか割と本気で落ち込んでいた。

こんな時ディアさんが居れば励ましてくれるのにな、と思いつつ代わりにエリスが慰める。

「そんなことありませんよ、ディアさんより素早いですしそれをうまく活用する判断力も徐々についていますから。何より、初日からここまで逃げ出さずについてきている意志は十分取り柄です」

たまには思っていることをちゃんと言ってやらなければと考え、自分がノエルに抱いている印象を素直に述べる。未だにはじまりの街を中心にフィールドに出るのは最低限の生活費のためというプレイヤーも多い中、初日に泣いていた彼女がディアやエリスのサポートがあったとはいえここまで共に上っている。調子に乗りやすい彼女を褒めるのは窘めつつするディアの役割だが、たまにはいいだろう。

それに、この世界でできた初めての友人だ。

「ホント?」

「本当ですよ。これからも頑張りましょう」

「…うん!」

コロコロと表情を変えるノエルが面白かったのか、ルチアたち3人も顔に笑みを浮かべる。

先程までの恐怖もようやく抜けたようだ。

「それにしても本当に助かったぜ、マジで死ぬかと思った」

「たまたま近くにエリスさんやノエルが居てくれたおかげで助かりました」

「------」

それを聞いたアネットが俯いて何か言ったようだが、それに気が付いたルチアが気にするそぶりを見せると何でも無いとでも言うように首を横に振って飲み物に口を付けた。

「……あそこか」

ドアが開く軋んだ音に遅れて、ディアの声が聞こえてくる。ノエルが入口の方を覗いてみると店員と2,3言会話してこちらに向かってくる姿が見えた。テーブルに着く前に幾つかのアイテムをストレージからオブジェクト化してノエルとエリスの前に置く。音からすると、いくつかの結晶系アイテムが入っているらしい。

「一応確認を頼む、俺の分は交換していないから間違っていたらそれで補填してくれ」

二人とも袋の中身に問題が無いことを確認すると自分のストレージにしまう。そこでようやくディアもテーブルに着いて会話が中断する。

「お待たせいたしました」

「どうも」

運ばれてきたコーヒーのような黒い液体に口をつけると、ディアがルチアたち3人に質問しだす。MPKの疑惑がある以上、記憶が鮮明なうちに多少でも手がかりを得る必要がある。

「さっきのモンスターと遭遇した時の状況を教えてもらえないか?」

「えっと、私たち3人でフィールドを散策していたら突然出てきたとしか。一応シャサが索敵スキルを持ってるので隠れているモンスターが居ても大丈夫だと思っていたんですけど……」

彼女からしてみれば最上階層に来るのに不十分なスキルで来たことを攻略組に何か言われると思ったのだろう、ルチアの声が尻すぼみになる。

もちろんディアにはそんなつもりは毛頭ない。ルチアを逃がしてディアたちがいくまでの間2人で凌げていたことからそれなりの技量があることは分かるし、いま彼女たちが使っている装備も最上級とは言えないが攻略組にも使用者がいるものでフィールドレベリングには十分すぎる。

「気にしないで下さいルチアさん、この人は別にあなたを責めようとは思っていませんから。多分、あんなに強いモンスターがなんで急に現れたか知りたいだけで他は何も考えていませんよ」

コクコクとディアが首肯する。正直なところディアも一人でやり合った場合は雪玉にヒットしない前提で戦わなければならないためそれなりの強敵となる。ある程度の火力と行動を封じる能力の組合わせはソロにとって結構致命的なのだ。

「その時、周りに他のプレイヤーは居なかったか? 物音や足跡、そういうものでもいい」

その質問に対して3人は思い出そうとするが襲われたときに気が動転したせいもあって憶えていないようだ。そもそも、普段からフィールドを観察して歩いているならともかく足跡の一つや二つなどは見過ごしても当然だろう。ディアもMPKとは断定できないグレーな部分を補強する手掛かりが欲しいのだが、そう上手くはいかないらしい。

「そういえば、アタシらの歩いてた道に新しい足跡があったな」

「本当か?」

「あぁ、どこまで続いてたかは分かんねぇけどアタシは先頭歩いてたから他のプレイヤーでもいるかと思ってたらいきなり雪玉が飛んできてさ。で、避けられなくて雪玉状態のまま戦闘開始ってわけよ」

その話を聞いてディアとエリスは別のことを妙だと思っていた。ディアは先を歩いていたプレイヤーを、エリスは最初から雪玉を投げてきたモンスターをそれぞれが別の理由で不審に感じた。

「シャサ」

「シャサさん」

「二人して急に何だよ?」

二人から同時に声を掛けられたシャサールが驚きながらも応える。

「あ、ディアさんからお先に」

「いや、お前の方がこの世界のことは分かってる。先に質問してくれ」

それでは、と前置きしてエリスがシャサールに質問する。

「貴方は先程急に雪玉を投げられたといいましたよね」

「うん、道歩いてたら急に攻撃されるんだもんビックリしたぜ」

「このフロアにいるモンスターは基本的に雪塊か洞穴の中に潜んでいることは知っていましたか?」

その言葉にシャサールが頷く。彼女の索敵スキルにもよるが斥候役を任されていたという事はそれなりのモノだろう。仮にいくらかスキルレベルが不足していたとしてもあれほどのサイズのモンスターが潜んでいた雪塊や洞穴があれば相応の大きさのはずで、一度投擲などで確認をしてから先に進むのが定石だ。

そういったことも無く現れたとするならば……。

「んー、やっぱり怪しいんですよね。確認しながら進んで急に攻撃されるなんて滅多にないはずですし」

まずは一つ目の疑問点、突如として現れた上に先制攻撃を仕掛けてきたモンスター。次はディアの疑問だ。

「俺が訊きたいのは2つ、1つはその足跡の数、もう1つはその向きだ」

厳密に言うと知りたいのはその場にいたルチアたち以外のプレイヤーの存在だが、足跡の数は向きが分かればそれを間接的に知ることができる。うーん、と思い出そうとしているのか腕を組んで目をつぶったシャサールが唸る。

「たぶん、足跡は1つだけだったと思う。向きまでは覚えてねぇけど、1つのはずだ」

足跡が一つだけという事はあの先に村や町が無い以上、先行していたプレイヤーは既にモンスターに殺されたか逃げて周辺に潜伏していたかの2択になる。前者ならばMPK疑惑は晴れるが後者の場合は単に隠れていたか、それとも殺されるところを眺めようとしていたのか、隠れていただけだとしても他のプレイヤーの危機を放置していたことになる。

「……やはり、誰かのヘイトが擦り付けたと見るのが妥当か」

「ですね、意図的かはともかく他のプレイヤーのせいでルチアさんたち3人が危ない目に遭ったのは確かなようです」

その話を聞いていた全員が何となく状況を理解する。あそこにいたモンスターは誰かが戦っていたもので、ルチア達はそのせいで危うく死にかけたのだと。

「とはいえ、故意なのか偶然なのかは不明のままだ。そこまで気にする必要はないだろうが今後もこういうことはあるかもしれない、ある程度は注意してくれ。それより、最近は何か変りないか? あまり下のフロアには顔を出せていないから少し心配していたところだ」

暗い話はここまでにして、少し近況などを聞いてから解散しようとディアが思っているとシャサが真剣な顔で一言発した。

「ディアさん、アタシのことを鍛えてください!」

その言葉にディアがあっさりと答える。

「構わないが」

「へ?」

本当にあっさりと、何でもないように応えたことに拍子抜けしたのか先程までの真剣な表情も何処へやらといった顔でシャサールが訊き返す。

「本当にいいのか?」

「あぁ、自分から強くなりたいと思っている奴を断るほどの理由もないからな。それに明日は迷宮区に入るつもりでいたし、パーティメンバーが増えるのはありがたい」

「じゃあ」

よろしくお願いします、と言い掛けたシャサールを遮るようにディアが一言告げる。その顔には不敵な笑みが浮かんでおり、あまりいい感じがするものではなかった。

「その前に俺と決闘してもらおうか」

 

 

 

唐突にディアからシャサに持ち掛けられた決闘。訳も分からないまま店を出て、街中にある適当な広さの場所を探しながら当の2人をを先頭に6人は歩く。

「それにしても、なんで決闘なんですか?」

シャサールが当然の疑問をディアに投げかける。一応初撃決着モードにすれば死ぬ確率は限りなく0になるが、それでも何かの拍子に死ぬ可能性は残る。そのこともあり、シャサールはほとんど決闘を経験したことが無い。

「一番手っ取り早く実力を把握できるからだ。レベルやスキルは単にモンスターを倒すだけでも上がるけど、プレイヤー本人のテクニックや判断力は実際に戦闘してるところを見ないと分からん。決闘なら直接それを確認できるし、HPの減り具合で装備のステータスも推測できるから相手の強さを測るにはちょうどいい」

「なるほど」

そうしているうちに路地裏の空き地を見つけ、そこで決闘することにする。あまり人通りの多いところでやると注目を集めるし、具合のいいことに観戦者4人が座れるほどの石段もある。

いざ始めようとシャサールが短刀を取り出すが、対するディアは意外な武器を取り出した。何の飾り気もない柄から同色の刀身が細く伸びている。《アニールレイピア》、第一層で手に入るクエスト武器群《アニール・シリーズ》の細剣で3層程度までなら十分使える良品で大抵の細剣使いは世話になっている。

「曲刀じゃない上に弱い武器って……」

手加減されていると思ったシャサールが激高しかけるが、それも一つの策かもしれないと思い直しかぶりを振る。対するディアはそれを腰に差すと鯉口を斬るかのような仕草で得物を確かめるとシャサールに決闘を申し込む。

当然《初撃決着モード》で申し込まれたそれをシャサールは受ける。ルールは単純、強攻撃の初撃がクリーンヒットするかそれ以降の攻撃でHPが半減するかした方が負け。当然降参もあるが、今回はそれで決着はつかないだろう。

「さて、行こうとしようか」

上着の裾を翻し、左手で鞘ごと細剣を引き抜いたディアはあたかもそれが自身の扱いなれた《抜剣》であるかのように鞘に納めたまま構える。

「おう、アタイの本気を見せてやっかんな!」

シャサールも短剣を構えると頭上のカウントが動き出す。

《3》

僅かにディアが腰を捻り、シャサールがどう動こうとも迎撃できるよう備える。

《2》

リーチで劣る分を速度で詰めようとシャサールは身を少し落とし、カウント0と共に走り出せるようにする。

《1》

両者が相手を注視し、初動がどう来るかを探り合う。

《FIGHT!》

「遠慮なく行かせてもらうぜー!」

腰だめに構えた短剣がディアの胸目掛けて突き出されるが、軌道を見切ったディアはそれを事も無く避ける。当然シャサールもそんな単純な攻撃が攻略組プレイヤーに通じるとは思っておらず、そこから逆手に持ち替えて連続で切り付けてくる。

「このっ!」

「ふっ」

その僅かな間隙を縫って大きく退いてディアが腰のレイピアに手をかけた、と思ったときにはすでに逆手でレイピアを抜きながらこっちの懐まで潜り込もうとしていた。

「ヤバッ!」

すかさずライトエフェクトを伴う蹴り、体術ソードスキル《スナッチ・ドロップ》で離脱と反撃を同時に行う。

「っと、危ないな」

シャサールの頬に冷や汗が一筋流れそのまま蒸発するように消える。

対するディアの方は先程回避した反撃にも涼しい顔だ。

「浅かったか。やはり斬る武器ではないと上手くはいかないな」

その言葉にシャサールが確認してみると赤いメッシュ状の傷跡と減少したHPバーが表示されていた。

あんな短い間、それこそコンマ数秒程の間に攻撃をしてから回避まで行っていたのかよ……

「攻略組ってのは、そんなのばっかりなのか?」

「今はそれほどではないが、ここまで到達できそうな連中は10人ほど居るな。それに俺の場合はもともとの経験が違うから、そこをシステムやこの世界での経験で補えば十分。さっきのもスキル云々じゃなく単純なテクニックみたいなものだから、そこをスキルで補って別のテクニックを身に着ける選択肢もある」

デュエル続行中とはいえ今回のはあくまでもシャサに興味が湧いたディアの腕試し的な側面が強い。こうして会話しているのも、そんな真剣勝負でありながら勝ち負けだけが求めるものではないからだ。

「今度は、こちらから行こうか」

腰のレイピアを抜くような仕草をすると一息で私の目の前まで近づいてきた。

「袈裟と逆袈裟」

そう言うと全くその通りに、ただしデタラメに近い速度で2つの斬撃が私に襲い掛かってきた。

「んっ!」

どうにかその二発を防御したところに追撃が飛んでくる。

「胴薙ぎ、突きから連続斬り」

「また、予告されても!」

速過ぎてどうにもならないとか言う暇もなく続けざまに攻撃を放ってくる。その後も予告付きで来る攻撃をどうにか凌ぎながら反撃してるけど、マジでキツイ。

動きが早いのもそうだけど、レイピアをまるで居合刀みたいに扱ってくるから抜いた時の攻撃がどう来るか、予告されてても目が追い付かない。

「けど、たかだかアニールレイピア!」

一撃で受けるダメージは高が知れてる、急所に当たればそれなりにダメージは出るけれど、それさえ躱したり防いだりすれば問題ない。そう考えてガムシャラに反撃をする。

「いいぞ、受ける攻撃とそうでない攻撃が分かれば手数は増やせる。とはいえ、もっと殺す気で来ないとな」

「へっ!?」

軽く言われたその言葉の直後、言葉では言い表せない嫌な予感がした瞬間にディアさんがアタシの正面から消えて懐に現れまた消えたと思うと胸に感じる違和感と共に背中から何かが飛び出して来た。

飛び出てきたソレは……。

「現実ならこれで死亡確定だな、と言ってもここじゃ死なないから安心しろ」

するりとアタシの胸から飛び出ていたのソレが、ディアさんのレイピアが抜き取られる。

この人の言う通り、現実なら心臓が貫かれて死んでいる。

「嘘だろ……アタイ、生きてるよな?」

「この世界では生きてるし、現実でも死んではいないだろうな。いくら急所に直撃とはいえ、この武器じゃ与えられるダメージに限りが出てくる。それに初撃じゃないから50%で止まる」

出てきたときと同じようにレイピアが抜かれると自分の胸にくっきりとその痕、赤く光る傷が残される。少しずつその後は消えていくけど、その一撃で勝負は決していたらしくアタシの前に《DEFEAT

》の文字が表示される。

「まぁ、俺もそれなりにダメージを受けていたがな」

そう言われてディアさんのHP、デュエルのリザルト画面のソレを見てみると確かに残りHPは半分近くまで減っていた。攻撃力という意味では、攻略組に通じてるみたいだけど……。

「けど、ディアさんの方が弱い武器使ってたし、実質アタイのボロ負けじゃんか」

「そこは対人戦のハンデというところだな。心臓や首みたいな急所は武器の攻撃力以上にダメージが通るから狙えれば有利になる。それに純粋な戦闘経験で俺より上のプレイヤーはアインクラッドにいないだろうし、真正面からやり合えば俺より強いプレイヤーは少ないだろう」

だが、とそこでいったん言葉を区切る。

「スキルやステータスを組み合わせればひっくり返る。俺のAGIはノエルより低いからヒット&ウェイで動かれればになったらジリ貧だ。シャサールにも懐に入られてその間合いを維持されたら武器を抜きづらいし、体術スキルを使うか逆手で戦う羽目になるからソッチの方が有利だ」

思い返してみれば、ディアさんが攻撃に移るときは一回バックステッップしてたっけ。

その時深追いしちゃまずいと思ったけど、短剣の間合いは細剣の内側だから一発喰らうつもりで踏み込んでればその後の連続攻撃は防げたのか。

「なるほどなー」

「勉強になるわね」

いつの間にか隣で聞いていたアネットさんも頷いている。

「そういうわけで、まずは相手の武器を見ることですね。この世界で戦闘は手元にアイテムを持たなければ始まりません、攻撃手段である武器を見てそこからどんな攻撃が来るか想像するのは、これから先も必要になってきますよ」

ディアさんの話を引き継ぐように、エリスさんが楽しそうに話し出す

あれだ、ネトゲ特有の他の人に情報教えたりして強くなるの見るのが楽しい人だ、そんでそのうちパーティとかギルドに勧誘……あたし達レベルじゃされないか。

そう考えているとディアさんが意外なことを言ってきた。

「それについては俺もエリスに教わる身だからな。武器特性とかソードスキルは良く分からんし、ブレスみたいなのはどのモンスターがやるかも分からない。というわけで、後は任せた」

「え? ディアさん教えてくんないの?」

「生憎、モンスターの特性ついては専門外だからな。基本的に見たものに対処して戦闘するから、たまに変な攻撃方法持ってるのにソロで当たるとオレンジまで減らされるのもザラだし」

「へー、あんなに強くてもそんなことあるんですね」

ルチアの意見と同じく、強い人も苦戦するときあるんだな。

「むしろ、ディアさんの場合は知っていれば注意するけれど、知らないと痛い攻撃に弱い感じですね。カウンターへの派生も考えて武器防御を鍛えているという一面もありますけど、範囲技はガードの向きとかで削られる量も変わりますから」

「変に戦いなれている分、ゲームの仕様に振り回されるてるよね」

現実とゲームの違いってことか。なんかディアさんも明後日の方向いて誤魔化してる風だし、ゲームならではのところを上手く使えば追いつくのも無理じゃないんだな。

「よし、改めてお願いします。しばらくの間ディアさんたちのパーティに入れて、鍛えて下さい!」

「で、どうするの?」

ノエルが悪戯な表情を浮かべ、エリスが俺を小突いて結論を促す。動きは粗削りだがこの世界ではシステムアシストがあるぶん経験を積んで動きがよくなるのが早い、それに俺たちのパーティに入れてしばらく最前線付近で鍛えればいいところまで行くか?

「動きは悪くないし装備やレベルも最前線近くに行ける、しばらく一緒にいてみるか」

「ディアさんが攻略組以外のプレイヤーと積極的にかかわろうとするなんて珍しいですし、せっかくの機会ですから2、3日一緒にいてみましょうよ」

そういうわけで、シャサにパーティ招待を出す。

一度ルチアたちのパーティから外れたのち、今度は俺たちのパーティに入って移籍は完了。

「そういうわけで、ちょっとの間お世話になりまーす」

心配そうな、呆れたような表情のアネットとルチアの姉妹だが言っても無駄だとはわかっているのか何も言わずにその様子を眺めていた。




ドーモ作者です

今回は少しばかり短い間隔での更新となりました。
…レイニーイベントでようやく天然の14弓が実装されましたね
自動追撃は面白いですが、作者は手に入れていないので使用感分かる人いたら教えてください。

というわけで前回からSAOEWのオリジナルキャラクター、アネットとシャサールが参戦しています。
インテグラル・ファクターもちょこちょこ触っているので、ソッチでアインクラッドの様子見なが書き進めていきます。

で、また次回。
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