PSO2×SAO VR世界に入り込んだ守護輝士   作:のーん

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投稿ミスしてしまい申し訳ありませんでした。


第18話 鍛える剣士

その場で6人が互いにフレンド登録をすると、ルチアたち3人も主街区に泊まるというので明日の集合時間と場所を伝えておく。パーティの人数的にはちょうど6人になるので、シャサだけでもいいしルチアとアネットを加えてもいい。SAOの経験値はアークスのそれと異なり人数割りのため効率は落ちてしまうが、3人にFFの攻撃を取らせれば育成に問題はない。

 

 

ディアたちのパーティはシャサール達3人と別れた後、まだ日昏迄時間があるので誓うのダンジョンに潜ってレベリングをしていた。

 

「フンッ!」

ディアの曲刀が小型の狼《ゴブ・ヴォルフ》を両断し、そのポリゴン片を突き破るようにしてエリスとノエルのソードスキルがその奥にいる痩躯のゴブリン《ハンドラー・ゴブリン》目掛けて放たれる。

その後を追うように一気に間合いを詰めるとディアが逆袈裟切りにゴブリンの胴体を斬り付けるが、HPを削り切るには至らず、ゴブリンは手に持った長杖を槍のように扱いソードスキルを放とうとする。

「させないよっと」

それをパリングしたノエルが硬直状態のゴブリンに二連撃ソードスキル《ツイン・スラスト》で止めを刺し、ひとまず今いるフロアのモンスターは全滅させた。

ノエルとエリスはそこそこの経験値の量が入っており、明日の狩りも含めれば次のボス戦までにはレベルを1つ上げられところまで見えていた。が、ディアはそうもいっていないようだった。

「経験値が、低い!」

いままでのパワーレベリングが祟ったのか、6層に入ってからというのも全くレベルが上がる気配が無い。そもそもアインクラッドの階層ごとの適正レベルは階層+10以上、ダンジョンに入るプレイヤーはそこから安全マージンを取って最低でも15程度、攻略組はそこからさらに上げられるだけレベルを上げて階層+20程度が攻略組の平均値になっている。ノエルやエリスはちょうどその周辺に位置している一方、ディアは普段の癖で敵がリポップしなくなるまで倒し続けたり、ソロでモンスターが密集する場所に突っ込むなど若干異常な方法でレベリングしたせいでそれを遥かに上回るレベル36。

 

「前にもお話しましたが、カーディナルシステムによる調整なので解決法はありませんね。せいぜい、クラリッサのクエストのように報酬経験値の多いクエストをやるくらいでしょうか」

エリスの言うカーディナルというのはこの世界、SAOの管理用AIのことで自律的に諸々の機能を調整してゲームバランスを維持し、それ以外にもNPCやクエストの生成も行っているらしい。

その機能によってあまりにも効率的な狩場やプレイヤー間の軋轢を生みかねないシステムに手を加え、人の手が無くともサービスとしてSAOが存続できるようにする。茅場晶彦がこの世界の創造者なら、カーディナルは調停者といったところだろうか。

「レベルを上げ過ぎるとマイナス補正が入るというのは下層を荒らさないようにという配慮で分かるんだが、それにしても限度があるだろう。5層じゃ一日狩ればそれなりだったが、この層に入ってからは大分厳しくなったな」

「私たちはそんなことないけどね」

「ディアさんのレベルが高すぎるんです、この分だと10層近くまでレベルは上がりそうにないですね」

10層、【仮面】が言っていたフロアまでレベルの上がりようが無いという事はそれはそれで問題がある。何が起こるか分からない以上可能な限り態勢を整えたいディアにとって、ソレが意味するのはレベリングよりも装備を充実させるべきという事だった。

「誰か腕のいい鍛冶屋が居ればな」

滅茶苦茶なレベリングの副産物としてレアリティを問わずディアのストレージには大量の素材が眠っている。クエストの報酬は例外だが作ろうと思えばほとんどの武器は作ることができるだろう。

ただ、NPC鍛冶屋ではそれを扱えないことがネックとなりほとんどが死蔵されている。これは攻略組共通の問題で、装備できるかは別として素材はあるが作れない武器による戦力の頭打ちは誰しもが抱えていた。

「なら、アルゴさんに訊いてみてはどうでしょうか。情報屋の彼女なら腕のいい鍛冶屋の一人や二人……」

「後払いで頼んでいるけど連絡は無いな、ジグがいれば武器の1本や2本素材を用意すればすぐに作ってくれるんだが」

アークス最高の鍛冶師、創世器すら打ち直す名工の姿を思い出してしまう。ディアリーンとして振るうカタナとバレットボウ、オフスティアガランとガイルズオービットも彼が作った業物だ。

彼ほどとは言わぬが、持ち込んだ素材を断ることなく武器にできる鍛冶屋が居ればいいのだが。

「なかなか難しいね」

その後もダンジョンを進み、最奥の部屋にあった宝箱からまとまった額のコルを回収できた。

未踏のダンジョンではなかったが、運よく宝箱がリポップしていたようだ。

「ふぅ、今日のところは引き上げるか」

「そうですね。明日は迷宮区に行くつもりでいますし、早めに休みましょう」

時刻は18時を回ったところ。冬で日が短い今はフィールドも暗くなり、よほど開けた場所でなければ常に奇襲を警戒する必要がある。《索敵》を鍛えてすぐに習得できる《暗視》ならばある程度暗さは軽減されるが、日没間もない今のうちに主街区近くまで戻った方が良い。

 

 

 

「よっ、待ってたよディーさン」

ダンジョン近くの村から転移碑で主街区戻るとすっかり聞きなれた特徴的な声がディアたち3人を迎えた。3人がダンジョンから戻ってくるのをフレンドリストから確認して来たのか、そんなに待っていたようではなかった。

「アルゴか、お前の方から直接会いに来るなんて珍しいな」

「最近はメッセ越しだったからナ、たまには俺っちが直接顔を見てやろうと思ってきたわけサ」

ディアの記憶が確かなら最後に顔を合わせたのは6層を開放したときだから大よそ10日ぶり、フレンドリストで互いに生きていることは分かっても多少は心配になってくる時期だ。現実ならばビデオチャットなどで対面することもできるがココでは音声通信すらできない、確実を期するなら対面が一番良い。

「というわけで、ディーさん待望の情報を持ってきたヨ。腕のいい鍛冶屋だ、一人はゴツイおっさんでもう一人は女の子、どっちが良イ? ちなみに女の子の方が情報量は高いヨ」

「高い方を買おう」

値段を聞くことも無く即答だった。それを見ていたノエルは引いていたが、エリスとアルゴはにやにやと笑ってディアを眺めていた。もっとも、その理由は全く異なるものだ。

「毎度アリー、というわけで5000コル」

早々と情報を売買するとノエルがディアに突っかかってきた。

「なんで女の子の鍛冶屋さんが良いの!?」

「別に女だから選んだわけではない、とも言い切れないか。お前たちが頼む時のことを考えるとゴツイ男よりは頼りやすいというのと女性同士のコミュニティを広げる意味もあるからな。とはいえ、腕がいい鍛冶屋を優先しただけだ」

へ? とでも言いたげなよく事態が把握しきれていないノエルにディアが説明を続ける。

「基本的に情報の価値はそれを知っている人間の数に反比例して、その必要性に比例する。だからクリアされたばかりのクエストや必須になるアイテム関係は高くなる、これは分かるな?」

「うん」

「これを今回のに当てはめると俺が欲しい《腕の立つ鍛冶師》の情報はおのずと高くなる。元の絶対数が少ないしその中でもアルゴが俺に売れると確信したものだから更に値は上がる」

コクコクと頷くが、合点行かないような表情をしてノエルが言う。

「でも、女の子の鍛冶師だって少ないよ。女性プレイヤーの数だって少ないもん」

その点でもノエルのが納得しきれないのは一理あるが、今回ディアが欲しがったのはあくまで腕の立つ鍛冶師の情報。性別も何も指定していないし、アルゴもそこに値を付けたわけではない。

「そこはアルゴへの信用度だな、女という付加価値で値を吊り上げようとしていないことと俺に推薦した鍛冶師がそんなことで客を得ようとする人物でないという2つのな」

鍛冶師のことを上げたことで、少し考えてからノエルもようやく合点がいったらしい。

エリスがナビゲーター、アルゴが情報屋、ディアベルがナイトを自称しているように職業(クラス)制ではないアインクラッドでは自分の行動やスキルビルドで自分の在り様を決めることができる。

この層でディアが求めている鍛冶師というは文字通りトップクラスの腕を持つ鍛冶屋、そこまでスキルを上げるには鍛冶屋という在り方でこの世界を生きていくと決めたプレイヤーだろう。そんな人物が自分の腕以外の部分で客を得ようとしているとは考えにくいからこそディアは単純に値が高い鍛冶屋を選んだ。

「だけど、もし違ったら?」

「そこは俺とアルゴの眼が節穴だった言う事だろう、ついでにアルゴは女の情報は高く売るという噂を広める」

「ソレはオレッちの情報屋としての信頼に関わるからやめて欲しいナ。 勝手にそんなことしたら、仮面のNPCに関わる情報はもう売ってやらないケド」

普段の態度を崩さないところを見ると本当に腕が立つ鍛冶師なのだろう。

とりあえず、アルゴにはその鍛冶師との連絡を頼んで名前を聞いておく。

「んで、その子の名前はリズベット、スペルはLisbethだ。 いつ頃なら会えるんダ?」

「急で悪いが明日の午前中、出来れば朝がいいと伝えてくれるか。昼頃に先約が入っていて、出来ればその前に作成と強化を頼みたい」

急なことが重なったため、相手には無理を押し付けることになる。

とはいえ最前線に初めて赴くプレイヤーが同伴する可能性を考えると装備は一番良いものをそろえたいというのも事実、朝に来てもらえなければ夕方になるだろうか。

「それなら5層主街区の鍛冶屋に9時でどうだ? アソコの鍛冶場はプレイヤー向けにも開放してるし、最前線のココと違って混まないゾ」

「わかった、9時に5層だな。念のため、俺と彼女に場所をメッセで送っておいてくれ」

「あいヨ」

すぐに簡素なメッセージからアルゴから送れ、あて名でリズベットにも送られていることを確認する。

同じ内容を見ているのでまず別の場所に行くことはないだろう。

「じゃーなー。ディーさんは女の子だからって鼻の下伸ばすような真似はしないと思うけド、怖―いパーティメンバーに刺されないようにナ」

「肝に命じておこう」

苦笑しながらディアが答えると最後にニヤリとした笑みを浮かべてアルゴは去っていった。

エリスとノエルは一瞬後に自分たちのこと言われたのだと察し、ディアが女性鍛冶師と対したときにどんな対応をするのかを各々想像してしまった。ノエルは頭を振って無かったことにし、エリスは相手によりけだと考えるのを途中でやめたが、同じ女性として生産職を選んだプレイヤーには興味がある。

「かわいい子だといいな、あんまり姉御肌みたいな人は苦手かも」

「会ってみないと分かりませんけれど、鍛冶師というからにはこだわりが強そうというか、頑固なところがありそうですね」

勝手な予想を広げる二人とともに宿屋に帰る。ディアの方は相手の性格よりもいい武器を作ってもらえればそれで良いので、二人から声をかけられても適当な返事で誤魔化していた。

 

 

 

翌日早朝、普段通りに目を覚ましたディアは主街区内で軽い準備運動をすると、フィールドで軽く狩りをしていた。数体のモンスターを倒してその日の体調を確かめると街に戻り、コーヒーを飲みながらノエルたちが起きてくるのを待つ。

「おはよー、今日も早いねー」

「おはようございます、ディアさん」

「二人とも、おはよう」

起きてきたノエルとエリスと朝食を取ると5層の主街区、約束している鍛冶場へと向かう。

時刻は8時半、予定の時間まで30分ほど余裕があるので近くのNPC鍛冶屋で今使っている装備をメンテしたり、消耗品を補充し時間を潰す。

そうして約束の時間少し前、鍛冶場に戻ってくるとあるプレイヤーに声をかけられた。

「ええと、アンタ、じゃなくてあなたがディアでいいのよね?」

「いかにもそうだが、ソッチは?」

声をかけてきたのは濃い茶髪の女性プレイヤー、年はノエル以上アスナ程度といったところか。

「まずはアタシから名乗るべきだったわね。リズベットよ、呼びにくかったらリズでもいいわ」

「そうか、アルゴから話は聞いている。ディアだ、こっちがエリスとノエル。よろしく頼む」

まとめてこっち呼ばわりされた二人は若干不服そうだが改めて自己紹介をしている。

その間にディアはいくつかの鉱石アイテム、NPC鍛冶屋で扱いを拒否されたものをレア度の低い順にソートして準備していた。

「えっと、自己紹介を終わったことだし本題に入ってもいいかしら? いい武器を作りたいって聞いてるんだけど、ちゃんと素材やお金はあるの?」

言い方は少し悪いが、彼女の言うことも一理ある。基本的にディアの装備は実用一辺倒、ノエルやエリスも似たようなもので見た目にはあまり高価なものには見えない。そうなると、代金や素材の心配をする気持ちも商売人としては湧くのだろう。

「素材はここのリストの中でお前が扱える最高のモノを、ステータスはAGI・STRで耐久値は並程度あればいい。要求ステータスは今のこれの2割増し程度といったところか」

 

 

 

そう言った彼、ディアからいくつかの素材名が書かれたらしきメモと今装備している武器が私に手渡される。アルゴさんからの紹介だから来てみたけれど、女の子2人連れの男という時点で若干警戒している、ついでに装備はどことなく褪せたような藍色であまり良いものには見えないし、武器もシンプルを通り越して初期装備並みに簡素な外見。

そのことが表情に出ていたのか、苦笑いのような表情を浮かべた彼からメモと武器を受け取る。

っと、さすがに重量はあるわね。持った感じ要求ステータスはAGIかしら?

「えっと、武器名は《リヒトシミター》ね。武器のステータスはと……」

一応《鍛冶師》スキルにはオブジェクト化された武器を持つときに限って要求ステータス無視の補正がかかる、そして《鑑定》スキルさながらに他人の武器でもステータスを覗き込めるんだけども……。

「何これ!? こんなステータスの武器初めて見たわよ!」

思わず驚きの声を上げてしまう。鍛冶師になってからガムシャラに色んな武器を作って、色んな人から依頼を受けて来たけれどもココまで要求ステータスの高い武器は初めて見た。お客の中には攻略組と呼ばれる人たちもいたけれど、その人たちの武器より要求値で言えば一回り上、レベルで言えば確実に5以上高くないと装備できないはずだ。

「フィールドボスのドロップ品を限界まで強化したものだ。ステータス的には一級品だが、これより上のものが作れるなら頼みたい。」

ボスのドロップ品でこのクラスの武器、ってことはやっぱりこの人たち攻略組、しかも絶対にトップクラスのプレイヤーだ。

「それはいいんだけれど、私の手持ちの素材じゃこの武器より上っていうのは無理よ。一応リストの方も見てみるけど、場合によっては別の素材を集めてもらわないとダメだから」

よし、いつもの私だ。武器ステータスと依頼人で少しびっくりしたけれど、落ち着いてきた。

それにしても、このディアって人良くもこんなに素材を集めたわね。クエスト報酬は別として拾えるものは半分以上、ドロップアイテムならほとんどがリストに載っている。中には私が名前を聞いたことも無いような素材もあって、そこから作れる武器には魅力を覚えるけれども、職人としまずは目の前の依頼をキッチリやらないと。

「えっと、今ある素材から作れる武器だと……、こんな感じのになるわね」

今あるものをベースに幾つかの素材を足して作れる武器を提示する。

AGI/STR軸の曲刀で要求値も大分高い、この人以外に装備できそうな人はいないだろう。

「良い武器だな……要求値もギリギリだが足りている。強化をしていけば長く使えそうだ」

表情一つ変えないまま、だけれども満足そうな声色で頷くと素材が記されたリストを受け取る。

面倒なフィールドボスやレア系の素材は殆ど揃っていたけれど、一つだけ大量の素材が必要になっていた。

「問題は《粘生物の核液》ね、スライム系の素材で微妙にレアな奴。それがあと20個ほど必要になるわ」

スライム系のモンスターはダンジョンに入ればすぐに出て来るけど、正直言って面倒くさいモンスターなのよね。核以外はダメージの通りが悪い上に軽度とはいえ状態異常持ち、しかも複数で出てくるから狩りづらいったらありゃしない。

 

 

 

「20か、今日中にどうにかなりそうだがスライムは迷宮区に出たかな」

最新版の攻略本とエリスが仕入れてきた情報をまとめた手帳をめくる。迷宮区でシャサールのレベリングをする都合もあるし、場合によっては夜中に一人でという事も考えておくか。そう考えつつ迷宮区の出現モンスター一覧をなぞると数は少ないながら出現はするようだ。

「あっ、今日中が無理なら揃ったときでいいわ、他の攻略組のお客さんも最近はあんまり来てないからボス戦はまだ先みたいだし。そもそもフロアボスの部屋がまだ見つかってないでしょ」

急かしたと思ったのか、リズベットが慌てた様子で言ってくる。

とはいえ良いものが手に入るならなるべく早く手に入れたいのがアークスの性な上、現実ではコレクトファイルというもので期限に追われながら同じ武器を6本集めるという行為に慣れつつあることでその程度は急かされているうちに入らない。

「気にしないで大丈夫だよ、リズさん。この人、ディアはそういう必要な苦労は気にしないタイプだから。逆に理不尽なことはすぐに文句言うけどね」

「コイツの言う通りだ、急かされてもお前にも事情があるのだろうし、別に今すぐにと言われたわけでも無いからな。それにここに呼び出したのは俺の都合だし、少しくらい無理な要求は聞くつもりだったさ」

逆に必要な素材を絞り込めたのでありがたいくらいだ。

「そ、そう? いやぁ、てっきり変な人かと思って緊張しちゃって……。ごめんなさい、今のは無かったことに」

「クククッ、素直な奴だ」

はた目から見れば大人の男が少女二人を連れているのだからそう思うのも無理はない。

その上目立たないとは言えキャスト系特有の虹彩は近くにいる人間には違和感を感じるものらしく、そのせいもあるのだろう。

「いやぁ、私やノエルを連れて歩いている時点で大分変人の部類ですよ。私たちは変に男性プレイヤーが寄ってこないのでいいですけど」

「そうそう、アスナさんもキリトさんと一緒にいると男の人から声かけられないから楽って言ってたし」

どうも、俺の身近にいる女子たちは今の状況を彼女たちになりに楽しんでネットワークもできているらしい。

「あっ、そのアスナって娘私にも紹介してくれない? 生産職とか商業職ってなかなか前線にいる女の子と触れ合う機会がないのよ。《攻略組》の子ならコルもいっぱいあるだろうし、今の内から付き合っておけば後々素材集めとか頼めるし、そっちにもいい服や装備が行くんだからいいでしょ」

さすがは商人、客と金の匂いには敏感だな。とはいえあまり長々話しているとシャサールとの集合時間に遅れそうなので、適当なところで切り上げるとともにフレンド登録をして別れる。

ついでにフレンドリストを確認してみたのだが、意外にも男女の比率はほぼ半々だった。個人的にはノエルとルチアを除いた付き合いは男性の方が多いと思っていたが、よくよく考えてみるとエギルやディアベル、クラインといったパーティ・ギルドリーダーを介した付き合いのため、フレンド登録した人数はエリス経由の女性プレイヤーの方が多いようだ。

「じゃあ、次のご用命をお待ちしてます」

「あぁ、次合う時には素材をそろえておくからよろしく頼む」

少女鍛冶師に別れを告げ、次は少女剣士とレベリング……。

マトイやイオのことを思い出すが忘れよう。特にイオとは同じブレイバー同士で先輩後輩関係という事もありよく組むのだが、時たまそれを男性のチムメンやアフィンにからかわれた。

自分のことを昔と変わらず先輩と慕ってくれる小柄なデューマンの少女は今頃何をしているのだろうか。

 

 

 

「ヘックシ!」

「あれ? どうしたのイオ? 風邪でも引いた?」

「いや、急にくしゃみが。誰か俺の噂でもしてるのかな」

アザナミさんとブレイバーのスキル構築についてベースになるものをあれこれ話していると急にくしゃみが出てしまった。風邪な訳ないし、花粉症でもないから何か鼻に入ったのか?

「今日は暖かくしときなよ、だいたいイオはいつも薄着なんだから。もうちょっとフワフワの暖かそうな恰好したらいいんじゃないの?」

フワフワの恰好、絶対似合わない。今は冷凍睡眠しながら治療中の先輩とかはお世辞で似合うとか真顔で言うだろうけど、似合わない自信がある。

 




投稿ミスしてしまい、あまつさえ読者にそれを指摘されるまで気付かないという醜態をさらしてしまい申し訳ありませんでした。

次回以降は気を付けますので、これまでと変わらぬご愛顧のほどよろしくお願いします。
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