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一名の死者があり、ボス戦後のひと悶着も含めて波乱づくめだった10層攻略戦から早くも1か月半。ゲーム開始から数えるとほぼ半年が経過し血盟騎士団という強力ギルドの登場やそれに触発された他ギルドの競争意識、10層以降解放されたスキルや1ランク上の装備など様々な要素が攻略を加速し、攻略の最前線は23層に到達していた。
「それでは、各ギルドのレベリング場所の割り当てと時間の取り決めについての会議はこれで散会とします。エリスさんとアルゴさん、攻略本や掲示板での周知をお願いしますね」
「あいヨ」
「お任せください」
《血盟騎士団》副団長アスナの散会の言葉で三々五々、各ギルドや一般プレイヤーの代表者が会議の場となっていたレストランから出ていく。その場には《星辿旅団》団長のディアと副団長エリスが残り、そのままアスナを昼食に誘っていた。
「それじゃあ、ご一緒します」
「では適当に頼もうか」
新興ギルドの副団長と中堅ギルドのトップ2名、自然と話はその運営の話になる。
「団長はこういう場にはめったに来ないから、体よく面倒を押し付けられている気がするのよね」
「うちのも似たようなものですよ。指導や新入りの育成は引き受けてくれるんですけど、細かいことは私にやらせてばっかりで」
それを横で聞いている本人は苦笑しつつも応じる。
「こっちも副団長が連れてくる新人の面接や攻略本の最新版作るためのダンジョン探索に何度も潜って、宝箱の中身まで記録させられているがな」
そんな軽口を叩く二人を少し複雑な表情で見つめるアスナにエリスが気付く。
「キリトさんとまだ仲直りしていないんですか?」
コクン、とアスナが頷いくとそのまま下を向いてしまう。
アスナがKoBに入団した時、それまでコンビを組んでいたキリトも誘ったのだが彼はそれを拒否。
その際に自分が攻略第一で物事を考えるあまり、キリトに攻略を考えていない能天気だのコミュ障のゲームオタクだの、半ば事実のような気がするものも含めてこれまで溜まっていた怒りもぶつけてしまった。
結果、売り言葉に買い言葉でキリトもこれまでは我慢できていた些細なことや過去の無茶っぷりをぶつけ、お互い喧嘩腰でのコンビ解散となったのだ。
「まったく、まだまだ子供というか、羨ましいというか」
アークスをやっていると口や性格が悪くとも腕のいい奴と我慢して組むことや、長い付き合いの者でも不満が出てくる。それはそれで流してしまうのも人付き合いだし、互いに言い合って不満をリセットすることもある。
今の2人はその半端、これまでの付き合いを流すこともできないし、かといって言い合いでリセットできたわけでもない。それどころかディアたち3人やアルゴのように相応と付き合いのある友人からは互いに未練があるようにしか見えない。
「今度のボス戦までには一度話した方がいいぞ、フレンド解除まではしていないなら居場所は分かるだろう?」
「けど、今の私は立場が……」
KoB入った後、実力や統率力もあってアスナはすぐに副団長に抜擢され、先のようなプレイヤー間の調整に入ることも多い。そんな自分がソロの、しかも元ベーターと個人的なことでも二人きりで話せば何か疑われるのではと心配するアスナをディアは一言でねじ伏せる。
「知らん、自分の不始末くらい自分で始末しろ。キリトにも同じように言ってあるから個人でどうにかしてくれ」
「で、ですよね」
珍しく有無を言わせぬ態度のディアにノエルも頷くしかない。
ディアも本音を言えば二人が元鞘に戻ることを願っているが勝手にこじれた部分まで修復する手伝いをするつもりはない。
運ばれた食事を食べ終えるまで終始無言となった3人だが、食後のコーヒーを飲み終えるとディアは一言残して席を立つ。
「まぁ、伝言役と場所探しくらいなら手伝ってやる。決心がついたなら、いつでもうちのギルドに来い。それならソロプレイヤーと会うより理由がつけやすいだろう」
普段と変わらぬ調子でそう言って、エリスを連れて店を出る。
あとに残されたアスナはどうディアに頼もうかと悩みながらケーキをつついていたが、そもそもキリトと会う決心がつかないことに悶々としていた。
《第22層》樹照平原、光を放つ果実や花を持つ樹木がまばらに生えるココは夜間でもある程度の明かりが確保でき、広いフィールドで狩場を気にせずそれなりの経験値を拾えることから第23層が解放された後もそれなりのプレイヤーが昼夜問わずレベリング励んでいた。
「これで70体、今日はこれくらいにしておくか」
「そうだね、ディアたちも会議が終わるころだろうしちょうどいいかも」
キリトの横にいるのは《星辿旅団》のノエル、旅団のメンバーでレベリングに来ていたところを偶然居合わせたノエルが強引に誘ってパーティを組んでいたのだ。
「さすがはトップソロ、私なんかよりよほど腕が立つわね」
私もあなた位強ければ、とアネットが言いかけたところを遮るようにルチアが姉に声をかける。
「他人と比べちゃ駄目よ、姉さんだって強いんだから自信をもって。そうじゃないと、自分の不幸だって吹き飛ばせないんだから」
その様子に苦笑いを浮かべるキリトをノエルが小突く。
「大丈夫、いつものことだから気にしないでいいよ。それより、キリトさんはまだ喧嘩中?」
「別に、喧嘩ってわけじゃ……」
「それなら、今から会いに行く?」
「用事がないからいいよ」
はぁ、キリトさんとアスナさん、変なところで頑固だよね。
ディアからは様子を聞くくらいにしておけって言われてるから我慢するけど、やっぱりどうにかしたい。だけど二人が自分で解決しないとまた喧嘩しちゃうかもしれないし。
「ごめんなさい」
「いや、俺の方こそ変に気を使わせて悪いな。そのうち、どうにかするよ」
苦笑いを浮かべるキリトさんはどこか寂しそうで、自分でもどうにかしないといけないことは分かってるみたい。あとは、切欠かな。
「ノエル、そろそろ戻ろう」
アネットさんとルチアちゃんとの話も一段落したみたいだし、帰ろうかな。
キリトさんはどうするんだろう?
「じゃあ俺はここで、この近くの村に宿をとってるんだ」
「それじゃあ、そのうち」
キリトさんみたいにものすごく強い人でも、この世界では明日あっさり死んでるかもしれない。
それでも、生きていればそのうち会えるという望みを込めてノエルたちとキリトは別れた。
一人で宿屋に入り、武器や防具の耐久値、消費したアイテムの数量を確認して修復や補充をすると途端にやることが無くなってしまう。1か月ちょっと前までであれば隣室か同室にいた相棒と何かと話したりもして、食事やちょっとしたクエストに出たりすることで何かをやっていた気がするのだが、それをする相手もいない。
「ちょっと、時間潰しのクエストでもしてくるかな」
経験値とコルの割がよさそうで尚且つまだ行ったことのないフィールド、そんなクエストがないかと探してみるとちょうど良さそうなものがあった。
《風鳴りの小路》で《猫凪の花》10個の収集、大分下の11層のダンジョンが目的地だが記憶が正しければまだ行ったことがないはずだ。手元の攻略本を開いてみるとちょうど欲しかった強化素材もドロップするらしく、今の自分にうってつけのようだ。
「行ってみるか」
そう思ってフィールドに降りてから2時間ほどで無事に素材集め兼暇潰しのクエストは完了した。
クエストの方はすぐに必要数が集まったのだが素材集めは思ったよりも時間がかかってしまったが、高効率レベリングのせいで最前線のモンスターともソロで戦えるレベルまで達していたこともあって普段と違う気楽な狩りを終えた俺はさっさと帰ろうとした時、奥のダンジョンからモンスターの群れに追われてくるパーティと遭遇した。
目視の前に《探知》スキルでそれに気づいていた俺は小路に隠れて様子をうかがうっていると最初は大変だな、と思っていたのだがパーティの構成と彼らのHPを見て少し手伝おうと決めた。
盾持ちメイス1人にシーフらしき短剣使いと棔使い、それに長槍使いが2人。盾持ちメイスの代わりになる前衛プレイヤーがおらず、タンクである彼が後退するとそのままズルズルとパーティ全体が後退すること必至なのはソロの俺から見ても明らかだった。
「少しマナー違反だけど、仕方ないよな」
小路から飛び出てリーダー格らしき棔使いに声をかける。
「良ければ、ちょっと前支えていましょうか?」
急に現れて助力を申し出る俺に一瞬怪訝そうな顔をするが、すぐに頷いて返事をする。
「すみません、ちょっとの間お願いします」
一応素材集めという目的があるのだが、適正レベルよりも大分低い層で高レベルプレイヤーが狩場を荒らすのはあまり褒められた行為ではなく、最悪は非マナープレイヤーリストに晒される可能性もある。それに、このパーティの5人から何か言われるかもしれない。
そんな気持ちから初級から中級程度のソードスキルに限定して攻撃も少し手を抜いてわざと時間をかけ、5人と共にゴブリンを討伐した。
そうしてピンチを乗り切った彼らの喜びようはまるでボス戦でも終えたようなもので、ファンファーレでも聞こえてきそうなものだった。
その後、成り行きで彼らと共にダンジョン外までついて行ったキリトは食客のような形で彼ら5人のギルド《月夜の黒猫団》と関わることとなる。
同時刻第23層外縁近くの村、ディアは両手に素手スキルにバフの付く手甲と大剣を装備して《星辿旅団》のメンバーと対峙していた。
無論、喧嘩というわけではない。初撃決着モードの決闘で対ファルス・ヒューナル戦に備えた模擬戦おこなっているのだ。
「ふんっ!」
「ほっ!」
ノエルの斧槍がディアの胸に直撃すると背中の大剣を抜き、軽く振ってから一気に距離を詰めながらの突きを放ち、それを防いだノエルへ薙ぎ払いで追撃する。見た目は重そうな大剣だが、下層で売っている低級品のためディアのSTRであれば片手でも振り回せる。
「後ろがガラ空きー!?」
考えが甘いとばかりに後ろ回し蹴りがノエルに炸裂し派手に吹き飛ぶ。ギリギリで武器防御には成功したようだが自身とディアの蹴り、双方の勢いが合わさったことで勢いよく吹き飛ぶこととなった。
「剣を抜いたからとそっちに気を取られるな、蹴りはいつでも使ってくると言っただろう」
「言いながら突っ込んで来ないで!」
態勢を崩したノエルに再びディアの突きが炸裂、転がるように回避に成功したものの続く薙ぎ払いからの連続斬りを防ごうとしてさらに体勢を立て直すまでの時間が伸びる。
「ハァッ!」
そこ目掛けて黄のライトエフェクトを伴って跳び蹴り、体術ソードスキル《衝雷》を放ったディアが真っ直ぐ突っ込んでくる。直線的な上に多少の溜めがあるため当てるにはコツのいるソードスキルだが、直撃に防御低下+短時間の麻痺と2重のデバフがあるうえ空振りしても至近への衝撃波で小型モンスターへの足止めが効く。
「ヤバ」
便利ながらも対人戦では避けられがちなこの技も今のノエル相手ならば効果範囲から逃げる余裕も与えず、ついでにヒューナルの真似ということで放ったそれをモロに受けたノエルは妙に鈍い胸部への衝撃と浮遊感を味わいながら再び吹き飛んでいった。
「やーらーれーたー」
吹き飛んだ方向にあった藁束に埋まったノエルを引っ張り出して、先程の決闘の反省会を始める。
「やはり咄嗟の判断がまだ追いつかないようですね、見てから武器防御するまでのいいですがそこからの動きがつながっていません」
エリスの論評をノエルがじっと聞いている。対戦していたディアは既に2戦目、アネット相手に先程同様ヒューナル擬きのスタイルで決闘を始めている。
「やっぱり経験の違いかな、ディアみたいにその場その場で良い方に動くっていうのはさすがに無理だけど、次の動きをいくつか考えておいて……」
「ノエルの場合は難しいことを考えるより、何かあっても動けるようにする方がいいかもしれませんね。あなたの強みはすぐに動ける身の軽さと危機察知能力の高さです、頭で考えて行動を制限するよりはいつでも動けるようにした方がノエルらしく戦えると思います」
「目指すは猫だね、あんな感じでシュッと動けるようにすれば色々できる気がする」
自分の得意をどう伸ばすか、そこに関しては自分で方法を考えて鍛えるしかないのでエリスに頼んで何度か防御の練習を重ねるノエルを横目に、旅団のメンバーはトレーニングを続ける。
そうしてしばし過ごしたのちにダンジョンで軽く経験値稼ぎと装備強化用のアイテムを収集する。ここ最近は個人のスキルアップを目標にしていることもあり、そんな風にして一日を過ごしている。
そうして過ごしているうち、23、24層のボス攻略戦が行われ25層に到達した。
5の倍数フロアであることに加えて全体の1/4、クォーターポイントに当たるこのフロアはこれまで以上に強力なボスがいると予想されたが、その正体は早々に露見することになる。
フィールドを行動していた《DKB》のパーティが謎のNPCに襲われた、その情報を耳にしたアルゴは真っ先にディアのもとへ情報を売買しようと押しかけていた。
「で、《DKB》の連中の話を基にオレっちが描いたのがコレだヨ」
「ふむ」
アルゴのイラストには血のように赤い目をした黒い岩のような身体を持つNPCが描かれていた。
ディアにとっては久方ぶりに見る一方で、見慣れた姿のそれについて詳しく聞きたいとアルゴは訪ねてきた。
「《DKB》の話を聞いたということは、此奴が何なのか知っているんじゃないのか? あそこのギルマスはこいつを直に見たことがあるんだからな」
「それは初耳だけど、周りの連中が訊くなら旅団のディアに訊けとうるさくてココに来たんだヨ」
まぁ、これまでのボス戦含めてPSO2関連の件は基本的にコッチに投げられてるからな。
「《ファルス・ヒューナル》、ダークファルス【巨躯】の戦闘態だ。四肢を使った体術スキルと大剣による攻撃、それに加えて広範囲に放つ衝撃波とそれに付随する最大HP減少と麻痺効果、一撃必殺クラスの大技二つ。大よその特徴はこの程度だ。詳細はエリスに預けてある紙を見ろ」
6層で対峙したファルス・ヒューナル、そいつがこの25層で通り魔のように現れプレイヤーを襲っている。そうなると攻略への影響は直接の妨害だけでなく、ヒューナルの存在そのものが攻略をより慎重にさせてペースを落とすことや参加者の数を減らしかねない。
大よその情報を伝えた後、現状に対する率直な意見をアルゴに述べると少し戸惑うよな表情と共に答えが返ってきた。
「ディーさんの考えも尤もだけド、そうとも言い切れないナ。襲われたDKBの連中は負けたけど生きて帰ってきてるんダ」
「負けて? 逃げてではなくか?」
NPCであれMoBであれ、敵性キャラとの戦闘を指すには妙な言葉だ。
逃げ帰ったのではなく生きて帰ったというのもどこか不自然だし、まるで決闘でも挑まれてそれに負けたような言い方だ。
「その通りだよ、このNPCはいきなり強制で初撃決着モードの決闘を挑んでくるんダ。負けてもHPが0になるまで攻撃せずに『つまらぬ闘争よ』と言って去り、勝てば『良き闘争であった!』と言って去ル。コルは大したもんじゃないけど、経験値とスキルの習熟度が大分上がったって聞いてるヨ」
闘争狂のヒューナルらしいといえばらしいが、迷惑極まりないETだ。
その上、ソール系の素材が期待できないココではドロップアイテムもあまり狙う気にはならない。
ディアにとっては積極的に狩る理由のない相手だが、他のプレイヤーには違うらしい。
その狙いはヒューナルの持つ大剣エルダー・ペイン、これまでも再戦可能なフィールドボスや敵性NPCから所持している武器に似たものを低確率でドロップしたことがあり、大剣使いの強化を図るギルドやそこに売りつけようとするプレイヤーが討伐を狙っているらしい。
「そこで、コイツの情報を今のうちに仕入れて売れば大儲けになると思ったわけサ」
結局、基本情報はタダ、技の詳細について5000、行動パターンを1万で売ることとなった。
金額としては安いがどこかのギルドが討伐に成功すればパターンはすぐに出回るだろうし、足の速いネタならば安くても早々に売りたい心理が働いた格好だ。それに、基本情報は早々に周知したい。
「アルゴ、ここのフロアボスについてどう思う?」
「多分、ディーさんの考えてるのであたりだヨ」
用が済んだから帰るネ、と言い残して去ったアルゴを見送りつつ一人ディアは呟く。
「ダークファルス【巨躯】、その真の姿か」
6層で見た山のような姿、PSO2をなぞるのならば時限式で主街区を襲い来るものを迎撃するのか、それともこれまでのボス部屋同様にダンジョンの最奥に挑むのか、どちらにしてもこれまで以上の激戦は必至だ。
そうしてアルゴからヒューナルの情報が方々に売られた数日後にディアベルからこのフロアのボスの断片的な情報、【巨躯】の姿形が公開されると提供元を隠す形だが《星辿旅団》からも情報が公開された。そうなるとレベリングやアイテム狙いでメインダンジョンに潜るプレイヤーも増えるのだが、そこで壁に当たることとなった。
「これがその壁か」
「彫られているのは何かのゲージのようですが、何を示しているかは不明です」
「ディアさんは何か心当たり無いんすか?」
ノエルに後方の警戒をしてもらい、エリスとシャサールと共に扉を探る。
メインダンジョンの一角にある扉、現在攻略の物理的にも進行的にも壁になっているのだが解除条件が判明していない。ゲーム全般に詳しいエリスやトレハンのシャサールであれば何かわかるかもしれないと連れてきたのだが、あいにく大した手がかりは得られそうにない。オラクルであればファルス・アームの討伐で肉体を削って【巨躯】との決戦に持ち込むのが基本だが、このフロアでファルス・アームが出現したという情報は無い。そして、ここに到達するまでの間にコレと類似した扉がいくつか解放されている。
この二つから考えると何かしらの条件を満たすと扉が開き、それは段階的に達成されていることになる。が、それが何なのかは分からない。
「だったら、開くまでここに張り込んでみます?」
半ば冗談めかしてそう言ったシャサールに不意に声がかけられる。
「そういうのは俺っちの仕事だゾ」
「うわっ!?」
「そんなにビビらなくてもいいだロ、おねーさんちょっとショック」
驚いてシャサールが振り返ると常備している『イタズラ成功』のパネルを持ったノエルが声をかけた本人のアルゴと並んで立ち、とうに気付いていたディアやすっかり慣れたエリスは苦笑いを浮かべてそれを見ている。
「そんな急に話かけられたら誰でも驚くって。それにディアさんたちも気付いてたなら言ってくれりゃあいいのに」
恨めし気に4人を見るとそれぞれから、驚かせたかったから、面白そうだから付き合った、気付くか眺めていた、それに乗ってみたとの答えが返ってきてシャサールを辟易させた。
とはいえ、アルゴの言う通りにここで扉が開く条件を調べるのは攻略組よりは情報屋の仕事だ。
現状は手がかりのない以上、情報屋がここでゲージが伸びた時刻を記録してその直近に起きた出来事と照らし合わせるのが一番早いだろうと結論付けてアルゴに任せる。
「ゲージが進んだ時刻をいくつか記録したらまた会いに行くかラ、それまでに色んなことしといてくれヨ」
開かない扉にヒューナルの襲撃、25層の攻略はこれまでと一味違うものなるという予感が攻略組に広がっていく。