これからどうしよう…。
コメントよろしくお願いします。
「はにゃ〜、負けちゃったよぉ」
「いい試合でした。お相手、ありがとうございます」
#02:新たな始まり
さっきの試合。決め手はアインハルトの断空拳だった。ひかりはフルドライブで滅・波動拳てきなものを撃つも、アインハルトはそれをギリギリで避け、その後フルドライブ。技を出して硬直しているひかりに容赦無く断空拳を叩き込んだのだ。
「いやぁ〜、危ない危ない。もうちょっとでコッチが負けるとこやったわ」
「うん、だってまさかセイクリッドブレイザーとケヴェイアクーゲルを受けて耐え切れるとは思わなかったもん」
「いや、あのまま受けたら…正直危なかった」
「え、じゃあヴィヴィオちゃんやジークリンデさんの攻撃を受けて、どうやって耐えたんですか?」
俺はゆずこの疑問に答える為に、俺は2枚のカードを取り出した。
「まずは、『プロテクション・パワード』で防御力を底上げしてケヴェイアを受けきり、次に使ったのが『アンダーシャツ』。こいつはどんなに強い一撃でも、一回だけライフを1で耐えきることが出来る」
「あ、セイクリッドブレイザーは一撃必殺だから」
「そ、ラッシュとブレイザーの間隔が殆ど無かったから、けっこうな賭けだったんだが、結局負けちまった」
俺はやれやれとでも言うように肩をすくめる。それにしても、ゆずこちゃん以外が全員リライズと覚醒技持ちか…。ただ運が良いのか…それにしちゃ出来過ぎてるよな?元の必殺技があるからか?
そう考えると、ゆずこにもあるのかな?
*
(面白いね、ブレイブデュエル!)
(せやけど、ほんまはウチらこんなことしてる場合とちゃうんやないか?)
(そうですね。つい夢中になってしまいましたが、早く私たちの世界に帰らないと)
(あ…)
(うぅ…お母さん、元気にしてるかな?暗黒医療会の人たち悪さしてないかなぁ?)
「なら、帰る方法が見つかるまで、家に来ない?」
『ッ?!?!』
ひかりが後ろから話しかけると異世界組がメッチャビクッとして振り向いた。いや今更『マズイ、聞かれた?!』見たいな顔をせんでもずっと聞こえてたから。
てか、何でお前ら念話使わんの?
絶対こうなるから、ひかりや母さんに聞かれたくなかったんだ…。
「な、なんの事ですか〜?」
「もうとぼけんでもいい。お前ら、なんか異世界から来たっぽいだろ?」
ギクっと、顔をしかめる異世界少女四人。特にヴィヴィオが一番反応が良くて面白いw
つか俺自身、はんばヤケクソだ。後はもうどうにでもなれ。
「……しかし、何故私たちが異世界から来たと?」
「そりゃアレだけ堂々と内緒話をされりゃな。いやでも内容が耳に入ってくるぜ」
みるみる赤くなっていく異世界組を家族に迎え、母さんも文句の一つも言わずむしろ大歓迎だった。
気を取り直して、二戦目に移ろうとした刹那。
『Here Come A New Duelist!!』
緊迫した音楽と共に、その文字がフィールド中に現れると、俺たちは別のステージへ強制的に転移させられた。
転送されている俺からみれば、それはさながらステージの方がその姿を変化させているようにも見つ。
そして、蒼穹の青空から海面からボロボロのビルが生え渡る某新世紀のようなステージに変わると、対戦相手が姿を現す。
Aチーム(チーム名未称)【カードショップエトランゼ】
エース:高町ヴィヴィオ
フォワード:アインハルト・ストラトス
フォワード:ジークリンデ・エレミア
バックス:神楽井ゆずこ
VS
Bチーム(T&Hエレメンツ)【ホビーショップT&H】
エース:高町なのは
フォワード:フェイト・テスタロッサ
フォワード:アリサ・バニングス
バックス:アリシア・テスタロッサ
バックス:月村すずか
俺は絶句した。
いきなりこいつらかよ…。
「あれ?お兄ちゃん。何で外部からマッチングしてるの?」
「すまん、ゲーム起動する時ローカルマッチにするの忘れてた」
「え、じゃあつまり、今ウチの筐体って…」
「バリバリ全国対戦のグローバルマッチだな。しかし、あのチャンピオンシップ優勝チームがマッチングするとは、運がいいんだか悪いんだか…」
原因は俺でもあるんだけどな。
それに相手もヴィヴィオのアバタージャケットがなのはと瓜二つだから驚いてる。
「良いに決まってるじゃない!コッチはバックス余ってるよね?じゃああたしが入ってくる!」
「おめー、バックスの意味知ってんのか?お前のアバターは防御力を捨てた高速アタッカータイプなんだぞ。バックスになんかに入ったら足手まといになる」
そう膨れるな。
それにな…。
「俺たちにもお相手が来たようだぜ?」
そこにいたのは、金髪と銀髪の二人組。二人ともオッドアイで身長から見てなのは達とそう離れていないだろう。しかしその年齢には不釣り合いなアイドルもビックリなイケメン面だったが、さっきも言ったとうり身長と不釣り合いで言っちゃなんだがキモち悪い。
どう見ても、踏み台転生者です。ありがとうございました。
このゲームにサレンダーなるものがあるなら、俺は即座にそれを使いたい。しかし、お金を払ってまでやるアーケードゲームにそんなシステムは無く。ワザと負けようものなら、それは彼奴らに一方的にボコられるという訳で、んなもん俺のちっちゃなプライドが許しません。
「んァ?チッ、なンだよ。相手はなのは達じゃねェのかよ」
「おいテメェ、俺の嫁の名前、気安く呼ぶんじゃねぇよ!」
「あ"ァ?、誰がテメェのだ頭沸いてンのかよ?俺のになのは達が俺以外に行為を持つなんてあり得ねェだろうが」
どっちも十分沸いてます。
「…あたし達の方は運が無かったみたい」
「だな」
神堂御影(金髪のヤツ)
VS
天宮光治(銀髪のヤツ)
VS
Cチーム(アブソリュート・ヴィクトリーズ)
エース:一条零児
フォワード:一条ひかり
「マルチマッチだ」
*
ヴィヴィオは心なしか胸を踊らせていた。目の前には異世界のはのはママであり、これは互いの技量を競う試合。つまり堂々とこの拳を試すことが出来る。この世界のなのはママの実力は未知数だが、大会で優勝する程の実力。
アインハルトとジークリンデも格闘家としての血がたぎっていた。
対して、なのはは驚いていた。自分と同じジャケットとカラーのアバター。しかし構えからして自分とは逆の格闘タイプ。されど同じアバター。だが、それだけではない。何故かその少女に自分の姿を重ねる。
何がそうさせるのかは分からない。ただなのはの胸にあるのはあの子と戦ってみたいというデュエリストの闘争本能。
「「ブレイブデュエルスタンバイ!!」」
『3…2…1…、ready GO!!』
開幕直後、ヴィヴィオはなのはに接近する。接近戦に向かないなのはは身を引いての射撃に専念するが、ヴィヴィオはなのはのシューターを最小限の動きで避け、なのはに距離を開けさせる事を許さない。
「シュゥウート!!」
「はぁ!」
接近しては離れ、同じジャケットを着た少女達が交差し、白いスカートがなびく。
「なのは!…ッ?!」
「貴方の相手は私です」
アインハルトはフェイトの支援を妨げ、拳を振るう。だがフェイトもそれに対応しその拳をバルディッシュで受け止める。
「ヴィヴィもハルにゃんも張り切っとるなぁ!ならウチらもヤろか!?」
「ッ!来るわよ、すずか!」
「う、うん!」
アリサがフレイムアイズのトリガーを引き灼熱の斬撃を飛ばす。それに続くように突っ込むアリサをすずかがサポートし、ジークリンデは炎と氷のコンビを迎え撃つ。
「それで、シャマル先生似のそっちの子はわたしが相手かな?」
「うん。よろしくお願いします!」
残りのアリシアとゆずこが向き合う形になった。
*
「おィ、あれヴィヴィオ達じゃネェか?」
「何?!…マ、マジかよ!へへ、また俺の嫁が増えたぜ」
今更かよ。
神堂と天宮は異世界組に気付くと、鍔迫り合いのままヴィヴィオ達の試合を見ていた。
試合中だってのに、お前らにそんな暇はないだろ。
神堂御影LP:850
天宮光治LP:690
CチームLP:5000
こいつ等弱ッ?!
最初は神の力がどーたらこーたら言ってたけど…あいつらの攻撃は全部ハデなだけで、曲がりもしないし、狙いも安直。
確かに威力は強いが、ただそれだけ。
簡単にいうと…。
「俺は相手の行動を先読みできるのだ!」
結論。相手の反応速度を超えてばいい。
「この膨大な魔力でできた剣百本で串刺しにしてやる!」
結論。当たらなければどうという事はない。
いやぁ、本来ならもっと驚異になる筈なんだろうけど。一人目は反応速度が壊滅的に遅いし、もう一人は某王の財宝の一点張り。
そしてあいつらのだいたいのダメージがお互いの魔法の流れ弾。
「たく、俺らの事を忘れんなよ」
「このままフルドライブで落としちゃってもいい?お兄ちゃん」
「いいんじゃん?」
「OK!そんじゃフルドライブ!」
ひかりから銀色のオーラが湧き上がる。はぁぁぁ...っと深い呼吸をしながら拳を上に突き上げその拳を覆うように魔力が渦巻く。
そして、目に前にベルカ式の魔方陣が展開しひかりはその魔方陣を殴りつける。
「ペガ○ス!流ぅ○ぃい拳ッ!!」
『ディバインラッシュ』
「「ぎゃぁぁぁあああああああああああ?!!!」」
そして、妹のフルドライブ技によるラッシュで踏み台二名はあっけなく撃沈。
向こうの試合もそろそろクライマックスのようだ。
余談だが、こんなひかりは性格もあってグラ研のアミタとレヴィとは仲がいい。週末では特撮の鑑賞会を開いているとか…。
*
AチームLP:1620
BチームLP:1580
(この子、強い!…こんな子がまだいたなんて!)
(流石なのはママ!異世界でもこの強さ…簡単にクリーンヒットを許してくれない!)
なのはがヴィヴィオの拳を弾き、『ソニックムーブ』を使ってヴィヴィオのレンジから離脱。
「待って…」
《ヴィヴィオさん!フェイトさんはそちらに向かいました!!》
「ッ?!」
そして入れ替わりに切り込んできたフェイトの攻撃を拳で受け流しカウンターを入れようとする。しかしフェイトはヒヤッとした表情を見せるも身体を軸にヴィヴィオのカウンターブロウを回避。
「ゆずこさん!」
「はい!『次元転送』!」
ゆずこはアインハルトをフェイトの前に転送。
「空破断!」
追いついたアインハルトはフェイトに衝撃波を飛ばし、フェイトをヴィヴィオから距離を取らせる。
「ありがとうアインハルトさん!」
「いえ、それよりすみません。フェイトさんを抑え切れませんでした…」
「ううん、これはチーム戦何だもん。そんな事気にしなくていいよ」
そう言ってヴィヴィオはニコッと微笑む。アインハルトは頷き、お互いを信頼しきった相棒のように立ち並び、拳を握って構えた。
「きゃあ?!」
AチームLP:1620→1550
「ッ!すずかちゃん?!」
「任せて!」
一方こちらでは、ジークリンデの拳を受けきれず、すずかが飛ばされる。追撃する拳をアリサがフレイムアイズで受け止め。アリシアが飛んで来たすずかを抱きとめた。
『ラケーテンハンマー』
「うぉんどりぃやああああああああああーーーーッ!!!」
「うぁ…ッ?!」
BチームLP:1580→1500
ロケット噴射の勢いでアリサががフレイムアイズをぶん回し、ジークリンデを吹き飛ばす。
「くぅ…ッ、なんの!」
だがジークリンデは空中で体制を立て直した。
「なのは、この子たちめちゃくちゃ強い」
「ロングサーペントも突破されちゃった…」
「あのゆずこちゃん、て子のアバターも、見た目は制服だけどSRだよ!」
なのはが改めて、レイジングハートを握り直す。その目は、強敵に出くわしたにも関わらずキラキラとその眼を輝かせていた。
(チャンピオンシップで優勝して、わたし達一番になったんだって思ってたけど…まだまだ世の中にはこんなにすごい人達がて。ブレイブデュエルが世界中に広まったら、あの子のようなデュエリストとたくさん闘えるのかな?)
「うん、だけど、わたしはあの子に勝ちたい!フルドライブ!」
そしてなのはから桃色の魔力が溢れる。やはりと言うか、なのはの魔力量は他の人達を遥かに凌駕していた。レイジングハートのACSを起動し槍のような形状へと変形、排熱の魔力が翼の形を模っていた。
「ッ来る!」
「なのはさんの全力全開!」
「ッ?!それって!」
「す、すごい魔力…?!」
桃色の魔力がその演唱者であるなのはを軽く覆い隠す程膨らみ、そしてなのははレイジングハートをその魔力の塊へ向けトリガーを引いた。
「スタァァァアアーーライトォオ…ブレイカァァァァァアアアアアアアアアアッ!!!!」
『スターライトブレイカー』
桃色の光が一気に弾け、ビームとも言えるべき収束魔法がヴィヴィオ達に向け照射された。
「クリス!セイクリッドディフェンダー最大出力!」
刹那、スターライトブレイカーがヴィヴィオに力撃した。
誰もがなのは達の勝ちを確信した時。
「まだや!」「まだです!」
Bチーム:LP1500
爆煙の中から飛びたしてきたのは、無傷のジークリンデとアインハルトがフルドライブで出てきた。
「う、嘘?!無傷?!」
「これで終わりや!」
『ケヴェイアクーゲル』
なのはに向かい魔力の打撃が殺到する。なのははスターライトブレイカーの砲撃直後で動けない。
「なのは、今援護を…!」
「お、大人しくしててくださーい!」
フェイト達がなのはの援護に向おうとするも、ゆずこにより全員バインドで拘束される。ゆずこのアバターはSRであり、ただのバインドと言えどそれはかなりの強固になるだろう。
「ッ…、バインドブレイク!」
「あぁ?!一人抑えられなかった!」
しかし、すずかが自力で抜け出し、なのはの前に立ち両手を前に突き出す。
「フルドライブ!アイスミラー八陣の一!ロングサーペント!!」
氷でできた巨大な鏡を一列に並べケヴェイアクーゲルの勢いを弱める。しかし、魔力の拳はバリバリと鏡を割り進む。そして残り数枚となった時、ケヴェイアクーゲルの勢いが止まった。
そう“ケヴェイアクーゲル”だけは止まったのだ。
「言ったはずです。これで終わりだと…」
残り数枚である鏡のすぐそばに、既に魔力を拳に込めたアインハルトがいた。
「覇王ぉ…断・空・拳ッ!!」
残りの鏡をすべて叩き割り。そのまますずかの腹部を捉える。
荒れ狂う魔力が後方のなのはと共に吹き飛ばした。
AチームLP:1550→0
「お相手、ありがとうございました」
そして全ての意識は現実世界に戻される。
*
結果から言えば、ヴィヴィオ達が勝ったが、アレはどっちが勝ってもおかしくないギリギリの戦いだった。
もしあの時、スターライトブレイカーがヴィヴィオに直撃した時にセイクリッドディフェンダーが成功していなかったら、ヴィヴィオ達が負けていたかもしれない。
セイクリッドディフェンダーは瞬間的な完全防御技だが、失敗した時のリスクも大きく、成功率も低い。
まさに博打だったわけだ。
「ここが一条さんのお家」
「意外と大きいんですね」
ところ変わって、現在俺は異世界組を引率して自宅に居る。っと言っても、店の上の階は自宅なんだけど。
結局、こいつ等はウチで預かる事になった。ひかりも母さんも疑うって事を知らないのに、これでサギとかに引っかからないから不思議だ。
「「「「おじゃまします」」」」
「いらっしゃい」
フローリングの廊下を進んでリビングへ入り、四人をテーブルに座らせる。母さんは既にお昼の準備に取り掛かっていた。
「それにしても、迷惑やないやろか?いきなりウチらみたいなのが四人も押し寄せてしもうて」
「気にするな。うちの女性陣は人を見る目はあるつもりだ」
「それは一条さんもでしょう?見ず知らずのわたし達を事情も聞かずに受け入れてくれて」
ゆずこちゃん…。俺はただ君達の事を知ってるってだけだから。原作終わってなかったら、高町家にでも引き渡すつもりだったから。だからそんなキラキラと純粋な目で俺を見ないでくれ。罪悪感で胃がMAXにヤバイ。
その後、軽く自己紹介を交わし、飯を食って、ヴィヴィオ達には奥の客室を使ってもらうことにした。
俺は店に戻って、後はあの四人が来た事以外はいつも通りに終わった。
ヴィヴィオ達はいきなり異世界に来て疲れたのか既に夢の中だった。その際、ヴィヴィオとゆずこから母親を無意識に呼ぶ声が一回だけ聞こえた。
ただ、夢の中だけでもいい夢を願って。
「おやすみ」
そう言ってヴィヴィオ達の部屋を跡にした。
*
時を少し遡り、喫茶店『翠屋』では、T&Hエレメンツ一同により反省会…という名のお茶会が行われていた。
「にゃはは…負けちゃったね」
「うん。私たちの知らないところで、あんな強い人達がいたんだね」
そういうと、フェイトは一つクッキーを取る。アリサは未だ悔しいのだろう、眉間にシワがよってクッキーには二、三個しか手を出していない。
「もぉー!あの最後のなんなのよぉ!なのはのスターライトブレイカーを無傷で防ぐなんてズルいじゃない!」
「何かのスキルなのかな?リプレイを見たけど、スターライトブレイカーが直撃する直前にあのセイクリッドの子が何かしたように見えたけど?」
すずかが顎に手を当て、スマホにダウンロードした先程のリプレイを見返している。
そのシーンはヴィヴィオがスターライトブレイカーに両腕を突き出す場面だった。
隣のアリサがすずかのスマホを覗き込む。
「アリシアはどう思うのよ?この格闘なのはのこと?」
「にゃ?!、なんなのそれ!」
「ん〜、あたしは今回あまり貢献出来なかったけど…このなのはを格闘よりにしたような子…あの子が何かをしたのは間違いないんだけどねぇ〜」
「いやいや、スルーしないで!確かにあの子とジャケット一緒だったよ色まで!だけどそれだけだよね?!」
「ん〜でも、この子の苗字も高町っていうし、なのは他に姉妹いない?」
「いないよ?!今も昔も姉妹と呼べるのはお姉ちゃんだけだよ!」
アリシアはなのはを弄りつつ、例の二人組に視線を移す。
その二人とは神堂御影と天宮光治である。なのは達にとってこの二人は苦手である。特にアリサに至っては敵視すらしている。
小さい頃から「やあ、俺の嫁達!」とか「俺の一番は君達だけさ!」などわけの分からないことばかり言ってくる。そのくせ注意しても「はは、ツンデレだな!」とどういう思考フィルターをしているのか話を聞いてくれない。それならば、その二人を無視するだけでよかった。しかし、この二人はあまつさえ、なのは達が他の男の子に話しかけようとすると…。
『おい!モブの分際で俺の嫁にちょっかい出してんじゃねぇぞ!』
これである。そしてそれは日常茶飯事に起きていて、そのせいでしかも年齢問わずなのは達に近づく男子を追い払ってしまう。
そのせいでなのは達には異性の友達が少ない。その原因の二人は今、さっきの試合の事で喧嘩している。
「どうしたんだい?みんな、元気がないみたいだけど?」
「あ!遊紀さn…「「おォいロリコン!てめェなのは達に近付くなっつってンだろォが!!!」」…ショボン」
彼は孔田遊紀(あなたゆうき)。この近所に住む大学生である。なのは達と遊紀はデュエルで友好を築き歳の差など関係なく対等な友人として接している。いわゆるデュエル仲間だ。そして、神堂と天宮の暴言を気にしない唯一の人物だ。
「あはは、最近の子供は進んでるねぇ何処でそんな言葉を覚えたんだろう?」
「「うッせェンだよ!このロリコ(ゴスッ…!)……」ばたんきゅう…。
「うっさいのはあんた達よ、話が先に進まないじゃない!」
アリサが二人をだまらし、遊紀は少し苦笑いで見守っていた。そしてすずかの持っているスマホの画面に目が行く。
「ん?すずかちゃん。それ今日の試合の?」
「あ、はい、今日の対戦の動画をダウンロードしたんですけど…」
そこで、すずかとなのはが断空拳に吹っ飛ばされ。『LOSE』の文字が浮かぶ。
遊紀は少し驚いた。デュエリストであるなのは達の実力は知っているつもりだったが、だからこそなのは達が負けたことに驚いたのだ。特になのはは今となってはチャンピオンシップで優勝する程の腕だ。そのなのはよりも強いデュエリストがまだいたことに驚きそして遊紀は興味を持った。
「そっか。だから元気がなかったんだね?」
「はい、わたし…大会で優勝したからって、気が緩んでいたのかもしれません」
「そんな事ないよ。ブレイブデュエルは、まだ一般に稼働して1年も立ってないし、これからドンドン色んな人がデュエリストになって、今日の子たちみたいな強いデュエリスト達が現れるかもしれない」
でもね…っと言って遊紀はなのはと視線を合わせるために、片膝を付いてしゃがみ込む。
「そんなデュエリスト達と出会えるからこそ、自分も強くなるし、何よりそこがブレイブデュエルの楽しいとこじゃないかな?」
そして、エレメンツ全員が同意するように笑顔になる。
そう、負けたならばまた強くなればいい。ヴィータやシュテルの時もそうだったように。
なのは達は、より一層強くなると決意した。
*
「ところで、なのはちゃん」
「何ですか遊紀さん?」
「なのはちゃん達と対戦した子たちって何処のお店の子たちなの?」
「え〜と、たしか『カードショップエトランゼ』だったかな?」
「あ、そのお店、僕の大学のそばにあるよ。今度皆で行こうか?」
『はい!』
「「……」」←バカ二名いまだ気絶中。
孔田 遊紀(あなた ゆうき)♂18歳
なのはINNOCENT(ゲーム)の主人公。つまり『あなた』である。