なのセント転生者   作:トモヒロ

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全キャラを活かしきれないっす


#03:来訪者

それは、突然の出会いだった。

決して会いいれぬ事のなかった筈の者たちが出会い。

一度死んだ俺が手にしたのは第二の人生。

待ち受けていたのは、厄介事へのフラグ

受け入れたのは異邦の来訪者。

この時の俺は、いまだ世界の意思たる前兆に気が付かないでいた。

 

なのセント転生者、始まります。

 

#03:来訪者

 

カードショップエトランゼの店長こと俺、一条零児の朝は遅い。

何故ならば…。

開店時間は十時からだし、それまでやることないし、大抵忙しくなるのは皆さん学校が終わる午後四時から五時くらいだし。

そんな俺が珍しく七時などと言う健康的な時間に起きてしまった。枕元の電波時計がそう物語っている。

 

「……ん、寝よ」

 

数秒の脳内審議の結果。俺の脳内裁判長は二度寝する事に可決した。

そして、再び安らかな睡眠にいざ船出しようとした刹那。

 

カンカンカンカンッ!!!!

「こら〜〜〜〜!!二度寝しちゃダメーーーー!!?」

「起きてくださーーーーい!!」

 

俺の頭上を飛び回る雑音にジャマされた。

 

「でぇええい!!やかましいわボケェエエ!!!」

 

俺は思わず飛び起きてしまった。

そこには、ナース服を着たデフォルメなのはがオタマをフェイトがフライパンを持って浮いていた。

どうやら、それをフェイトが支えて、なのはが叩いていたらしいな。

 

「ぁんだよ、俺ぁまだ眠ぃんだよ。てか、まだ七時だろうが」

「そうだよ、七時だよ!ソロソロ起きなきゃ!」

「いくらお店が十時だからって寝過ぎは体に良くないんだよ!」

 

こいつ等は昨日の自己紹介の時にも思ったが、思ったとおりかなり健康にうるさい。

母さんに栄養バランスを考えた料理のアドバイスをしたり、ジークリンデの路上生活に激怒したり。俺からしたらかなりめんどくさい奴らだ。

ちなみに、マスコット組は既に紹介済みだ。だから、こいつ等は家の中じゃ自由にしている。

 

「たっく、別にいいだろうが。それで死ぬわけじゃなし。それに俺の人生だ。テメェの時間くらいテメェで使わせろっての!」

 

…プッツン

 

「…あ」

「え?何今の音?それにフェイト?『あ』って何『あ』って?」

 

俺は何故、この時気が付けなかったのか?横にいるフェイトがガクブル震えている事に、そして何より目の前のなのはの目が死んでいる事に。

この数秒後、俺は人生で最も後悔した。

 

「どうしてそんな事、言うのかな…?」

「あ、あの…なのはさん?」

「ちゃんと起きようよ。健康的な生活は私生活をちゃんとしなきゃ意味ないじゃない。わたしの言ってる事、そんなに間違ってるかな…?」

「そういうわけじゃ…っておい?!そのブッ太い注射どっから出した?!!お〜いフェイト助k…もういねぇし!?」

 

さっきまで、横で震えていた筈のフェイトは既にどこかでへ避難していったようだ。持っていたフライパンだけが置いてある。

この白状者!

 

「少し、頭…冷やそうか?」

 

ちょ、待っ…アァーーーーーーーーーーッ?!?!

 

 

リビングに入ると、そこには朝食を食べ終わったのだと思しきひかりがカバンを背負っていた。

もうすでに登校出発準備OKだ。

 

「お兄ちゃんおはよう!珍しいねお兄ちゃんがこんな時間に起きるなんて」

 

天使という名の悪魔に叩き起こされたからな!全く酷ぇ目にあったぜ。

起きちまったもんはしゃあない。俺は朝食を食って少し早いが開店の準備でもするか。

 

「まあな、どっかの天使がフライパンとオタマで叩き起こしてくれたお陰でな。…そう言や、その天使共はどこ行った?」

「天使ナノハちゃんはゆずこちゃんやお母さんと一緒に食器洗ってる。天使フェイトちゃんは…」

 

「ほぉらクリス、ティオ、よしよし」

(…ふにゅ)←少し照れている

「にゃぁ」

 

トーストを咥える俺の視界に映ったのは、先程俺を見捨てたフェイトと呑気に撫でられているアインハルトのデバイス『アスティオン』ことティオ。そしてヴィヴィオのデバイス『セイクリッドハート』のクリスだった。

このフェイトは何かと可愛いものが好きらしい。意外と少女チックな物が好きなのかと思えば、「お花さんだ〜」とか「蝶々さん待って〜」だとか小学生並みに守備範囲が広い。

だがそれと先程の事とは別だ。仕返しにパティア用のゴムボールをフェイトに向かってシュゥウーット!!

 

パコ!

「ぴゃあ?!」

「にゃ?」

 

超エキサイティン!ボールはヒットした。俺は何食わぬ顔でスクランブルエッグに手を付ける。

 

「お兄ちゃん天使フェイトちゃんをいじめちゃダメだよ」

「全く、子供みたいな事をしてるんじゃないよ」

「残念、十五歳はまだ子供だ」

「あと数ヶ月したら正式に社会人の仲間入りするってのに威張ってんだか…」

 

すると、突然テーブルに登ってきたのは全身真っ白で所々に青い毛並みに、スラッと細いフォルム。我が家の看板猫、パティアだ。

この世界じゃ何故か喋る動物が珍しいのには変わりないんだけど常識と化している。

いつもだったら、飯の時以外一日中『エトランゼ』の看板に寝っ転がっているのに、パティアがここにくるのは珍しい。

 

「んで?誰かに用かよ?」

「あぁ、ここにきた新しい子等がどんなのか気になってね」

「ヴィヴィオちゃん達?それだったら庭の方でスパーリングしてるよ」

「ありがと、ひかり。ほら零児はやる事ないんでしょ?お店の準備でもしてきたら?」

「おめーに言われねぇでもそのつもりだ」

 

朝食を終えると、俺はさっさと店の方へ降りて行った。

 

 

ちょうど時計の針が十二時半をすぎた頃。俺は倉庫で在庫の整理をしていた。その時入り口から「ただいまー」っと元気な我が妹の声が聞こえる。

 

(そう言えば、今日は終業式だっけか)

 

これからひかり達の学校は夏休みに入り、九月まで毎日家にいることになる。まぁ、大半はどっか遊びに行くだろうけど。

 

「おう、おかえり」

「「「「「おじゃましま〜す!!」」」」」

ゴッ…!!

 

思わず落としてしまった段ボールの角が足の指に直撃し、倉庫でのたうちまわる。

ひかりはそんな馬鹿な兄の光景を発見した。

 

「どうしたのお兄ちゃん?大丈夫?」

「大丈夫だ問題無い。それよりさっきのお前の友達か?」

「ううんお客さん。でもお兄ちゃんも見たらビックリするよ〜!」

 

皆まで言うな。だいたい予想はついてるから。外れて欲しいけど。俺は重い足取りで、店内の方に戻った。

そして俺の思いは脆くも崩れ去る。そこにいたのは、なのはを筆頭にチームT&Hのメンバーだった。

俺とひかりが「いらっしゃい」と言うとなのは達を引率してきたであろう優しげな男性が見えた。

 

「すみません、カードショップ『エトランゼ』と言うのはここでよろしいでしょうか?」

「はい、あってますよ」

 

いったい何者だ?と思考するも、こんな男性は原作でも見たことがなかった。見たところなのは達に慕われ、楽しそうに話をしているところをみると、もしや俺と同じ転生者か?と考えるが、それは無いと切り捨てた。

もしなのは達を狙った転生者ならばわざわざなのは達と歳を離すわけがない。俺のように原作無介入しそうならなのは達の事はけむたがる筈だしな。

それにあんな優しそうな顔をする人が何かを企んでいるようには到底思えなかった。

 

「それでは、この子達に勝ったという子たちを知りませんか?」

 

彼の目はキラキラと子供がするような純粋な目だった。心の汚れた俺には眩しすぎるぜ。

そして、彼らの目的はどうやらヴィヴィオ達のようだ。

あいつらなら今ちょうどリビングに集まっている事だろうし。俺はヴィヴィオ達を呼んでくることにした。

 

 

デュエルスペース。

 

(ど、どうしてなのはさんがココに?!)

(落ち着けヴィヴィオ。どうやら向こうもう一度お前さん達と戦いたいから、わざわざココに来たらしい。OK?)

(お、おーけー)

 

てなわけで、ヴィヴィオ達はなのは達の挑戦を受けた。結果は勝ったり負けたりとどちらもなかなか勝ち越しを伸ばせないでいる。

すると、あの優しげな男性がいったんデュエルを切り上げ、俺の方へよってきた。

 

「君はココの店員さんなのかな?デュエル、しないのかい?」

「いえ、ご所望なら相手になりますよ。ショッププレイヤーですから」

「そうか!なら、次の対戦に参加をお願いするよ!」

「分かりました」

 

男性はそう心底ウキウキしながら戻って行った。

俺は自分のデッキを用意して、筐体の中に入った。

 

 

今回のステージは怪しげに紅く光るクリスタルが中央に設置された『動力炉ステージ』。

ステージの構造は球体状の内部空間に浮遊する足場や障害物があちこちに散らばっている。

 

SR:孔田遊紀【激しき魔導師】

(ミッド)セイクリッドタイプ

 

すると対戦相手の情報が映し出される。『孔田』とは実に珍しい苗字だと思った。なんて読むんだこれ?

『こうた』…いや『あなた』か?ん?

 

(…あなた?)

 

……まさか、こいつはゲーム版の主人公?!

イベントなんかでだいたいなのは達の付き添いなんかしてるし間違いないよな?!

何故こうも厄介事へのフラグが次から次へとやってくるんだ?!

そして、遊紀と俺はスタート地点へ転送され、互いの同意を待つ。

しかし俺もなんだかんだ言ってデュエルの方は割と楽しみでもある…その見返りが怖いけど。

 

「君の話も聞いているよ。あの金銀コンビに勝ったようだね」

 

金銀と言うと、思い当たるのは昨日の残念コンビの事か。

調べて見たが、あいつらは攻撃力と物量に任せているが、ここら辺ではソコソコ強いらしい。最初の頃はなのは達ですら苦戦を強いられたとか…。

 

「君とのデュエル、楽しみだよ」

「なら、おしゃべりはココまでにして、さっさと始めようか…」

「そうだね」

「「ブレイブデュエル、スタンバイ!」」

 

『3…2…1…、ready GO!!』

 

デュエル開始と同時に、俺はリライズカードをスキャンする。

今回俺の装備したジャケットは配色は同じ、だが以前と形状が異なり、ノースリーブの上着とコートの様な感じだ。

そして両手に持つのは、デバイスのヴァリアブルサイコライフル。俺のメインスタイルと真逆のアバターだ。

 

R+:一条零児【エクリプススタイル】

(ベルカ)ガンナータイプ

 

「ガンナータイプか。なのはちゃん達の話だとこの前は違うアバターだったみたいだけど、それも君のアバターかい?」

「あぁ、射撃特化型のエクリプススタイル。こいつに撃ち落せぬものなどないってな」

 

そして、相手もガンナー程でないが射撃に特化しそして防御力が高めのセイクリッドタイプ。さらには俺よりも一段階上であるSRのアバターだった。

故に、攻撃力も射撃制度も油断ならない相手だ。

 

「アクセルシューター!」

『アクセルシューター』

 

あのアバターはこのエクリプスと同じ射的レンジなのか?!遊紀をロックオンしたと同時に撃ってきたぞ!

俺はそれを誘導弾で撃ち落とすが、流石はSRのシューター、二発ずつ当てなきゃ落ちねぇ。

 

「シュートッ!!」

 

だが俺も迎撃するだけじゃない。誘導弾でシューターを迎撃しつつ、そこからライフルで遊紀を狙い撃つ。

遊紀もそれを回避しつつシューターとバスターをランダムに撃ち始めた。

 

「ぐぁ?!」

一条零児LP:5000→3800

 

くそ、カスリ当たりでもこの威力かよ!

遊紀の狙いもだんだんと俺の動きに合わせて、修正してきてやがる。

 

「舐めるな!」

『ブラスターカノン』

「うぁッ!」

 

俺の両サイドから魔砲身が形成。二発のエネルギー弾が遊紀に直撃した。

 

孔田遊紀LP:5000→3700

「やるね!だけどまだ!」

 

気付けば、俺の周囲にはいつの間にか、無数のスフィアが展開してあり、それらが一斉に襲いかかる。これも誘導弾とライフルで否していくが、今度は数が多すぎる!

全ては避けきれない?!

 

一条零児LP:3800→2600→2100

「チィ!」

「これで終わりにさせてもらうよ!」

『ディバインバスター』

 

俺が動きの止まったところを狙われた!一直線に迫り来る魔力の束。これを受ければ、流石に今の俺じゃ体力が尽きてしまう。

 

「ッ!来たか!」

 

だが、その時、俺の手札に逆転の切り札が来た!

刹那、ディバインバスターが直撃し爆発。しかし、俺にダメージは無い。

 

「極限進化ッ!!」

 

煙が晴れると、俺の背中には巨大な四つの筒がバックパックを背おり、金色の配色が輝く。

 

SR:一条零児【カルネージストライカー】

(ベルカ)ガンナータイプ

 

先程来たのは、“もう一枚”の【エクリプススタイル】のカード。

つまり、俺はエクリプススタイルの状態からもう一度リライズし、極限進化の余波でバスターを防いだ。

 

 

観客席では、零児が無傷な事に驚いている。妹のひかりはあの状態の零児の姿を見て、あー、っと『勝ったな』みたいな声が漏れた。

 

「ひかり!あれ何?!なんかパワーアップしてるみたいだけど?!」

「アレがエクリプスの真の姿だよアリサちゃん。アレになったお兄ちゃんは結構レアだよ〜!」

 

モニターには両者共フルドライブ状態でステージ内をものすごい弾幕が荒れ狂っている。

その中に零児が投射式ジャミングシステムを発射。弾道は遅いものの、遊紀近辺で破裂、遊紀は黒い球体に囚われた。

 

孔田遊紀LP:3700→3570

 

 

「ッ!バインド?!」

 

気付いた時には、もう遅い。それにコレはバインドと違い拘束力はないものの、一定時間確実に一切の行動を不可能にする。

右のカルネージストライカーが展開し、その砲身が遊紀を捉えた。

 

「しまっ…?!」

『カルネージストライカー』

「ブレイカァァァァアアアッ!!!」

 

だが、おそらくコレだけじゃ残りの体力を削りきれない。なら…!

 

「こいつもオマケだ!!」

『エクリプスクラスター』

 

左の二つのコンテナを射出。コンテナのカバーが外れ、中から無数の誘導弾が飛び出す。そして、カルネージストライカーとエクリプスクラスターは遊紀を飲み込んだ。

 

「あぁあああぁああああ?!!」

孔田遊紀LP:3570→0

 

ぶっちゃけコレだけで1キルできり威力である。

 

 

「いやはや、僕の負けだよ。結構腕に自信はあったんだけどなぁ」

 

遊紀は泣けたってのに、落ち込むどころか、逆に強い奴と出会えてイキイキとした表情だった。

さすが主人公、負けを糧として強くなるって奴かな?

結局、アレから10回も対戦させられてもう俺はクタクタだ。何でこの人はこんなに元気なんだ?永遠の少年ハートか?このやろー。

 

「まだ、勝ち越しは君の方が多いなぁ、よし!もう一回だけつきあってくれないか?」

「もう勘弁してk…」

「ようやく補修が終わったぜ…」

「全く、なのは達は照れ屋さんだなぁ、また遠征するなら俺を誘ってくれてもいいのに」

「おい天宮、俺の嫁達がてめェ見てェなモブを呼ぶわきャねェだろ。いい加減に死ンどけ」

 

天の救いかと一瞬でも思ってしまったさっきの自分をはっ倒したいです。

つか、何でこいつ等がここに来た?てか来れたんだよ!?

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