その関係が終わるとき   作:峰白麻耶

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なんだかんだ意地で書き続けられています。


球技祭は晴天模様 後編

大内のおごりで終結した超☆リアルライフゲーム。思い立ったが吉日とばがりに、大内は調整するからと場を離れていった。俺はどうするかと日向と鶴見の顔を見ると二人は部活の人と話す用事があるらしい。

 

2人を見送った。俺は再び椅子に座る。何をしようか。部室にいこうか。姫宮と話した時以来、特に用がないからと立ち寄らなかった。せめて掃除はしなくとも空気の入れ替えはした方がいいかもしれない。そうと決まったらと部室の方に腰を上げる。

 

ピローン

 

そう思ったら、スマホの通知がなった。開くと香乃からメッセージが着ていた。

 

「今どこにいる?もうすぐ試合があるから見に来てよ」

 

昼休み後も試合をやっているなら香乃のクラスはかなりいいところまで進めんでいるらしい。香乃も運動神経が良いが他にも凄い奴がいるのだろう。顔面レシーブをした俺とは大違いだ。

 

しかし…とメッセージの内容を見る。

 

試合を見に行くのはいい。俺も香乃が活躍している姿をみたい。しかし俺と香乃が幼馴染であることを知っているのは少ない。近くでその姿を見て、応援したい気持ちがある。部活で活躍しているだけに学校で一目置かれている香乃となんもない俺とでは、一緒にいて何を言われるか分かったものではない。自分が何か言われるのはまだいい。だが、香乃が何かを言われるのは嫌だ。だからといって一切関わらないということができないししたくない。それはどういった感情でそう思ったのかも分からない。いつかははっきりさせないといけない。後悔しように。

 

だが今は、今はまだこのままがいい。このままでいたい。

 

もやもやを払うように俺は歩き始めた。

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

これで良し。メッセージを送った私は、心の中でつぶやいた。これでなるくんは見に来てくれる。なるくんの試合は残念ながら私の試合とかぶってしまったせいで見に行くことが出来なかった。珍しいなるくんの姿を楽しみにしていたけど仕方ない。それは、体育祭の時を楽しみにしよう。

 

既読は直ぐについた。しかし、見に行くよとという返信は少し間があった。見に行っていいのかなんて考えていたんだろう。ただの生徒だった私は、陸上の大会で結果をだして以降、学校で有名になった。それだけならまだいいのに、なるくんとの話しているところに割り込む人が出てきたり、悪口を言ったり、なるくんのことを知らないのに関わりを考えた方がいいなど余計なお世話がかなり増えた。

 

それ以来なるくんと表立って学校で話すことが無くなった。代わりにそれ以外に話すことが増えた。学校で密かに昼ご飯を食べるようになったのはその時からだ。それはそれで秘密の関係で楽しさはあるけれど、やっぱり堂々と話せないのは寂しい。

 

正直、余計なお世話。なるくんのやさしさ、すごさを知らずに何でそんなことが言えるの?。

 

このメッセージの返信の間になるくんがいろいろ考えた末の答えだというのがわかる。そして、いろいろ考えた上で私の応援をしたいと思ってくれた。そのことに思わず顔が緩んでしまう。よし、あまり球技は得意じゃないけれど気合いを入れないと。そう思うことで緩んでしまった顔を引き締める。

 

「香乃ちゃん気合い入ってるね」

 

手にスポーツドリンクを持っているクラスメイトが横からやってきた。顔が緩んでいる所は見られてないなと安堵しながら手渡された飲み物を受け取る。蓋をあけ飲み物を飲めば火照った身体に染み渡る。後ろの髪を横にずらして首筋に飲み物を付ける。

 

「まあね。ここまでやったんだしせっかくなら優勝したいし」

 

飲み物をつけたまま、クラスメイトに返す。私が誰のために気合いを入れているのか。私となるくんの関係を知っている人しかわからないだろう。

 

「それもそうだね。それに景品の学食の無料券は是非とも手に入れたいね」

 

私とは違う欲望に忠実なクラスメイトに頷いた。たまにはなるくんと学食でもいいなと思いながら試合の場所に向かった。

 

 

私は競技で使うバットでストレッチをしていた。女子の競技はソフトボール。いいところを見せようといきこんでいたものの調子はあまり良くなかった。変に気合を入れすぎちゃったのかもしれない。

 

今は最終回。さすがに4回までしかやらないけれど私達のクラスは2-4で負けていた。現在ツーアウト。私はネクストバッターサークルでストレッチをしながらなるくんの姿を探していた。

 

なるくんのことだから、目立たないけれどしっかり見えるところにいるはずだ。昔からそういった場所を探すのが得意だった。そういうところを見ていけばなるくんが見つかるはずだ。

 

前の子がフォアボールで塁に出たのとなるくんの姿を見つけたのは同じタイミングだった。

 

隣には女の子がいた。

 

 

打席に移動しながら考えた。前になるくんは仲のいい女の子はいないと言っていた。なるくんがわざわざ噓を言うことはないと思う。

 

私は打席に立つとピッチャーを見ると見せかけ視線はその先の二人に向かっている。

 

あの女の子は同じクラスの千歳さんだ。確か演劇部の人で以前になるくんが彼女のことを怠け者の天才と言っていた覚えがある。演劇部と文芸部は関わりがあるみたいだから一緒にいるのはおかしくはないいと思う。

 

私は投げられたボールを見送った。審判のストライクの声が響き渡る。

 

私から見るとなるくんは呆れながらも楽しそうに見える。あの様子を見て仲のいい女の子がいないといわれても私以外のこでは信用しないと思う。

 

前も似たようなことがあってその時に言われた言葉がある。なるくんにとっては教室だったり部活であったりそういった場所に関係なくあったり、話せる人だと。

 

次のボールは外れた。

 

そう言ってなるくんからただ1人仲のいい女の子と言われて嬉しいはずがない。

 

次に投げられたボールはバットに当たったもののファールになる。

 

幼馴染が応援に来てくれると思って張り切っていたら隣には女の子がいる。頑張る気がちょっとなくなるのもわかるんじゃないかと思う。

 

私はもう一度なるくんの方を見ると目が合った。がんばれと口が動いて小さくこぶしを握った。

 

その姿を見てあれこれ考えたのがどうでも良いやと思った。

 

なるくんは私のことちゃんと見ていてくれる。応援してくれる。ここで打てば後で褒めてくれるはずだ。あの時の大会の時みたいに。

 

今はそれでいい。

 

でもいずれ伝えないといけない。

 

私の想いを。

 

ずっと幼馴染のままではいられないから。

 

しっかりとボールを見てふるったバットは芯を捉えてなるくんがいる方向に勢いよく飛んでいた。

 

 

走者一掃の逆転一振りになり私達のクラスが優勝した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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