その関係が終わるとき   作:峰白麻耶

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長らく失踪してました。
生存してます。


サイダーとメロンソーダの関係

球技祭で香乃の活躍と優勝を見届けた後、表彰式も終わり興奮の余韻が残る状態で教室に戻っていた。

 

帰りのホームルームも終わり、最後に記念で写真を取って終わった。いい笑顔の運動部の面々とは対照的に疲れで笑顔が引きつっている俺ら文化部のなんて貧弱のこと。

 

あれだけ動いても元気に部活に行く連中でありその体力を分けて欲しいと強く思った。

 

疲れ切った身体を引きずり、部活はせずに家に帰ろうとした時にスマホがなった。メッセージの内容を見れば香乃からだった。

 

『祝、優勝!今日はお家で祝杯だよ』

 

猫がクラッカーでお祝いしてくれるスタンプ付きだった。俺のクラスでは一部が後日に打ち上げをしようとか話していた。まあ、放課後は部活があるからな。集まるなら休日なんだろう。俺らは貢献していないし、お呼ばれはしないだろう。

 

打って変わって香乃のクラスはどうなんだろう。主役である香乃は呼ばれるだろうな。

 

『こっちもやるみたいだね。私は部活があるから出れないけどね。それよりもなにが食べたい?』

 

やっぱりどこも似たような感じなんだろう。それよりも問題はなにが食べたい?というメッセージの返信だ。地雷を踏むような真似をしてはならない。

 

何でもいい…などと言えば最後、鬼のような形相になり数日は口を聞いてくれなくなる。

 

かと言って何時もと同じだと特別感がないとしょぼくれた顔をする。

 

そうなると特別感も程よくあり、かつそこまで手間じゃないものになる。

 

が…

 

「でっかいエビフライが食べたいなー』

 

ふと口から出たのはなかなかにめんどくさいものだった。

 

しかもでっかいやつだ。

 

他に何も出なかったしエビフライの口になってしまったので思ったままにメッセージを送ると

 

『ふふ。エビフライって。しかもでっかい!』

 

にっこにこのスタンプが送られてきた。どうやらお気に召したようである。

 

『それじゃ、材料買いに行こう!4時半にいつものスーパーね!』

 

とビシッと敬礼した猫のスタンプが送られてきた。

それに同じスタンプを送り返し放課後の校舎を後にした。

 

 

スーパーにつくと香乃はお店の入口近くにあるチョコを手に取っていた。お~いと声をかけても反応がない。よっぽど悩んでいるみたいだ。

 

「欲しいなら買っちゃえば?」

「わっ!」

 

ビクッと身体を伸ばしたあとぴょんと飛び上がり距離をとる。声をかけたのが俺だと分かると肩を下ろし手にしたチョコを棚に戻す。

 

「来てたなら声かけてよ。びっくりしたじゃん」

「声かけても反応しなかったからだよ。それよりも」

 

棚に戻したチョコ指差し

 

「買わないの?」

 

苦笑いしながら

 

「うーん。美味しそうだけどちょっとお高いからね」

 

そう言って香乃はチョコから離れていく。

エビエビえっびーと謎の歌を口ずさみ歩いていく。

 

これは多分別の物に気を逸らしてチョコが欲しいのを紛らわせてると思う。こういうのはあとで買わないのを後悔してるのをみたから、こっそりと買っておこう。

 

手に取ったチョコはま美味しそうだがそれに見合った額だった。まあ、打ち上げで色々これから買うしこれもそのご褒美ということで。

 

さっさとレジを済ませ香乃を追うと鮮魚コーナーで頭を悩ませていた。

 

「でっかいエビフライって何尾いるかな。」

「ひとまず3尾くらいにしよう」

 

でっかくしすぎると失敗しちゃうもんねとエビをかごに入れる。そういばとこっちを向くと

 

「メインどうしようか?」

 

エビフライを作ることは決めてもそれ以外は全然決めてないことに気づいた。

 

「エビがたくさんあるしエビグラタンにしよう」

「いいねー」

 

でっかいエビフライで余ったものをグラタンに有効活用。いい選択だと思う。

 

「野菜は…冷蔵庫にある?確かキャベツ、レタスはあったよね」

 

今は…確かキュウリと玉ねぎもあるはずだ。それを切って混ぜれば良い感じになると伝えると

 

「家に余ってるツナ缶あるからそれ混ぜれば上出来だね。後家にポトフが余ってるからそれを持ってくるよ」

 

ポトフかー。なんかいいな。あんまり食べないけど特別感がある食べ物の一角だと思う。

 

それにしても

 

「…なんか誕生日なんか?っていうぐらい豪勢になりそうだな」

「気にしない、気にしない!打ち上げ何だからさ」

 

カートを引っ張って先導していた飲み物売り場に着くとこっちを振り向いた。

 

「飲み物は?」

「サイ「サイダーだよね」知ってるんだからこの会話いらなくない?」

「いいのいいの!」

 

カートを俺に任せ軽くスキップをしながらキンキンに冷えたてるサイダーを手に取りかごの中に入れる。それならとメロンソーダを手に取りかごに入れる。

 

「香乃はこれでいい?」

 

自分の飲み物を探していた香乃はこっちを振り向くとパっと笑顔になる。

 

「そう!私の命!」

 

そう言って俺の手から大事そうにメロンソーダを受け取りかごに入れると買い物も終わりレジに向かう。

 

お金は我が家の食費用の財布からでていく。普段色々ご馳走になっているのでこれくらいはさせてもらいたい。

 

メロンソーダが会計に通されふと

 

「そう言えば飲みすぎて、虫歯になってめっちゃ泣いてたよな」

「もー!小学生のころでしょ?そろそろ忘れてよ!」

「帰り道泣きながら痛い痛いって歩いたの今でも覚えてるよ」

 

多分これで一生からかうねと言えば口をちょこっとへの字にして足でポンと蹴ってくる。まったく痛くない。はいはい可能な限り忘れようと努力します。

 

という内心が顔にでてしまったのか

今度はさっきよりも強めの蹴りが入る。

 

ここで先程こっそりと買ったチョコを献上する。

 

「ごめんなさい」

「いいよ」

 

子供じみた仲直りをすると袋を持ち一緒に帰る。

 

帰り道夕日に照らされた香乃の口角が上がっていたのはチョコがよっぽど嬉しかったんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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