バイトクビにされたので異世界で勇者のバイトしてくる。   作:ainex

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これはこの作品をよりいいものにするために出来ればこちらの読者様からの感想などを貰いたいと思って投稿した作品です。出来れば感想、評価など付けてくだされば嬉しいです。


エピローグ 俺が勇者になった理由。

―――お金が無い、現代社会に生きる貧乏学生にとってこれ程の恐怖は無いだろう。世界は残酷だ、金が無ければ住むところも食べるものも無くただ野垂れ死ぬしか無いのだ、そんな状況に俺は今ある。現在俺は先程までやっていたバイトをクビにされ途方に暮れていた。

 

「……やばい、死ぬ、腹減った」

 

今にも空腹で倒れそうな時彼女は突然現れた。

 

「ねーねー君? ちょっとバイトして見ニャイ?」

 

突然話し掛けられた俺は少しビクリとしながら恐る恐る声のした方を振り返る、するとそこには世にも珍しい容姿の女がいた。年幅は俺よりも少しうえだろうか? 彼女は亜麻色の肩の当たりまで切りそろえられた髪とそして珍しい赤色の瞳そして…………頭に猫耳が生えていた。

 

「え、え? 誰すか?」

 

「もう、この際自己紹介とかは後でいいからさ! とにかくバイト探してるんでしょ? もし良かったら雇ってあげるよ?」

 

「ちなみにどんなバイトですか?」

 

「んま、簡単に言えば時給七千円の勇者のバイトだよ」

 

彼女は意味のわからない事を口にする。だが時給七千円、という言葉に負けた。

 

こうして俺はその意味の分からない勇者のバイトとやらを受けることにしたのだ。

 

 

××××××××

 

 

そして現在俺は今意味の分からない世界にいる。と言うか異世界と言うやつだろう。

 

周りを見渡すと平原が広がっていた、そしてなんといっても、クソ暑い、これ軽く四十度言ってる気がするんだが?

 

「あ、あのー俺は何をすれば?」

 

「なんて事無い誰でも出来る仕事だよ?」

 

「あ、ホントですか。俺今極限に腹が減ってるんで出来れば肉体労働系は遠慮したいんですけど……」

 

あまりの空腹からかもはや腹の虫すら鳴かない。と言うか腹が痛い。

 

「まぁまぁ! 気にしないでチャチャッと片付けて来ちゃってよ!」

 

そう言うと猫耳の彼女は俺の目の前に剣を放り投げる。

 

「んーこれは違うかな? んじゃこっち! んーこれも違うなーあ、よし! これにしよう!」

 

「あの、何してるんです?」

 

猫耳の彼女は俺の前に色んな剣を放り投げては頭を悩ませている。その際彼女の猫耳はピコピコと動いていて、とても愛らしかった。

 

「んー君のいた世界だとこーでぃねーと? ってやつかな? はいこれ!」

 

そう言うと彼女は俺に一振りの剣を放り投げる。俺はそれを危なげにキャッチする。

 

「って重!?」

 

彼女が俺に渡した剣は何だか不気味なオーラを放っていてなんだか気味の悪い代物だった。

 

「そりゃそうだよ! 君はまだ能力の解放をしてないからこっちの世界の物は重いにきまってるじゃん!」

 

そう言うと彼女はニヤリと笑ってから、次は鎧を俺の前に放り投げる。彼女の言う能力の解放とやらを行う前に剣と鎧の山に溺れてしまうかも知れない。

そうこうしているうちに俺のコーディネートが完成した。

 

「んーこれじゃあ聖なる勇者ってより魔王の手先の暗黒騎士ってかんじだね」

 

彼女がコーディネートした俺の姿は、剣と同様不気味なオーラを放っている漆黒の鎧と、漆黒の剣を装備したいかにも悪役って感じの姿だった。

 

「それはあなたのセンスの問題じゃ……」

 

「よし! 次にいこっか!」

 

どうやら彼女は人の話を聞かないタイプらしい。何だかこの先疲れそうだな。

 

「それじゃ次はお待ちかねの能力の解放だよ! さて! 君はどんな能力を持っているのかにゃ?」

 

彼女は手を曲げて胸の前で典型的な猫のポーズを取る。これが似合っているのでタチが悪い。

 

「てか能力の解放って何なんですか?」

 

「それはやって見ればわかるって!」

 

そう言うと彼女は手を二回叩く、すると俺の前には何故か人生ゲームとかでよく見るルーレットが現れた。

 

「能力の解放はこれを回して決めるんだよ」

 

「そこは俺自身に秘められた能力とかであって欲しかった……」

 

実の所俺は異世界物の物語を割と読むので結構秘められた能力とかに憧れていた。

 

「いいから早く回す!」

 

「は、はい!」

 

俺がルーレットを回すと盤はクルクルと回り始めてある文字の場所に針が止まった。そしてその文字を読み上げると……

 

「えと、……騎士の精神(裏)ってなんすか?」

 

「凄いよ! まさかこれが当たるなんて!」

 

「凄いんですか? これって」

 

「んーにゃ、実はそうでもない」

 

「何なんすか!?」

 

この人と話してると精神的に削られるきがするぜ、てか騎士の精神(裏)って思いっきり悪役ポジだろうが! しかもこの姿だからもはや暗黒騎士にしかみえねーよ!

 

「まーまー、でもこの能力は……うん、ま! 君にピッタリ何じゃないかな?」

 

「何か馬鹿にされてる気が……」

 

「そんな訳ないにゃ! 許してにゃん!」

 

「か、可愛い……」

 

そんなこんなで俺は騎士の精神(裏)という訳の分からない能力を持って(内容は教えてくれなかった)勇者のバイトの初日が始まる。ちなみに給料は日払いらしく俺はそれを聞くとやる気が倍増した。

 

「ちなみに俺何すればいいんですか?」

 

「あーそう言えばまだ言ってなかったね、とりあえず君には勇者見習いとして研修をしてもらう事になってるから!」

 

「はぁ、研修ですか?」

 

確かに初日のバイトって言ったら研修だよね。まぁでも給料出るからいいか。

 

「あ、あと言うの忘れてたけど研修中の時給は給料に含まれないから!」

 

「そんなブラックな!?」

 




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