バイトクビにされたので異世界で勇者のバイトしてくる。   作:ainex

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うーネタが浮かばん。


どうやらこの世界は俺には過酷過ぎるようです。

無事に新しいスキルをゲットした俺は指定された場所で金髪碧眼の美少女を待っている。待っているのだが……

 

「…………」

 

何故か俺の隣には無口な女がぬぼーっとたっている。女の容姿は、銀色の髪と目の下のクマ、やや猫背気味の姿勢、あぁ、勿体ないクマが無ければ美少女なのに。そして格好はこの世界では珍しいジャージ姿、そして手には刀を持っている。

 

「俺平川 優って言います。もしかして君もバイト?」

 

「…………」

 

さっきから俺が声をかけてもこの女は反応しない。何か怖くね……

そうこうしているうちに残念金髪碧眼のお出ましのようだ。

 

「はい、んじゃこれから実践をしてもらうわ! そこの見習い勇者二名、私が配布したドリンクは飲んだかしら?」

 

あ、この女もやっぱり勇者なんだ、何かすげぇー場違いじゃね? いやまぁ、俺も人のこと言えた義理じゃないんだけどさ。

 

「飲みましたー」

 

「…………コクリ」

 

「何なのアンタら、やる気がこれっぽっちも感じないんですけど……」

 

何を今更、元から俺は金が欲しいがために始めたわけであって魔王討伐なんてこれっぽっちもやる気ないですよ。

 

「まぁいいわ! それじゃ解放した新しいスキルを教えてちょうだい?」

 

そう言うと彼女は俺たち二人に紙とペンを渡した。口頭じゃダメなルールでもあんのかな?

 

そして俺達は紙にスキルを書いて彼女に渡した。すると彼女は紙を見るなりワナワナと震え始めた。

 

「なんでアンタはあの高価なドリンクでヘボイスキルしかでないのよ!」

 

「知らねーよ! 俺だって好きで盗賊の極意とかいうスキルゲットしたわけじゃねーよ!」

 

「飛んだ悪運ね……」

 

「余計なお世話だ!」

 

「それとそこの女! 仮にも勇者なのになんでこの暗殺者の心得なんて悪役ポジなのよ!」

 

あ、君も外れ引いたんだ、あのドリンク使えねーな。

 

「もういいー! とにかく実践よ! 」

 

こうして初めからドタバタな展開であったがようやく実践をする事になった。

 

「あ、それと私の事はレクト教官でいいわ」

 

「なんであんたら最初から自己紹介しないんだ!」

 

 

×××××××××

 

 

「はいそれじゃ剣を抜いて構えなさい?」

 

そう言われて俺は剣を抜く。そして俺の目の前にいるのは、スライム、うんとりあえずスライムです。形は想像にお任せしますとも。

 

「はい、それじゃ適当にズバァーッと倒しちゃって」

 

「説明が適当すぎるぜ……ってあれ?」

 

俺がスライムを倒すべくスライムに視線を移すとそこには何もいなかった。

 

「…………」

 

「すいませーん、スライムどこにもいないんすけどー」

 

「え!? あ、じゃあまたさがすわよ!」

 

俺は隣の女に視線を移す、だが女は以前ぬぼーっとした表情から変わっていない。もしかして…………いや、ないか。

 

「それじゃ今度こそ始めるわ、さぁ剣をぬいて……」

 

「教官ー……」

 

「わ、わかってるわよ! 次よ!」

 

「…………」

 

それから数回繰り返しても俺がスライムを討伐する事はなかった。

 

「おい! さっきからスライム全然倒せねーんですけど!」

 

「わ、私に言わないでよ!」

 

「使えない金髪碧眼だな!?」

 

「その呼び方辞めてくんない!?」

 

「…………」

 

「おい! お前も何かいってやれ、よ? ひいぃ!」

 

「何怯えてんのよ、ひぃいいぃぃぃ!!」

 

俺とレクト教官(笑)がなぜ怯えたのか、それは

 

「ウヘヘ、エヘヘへへへへへへ!?!?」

 

先程まで無口だった女が突然気味の悪い笑い声を上げたからだ、あ、モンスターの鳴き声じゃないよ?

 

「あ、アンタ! さっさとソイツを落ち着かせなさい! 仮にも同僚でしょ!」

 

「む、無茶言うなよ! 同僚って言っても言葉交わしたこと一回も無いんだぞ!」

 

「ウヘヘへへへへへへへ!?!?」

 

「「とりあえず落ち着けぇぇい!!」」

 

結局彼女を、落ち着かせることが出来たのはそれから数分後だった。

 

「……という訳なんです」

 

それから俺達は無口な女の話を聞くとどうやら彼女は極度のあがり症らしく一度あがってしまうと記憶が無くなる、との事だった。ちなみにスライムを瞬殺したのも狂戦士化した彼女のせいだったようだ。

 

「おいおい、こんな危なっかしい勇者聞いたこと無いぞ……」

 

「私だって今まで結構勇者見てきたけどこんなヤツ初めてよ! アンタも含めてね!」

 

えー、そこに俺入るんすか? そこのあがり症という名の皮を被ったバーサーカーに比べたら幾分かましな気がするんですけど……。

 

「と! に! か! く! ここで研修は一応終わりにするから、後は勇者ランク試験を終えて今日は解散!」

 

「勇者ランク試験?」

 

「あーそう言えばアンタにはまだ言ってなかったわね、簡単に言うと勇者にはAからGまでランクがあってそれをちょっとした実技試験でランク付けするのが勇者ランク試験よ」

 

「ふーん、レクト教官(笑)にしてはわかりやすい説明ですね」

 

「…………同意」

 

「あ、アンタらねぇ…………」

 

まぁこうして研修は終わったのだが次は勇者ランク試験というものらしい。試験の内容は訓練用の魔物を討伐する、というものらしくレクト教官によると初心者でも簡単に倒せる雑魚い魔物らしいので俺と狂戦士はレクト教官に連れられて試験会場へと向うのであった。

 

「…………そう言えば私の名前、市ノ瀬 蘭。よろしく」

 

もはや何も言うまい、疲れるだけだ。

 

 

 

 




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