インフィニット・ストラトス ~Inside out~ 作:kageto
残り時間のそう多くない昼休みの教室が、再び会議場モードになった。
今回前に座ってるのはセシリア。のほほんさんが相変わらず書記のポジションだ。
俺はセシリアの視界に入らない教室の隅に座っている。
「わたくしの話というのは、織斑さんのプライバシー保護に関してですわ」
プライバシー保護?
「ISの国家代表並びに代表候補生は国の顔として、ある種のアイドル活動が義務付けられていますの。国家代表の方はテレビでもよく目にしますでしょう?候補生のわたくし達でもテレビCMであったり、雑誌のモデルのような事は仕事として回ってきます。当然世間に顔と名前を知られることとなりますわ」
あぁ、そういえば千冬姉も前は結構テレビ出てたっけか。最近は教師の仕事もあるからって数は減ってるけど。
のほほんさん。『IS乗り=アイドル=モテモテ』は消そう。クラスの目がぎらついてるから。
「そうなりますと出てくるのがマスコミ対策ですわ。いえ、日本のネット社会でいうマスゴミ対策ですわ」
あ、そっち系の話か。
「まっとうなマスコミであれば、きちんと手順を踏んで日常密着系の取材を申し込んでくるんですけれど、マスゴミの方は盗撮盗聴ゴミあさりなんて当たり前。張り込み捏造ストーキングまでしてきますわ」
さすがマスゴミ。犯罪ライン突破してる。
「わたくしも最初のころに手酷い洗礼を受けまして、日々の食事のメニューから使っている日用品のブランド。服や下着のサイズから、果ては生理周期まで雑誌に公開されてしまいました。男性恐怖症に拍車がかかった要因の一つですわ」
あー。セシリアレベルの美少女ならネット大盛り上がりだろうなぁ。そして突撃して真実か確かめようとするバカも出てくるわなぁ。
「それ以降わたくしの自宅には焼却炉が設置されまして、出た灰は庭に埋めておりますの」
焼却炉かぁ。うちの庭に置けるかなぁ。
のほほんさん。お願いだから『証拠隠滅焼却処分』は消して。物騒だから。
「一応庭の小さい家庭用の小型焼却炉のパンフレットはいくつか寮の自室に持ってきてますけれど、ご入り用でしょうか?わたくしの祖国贔屓にならないように複数の国の物の日本語パンフレットで準備したのですけれど」
「ありがたく頂戴します」
パンフ貰ったら千冬姉の部屋で会議だな。低価格高性能は無理だろうけど、中価格中性能くらいで買いたい。
「後もう一つ話がございまして。そ、その。下世話な話にはなるのですけれど、殿方がご自身で慰められた時の」
「はい待ったー。ちょっとまったー。その話は止めよう。でないとおれが死ぬ。今この瞬間にクラスでの立場的に死ぬ」
そしてセシリア。わざわざ自身のトラウマと戦いながら、そこまでしてくれなくていいって。
「はいおりむーすとっぷー。君に発言権はないのだよ。諸君、おさえこむのだー」
のほほんさんの号令で後ろから両手に一人ずつ抑えられて、さらに口をふさがれた。鼻をふさがれなかったから呼吸は出来るけど、振り払えない。振り払おうとしたら柔らかい楽園に手が当たる。そして俺の立場が死んでしまう。
「あ、あのそこまで期待や心配される話題ではないんですのよ?そういう時の後や運動の後の汗の臭いが殿方自身が思っている以上に女性は気が付くものですから、消臭剤と男性用の香水をと」
あ、そういう話。話が思った方向と違ったからか、拘束から解放された。残念そうに舌打ちされたけど、誰だったのか確認したくない。肉食系女子怖すぎ。
「どちらもありがたく頂戴します。それにセシリア的にも男の汗のにおいは厳しいだろうからな」
「お心遣い感謝いたしますわ」
俺にプラスになるけど、セシリアの精神的死活問題の話題だった。と。
だからのほほんさん『香水の香り=消された栗の花=男の嗜み』はダメ。赤丸付けない。
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