赤いポケマス 作:たんぽぽ
「行け、ピジョット!」
「ピカチュウ、頼んだ」
グリーンが繰り出したピジョットとほぼ同じタイミングに出たピカチュウは、そのままでんこうせっかで加速して後ろに回り込み、強力な電撃を浴びせる。
「沈めろ」
地を蹴って飛び上がり、鋼のように硬くした尻尾で背中叩きつけて地に沈める。
「サイドン、頼んだ!」
「ピカチュウ、交代だ。ラプラス」
手首をスナップさせ、最小限の動きでピカチュウを戻し、ラプラスを場に出す。
「じしん!」
グリーンの指示を受け、サイドンが足を地面に叩きつけ、揺れを引き起こす。ダメージ受けつつラプラスはそれに耐えると、ハイドロポンプを放った。それを避けたところをラプラスのれいとうビームが急所に突き刺さる。
「サイドン、つのドリルだ!」
「ラプラス、れいとうビーム」
ラプラスはサイドンのつのドリルを避けきれない。そう判断し、避けることよりもここで出来るだけ相手の体力を削っていくよう指示を切り替える。ラプラスもそれがわかっているようで、出来る限り急所狙って攻撃を始めた。
サイドンのつのドリルが決まり、ラプラスが瀕死になる。ラプラスを戻しつつ、
「5:5、ここでやっておくか———」
モンスターボールの開閉スイッチを押しながら素早く投げ上げ、
「頼んだぞ」
キュウコンが現れる。
「炎タイプ? とうとうレッドにも舐められるようになったか」
サイドンに対して炎は半減だ。グリーンの表情に余裕が見られるが、キュウコンがフィールドに着地した瞬間、屋内であるはずのスタジアムに太陽が現れ、日差しを強める。
「サイドン、ストーンエッジ!」
「耐えろ!」
効果抜群である岩タイプのストーンエッジを耐え切り、
「交代だ」
キュウコンを戻し、素早く次のポケモンを繰り出す。
出て来たのはフシギバナ。草タイプが4倍弱点であるサイドンにはもってこいのポケモンだ。
「サイドン、つのドリル!」
「相手のダメージは大きい、これで決めるぞ。ソーラービーム」
太陽の恩恵を受け、溜めもなく一瞬でエネルギーがチャージされ、サイドンに向けて発せられた。大技を決めることなくサイドンがダウンする。
次にグリーンが出して来たポケモンは、
「行け、ナッシー!」
「なるほど、『ひざしがつよい』に便乗してきたか」
恐らく、こちらが溜めなしソーラービームを撃ったことで、使えると判断したのだろう。次の行動を察してこちらを見たフシギバナに頷き、無言でポケモンを交代する。
場に出したのは、二度目であるキュウコン。こちらが何も言わないうちにおにびで相手に火傷を負わせる。
「ナッシー、ソーラービームだ!」
「耐えられるか?」
この問い掛けにキュウコンが笑みを浮かべて頷き、このやり取りの間にチャージが完了したソーラービームが放たれる。それを受け切り、
「ここまで秘蔵して来た奥義———Vジェネレート!!!」
「嘘だろ、オイ」
絶望した表情を浮かべるグリーンに対し、レッドは笑みを深くする。
キュウコンが吐き出した炎がVの形となり、ナッシーを襲う。効果抜群ということもあって倒れたナッシー、そしてストーンエッジ、ソーラービームを受けた上に伝説御用達の技を使って体力をかなり消耗しているキュウコンを見て、出せるのはあと一回だと判断し、温存のためにボールに戻す。
反動を伴う技でなくても、普通のポケモンが伝説ポケモンの為だけの技を使うとなると、当然それだけで体力を消耗する。伝説は名前だけではないのだ。
「頼んだ、ウインディ!」
「行け、フシギバナ!」
こちらのポケモンを読んだらしいグリーンの選出。だが、レッドは焦るまでもなく再び笑みを浮かべた。
「だいもんじ!」
「受けろ! そのままどくのこな!」
効果抜群のだいもんじを受け、一瞬動作を止めながらもどくのこなを飛ばしてウインディを毒状態にする。
「回復しておくぞ! こうごうせい!」
「しまった、そういうことか」
こうごうせいでの回復が出来る為、迷わずにだいもんじを受け、隙をついてどくのこなで毒状態にした。レッドの作戦がわかったグリーンは舌打ちをしつつ、指示を出す。
「ウインディ、オーバーヒートだ!」
「そう来たか!」
叫びながらもフシギバナを戻し、一瞬の間すら空けずにカビゴンをフィールドに投入する。オーバーヒートを受けたらフシギバナのダメージは酷いものになってしまう。間に合って良かったと安堵しつつ、
「ソーラービーム!」
効きにくくても体力を削れればいいので、ソーラービームを選択する。
相手のウインディはソーラービームを受けた上に、毒状態でどんどん体力を削られていっている。そろそろ
———一瞬でここまでを考え、レッドはカビゴンに指示を出す。
「次、踏ん張れ!」
「オーバーヒートだ!」
再びオーバーヒートを耐え、体力が残り1になりながらも気合いできあいだまを当て、その巨体を地に沈める。と同時にウインディもダウンした。
「4:2、そろそろ仕上げに掛かるぞ———」
モンスターボールを投げ上げながら目をあげると、グリーンと目が合った。