サルベージ   作:かさつき

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「さて、何を……。ん……」

 

 ヒトミさんの部屋を出た先で待っている者があった。

 

「津田さん、青海苔ついてますよ」

「お……これは失敬」

 

 彼は何度か口の端を拭いながら謝った。身嗜みの不備よりも、無闇と聞き耳を立てる方が失敬ではなかろうか。先刻アドバイスを貰った手前、正面からは批難しづらいが。

 

「神通さんと交代しなくていいんですか?」

「今から行きますよ。貴方こそ、もういいんですか?」

「これ以上は、どうしようもありません」

「後のことは、ヒトミちゃんの判断に任せると」

「ええ。そうです。それが奏功しなければ……私はここからいなくなるべきだと判断しました」

 

 津田さんは多少驚いた顔をして、しかしすぐに笑顔になった。ネガティブですねぇ、とひと言添えて。

 

「時間が解決する問題もありますからね?あまり早まらないように」

「大丈夫です。勿論、投げ出す気になったわけじゃないですから」

 

 単に、ヒトミさんを信頼しただけだ。

 

「では……折角なので、今日は休みます」

「ええ。是非そうしてください」

 

 階段を降りた所で津田さんと別れた。今日はもうこれ以上、特別なことは無くていいと思う。

 テレビでも見ながら、何もしないことを、することにした。

 

 

***

 

 

 何の変哲もない、平和な時間。

 眠気はないが、気力もない。刑事ドラマの再放送を垂れ流しながら、身体を横たえていると、普段は気にも留めない心の作用がしんしんと降る雪のように思考を冷やしていく。

 

『だから全員殺してやったのさ』

 

 テレビの中では家族の復讐のために連続殺人を犯した青年が、主人公たちに追い詰められていた。きっとこの青年にも、今の私のような、無為に過ごす時間があったことだろう。何かと向き合うことを厭う心が生成するモザイク処理のようなモヤモヤを抱えながらも、平和で怠惰な日々を過ごせた方が幾らかマシなのかも知れない。

 

『キミの家族は、そんなことを望んでいるのか?』

『判らないですよ。俺の家族は、俺の行為を咎める自由さえ奪われたんだ。でも、ああ、そうだ』

 

 だが、彼には目的ができてしまった。目の覚めるように刺激的で、正しいと信じてしまえるような目的が。水平線の彼方にまたたく綺羅星のような目的が。ある日突然、家族が死ぬ原因を作った連中の存在を知って、心の平穏は崩れたのだ。

 

『殺してやったあいつらに訊いてみて下さいよ。俺の行為を咎める自由を奪ってやったから、きっと俺の家族の気持ちも判る筈だ』

 

 明確な殺意をもって複数の人間を計画的に殺害した場合の量刑は、多くが無期懲役、ないし極刑に処されると聞きかじったことがある。彼は報われたと言えるのだろうか?彼の行き着く所は、心の置き場所は、此処で正しかったのか?

 

『何処まで逃げても、縁と罪からは逃れられないんだよ』

 

 主人公が夕日に目を細めながら、独り言ちてエンドロールが流れだす。途中から見始めたので、この台詞がこのドラマ作品全体のテーマなのか、それともこのエピソードだけのものなのか判らない。

 まぁ、なんでもいいか。

 所詮はフィクション、作りものだ。思考を停止させることも、今の私には許されている。余暇とはつまり、自由のことである。よし、ゴロゴロしよう。

 

 

***

 

 

 夕食を食べながら、神通さんが不思議な質問をした。

 

「以前の所属で、うまの合わない艦娘はいました?」

「……?それは、どういう意図の質問ですか?」

 

 深い意味は無いと神通さんは弁明したが、そんな筈がない。わざわざ訊ねる理由があるはずだ。彼女を信用していないわけではないが、歓んで答えたい問いでもない。

 

「瑞穂さん、気になることを言っていたのです」

「気になること。何ですか?」

「貴方と私。いい関係とは言えないでしょう」

 

 それはもう、空気が冷えた。

 津田さんが味噌汁のワカメを掬った箸を空中で止めたし、普段姿勢のよい萩風さんの背筋が丸まったし、ヒトミさんがおにぎりを齧りかけて固まったし、那珂さんの目が泳ぎに泳いだ。

 

「そうですね、まぁ」

「思えば、初めから気に入らなかったのです……これは、お伝えしましたっけ?」

「……いつだか、既に、確か」

 

 神通さんはいっそ清々しいほど端的に私への印象を口にした。直球も直球。火の玉ストレート、顔面デッドボールといった趣だ。ここまでくると、返答しないのが野暮な気さえした。

 

「ええと。あの……それで気になる事とは?」

「海には相性があるのかも知れない、と瑞穂さんが言っていました。何故私は、此処まで貴方に悪印象を抱いたのか、と」

 

 神通さんが萩風さんに視線を移した。

 

「それともう一つ。私はともかく彼女、萩風さんは初対面の人間を問答無用で殴り飛ばすほど、凶暴ではないと認識しています。それが如何なる卑劣漢だったとしてもです」

「卑劣漢……」

「そ、その件は、本当にすみませんっ」

 

 萩風さんは小さくなって謝った。

 どう考えたものだろう。人は見かけによらないと言う。しかし一方で、私より付き合いの長い神通さんの見立てが、全くの無根拠とも思わなかった。

 

「相性……なるほど。初対面でも何となく、不快感を覚える"海"がある、と?」

「はい。瑞穂さんは、貴方の中にもう一つ別の"海"がある、とも」

「別の?それはどういう…」

 

 神通さんが首を横に振った。

 

「お伝え出来ません」

「え、えぇ……?しかし聞かないとどうしようもないのでは」

「判っています。しかしそれを言った瞬間、貴方はどうも記憶と意識を飛ばしてしまうようで」

「なるほど?」

 

 大島海将もそんな事を言っていたか。心当たりは少なからずある。私という人間を知るため、私ではない人が遠回りして情報を集めるというのも奇妙なことだ。

 

「ええと、うまの合わない艦娘、ですか。距離を取られることはあったのかもしれませんよ?しかしなにぶん、此処とは違って人の多い場所でしたから」

 

 少なくとも人間関係の問題が表面化したことは無かった。だが、向こうが私をどう思っていたかは判らない。なにせ、人材が潤沢な組織は、しなやかだ。ふたつの歯車が軋んでも、周りが自然とそれをフォローしてくれる。強いて嫌われていたと解釈したくはないが……。

 

「そうですか」

 

 特に感慨もない様子で、神通さんは頷いた。

 

 

***

 

 

 萩風さん、那珂さん、私と津田さんの4人で、食後のコーヒーを飲む。神通さんは、早めに眠ると言って、先に戻った。ヒトミさんは、少し気まずそうに会釈して部屋に戻っていった。

 

「潮風の香り、って何なんでしょうね。赤城さんはいい香りと言っていたそうですが」

 

 津田さんが何気なく話をふると、萩風さんは顎に指を当てて考え込んだ。

 

「んー……潮風かぁ。特別いい香りだと思ったこと無いですけど」

「好きな人もいますよ。私など、山奥の田舎の出ですから」

 

 慣れきったものに、特別な感慨は湧かない。私にとって、蛙の大合唱や、川のせせらぎ、鳩の夜鳴きが夜陰の向こうから聞こえるのは当たり前だった。反対に海沿い出身の人からしたら、良し悪しの違いこそあれ、驚きを覚えることが多いのだろう。萩風さんはそういうものに好感を覚えるタイプだったようだ。

 

「へぇ、いいですね。この辺りとも違う風情があって。行ってみたいな」

「旅行なんかで、短期間体験するならそうも思えましょうけど。なにぶん頻繁にあると五月蠅さが勝っていきますよ」

「そっか。じゃ、赤城さんの言う〝潮風の香り〟も、そういうのなんじゃない?」

 

 那珂さんの言葉を捉えかねて、私は首を傾げた。

 

「どういうことですか?そういうのとは…?」

「いや、慣れればどうってことなくなるんじゃないかなって」

「ははぁ、なるほど。いずれ慣れるもの、と」

「そういうこと。つまり今だけの……ええと、なんだろ。いわゆるギャップ萌えってやつ?」

 

 ギャップもえ、なる単語はよく分からないが、言わんとするところは理解した。多少、楽観的かとも思う――しかし、そういうところが那珂さんらしいし、今はありがたい。

 

「そういえば神通さん、相性がどうとか言ってましたね」

「ええ、聞けば萩風さんとの相性はよろしくないのでは、とのことでした」

「え、ええ。確かに……本当なんでしょうか」

「そこは解りませんが、現にいま、こうして仲良くやれているわけで」

 

 少し俯いた彼女を励ましたが、萩風さんは腑に落ちない様子だ。

 

「その〝海〟ですか?一目見ただけで、解ってしまうものなんでしょうか?この人とは相性が悪いな、なんて」

「フゥム。第一印象にすら表れてしまうのか、と。確かに想像しづらいですね」

 

 宿直室で4人、こたつを囲み話した記憶が蘇る。それこそ、萩風さんの艤装絡みでひと悶着あった日の夜のことだった。

 

「いやしかしね?なにも相性というのは、好き嫌いだけを表すものでもないでしょう。ラジオのチューニングが合うと鮮明に聞こえるように、互いの嫌な部分まで必要以上に理解してしまうことも、相性なのかも知れません」

「同族嫌悪、なんて言葉もあるよ?似すぎてると相性悪かったりさ。どうしようもないことは、あんまり気にしなくてもいいんじゃないかな」

 

 私の言葉を受け、那珂さんが頷く。思えば彼女も、初めて秘書艦になった日は、怯え散らかしていた。それがここまで打ち解けられたのだ。さらに津田さんが続けた。

 

「私としても、現状大きな問題はないように見えます。相性が悪くとも、人間関係など関わり方1つで後からなんとでもなる、と。そういうことなんでしょう」

「津田さん良いこと言う〜」

 

 那珂さんがおだてると、津田さんはカラリと笑った。なんとか萩風さんも飲み込めたようだった。

 

 

***

 

 

 自室で、布団に仰向けになった。改めて前の基地での関係性を思い返してみる。艦娘以外の隊員たちとは、ごく良好な関係を築けていたと思う。艦娘たちとは……色々だ。水雷科の面子は、少なくとも見た目や中身がほぼ中高生。初対面からいきなり距離を詰めるのはムリだった。お互いに距離感をはかりつつ、ゆっくり信頼を築いた――と私は解釈している。

 

 だが、人間関係にはその逆も存在するから悩ましい。

 ある特定の人に、じわじわ嫌われていくこともある。例えば大淀さん。初対面の日のことを詳しく覚えていないが、今ほど忌憚ない態度ではなかったと思う。事実、彼女の残業製造器になったのだから、もう仕方ないのだが。

 

「相性…か。うん。そういうことにしよう」

 

 うまが合わないことを〝海〟とかいうよくわからないもののせいにし始めたら、もはや何でもありだ。しかし、気は楽になる。原因が何者であれ、自分以外の何かに責任転嫁するのは楽でよい。『生理的に無理』との言葉があるが、その所謂『生理』に1種の新規会員が加入しただけだ。

 と、まぁ。身も蓋もない結論で以て、まぶたと思考を閉じた。

 

 

***

 

 

 次の日、雷撃演習の実施計画を練りつつ、瑞穂さんの一件にどうケリをつけるべきか、頭を回す。残念ながら、後者については同じ所をぐるぐる回って結論を出せぬまま日が高くなっていく。そんな折、津田さんから内線があった。

 

「はい、なんでしょうか」

「外線です。急ぎで貴方を呼び出してくれとのことです。明石さんという方」

「え。……わかりました、代わります」

 

 何事だろうか。大淀さんとは逐一連絡を取りつつも、彼女の話題が出たことは特に無かったような……。いや、確か艤装適性の相談を持ちかけられたことがあった。明石さんが関わるなら、きっとその件だろう。

 

「もしもし、久しぶりです。元気ですか?」

「どうも。なんとかやってますよ。明石さん、どうかしました?艤装の件でしょうか」

「艤装?あー……いえ、別に。その件じゃないです。あの、大淀と連絡とってませんか?」

「大淀さんと?いえ……」

「うーん。そりゃそうですよね……」

 

 どうやら大淀さんと連絡がつかないらしい。彼女は昨日の夜、出張用務で大湊まで発ったという。到着したら連絡すると言っていたのに、音沙汰が無いのが妙だ、と。基地の誰にも連絡を寄越していないのに、私などを頼るあたり、だいぶ冷静さを失っているのが窺えた。

 

「電車の遅延とか事故の情報も無いみたいだし……」

「むぅ。たしかに心配だが、私では力になれないと思いますよ?」

「どうしたんだろ。メッセージに既読もつかないんです。いや、そもそも圏外なんだけど。電波の届かないところにあります的な感じで……」

「事情は解りました。こちらからも、連絡してみますよ。何か判ればお知らせしますから、どうか落ち着いてください」

「はぁ、ごめんなさい……ちょっと頭冷やしてきます」

「ところで明石さん?どうやってこの連絡先を?」

「普通に大淀から聞きました」

「そうですか。できれば、内密にして頂けると…」

「川内と球磨ちゃんが遠慮なくバラしてたけどなぁ。足柄さんとかに」

 

 人の口に戸は立てられない。よく言ったものだ。

 

「私が此処にいること、その2人には口止めしておいた筈なんですけど……」

「球磨ちゃんにも?」

「それは…。いや、直接は言ってないですね。そもそも、電話がかかってきたとき、話してないですし」

「なるほどー。だからちょっと拗ねてたのかぁ」

 

 あの球磨が拗ねる?独特な感性をもつが、素直で話しやすいうえ、面倒見が良いタイプの艦娘だ。周りからの信頼も厚い。彼女が拗ねるのを想像出来なかった。

 

「その場には、他に誰がいました?」

「大淀と私と響ちゃん、あとは足柄さんです」

「あぁその面子なら、大丈夫です。もう知ってるので」

「そうなんだ。いずれにしても球磨ちゃんは、とっても気遣いできる娘ですから、あんまり広める気は無いと思いますよ」

 

 ふと思い出して、昨日の夕食時に神通さんが言ったことを訊ねてみた。

 

「そうだ明石さん。つかぬことをききますけど、私を嫌っていた艦娘に心当たりありますか?」

「はい……?急に、何ですか?」

「あ、いや。深い意味はありません。自己理解の参考に」

「え、えぇ〜……私から言うの、気まずいじゃないですか」

「まあ、確かに。大淀さんは……迷惑をかけ続けだったので当然としても」

「初めのうちはそうでもなかったと思いますけどね?時を経る毎に、厳しくなっていったような」

「はい、重々承知です」

 

 眉間にシワが寄る。慚愧に堪えない一方で、いまさらどうしようもない、という自分もいる。半ば開き直っている。

 

「その他、誰かいます?霞、は鉄板として」

「霞ちゃんも……最初はそこまでじゃなかったですよ。あの娘は大淀想いなだけだから。ん~~……そうですねぇ…」

 

 明石さんは、一度言葉を切った。

 

「まぁ……ちょっと距離を置いてたのは、暁ちゃんとか」

「それは、身に覚えがあります。だいぶ、怯えられていたようで」

「響ちゃんを経由して話をしてましたね」

「ええ……。難儀したものです」

 

 目を合わせて話せない時期が長かったように思う。もし響がいなかったら、彼女はどうしていたのだろう?想像するだけで頭痛がしそうだ。

 だが、そんな状態から夜の便所の同伴を頼られる関係にまでなったことを、私は密かに誇っている。……いや、オバケより私の方が怖かっただけか?

 

「あと、今だから言いますけど、正直私も、初めはちょっぴり苦手でした」

「え」

 

 本日最大の驚きである。

 

「そ…………そうですか。まぁ私は目つきが悪いので…」

「もう。自分で訊いといてへこまないでくださいよ」

「へこんでません。ちなみに、何が苦手だったんでしょう。参考までに」

「なんか怖い、って感じです。うまく説明できません」

 

 どうしようもないじゃないか。より一層、眉間のシワが深くなる。目つきも悪くなろうというものだ。

 

「でも明石さんからそんな雰囲気は一切…」

「1ヶ月くらいしたら、すぐ慣れましたよね。なんというか、恐れるに値しないというか。あ、褒めてますよ?」

「はぁ…それは、どうも」

 

 前衛的なお褒めの言葉を賜り、私が苦笑いした所で、明石さんとのお喋りは締めとなった。大淀さんの件、何か判れば連絡することを重ねて約束し、通話を閉じる。

 どこまで逃げても、縁と罪からは逃れられない――刑事ドラマの主人公の台詞が、頭に浮かんだ。

 

 

***

 

 

「安請け合いして、よかったのですか?」

 

 神通さんが、顔をこちらに向けず尋ねた。耳のよい彼女なら、会話の内容は筒抜けなのだろう。

 

「安請け合いとは思ってませんよ。私も心配なのは事実です。それと……。その大淀さんという方、実は色々、情報提供をしてくれた人なので、おいそれと無碍にはできかねます」

「情報?なんの情報ですか?」

「この基地の情報を、ですよ。余計なことを詮索しないよう釘を刺された覚えもありますが……、なにぶんお節介な人間なので」

「あら、そんなことを言う人がいたのね?」

「か…………っ。いや何でも無いです」

 

 鏡を持ってきましょうか、と言いかけた。しかし、こと神通さんに対しては、余りにデリカシーに欠けると感じ、踏みとどまった。そういう個人的な心の葛藤を易易と感じ取り、スルッと踏み越えるあたり、彼女は私などよりよほど強いことが判る。

 

「あ、ご存知なかったかしら?あいにく、鏡は見えないんですよ」

「くっ……では今後、オーディオレコーダーを用意するよう心がけます」

「そうして頂きますよう」

 

 こんな減らず口を叩く人だっただろうか?しかし考えてみれば彼女、川内の妹で、那珂さんの姉で、更には大島海将と気の合う人なのだ。ともあれ、口喧嘩で私の勝ち目が絶無な点は、改めて実感するところである。

 

「それで?具体的にどうするのです?スマホ、壊れてますよね?」

「大淀さんの番号なら、頭に入ってます」

「電話が繋がらない、と言っていましたが」

「まぁそうですが。しかし、それ以外には何とも」

 

 外線で大淀さんの携帯電話を呼び出そうと試みたが、案の定、うまくはいかなかった。数コールの後、不在着信のアナウンスが流れて私が諦めたとき、不意に何かを思い出したように、神通さんが提案した。

 

「あ。では、私の知り合いを当たりましょうか」

「大湊の、ですか?知り合いが?」

「はい。元々ここにいた人たち。凄く心の優しい娘です。あの日も、随分庇ってもらいました。久しぶりに話してみたいのもありますし」

「おぉ、それなら心強い。なんという方です?」

「駆逐艦娘の、雷さんです」

 

 神通さんはおもむろにスマートフォンを取り出して操作し始めた。

 




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