夢から始まる君とのLIFE   作:U.G.N

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 どうぞ



ボッチとは(哲学)

「……………………」

 

 

「……にこちゃん、今日は一段とボーッとしてるね」

「穂乃果。その言い方だと、にこは普段からボーッとしているという風に聞こえますよ」

「でも、ほんとどうしちゃったんだろ、にこちゃん」

「ずーっと外見てるにゃ」

「たまに携帯も見てるよね?」

「昨日の余韻がまだ残ってる、って感じでもないわよね」

「希……、貴女何か知らないの?」

「うーん。今回に関しては、本当にわからないんよ」

 

 にこ達は昨日UTXの屋上でライブをし、まずは一段落ついたということで、今日は練習をなしにして部室でミーティングのみになったのだ。

 

「………………」

 

 しかし、全員集まったは集まったのだが、にこは少し心ここにあらずである。

 

 その原因は、昨日のライブにある。

 

 

 ーーー

 

 ーー

 

 ー

 

 以下、回想

 

 

 A-RISEのステージを目の当たりにしたにこ達は、あまりの圧巻さに次々と弱音を溢していた。

 

 しかしそんな中、彼女だけは弱音を吐かなかった。それどころか、

 

「A-RISEのライブが凄いのは当たり前だよ! そんなことより、せっかくのチャンスなんだから、私たちも続こう!!」

 

 やはりというか何というか、やっぱり私たちは彼女のこういうところに引かれていくのだろう。

 

 それに、昨日あいつに言ったではないか。私たちμ'sを後にしたことを、後悔させてやると。

 

「いこう!」

 

 穂乃果の声で、皆の士気が再び上がっていく。

 

 そして、ステージ……

 

 

 私たちは全力で歌い、踊り、全てを出しきった。

 

 A-RISEに勝てるかどうかはわからない。それは観てくれた人たちが決めることだから。

 

 それでもにこ達はやりきった。

 

 最後のポーズを決め、ふと観客が目に入る。

 

 そういえばあいつ、今日来るって言ってなかったっけ? やっべー、A-RISEのステージと自分達のステージで一杯一杯になって、今の今まで忘れてた。

 

 えっと、本当にいるのかな?

 

 いや、よく考えたらここはUTXの屋上。一般の人は入れないはずだ。実際に目の前には音ノ木の生徒とUTXの生徒が少々、あとA-RISEしかいない。

 

 じゃあ観に行くって?

 

 そこでにこはUTXの正面には巨大スクリーンがあることを思い出した。

 

 UTXの前で観ているのかしら? それしかないわね。

 

 とりあえずにこ達はライブを終え、用意してもらった更衣室(無茶苦茶広い)で着替えを済ませ、一安心していたところで、にこの携帯に一通のメールが届いていることに気が付いた。

 

 差出人を見ると、一瞬ビクリとしてしまう。

 

『比企谷 八幡』

 

 あいつからメールとか、何なのよ一体。

 

 どうせ、またくだらない捻くれたことをダラダラと書いてあるんでしょ。そんなことを思いながらメールを開く。

 

 するとそこには驚いたことに、とてもシンプルな一文、いや、一言だけが書かれていた。

 

 

『良かった』

 

 

 そのメールを見たにこは、扉に向かって走っていた。

 

「にこっち? どこ行くん?」

 

「ちょっとトイレ!」

 

 希の声に適当に返しながら、にこは外へと向かった。もしかしたらまだ外にいるかもしれない。普段比企谷はこんな風に正直に感想を述べたりはしない奴だ。せっかくだから、まだいるなら直接あいつの口から言わせてやる。

 

 にこはスマホを握りしめ、ニヤニヤしながらUTXの外へと出た。

 

 既にライブが終わったからか、外に人はあまりおらず、音ノ木の生徒が数名いる程度だった。

 

 故にすぐに見つけることができた。

 

 どこか気だるそうな猫背の後ろ姿。間違いない。

 

「八幡、凄かったね! A-RISEもμ'sもどっちも凄く良かったよね!」

 

 ん? あれはいつぞや見た男の娘ではないか。あいつ、ボッチとか言っておきながらちゃんと友達いるじゃない。

 

 まああの子なら1度会ったこともあるし、別にいいか。

 

 そう思い、比企谷に声を掛けるために近づこうとしたとき、別の声も聞こえた。

 

「ホントにスゴかったねー! あたしちょっと感動しちゃったよ! ヒッキーがスクールアイドルとか言ってたときはちょっと引いたけど、あれはあたしが間違ってた!」

 

 ……ん?

 

「確かに、由比ヶ浜さんの言う通りね。ごめんなさい比企谷君。私も認識を改める必要があるみたいだわ」

 

 ……んん?

 

「だから言ったじゃねーか。観てもねーのに判断するなって」

 

 

 ………………んんんんん???

 

 結局、私は声を掛けることはできなかった。

 

      

            以上、回想終了

 

 

 私はもう1度スマホの画面を見る。そこにはたった4文字の言葉が書かれている。

 

『良かった』

 

 一瞬頬が緩みかける。

 

 はっ。待て待て。今はそんなことをしてる暇はない。あれは一体誰だったのか。

 

 1人は知っている。初めて会ったときに一緒にいた男の娘だ。うん。それは問題ない。

 

 ……もしかして妹? そういえばあいつ妹いるものね。うんうん。あれは妹よね。2人もいるなんて聞いてないし、比企谷のことヒッキーとか比企谷君って呼んでたけど、妹よね。

 

「………………はぁ」

 

 んなわけないか。あいつ友達いないとか言っておきながら、東京まで一緒にスクールアイドルを観に行く女子が2人もいるの? それも2人とも超美人だったし。スカウトしたいレベルだったし。ったく、ボッチの風上にも置けないわね。

 

「今度は溜息ついてるね」

「何かあったのでしょうか」

「うーん、どうなんだろう」

「でも一瞬、スマホ見てにやけたにゃ」

「そのあとすぐに溜息だったよね?」

「昨日のライブの後も普通じゃなかったっけ?」

「……? 希?」

「ライブの後……? ハッ、もしや、あの時? でもうちの予想では決して悪いことは起こらない。むしろウキウキのにこっちが見れると思ったんやけど。どうやら違ったみたいやね。これは……、うちのカード君に聞いてみる必要があるみたいやね」

 

 

 希たちが何か言ってるみたいだけど、今のにこには何も聞こえない。

 

 っていうか、何であいつが女子と一緒に東京に来てただけで私はこんな感じになってるの?

 

 いや、これはあれね。ボッチ仲間だと思ってたのに、裏切られた感じがしてモヤモヤしてるのね。うん。間違いないわ。

 

 

 

 

 




 奉仕部登場! それを見てモヤモヤするにこっち!
 この先どう絡めていこうか。
 次回もお楽しみに

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