夢から始まる君とのLIFE   作:U.G.N

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 今回は短めです

 どうぞ



悶えるときは回りを確認してから

 うおおおおぉぉぉ!!!!

 

 恥ずかしすぎる! バカじゃないの? バカじゃないの? バーカバーカ!! 私のバーカ!!

 

 文化祭も終わり、私は家に着いた途端冷静さを取り戻した。

 

 そして、すぐにそれを失っていた。

 

 何が『花陽じゃなくてにこ推しになるなら、最前列の特等席を用意してあげてもいいわよ? にこっ♪』よ! あのときの私はどうかしてた! これからどうやってあいつと顔を会わせればいいのよ!

 

 ハートのクッションを抱きながらゴロゴロと悶えていると、勢いがつきすぎて壁に衝突してしまう。

 

 でも、今の恥ずかしさに比べたら、この程度の痛み屁でもないわ。

 

「……死にたい」

 

 カーペットの上でうつ伏せになりながら呟くと、そーっと引き戸が開かれる。

 

「どうしました? お姉様……」

 

 そちらを見てみると、こころが引き戸の隙間から若干引き気味に私を覗いていた。

 

「悪いけど今は放っておいて。今お姉ちゃんハートブレイク中だから……」

 

「……そうですか」

 

 こころはそれだけ言い残すと、スーッと引き戸を閉めてリビングの方へ向かっていった。

 

「…………いや、別にいいけどね? でも、ちょっとくらい話を聞いてくれてもいいじゃん……」

 

 私のそんな呟きは誰にも届くことなく、虚しく消えていった。

 

 

 ーーー  

 

 ーー

 

 ー

 

 

 あれからどうなったのか、簡単に説明しよう。

 

 結局私はどういう経緯(いきさつ)でああいったことになったのか、それを聞くことはせず、しばらくの間比企谷の隣に座って2人してボーッとしていた。

 

 その後突然比企谷が立ち上がり、講堂へ行くと言った。比企谷は一応文実のため、まだいろいろとやることがあったらしい。

 

 一緒に講堂へ行くと、ステージの上では昼に少しだけ会話をした茶髪の子とさらに比企谷の言うもう1人の部活仲間の子が中心となったミニライブのようなものがちょうど終わったところだった。

 

 比企谷とはそこで別れ私は希たちを探すことにした。

 希たちはすぐに見つかったのだが、流石にこの後真姫ちゃんと比企谷を会わせるのはどうかと思ったので、適当な理由をつけて今日会うことは取り止めにした。

 

 真姫ちゃんは最初納得いっていなかったみたいだが、何故か希が真姫ちゃんを止めてくれて、比企谷とはまた別の日に会うこととなった。

 

 その後一応比企谷に今日はもう帰るということをメールで伝え、私たちは帰路についた。

 

 そして……

 今に至る。

 

 

「はぁ~、やばい、恥ずい。あー、でも真姫ちゃんにまた別の日に会うって約束しちゃったしなぁ。いや、でも今日は無理。また明日メールで比企谷と日にちを決めよう。うん、それがいい。また明日から頑張ろう」

 

 そんなダメ人間の台詞を吐きながらクッションに顔を(うず)めていると、突然スマホが鳴り始める。

 

 私は顔を埋めたまま感覚でスマホを操作し、そのまま耳に当てる。

 

「もしもし?」

 

『…………俺だけど』

 

 電話口から聞こえてきたまさかの声に思わず飛び起き、改めてスマホの画面を見る。

 

 ″比企谷八幡″

 

 出たー! いやいやいや、今最も話したくない人間なんですけどぉー! どうすればいいの? どうすればいいの!?

 

「えっと、何?」

 

『あー、いや、そのなんだ。そうだ、西木野真姫と会うのはいつか決まったのか?』

 

「は? そんなのあんたとじゃないと決めようがないでしょ」

 

『……まぁ、そうだな』

 

「ええ、そうよ」

 

『…………』

 

「…………?」

 

 んん? 何だこいつ? これは何の電話だ?

 

「それを聞くために電話したの?」

 

『いや、そうじゃないけど。あーえっと、そっちさえよければ明日でも俺がそっちに行くけど? まぁ、当然放課後になるんだけど』

 

「は? あんたが来るの? しかも明日? どうしたの急に?」

 

『いや、別にいいならいいんだけどよ』

 

 よくわからないけど、確かに会うのに休日である必要はない。それに向こうから来てくれるというのなら好都合でもある。

 

『あー、でもお前たちは練習とかあるのか。それに明日は予備予選の結果発表だしな。やっぱりまた別の日にするか』

 

 あれ? そういえば明日って確かママが……

 

「いや、待ちなさい。できれば明日来てほしいわ。でも、真姫ちゃんと会うのは別の日」

 

『あ? どういうこと?』

 

「私のお願い聞いてくれない?」

 

 

 

 

 

 

「ーーーということなの。お願いできる?」

 

『……いや、別に年下は苦手じゃねーから構わないけどよ。お前はそれでいいのか?』

 

 …………。

 

「……何が?」

 

『…………いや、お前がいいならそれでいいよ。ただ、お節介だとは思うが1つだけ言っておきたい。……俺はμ's(・・)のファンだから』

 

「……そうね、わかってるわ」

 

『ならいい。じゃあ明日食材を買って行く。着いたらメールするから駅まで迎えに来てくれ』

 

「ええ、感謝するわ。食材費はそのとき渡すから」

 

『はいよ』

 

 まさかあいつがこんなお願いを聞いてくれるとは思わなかった。

 それにしてもやけにアッサリと引き受けてくれたわね……。

 

 …………………………ああ、そういうことか。

 

『んじゃ、明日』

 

「ええ。あ、それとさ比企谷」

 

『……? なに?』

 

「今日のお礼とか考える必要はないわよ。別に私は思ったことをあんたに言っただけなんだから」

 

『……ッ! な、なんのことだよ』

 

「さぁ? 何となく言ってみただけよ」

 

『くっ、もう切るぞ!』

 

「ええ。明日はよろしく」

 

『………………………………くそっ』

 

 電話が切れる間際、遠くからそんな声が聞こえた。

 

 ふっ、素直じゃないわね。

 まさか、あいつからお礼の電話が来るなんて思いもよらなかったけど。

 

 明日、予備予選の結果発表か。

 4位以内。入れてるといいなぁ。

 

 

 




 次回、やって参りました。
 アニメであった、にこにー回です。
 あの回に八幡が乱入します。

 お楽しみに

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